2022年7月29日金曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 アヤシモン 2/2



2 平成初期を舞台にしたヤクザの抗争という設定の扱いが難しかった


反社会組織の争いがテーマのひとつになっていますが、これがそもそも問題だったと考えています。例えばニセコイもラブコメとしてはヒットしましたが、主人公の楽がヤクザの息子であることは連載当初から批判されていましたよね。アングラ系の雑誌や青年誌ならともかく、少年誌でヤクザの抗争は正直求められていないと思います。少年達に悪影響がある、というのもありますが、そもそも身近なテーマではないんですよね。裏社会的なネタを扱うのであれば、せめて学園を舞台にしたヤンキー漫画などにするべきだったのではないでしょうか。

また、時代設定についてはほとんど活かせておらず、読者としても忘れていたというのが正直なところです。キャバクラに潜入する展開の途中でポケベルが登場し「そういえば平成初期の設定だったな」と思い出せる程度でした。現代からずらした時代設定にするのであればそれを活かした展開を作り、また要所要所で描写を挟んだほうが良かったでしょう。


少年誌では扱いが難しいネタだったとは思いますが、上手く使えれば他の作品と被らない武器にもなったはずなので残念なところです。いっそ特殊な設定はどちらかに絞れば化けたかもしれませんね。



3 特に終盤の展開が雑だった


本誌の感想記事でも少し触れましたが、最終決戦がラスボスである独歩のコピーというのは正直拍子抜けすぎました。能力までコピーしているから締めくくりとしてちょうど良い、という考えだったのかもしれませんが、本人と変わらない強さを持っているのなら尚更独歩と戦うべきだったと思います。結局ラストシーンで独歩本人と対面していますしね。連載終了が決まっていてじっくり描く時間はなかったのなら、修行シーンなどを短縮して独歩本人との対決を見せるべきだったのではないでしょうか。

また、それ以外にも気になる部分がありました。今回の記事でも先述しましたが、橋姫を含めてキャラの使い捨てが多いんですよね。ホストクラブを乗っ取った河童の女性達や警察組織である陰陽寮など、デザインが魅力的なキャラが多いのに、はっきり言ってほとんど掘り下げられないまま退場してしまいました。人気が落ちていたと考えられる後半になってから登場した河童達は活躍がなくても仕方ないかもしれませんが、序盤で描かれていた陰陽師(警察官)達はウララ達の対立組織でもありますし、もっと目立たせたほうが盛り上がったと思います。反社会組織の争いばかりだった展開にメリハリも生まれますしね。


正直終盤の展開は、連載終了が決まってやる気がなくなったのでは?と勘ぐってしまうほど雑でした。

連載終了がショックだったのだとしても、物語を綺麗に締めくくる努力が必要だったと思います。


終盤になってからのマルオの変化や高い画力など、光る部分もあったので短期連載で終わったのは残念でした。

少年誌に向かないネタは控えて、登場人物達の魅力をしっかり描ければ人気作になったかもしれません。元々地獄楽というヒット作を生み出した先生ですし、地力はあるはずなんですよね。問題点を改善した次回作に期待させていただきます。



りは「特にキャラの使い捨ては読者として見ていて辛かったですー。

   今度はキャラを大事にした王道の要素のある漫画を読んでみたいです」


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短期連載(打ち切り)作品解説 アヤシモン 1/2



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 短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2022年26号にて最終回を迎えたアヤシモン(全25話)について書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。

それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。


1 主要人物達の魅力が伝わりにくかった


主人公のマルオ、ヒロインのウララ共に、内面の魅力やキャラクター像が分かりにくかったというのが正直な感想です。

まずマルオについては「父親から虐待を受けて育ち、唯一の心の支えが週刊少年ジャンプだったことからヒーロー達に憧れている」という設定自体は理解出来るのですが、動機が「強くなりたい」だけだと印象に残りにくいんですよね。恐らくバトル要素のある漫画の主人公はほぼ全員、同じように考えているからでしょう。たいまん時に嬉しそうに笑う様子も、動機が薄いせいか魅力的には思えませんでした。

境遇の似ている主人公としてよく名前の挙がるチェンソーマンのデンジも、きっかけとなった願いは「腹いっぱい食べて幸せに暮らしたい」という小さく、言ってしまえば平凡なものでしたが、その後「女と付き合いたい」のように良い意味で俗っぽい欲が出てきたのが魅力に繋がっていたんですよね。むしろ非常に過酷な環境で育って来たのですからそれくらい望んでも良いのでは、と感じられる主人公でした。マルオは女性にそこまでの興味はなさそうでしたが、強くなりたいにプラスしたもっと別の願いがあっても良かったはずです。

そして、初期は強さだけを求める怪力の少年という設定だったにも関わらず、敵に対して強さを発揮するシーンが少なかったのも問題だと思います。中盤くらいまでは苦戦なしでバタバタ妖怪を倒して行くくらいでちょうど良かったのではないでしょうか。

また、ウララについても設定を活かしきれていなかったように思います。「組長である鬼王の実の娘で、父の死の真相を明かして組を立て直したいと考えている」という設定は面白くなりそうなのですが、妖怪モードになった際もそこまでの強さを感じられず、正直拍子抜けだったんですよね。組長の娘なのならば、リスクはあるけれど妖怪になれば無双状態、くらいの描写が欲しかったところです。裏社会に属しており主人公を引っ張っていくタイプのヒロインなのですから、強さは余計に大切でしょう。


また、平均以上の強さがあり一途にウララを守り続けていた橋姫が、序盤で消滅してしまったのも痛かったと思います。冷静で鬼王のこともよく知っている彼女がマルオ達に同行すればバランスもとれそうですし、それぞれの良さも描きやすかったでしょう。キャラデザも含めて魅力的だった彼女がいなくなった弊害は大きかった気がします。

メインの物語を進めていくキャラに感情移入出来ないのは残念なところです。逆に展開が平凡でも、キャラが魅力的ならどんどん読めてしまいますからね。


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2022年7月28日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年34号感想 2/2



すごいスマホ


Qと藻浦の協力し合っての逃走劇が面白かったです。スポーツ経験ほぼなしだけれど頭の切れるQと、頭を使うのは苦手だけれど空手の達人の藻浦というのは王道の組み合わせですね。Qとすマホを守りながら闘う藻浦のシーンも良かったです。

ただ、初対面の相手の指示を聞いて命がけで闘えるという藻浦の人柄の良さを、事前に描写しておいたほうが良かったと思います。そして、やはり万引きと空き巣の設定は不要だったのではないでしょうか。すマホの力に目が眩んでパチンコで荒稼ぎしたけれど間抜けなだけで善人である、というように描いたほうが藻浦は好感の持てるキャラになったはずです。

また、やはりQのすマホの使い方が上手いですね。突然648件の緊急速報が鳴ったら相手はひとたまりもないでしょう。そして、ラストで伊村の協力者達がすマホについて察し始めているのも気になるところです。今後すマホの持ち主になるか、あるいはその力に気付いてQ達からすマホを奪おうとするかもしれませんね。そして、すマホの存在を悟られたことで藻浦に何かペナルティがありそうなのもハラハラしますね。


全体的には楽しく読めましたが、急に善人だということが強調された藻浦には正直戸惑いました。また、逃亡劇自体はQ達の勝ちで良いでしょうが、少し不穏な空気も漂うラストでしたね。藻浦の行く末を含めて今後の展開に注目したいです。



PPPPPP


運の言う通り、音上家はやはりフリーダムですね。ソファーの上がほぼカオスと化していますw

中でも、ラッキーに「本当に久しぶり」と声をかけるソラチカが印象的でした。ラッキーが生まれ変わったことを悟っているんでしょうね。また、ソラチカについてはレイジロウの「音で何でも分かる」というモノローグもとても気になりました。

ファンタと古須の接触も印象的でした。今後、本編やファンタの演奏シーンに絡んで来ることになりそうです。

そして、今週は何と言ってもレイジロウの演奏ですね! 彩刃について「手を抜いてるわけじゃないのに負けたがってる」と察している場面や、謝罪と友情を込めた本気の演奏で応える展開に静かな熱さを感じました。大剣で彩刃の音の余韻を断ち切って行く表現も上手いですね。これこそが彩刃の望みなんだと思います。


動き始めたファンタとソラチカ、そして本気で演奏するレイジロウを見られて満足感のある回でした。次週の決着と、以降の対戦にも期待しています。



鳩原先輩は遺影が欲しい(読み切り)


鳩原はもちろんですが、主人公もとても魅力的でした。特に「ささやかな願いを無下にする理由も無かった」という台詞が良いですね。

また、マイペースに遺影を求めているだけに見えた鳩原が、実は悲劇的な最期を迎えていた、と徐々に明かされていく構成も上手かったです。実際に撮れた遺影もとても綺麗ですね。77年も若い子達の話を聞いていたら未練が増えまくった、というオチも笑えましたw


絵柄も可愛くキャラ達に好感も持てる、クオリティの高い読み切りでした。連載にもしやすそうですし、是非また読んでみたいです。



地球の子


三人で仲良く日常を送る佐和田家に和みました。令助とかれりの仲の良さは変わりませんが、成長した衛がツッコミ役なのが新鮮で面白いですw

そして、家族全員で任務に取り組むシーンは熱いですね。衛のスーツ姿も似合っています。また、ようやくハリケーンを消せたのに更なるピンチに襲われ、地球少女が再登場するというラストにも惹きこまれました。


ただ、地球少女がハリケーンを引き起こしている、というような表現は正直引っかかりました。

恐らく令助と戦うためなのだとは思います。ですが、少なくともこれまでは自分の危機を救うために地球の子を生み出していたのですから、自身の存続を第一に考えていたはずですよね。なのに、地球を破壊しかねない前代未聞のハリケーンを自ら生み出す、という行動には正直矛盾を感じます。ただ、これは次週以降で説明があるかもしれないのでそれを読んで判断したいと思います。

そして、地球少女を見た運転手がすぐに「神様?」と反応していた点も気になりました。描かれているままの格好に見えているなら、彼女を神だと判断するのは正直無理があると思います。「誰だ? 何でこんな場所に……?」くらいの台詞でちょうど良かったのではないでしょうか。


ラストはとても印象的でしたが、やはり気になる部分もあったというのが正直なところです。そして少し猶予はありそうですが、終わりが近付いている気もしますね。今週の衛がとても良いキャラだったので、もっと早くに成長が見たかったと改めて感じました。とにかく、地球少女との対決も含めて今後を見守らせていただきます。



ドロンドロロン


上士侍達のバトルが盛りだくさんでしたね。冒頭のナオトラとルイのタッグも良かったです。会話内容からして二人は元々友人関係だったようですね。濡れた髪のナオトラをまた見られたのも嬉しかったですw

そして、久しぶりのギンチヨ登場にとても惹きこまれました! ユウジンとの関係も明らかになりましたね。「平和主義の彼のために必ず出世する」という理由は、少し意外でしたがとても説得力がありました。

水玉ワンピースのモノノケも動き出しましたね。運を操る能力を持っている、といったところでしょうか。攻略も難しそうなのでなかなかの強敵になりそうです。彼女や骸骨と対峙するサコンタとハジメも印象的でした。ナミシロウの遺志を継ぎ、しっかりハジメを止めるサコンタが特に良かったです。


ただ、どのバトルも王道かつ盛り上がるシーンが用意されており読み応えがありましたが、駆け足感は正直否めませんね。この任務を描いたら連載は終了するのかなと思ってしまう部分もありました。

ですが、最後まで上士侍、そしてドラ達を応援したいと思います。ルイの能力なども見られれば嬉しいです。




りは「連載終了が近いのだとしても、

   キャラ達の魅力をちゃんと描写しているのが好印象で

   気持ち良く読める作品です」


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週刊少年ジャンプ2022年34号感想 1/2



カタストロフ・クライシス(読み切り)


スタートダッシュ漫画賞入選作ということでページ数は短いですが、その中で主人公の富士の嫌らしい性格をしっかり表現していたと思います。何故か学生設定なのも面白いですねw登場は一瞬だけでしたがマントル先生のキャラも良かったです。続きがあるなら、高慢な富士が先生の指導で変化して行く様子などが見られるのかなと期待が高まりました。

また、コマ割りが上手く、富士山噴火のシーンは迫力と緊張感がありました。マントル先生を怒らせたら更に大変なことになりそうですね。


ただ、具体的に既存作品が浮かぶというわけではないのですが「山の擬人化で、怒ると実際の山が噴火する」という設定には正直そこまで目新しさを感じませんでした。擬人化は定番のネタですし、どこかで誰かが挑戦しているだろうなという印象です。

初の入選作ということですし、プラスアルファでもっと斬新な設定があれば更に面白くなると思います。成長した泉谷先生の作品をまた読んでみたいです。



ルリドラゴン


冒頭の衣替えについての会話、何気ないシーンですが良いですね。ルリはもちろんですが、ユカのベスト姿も可愛くて似合っていると思います。

そして、ルリのツノを触ってみたくなりましたw鉄のようで冷たい、というのは今の時期には心地良さそうですね。また、ルリの「苦手が先行するけれど人付き合い自体は上手い」という性格も、ありそうでなかった設定で面白いです。

また、基本的には和やかに過ごすルリですが、前田のようなクラスメートがいるのもリアルですね。ちょっと失礼な反応の気もしますが女子高生らしいとも感じました。「火吐いたし仕方ないよ」とサラッと言えるルリは良い意味でマイペースですね。そして「床」がユカの本名ではなく、あくまでライン上での名前だったことにちょっと安心しましたwネタとしては面白いのでルリはセンスがありますねw

ラストの放電の描写も面白かったです。静電気が起きる、くらいなら事件にはならないでしょうが、もっと電力が強まったりすると大変かもしれませんね。


本編はとても楽しく読めましたが、次週また休載のようで眞藤先生の体調が心配になりました。今人気も出て来ているところですから、余計に身体を大切にして欲しいです。もし週刊連載が難しいなら本誌で読めなくなるのは寂しいですが、ジャンプ+やスクエアなどに移籍しても良いのでは、と思います。とにかく、お身体を第一にして欲しいです。



あかね噺


あかねがあえてサラッと聞ける話し方を選んだのは驚きましたが、とても説得力のある展開でした。個人的にも作業用BGMは好きなので、話者に注目しなくてもゆるく楽しく聞ける噺というのはとても魅力的に感じます。疲れているときにさりげなく飲み物を差し入れてくれる異性にはやっぱりキュンとしますしねw居酒屋での経験を活かしたあかねの成長が今回も実感出来ました。

からしとひかるのあかねに対する反応も、それぞれ個性があって良かったです。特にひかるが印象的でした。負ける気は当然ないのでしょうが「予選に比べると大人しいけど、あかねが勝負を投げて手を抜くわけがない」というモノローグに彼女を認める気持ちが表れていますね。やっぱりひかるは良いライバルになりそうです。

また、あかねの噺がのんびり聞けるだけで終わるはずはないので、どのように盛り上げて行くのかにも注目したいですね。特に、寿限無の名前を読み上げて行く中盤の山場と、そしてオチをどう描くのかに期待しています。


予想外の展開もあり、あかねの噺に更に興味が湧く回でした。ここからの盛り上がりと、一生の評価を楽しみに次週を待ちたいと思います。



ALIENS AREA


バトルシーンもなくのんびりした回でしたが、敵意のない異星人が登場するなど新鮮な部分もありましたね。出来る限り辰巳を見守り、またピンチのときはこっそり助けてくれる先輩達も良かったです。日陰でアイスを食べる夢子が特に魅力的でしたw

写楽の活躍は控えめでしたが、その分ようやく辰巳の掘り下げが見られた気がします。派手なアクションはありませんでしたが、彼の人柄の良さや根性がよく表れていたと思います。そもそもバトル回ではないので、辰巳が戦わないことにイライラする必要もありませんでしたしね。

ただ、未知の生き物を勝手に飼育していた異星人達が軽い注意で済んでいたことには違和感がありました。SF要素があるので現実とは違うのかもしれませんが、正直「これってかなりの重罪だよね?」という疑問が浮かんでしまいます。

また、田んぼで作業する辰巳が何故かスーツ姿のままなのも正直おかしいし危険だと感じました。たとえば、似合わない麦わら帽子とダサい作業服を写楽に渡されて文句を言いながら捜索する、など、軽い描写を挟むだけでも納得の行く展開に出来たはずです。そして、やはり絵が荒れているようにも見えました。


辰巳の「日常(家族)を守りたい」という信条とも一致しますし、戦闘にこだわらずのんびりとした任務を中心に描くのもありかもしれませんが、正直引っかかる部分も多かったです。また、やはりバトルでの活躍も描いて欲しいです。ただ、イニシエーションは今回で無事に終了したようですし、これからの展開に期待させていただきます。




りは「個人的にはのんびり回も好きなのですが、

   キャラの個性が読者に定着していない今の段階で

   描くべきではなかったかもしれませんねー」


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2022年7月22日金曜日

週刊少年ジャンプ2022年33号感想 2/2



サダオがいる部屋(読み切り)


幽霊である主人公サダオと、彼の憑りつく部屋で暮らし始めたカナコの妙にほのぼのしたやりとりが微笑ましいですねw絵も特に女子が可愛くて好みでした。性別を逆転させた「ゆらぎ荘の幽奈さん」っぽさもちょっと感じましたが、ラブコメというよりは家族のような関係が主体なので上手く差別化が出来ているのかなと思います。


ページ数が少ない中、主人公とヒロインだけに絞って楽しい会話劇を描けていたと思います。

ギャグとしてもほのぼのとしたコメディとしても面白くなりそうなので、連載でも読んでみたいです。



地球の子


遂に佐和田家の家族写真が撮れた、というシーンが感動的でした。衛が喋ったことに驚くあまり、変顔気味になってしまった令助とかれりも良いですねw

その後、佐和田家三人で一丸となって地球の子の任務に取り組んで行くという展開は少し意外でしたが、とても説得力がありました。令助がいたほうが逆に三人の危険性が減るということですね。

また、衛が六歳になった時点では三人とも平和に暮らしているようですね。ちょっと驚きましたが、以前描かれた衛と真路美の会話シーンは「使命の日」以降のものなのかもしれませんね。ラストページの成長後の衛もかっこ良いです。

そして「使命の日はもう決めている」という描写もとても気になりました。地球少女はやはり今後も絡んで来るようですね。


ただ、地球を完全な黒幕のように扱っている点は引っかかりました。

もちろん「地球の子」を生み出す行為は人間からすれば非道なのですが、少なくともこれまでは地球の存続のために必要なことだったわけですよね。その事情に触れず、また「地球の子」を終わらせる見当もついていない段階で完全に敵だと明言してしまうのは正直気になりました。

また、全体的に絵が荒れていたように思います。特に衛を見送るシーンは、はっきり言って目が怖かったです。


上記の通り引っかかる部分はいくつかあるのですが、展開的にもう少し続きが読めそうな可能性も出て来たように思えて正直驚きましたwいずれにせよ、佐和田家の使命の結末をしっかり見届けたいです。



TEN(読み切り)


時間を長く感じられる能力は結構便利そうですねw女王の頭上に壷があったという真相も面白いですし、彼女が盗んでこっそり隠していたわけではなく単なる不注意で気付いておらず、しっかりと主人公(レイジ)に謝罪する姿も好印象でした。オチで結局拷問されそうになるレイジは可愛そうですが、これは仕方ないのかなとも感じます。


画力は正直そこまで高くない気がするのですが、その中でレイジ、天使(天おじ)、女王の描き分けが出来ている点は強みだと思います。

今回の読み切りはいわゆる一発ネタですが、天おじが様々な人物に微妙な能力を授けて行くオムニバスなども描けそうですね。ツボなギャグが多かったので、また読んでみたいです。



ドロンドロロン


内通者の正体が明かされましたね! ある程度予想していた人物でしたが、ドラ、クサナギとのバトルシーンは熱かったです。諸岡に任せておけば命の危険もなさそうですね。

ただ、アヤカシに操られていたという結論なのは正直拍子抜けでした。同情出来る理由があっても良いので、本人の意思でアヤカシ側についていた、という展開のほうが盛り上がった気がします。また、憑りついていたアヤカシを倒して正気に戻す、という展開は王道ですし好きなのですが、ここもあっさり終わりすぎだと感じました。他の隊のバトルを削ってでもここをしっかり描いたほうが良かったと思います。

最後に登場した伍怪将との戦いは楽しみです。特に水玉のワンピースを着たアヤカシが気になって仕方ありませんwどちらかというと人間に近い容姿ですし、はっきり言って全く戦闘力があるように見えないのに強キャラの軍団に入っている、というのは興味深い設定です。デザインが良いとは正直思えないのですが、逆に内面やバトルシーンが魅力的だったらとても面白いキャラになりそうです。

ただ、伍怪将の見た目にオーソドックスなかっこ良さが正直ほとんど感じられなかったのは残念です。絵が荒れていて見づらいこともあり、正直雑なデザインに見えてしまいました。


最後の伍怪将との対面シーンなど光る部分も見られましたが、それ以上に引っかかる部分が多かったというのが正直なところです。戦いの行方と、伍怪将達のキャラクターでの巻き返しに期待したいです。




りは「正直掲載順的にも厳しそうですが、

   熱い総力戦を描いて盛り上げて欲しいです!




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週刊少年ジャンプ2022年33号感想 1/2



ハルカゼマウンド(読み切り)


王道の青春野球ストーリーで読後感も爽やかでした。短い中でのキャラ立ても上手いですね。明るい熱血漢の凪春、冷静沈着だけれど今も兄の凪春を慕っている秋風、指導力と悪知恵が冴え渡る横木コーチなど、いずれも魅力的でした。

野球にはあまり詳しくないのですが、サブマリン投法の際の波が立つ演出も綺麗ですね。凪春の「弟が困ってる」という台詞も熱かったです。本来の持ち味を取り戻した凪春を見て、満面の笑みを浮かべる秋風のシーンも良かったです。


連載を経験された先生のコンビということもあり、全体的にクオリティの高い読み切り作品でした。王道ながらキャラや主人公の武器である投法に独自性のあるところが強みですね。

正直野球漫画は長続きしない傾向にありますが、是非応援したいと感じました。連載としても読んでみたいです。



あかね噺


センターカラー、私服のキャラ達も良いですね。休日の息抜き中、という感じですしみんなよく似合っています。

一生のひかるへの評価は肯定寄りでしたね。ひとりになったときに落ち込み、また「自分自身の表現」を褒められたことに喜ぶひかるが可愛かったですw

また、からしの「観客は自分とひかるで満足してしまっているから、この後の出演者の優勝はない」という言葉は、厳しいですが正しい面もあるのだろうなと感じました。要するに受けづらい空気になってしまっているということですよね。

ですが、あかねの噺に対する心配はありません。すっきりとした表情は強がりではなさそうですし、何よりも「一生のことは許せないけれど、落語家として彼を認められないのはダサい」と言える彼女なら力を出し切れるでしょう。こぐま兄さんの妹弟子、という台詞も良いですね。


ひかるへの評価も納得出来るものでしたし、あかねの出番への期待が更に高まりました。次週はいよいよ新しい寿限無を見られそうなので、楽しみにしています。



ALIENS AREA


兵装を並行使用する写楽がかっこ良いですねー。特にスペースウォークのシーンが印象的で、演出も綺麗でした。

また、パイウンを守りながら物質を使う辰巳も良かったです。結局ニノ太刀にはあまり苦戦しなかった、という印象ですね。

そして、写楽と辰巳は解明されていない部分も多い暗黒細胞の持ち主であり、物質が暴走した場合何が起きるか分からない、という設定も緊張感がありました。暗黒物質をコントロールしながら戦う、というのが今後の課題になるかもしれませんね。最後の缶コーヒーのやりとりも、ベタですが綺麗な締めでした。


ただ少し気になったのは、肝心の写楽のバトルの絵が荒れているように見えたことです。特にランダムアクセスのシーンは、正直何をしているのかよく分かりませんでした。週刊連載が大変なのかと思いますが、せっかく画力の高い先生なのにもったいなく感じてしまいます。

そして、結局今回の任務で辰巳が本格的に戦うことがなかったのも残念でした。パイウンを守るために物質を使ったのも一瞬でしたし、これはバトルシーンとしては正直弱すぎるでしょう。写楽との連携がなかったのも残念です。


面白くなりそうな設定や印象的なシーンがあり飽きずに読めましたが、やはり独自の武器や辰巳の存在感が見られなかったことが気になりました。長期連載のためにも、改善に期待させていただきます。



PPPPPP


倫が彩刃だとはっきり明かされましたね! 声や顔が分からなくても正体を察しているレイジロウが印象的でした。やはり彼の中には、今も彩刃への友情が残っているのでしょうね。

彩刃の行為は当然許されるものではありませんが、それでも回想で描かれた屈辱や嫉妬は理解出来る部分も多かったです。今日でピアニストをやめる、という決意が切ないですね。贖罪と愛と怒りを込めた、ぶちのめしてくれと願いながらの演奏は悲しいほど美しいのだろうなと感じました。

そして、第一回戦で彩刃が勝利することはほぼないだろうと予想しているのですが、レイジロウが演奏で彩刃を救うことになるのではと考えています。巨人で彩刃を包み込み、許しを伝える展開などがありえそうです。彩刃の決意は固いようですし完全な和解は難しいでしょうが、少しでもふたりが会話出来ると良いですね。


倫の正体や演奏が描かれ、とてもワクワクする回でした。

まずは一回戦の決着と、レイジロウの演奏を楽しみにさせていただきます。



すごいスマホ


遂に伊村も具体的な行動をとりはじめましたね。集めたメンバー達のスマホや服のタグを外して特定を避けるなど、やはり有能そうです。全一郎はもちろんですが、伊村も敵としてはかなり厄介ですね。

また、藻浦のあまりの不注意さに戸惑うQなど、遂に対峙したふたりのやりとりも新鮮でした。藻浦のすマホ、まほ姉ちゃんも気になりますね。ノリの軽いお姉さんっぽいキャラですw情報の保護が働いてQの写真が撮れないなど、今までの設定を活かした展開も面白かったです。

そして終盤、藻浦にあえて真実を突き付けることで逃亡に誘うQの選択は正解だったと思います。ただ、金品は盗んでも無闇に人を傷付けたりはしていない、という言葉は正直無理があるかなと感じました。パチンコ店での違法な荒稼ぎや空き巣は直接人に危害を加える行為ではありませんが、間接的には傷付けていますよね。この台詞を言わせるなら、やはり藻浦の罪はもっと軽くしたほうが良かったと思います。


Qと藻浦がどうなるのか、そして全一郎と伊村がふたりと対面することはあるのか、など、緊張感が高まる回でしたが、藻浦に魅力を感じられず正直引っかかる部分もありました。Qが初めて味方に引き入れるかもしれないキャラなのに、知力も性格の良さも描写しないのは悪手だと思います。説得力のあるキャラクター作りを心がけて欲しいです。



りは「藻浦がフォローされればされるほど正直違和感があります。

   憎めないキャラ、というのをしっかり描写したほうが良かったかもしれませんねー」


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2022年7月14日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年32号感想 3/3



地球の子


どれだけ辛い映像を観せられても立ち上がる令助がかっこ良いですね。骸骨になっても自力で肉体に戻る、死の待合室の床に穴をあけてかれりの元へ行くなど、神海先生らしい演出も見られて良かったです。手を重ねた令助とかれりが念動力を放つシーンも感動的でした。


ただ、ここ何週かは基本的に楽しく読ませていただいていますが、やはり衛の存在感が薄いことは引っかかります。コマ割りなどを調整して、もう少しISS内の描写を挟んで欲しかったです。

そして、地球少女の「令助が生きてさえいれば念動力を増幅させられると判明したら、人々は君(令助)を生きたまま引き裂いて奪い合う」という台詞は非常に気になりました。引き裂いて臓器を取り出されて生きている人間はいないでしょう。内臓が機能していれば、ということなのかもしれませんが「利益ばかりを追求する人々によって令助が殺害された」と知った場合、むしろかれりも衛も絶望して念動力が弱まりそうです。実際前回、片桐がモノローグで「最愛の伴侶を失い念動力が弱まっている」と語っていましたしね。令助の死を伏せたままかれり達を利用し続ける、ということなのかもしれませんが、いずれにせよ正直説明不足だと思います。


ですが違和感のある部分は多かったものの、令助の復活も描かれ全体的には盛り沢山の回でした。また、令助は無事に生還しましたしダストトレイルも退けられたようなので、六年後の真路美と衛の会話が何を意味していたのかも気になるところです。家族で平和に暮らしていればあの内容にはならないでしょうし、もしかして地球少女が語っていたものに近い未来が訪れてしまったのかもと少し怖くなりました。

ただ、掲載順と内容的にやはり終了が近そうですね。六年後の佐和田家についてきちんと描写すればまとめることは出来そうなので、そこも含めて期待しています。



ドロンドロロン


正直予想はしていましたが、ナミシロウの死亡は悲しかったです。しかも北畠隊が全滅とは、更に胸が痛みますね。その上ラストで結界が斬られ防人搭も壊されるという、緊迫感のある展開が続きました。


ただ、ほとんどバトルシーンもないままナミシロウを退場させたのは正直悪手なのではと思います。連載終了が近いのだとしても、数ページで良いので具体的な戦い方を見たかったところです。死亡シーンでハンゾウが目を閉じさせるコマなどは、切なさもあり好きなんですけどね。


そして、内通者の正体もまだ予想出来ません。北畠隊の慰霊碑に語りかける上士侍達の台詞に怪しいところはないですよね。ちなみに塚原のことも正直少し疑っていたのですが、今回はっきりとモノローグが描かれたので可能性は低くなったかなと思っています。小早川の可能性が今のところ高いかなとは予想しているのですが、これも確信ではありません。


また、ドロンドロロンについては今後も続くのか、今回の作戦終了と同時に連載も終わるのかもまだ読めません。個人的には上士侍達のキャラも気になりますし、もっと色々と描いて欲しいです。

ただ、結論の出ないことを考えても仕方ないので、今はとにかく次週以降のアヤカシとの戦いを見守りたいです。



りは「掲載順への不安はありますが、今は楽しく、そして緊張感を持って
連載を見守りたいです」



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週刊少年ジャンプ2022年32号感想 2/3



すごいスマホ


藻浦はもちろんですが、伊村のことも少し描かれましたね。全一郎に心酔しきっているようで、気味の悪さも感じますが優秀そうですし印象的なキャラでした。Qが全一郎の元に行っても行かなくても、今後何かと本筋に絡んで来ることになりそうです。

また、藻浦については大分掘り下げられましたね。意図的に道化を演じているようにも見えて哀れさを感じました。両親からほとんど関心を向けられていないようなので、もしかして何らかの理由でほとんど放置状態なのかもしれませんね。犯罪に手を染めてまで金をばら撒いて人を集めているのは、愛情に飢えているからなのかなと予想しています。


ですが、すマホを違法行為に活用していることは一切擁護出来ません。そして、情状酌量の余地のあるキャラとして描くには悪行を重ねすぎだと感じました。まだ高校生なのですから、パチンコやスロットで稼いでいるという一点だけに絞ったほうが納得出来たと思います。飲酒と窓を破っての複数回の空き巣まで加えるのはやりすぎでしょう。また、こちらはすマホ入手前から繰り返していたようですが、万引きも当然許されない行為です。同情する余地はあるのでしょうが、正直読者としては不快感のほうが勝ってしまいます。

最後の展開は面白かったです。Qがすマホを手にしたことで浮かれて全一郎の真の意図に気付かなかったというのは判断ミスではありますが、高校生だということを考えれば仕方ないのかなとも感じます。「藻浦が殺されれば全一郎に大量のポイントが入り、瀬尾水の信頼も得られなくなる」というのは緊迫感がありますね。藻浦を知ってしまった、というモノローグも印象的です。事前に藻浦を調査していたQは彼の家庭の事情についても情報を得ていて、やはりこれ以上道を踏み外させたくないと考えているのかもしれませんね。だとすれば、とても主人公らしい考え方です。


追い詰められたQと藻浦に注目したくなる気になる引きでしたが、藻浦への不快感が引っかかってしまいました。全一郎以外のすマホ持ちにも説得力のある描写が欲しいところです。



PPPPPP


ついにピアノバトルが開幕しましたね! ラッキーの「兄弟喧嘩なんて初めて」という台詞も印象的です。確かに今回のバトルはピアノで戦う兄弟喧嘩とも言えますね。


また、ファンタのマネージャーがしょっちゅう代わることに対する「ファンタは色々自分で出来るからね」という、ソラチカの反応も気になりました。ファンタはその前にも「オレは今日も格好良い」と言い聞かせている様子だったので、やはり彼は虚勢を張っていて、根本の部分は母を心配していた幼少期と同じなのかなと感じました。


バトル本番はまだ始まっていませんが、参加者の登場シーンだけでも十分面白かったです。特にソラチカの「神様」という紹介がとても印象的で、演奏への期待が更に高まりました。ちなみにこれはあまり関係ないですが、運の師匠の名前にインパクトがありすぎてちょっと笑いましたw

そして、第一回戦はレイジロウVS倫に決まりましたね! 対戦カードからしてもやはり倫は彩刃なのかなと思いますが、別人だとしても盛り上がりそうです。いずれにせよ、この一回戦が決着するまでには明らかになるのでは、と予想しています。


参加者達の紹介や準備期間だけでも読み応えのある回でした。生まれ変わったラッキーの活躍、そして第一回戦の行方を楽しみにさせていただきます。



ネルの屍(読み切り)


妹の死体と暮らしている、という不穏な始まりから、更に薄暗い結末に繋がる物語でした。序盤で登場した「死体はネクロマンサーが出来ることしか出来ない」という設定が伏線になっていたんですね。「ただ一緒にいたいだけ」というモノローグも悲しく、決して明るい話ではありませんでしたが、個人的には好きな雰囲気でした。


兄とネルはいわゆる共依存関係になっているようですね。好ましいものではないですが、お互いに相手しか支えがないのでしょうね。ずっとふたりきりだった上、ネクロマンサーであると発覚してからは教会に追われ続けていた、という描写のお蔭でこの関係にも説得力があります。


画力も高く独特の雰囲気があり、兄妹の逃亡劇で連載にもしやすそうなのですが、全体の薄暗さも相まって少年達から評価されるのは正直難しいかなとも思いました。

個性を活かした別の作品か、あるいは全く異なる王道の漫画を読んでみたいです。




りは「少し批判もしましたが、正直個人的にはかなり好きな作品です。

   また本誌でお会いできれば嬉しいです」


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週刊少年ジャンプ2022年32号感想 1/3



捌(読み切り)


シシノケとのバトルの最中、喜々としながら調理法や味付けを語るハチが良い意味で不気味でしたw美味いものほど醜悪な見た目でその味を隠す、という描写にも説得力があります。不味いんかい!と突っ込めるオチも笑えますねw食欲をそそる香りがするのに不味い、というのは裏切られた気分になりそうです。


ただ、未知の生き物と戦って調理する料理人というと、やはりトリコが浮かんでしまいます。そして正直なところ、トリコと差別化を図れるほどの魅力や個性は感じませんでした。舞台が現代日本である点は確かに違うのですが、主人公の設定がかなり被ってしまっていますからね。

この題材で描くのであればトリコと異なるアプローチが必要かと思います。作者の渡邊先生はまだお若いようですし絵なども好きなので、他のテーマの作品も読んでみたいです。



ルリドラゴン


「ドラゴンも人間も実はあまり変わらない」というメッセージを感じる回でした。クラスメート達の「怖いと思う部分は正直あるけれど、ルリ本人も自分の正体に戸惑って怖がっているはずだから過剰に恐れたりはしない」という台詞や、母の「ドラゴンも人間も『自分はこのままでも良いのかな』と考えるのは変わらない」という言葉がとても印象的でした。ルリも周りの人達も、それぞれ葛藤などもありつつ受け入れている様子が上手く描かれていますね。


また、ルリが教室で炎を吐いた日、彼女を迎えに行く前に母がクラスメート達に説明と謝罪をしていたという描写も好きです。こちらのブログでも批判しましたし、ネット上でも正式な謝罪シーンが必要なのでは、という意見は多かったですよね。今回で上手くフォローされたなという印象です。先述したクラスメート達の反応も、母の行動があってこそですからね。


そして、帰宅してからの一連の流れには和みました。会話も印象的なのですが、たこ焼きが美味しそうで風呂上がりのラフな髪型、格好のルリが可愛いですwちょっと古めのゲームに熱中する親子の描写も同じく良いですね。翌朝笑顔で登校するルリも眩しいです。


本編はとても楽しめたのですが、次週の休載に驚きました。週刊連載は厳しいようですし、眞藤先生の体調が心配です。無理をせずにゆっくり休んで欲しいですね。



あかね噺


ひかるの演目、芝浜というのは予想していなかったので驚きました! ですが、確かにあかねのトラウマを呼び起こして噺がやりにくくなる可能性のある選択ですね。


女将の出番を意図的に増やして美声と演技力で戦う、という見せ方も説得力がありました。その上で、ひかるの真の武器は容姿や演技力ではなくがむしゃらさ、という描写が魅力的ですね。絵にも気合いが入っていました。一生の講評についてはまだ分かりませんが、少なくとも観客の心には非常に響くのではと思います。


ただ、これは逆にあかねの闘志が湧く選択なのではとも感じました。ひかるの噺でより火が点いたあかねが100%以上の実力を発揮する展開があり得そうです。


良い意味で予想を裏切られ、ひかるの美しさや演技力の高さを絵でも魅せられた一話でした。ひかるがどう評価されるのか、この演目があかねの噺にどう影響するのか、ワクワクしながら読ませていただきます。



ALIENS AREA


パイウンの家族が既に処刑されていたというのは切ない展開ですね。事実を伏せてでも彼女を守ろうとしている執事の忠誠心にも胸が痛くなります。泣きながら辰巳の頭をかじるパイウンの姿も悲しいです。また、攻撃を躱しつつ辰巳に兵装の解説をする写楽はやはりさすがですね。


ただ、今週も辰巳のバトルでの活躍が全くなく、正直退屈に思えてきました。

写楽が戦闘面でも優れているため、はっきり言ってしまうと辰巳が不要なキャラに見えて来てしまうんですよね。写楽をかばおうとして不格好ながら連携をとることになる、くらいの描写はあっても良かったと思います。また、今回のように弱者の救出や保護をメインに描くなら、いっそ辰巳は「防御力は素晴らしいけれど攻撃面ではほぼ役に立たない」くらいのキャラでも良かったかもしれません。もしくは現在のポジションのままヒロインにしてしまっても説得力が出たのではないでしょうか。


いずれにせよ初任務の最中でも戦闘に参加せず、戦ったのが入隊する際の先輩との手合せシーンだけというのはさすがに問題だと思います。

アクションシーンやキャラデザインは好きなので、主に辰巳について見直して改善して欲しいです。




りは「正直、今のままだと辰巳がストレスの元になってしまいそうなんですよねー。
   デザインも内面も好きなので惜しいです」


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2022年7月7日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年31号感想 3/3



サウナデカ(読み切り)


サウナについて勉強になりましたw「この世で一番罪深いのは外気浴の邪魔をすることだ」という台詞も笑えますねw熱川の身体が妙に描き込まれているのも面白かったですwまた、サウナのことはよく知らなかったのですが、数百円程度でストレス解消が出来るのなら趣味としてコスパが良さそうですね。

最後に犯罪者を救った上で、ととのいすぎた熱川でしっかりオチているのも面白かったです。


ただ、ページ数の都合上仕方ないかもしれませんが「サウナの紹介漫画」に終始してしまっているように思えてそこは少し気になりました。サウナについての説明は数ページで済ませて、もっとギャグに振り切っても良かったかもしれません。また、オムニバス形式などでなら描けるかもしれませんが、基本的にちょっと連載にはしづらそうなネタかなとも感じました。サウナの紹介をするなら、実際の施設を解説するレポ漫画などのほうが合っている気がします。ですが、あまり詳しくはないですがサウナ漫画自体結構多いようなので、そもそもこのネタで戦うのが大変かなとも思います。

絵柄にも個性がありギャグは好きなので、レポ漫画や別のネタをメインにしたギャグをまた読んでみたいです。



ドロンドロロン


ナミシロウはやはりシロで確定ですね。部下達を鼓舞しつつ、自ら先陣を切る熱血漢ぶりが光ります。

また、ハンゾウからは脅威を感じないというのも意外な展開でした。アヤカシを呼び出す鳥居がいくつも出現していましたから、自らの力を使って強力なアヤカシを呼び出す能力などがあるのかもしれませんね。

そしてラスト、ナミシロウと骸骨のアヤカシのバトルも熱かったです。どう見ても格上の相手に心の強さで挑んで行く、という展開は所謂死亡フラグにも思えて心配ですが、何とか生き残ってくれることを願っています。


ただ、全体的に絵が荒れ気味だったこと、またせっかく強そうなアヤカシが四体登場したのにコマ割りが平坦だったことは少し気になりました。

そして細かいですが、ナミシロウの「一人の手柄にしたいんだ」という言葉も引っかかります。それまでの描写からあくまでも他のメンバーを避難させるための方便なのだとは思いますが、だとすると部下の反応がおかしいでしょう。ベタでも「北さんは俺達を守るためにわざと言ってる」のようなつぶやきなどが必要だったと思います。せっかく良いキャラなのですから台詞回しにも気を配って欲しいです。

掲載順などはまだ不安ですが、他の上士侍達が掘り下げられることにも期待しています。まずはナミシロウのバトルを見守りたいです。



地球の子


かなり危うい状況ですが、やはり令助の死はまだ確定していませんでしたね。かれりとアルベールが力を合わせるシーンも熱かったです。また、気丈に振る舞っていても令助の存在を感じられないことに絶望し、力が弱まっているかれりが切ないです。

そして、令助が「死の待合室」で地球の子の秘密について知るという展開は不謹慎かもしれませんが面白かったです。新キャラの地球少女(仮)がとても印象的ですね。「地球の子は地球にとっての免疫細胞みたいなもので、ヒーロー扱いはウェイストが勝手にやっていることだ」という台詞は、残酷ですが彼女にとっては真実なのだろうなと感じました。令助が「免疫を暴走させる病気」というのも正直納得出来る表現です。その令助が「困れよ」と言う決めゴマがかっこ良いですね。久しぶりに神海先生らしい描写を見られた気がします。

ただ、野生動物でも使命を果たせたはずなのに、何故人間が地球の子として生まれるようになったのか、という点は少し気になります。また、せっかく令助が家族を大切だと主張しているのに肝心の衛の存在感がほとんどないことも引っかかりました。もう少し描写を増やしても良かったと思います。


いくつもの秘密が明かされやはり最終回の近さを感じざるを得ませんでしたが、令助に死が迫り始めたのが今回のラストであること、ダストトレイルを退ける作戦も成功の目途が立っていないことから、来週で終わるということもないのかなと考えています。

令助が待合室から抜け出すこと、かれり達も無事であることを願いつつ、次週以降も心して読ませていただきます。




りは「地球少女(仮)、気になるキャラですね。

死の運命に負けるな、令助!」


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週刊少年ジャンプ2022年31号感想 2/3



PPPPPP


文字通り生まれ変わった様子のラッキーがかっこ良いですねー。得体の知れなさすら感じるすご味を帯びているように見えます。レイジロウの「僕は進化しても僕の想像を超えられる気がしない」という台詞も印象的でした。もしかして、誰よりも変化や成長の可能性があるのがラッキーの才能なのかもしれませんね。現時点だといわゆる「闇落ち」しそうな危うさも少し感じるのですが、レイジロウのような味方達が支えてくれると信じます。

運の学びの才能が発揮された描写も面白かったです。どんな風にラッキーの演奏に活かされるのかにも期待ですね。


そして肝心の倫ですが、今回でほぼ彩刃だと確定したようですねw

ただ、個人的にはまだちょっと気になっています。顔が横顔、遠景でしか映っておらずはっきりと分からないこと、最後に対面する場面でもわざわざ仮面を被っていることなどから、一割くらいは別人の可能性もあるのでは、と考えています。ですが音上の才能に嫉妬して~と言っていますし、苗字からして彩刃の関係者であることは間違いないでしょうね。

静かな描写が多かったですが、今回もワクワクしながら読めました。倫の正体や対戦カードに期待しつつ本番を待ちたいと思います。



すごいスマホ


Qが見付けたのは普通に藻浦でしたがw正体に迫るまでの過程が面白かったので飽きずに読めました。

「すマホ持ちを直接検索は出来ないけれど、他のアプローチから突きとめることは出来る」というのは説得力がありますね。確かにすマホ持ちの周囲の情報まで全て消してしまうとわけのわからないことになりそうですし、必要な描写だったと思います。そして本編とはあまり関係ないですが、充電の切れかけた「君」はちょっと可愛かったですwエネルギー効率がありえない、という設定も今後また関わって来そうですね。

また、Qの「相応しくない人間がすマホを手にするとたった四日で人生が破滅寸前になってしまう」というモノローグも納得出来るものでした。瀬尾水に司法取引を依頼する姿が好印象です。調査メモからすると藻浦は家庭に問題があったようなので、彼が高校生であることなども含めて「情状酌量の余地あり」と判断したのかもしれませんね。

ただ、パチンコ、パチスロで五十万以上稼いでいる、という流れは少し違和感がありました。詳しくないのですが現在は設定が厳しい店も多いようですし、空席の確保などの不確定要素も絡んで来ますよね。主にパチンコで稼いだ、という設定自体は理解出来るので、得た金額をもう少し現実的にしても良かったのではと感じました。

そして、途中の展開も興味深く読めたのですが、ラストの入浴中の全一郎に吹き出してしまいましたwこの作品初のセクシーシーンは全一郎なんですねw

ただ、順調に協力者に迫っていたかに見えたQが踊らされていた、というのは意外ですし面白かったです。また、Qは全一郎の人物像などを把握しているので、仕組まれていることに気付いた上で全一郎を利用する作戦を考えている、などの可能性もありそうですね。


インパクトのあるキャラ達を活かした盛り上がる展開が続いており、長期連載の可能性も高まって来たと思います。今後が気になる引きでしたし、次週はセンターカラーのようなので楽しみです。




りは「それまでの展開が全て吹き飛びそうなくらい

   全一郎の入浴シーンのインパクトは強かったですw

   それはともかくQと藻浦との接触に期待ですね」


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週刊少年ジャンプ2022年31号感想 1/3



あかね噺


からしの噺、素直に面白かったです。「落語がいかに優れた伝統芸能でも、多くの客に伝わらなければつまらない」という信条の元で改作落語を披露していたんですね。元ネタの転失気が適度に分かりやすいのも良かったと思います。また、自身が楽しむことを第一に考えているのは確かでしょうが、客の笑いを大切にしているからこその発想だとも感じました。

一生の講評も良かったですね。笑えなかったとはっきり言いつつ期待していると伝えるのは、からしを学生ではなく落語家として見ているからこそでしょう。

そして、ひかるについても気になりますねー。あかねの寿限無がやりにくくなる演目とは何なのでしょうか。からしの噺が「古典落語を元にした改作落語」でまさにあかねと正反対の芸風だったので、逆に古典落語という部分が被っているのかなとも予想しています。ひかるも寿限無を選んでいる、という可能性はさすがに低そうですが、現時点では否定も出来ない感じですね。


何にせよ、からしの噺については予想を超える面白さでした。ひかる、そしてあかねについても期待しています。



ALIENS AREA


少女とタコ型宇宙人の正体が明かされ新たな敵も登場し、盛り上がりの多い回でした。先週少し触れられていた「要人」とは少女のほうだったんですねー。グロテスクな見た目に反して少女(パイウン)を懸命に守っているタコ型執事も何だか可愛いです。辰巳とパイウンの交流も微笑ましいですね。また、王道の美形である暗殺者、二ノ太刀も上手いですが、やはり個人的には執事やパイウンのようなグロテスクなキャラやマスコット的なキャラのほうが見ていて楽しいです。

本格的なバトル展開に突入しそうな引きもワクワクしますね。ニノ太刀も驚くほどの身のこなしを見せ、成長のためにあえて辰巳を戦わせようとする写楽がかっこ良かったです。「胸を貸しておくれよ」という台詞が光りますね。


ただ、いきなり二ノ太刀のようなキャラを登場させてしまうと後々の敵の印象が薄くなるのでは、と少し心配になりました。また、暗殺者であるのにも関わらず顔を隠すこともなくいきなり襲いかかる、などの部分も気になります。そしてやはり先週が盛り上がるに欠ける回だったので、今回と合わせて一話にまとめたほうが良かったかも、と感じました。

ですが、今回飽きずに一気に読むことが出来たのは事実ですし、来週の二ノ太刀VS辰巳にも期待しています。写楽とのコンビネーションもそろそろ見たいです。



ルリドラゴン


フラペチーノ、美味しいけど高いですよねwお洒落なカフェに気後れするルリに親近感が湧きました。

女子だらけの勉強会、微笑ましいですねー。最後にポーズを決めてみんなと集合写真を撮るシーンも、ルリの心情の変化が感じられて和みます。日常的な写真にルリのツノが映っているのもこの作品らしいですね。

また、新キャラの神代も気になりました! ルリに直接「苦手」と伝えるなどはっきりとした性格のようですが、仲良くなれば敵にはならないと話す大人びた一面もある面白いキャラですね。そして、派手な外見に反して非常に優秀なこと、悪魔をかたどったような目立つヘアピンをしていることなどから、彼女も異種族なのでは?と考察してみます。苗字が正体を表しているとすると、もしかして神の化身だったりするのでしょうか?


カフェでの勉強会という日常的なネタの中に、新キャラなどの深読み出来る要素が含まれて興味深く読めました。今後、非日常の部分も描かれることを期待しています。




  りは「印象的な新キャラを出せたのは大きいですね。

     ルリだけではなく神代にも注目したいです!」


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高橋和希先生にお悔やみ申し上げます



高橋和樹先生の突然の訃報に驚きました。

カードゲームのルールなどには詳しくないのですが、漫画やアニメ、そして美麗なイラストのカードを目にする度に楽しませていただきました。漫画だけではなく、カードバトルも世界的に広まったというのは素晴らしい功績だと思います。

まだ亡くなるようなお年ではありませんし、海での急死ということで本当に残念としか言えません。心よりお悔やみ申し上げます。

2022年7月1日金曜日

週刊少年ジャンプ2022年30号感想 3/3



地球の子


ゆっくり死を待つより一縷の生存の可能性に賭ける、という令助の台詞が熱く、印象的でした。また、ヘルメットを脱いでもかろうじて生存出来たことについても説明がありましたね。そして全員が諦めなかった結果、遂にかれりが岩から解放されました。

ですが予想とは違っていたものの、やはり今回の救出が成功して誰も欠けずに帰還出来たわけではありませんでしたね。かれりはもちろんアルベールが無事だったことは本当に嬉しいですが、令助が死亡してしまったのでは、という引きになるのは予想出来ませんでした。泣きながら楽しい未来の話をするかれりに胸が痛くなります。


ただ、個人的には死亡が確定したわけではないのかなとも考えています。救出作戦の直前に「唯一全員生き残れる可能性がある」と描かれていますし、令助が本当に亡くなっているのなら、六年後の真路美が衛に「お父さんがしたことや結果をどう思う?」と尋ねるのは残酷すぎるでしょう。また衛は「お父さんが後であっちにしとけば良かった、とか言ったら怒るかも」と答えていましたが、死別した父親に対してこの台詞は出て来ないはずです。六年後の衛の傍に令助とかれりがいないことから、かれりが令助を蘇生させるため、共にコールドスリープのような状態になった、などならあり得るのかなと予想しています。


そして、かれりが空気のバリアのようなものを生み出すシーンは良かったのですが、酸素を多めに持って来たというのは少し引っかかりました。過剰な酸素は有害になると思います。

正直最終回が近いのかなとは感じましたが、佐和田家の結末が気になります。令助が共に笑ってくれることを願いつつ、地球の子達の未来を見届けたいと思います。



ドロンドロロン


ハンゾウの人物像や目的が少し描かれましたね。これが最後の任務となってしまうのか、人気を得て新たな展開へと繋げることが出来るのかにも注目したいと思います。そして、ラストのドラとクサナギが語り合うシーンが感動的でした。自分が消滅してしまうと悟りながら「この戦い、絶対勝ちたいよ!」と答えるクサナギに切なくなりました。

また、新たに登場した上士侍達の描写もありましたね。ルイのドラちゃん呼びに感銘を受けるナオトラも良かったですw上士侍はそれぞれ個性的ですが、誰が内通者なのかもやはり気になります。個人的にはドラが直接触れ合って大仏に喩えており、またモノローグも描かれているナミシロウはシロかなと思うのですが、後は予想がつきません。誰がハンゾウ達の協力者でも辛く、しかし盛り上がる展開になりそうです。


ただ、ハンゾウが道を踏み外した過程が説明のみで描写されているのは気になりました。正直もう最終回が近くじっくり見せる余裕がないのかもしれませんが、具体的な内容をもっと読んでみたかったです。また、せっかく上士侍とドラ達が初めて会話するシーンが描かれているのに、顔を合わせては挨拶という正直平坦な流れになってしまっているのはもったいないと思います。一話でまとめるにしても、もう少しパターンがあったほうが良かったでしょう。


いずれにせよ、ハンゾウとの戦いは決着まで描いて欲しいところです。ハラハラする部分もありますが、ドラ達は理想の世界を築けると信じています。




りは「新たに登場した上士侍達が、
ドラやクサナギと
どんな関係になって行くのかにも注目したいですね!


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週刊少年ジャンプ2022年30号感想 2/3



すごいスマホ


通話終了後すぐに負けを認めるQは良い意味で意外でした。確かに読者へのインパクトも含めてw三者会談は全一郎の勝利でしょうね。ただ、君の言う通りQの戦略も悪くはなかったと思います。

また瀬尾水も言及していましたが、全一郎がタワマンを狙った動機も気になるところですね。今明かされている情報だけだと彼にメリットはないように思いますし、何か特殊な意図がある気がします。

そして、Qの「タワマン犯だって確信もしてるけど、それとは別に全一郎はすマホを持たせちゃいけない人間だ」という台詞は非常に説得力がありました。三者会談編は楽しく読めたもののQの推理には正直疑問も多かったので、事件とは関係なく全一郎からすマホを奪わなければいけない、という信念が描かれたことで話が分かりやすくなったと感じました。敗北を引きずらずに次の一手を見付けるQは非常に主人公らしいですね。全一郎が強敵である以上、他のすマホ持ちを突き止めて瀬尾水の信頼を得るのは良い作戦だと思います。

また、全一郎の仲間であるふたりも少しだけ描かれましたね。有能そうな伊村はイメージ通りでしたが、明らかに頭脳派とは言えない藻浦には驚きました。全一郎は捨て駒のつもりで引き入れたのかもしれませんね。そしてラストでQが突き止めたすマホ持ちは藻浦のほうでしょうが、これが伊村でも盛り上がりそうだと感じました。


Qの人間味や全一郎の仲間達が描かれ、飽きずに読める回でした。次週のQとすマホ持ちの接触が気になるところです。



愚人礼賛(読み切り)


良い意味で変わった作風で、全体に独特の雰囲気が流れていました。どちらかというと、少年漫画よりも単館上映の短編映画などにありそうな感じですね。


推定年齢アラサーのメイドのツッコミが冴えているのも面白かったですw特に「私調べでは主語の大きいヤツの八割は~」は妙に説得力がある台詞ですね。恐らく神にも近い存在に対して容赦なく突っ込める彼女が良い味を出してました。余韻を残すラストシーンも印象的ですね。


ただ、話の流れが非常に淡々としており盛り上がりがあまり見られなかったことは少し気になりました。また、読み切り作品としては好きなのですが、これを連載にするのは物語と雰囲気的に難しいかなとも感じます。メインキャラ二人の描写がとても抽象的で、正直漫画だと伝わりにくいと思うんですよね。今の作風を崩さずに、山場のある漫画を読んでみたいです。



シキガミ(読み切り)


画力に圧倒されました。山場の盛り上げ方や途中で出て来る絵巻など、とにかく絵が魅力的ですね。

ストーリーも王道の和風バトルもので面白かったです。憐太郎とヒロイン、夏未の関係も可愛らしいですね。シキガミと憐太郎が合体し敵を倒すのも熱いです。また、シキガミという表記から陰陽師が用いる式神は関係ないのかと思いきや、ラスト付近で清明が登場する構成も上手いですね。

個人的にはキャラデザも好きでした。特に先述した清明が微妙にチャラそうなのが魅力的ですw


正直王道すぎるかな、という部分は少し気になったのですが、それを補ってしまえるくらいに絵に力のある方だと感じました。連載にも向いていそうな題材ですし、是非また読んでみたいです。



PPPPPP


今回は特に台詞が光りますね。ラッキーの「ファンタの願いを叶えたいなら母に会いたくないという意思を尊重しなくちゃいけないはずなのに、嫌だと思ってしまう」という言葉や、運の「どっちも正しくてどっちも間違ってる」という台詞がとても印象的で、またキャラを表現していて上手いと思います。

そして、エゴを自覚して受け入れた様子のラッキーがかっこ良いですねー。最近は他のキャラ達に注目することが多かったのですが、今回は演奏シーンがないにも関わらずラッキーの成長や主人公らしさがきっちり描かれておりさすがだと感じました。まさにハッピーバースデーです。


また、最後に登場した倫も非常に気になりますね! ネット上でも予想が多いですし個人的にも真っ先に彩刃を思い出しました。瞳と目元の描き方が同じですよね。

ただ、倫の正体が本当に彩刃なのかと考えて行くと少し疑問が残ります。音楽業界を追放されたはずの人物が動画サイトで人気を博しているとなると楽音の権力の印象が薄くなってしまう気がしますし、投稿された動画の日付が一年前となっているため、もし投稿者が彩刃なら、この動画を元にココレが居場所を突き止められそうなんですよねー。現時点ではミスリードで、彩刃の血縁者などの可能性もあるかもしれませんね。

何にせよ最後まで飽きずに読めましたし、ラストで更にワクワクしました。次週以降が楽しみです。




りは「特に倫の正体については考察のしがいがありますねー。

普通に彩刃だったら笑ってくださいw」



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週刊少年ジャンプ2022年30号感想 1/3



ルリドラゴン


ルリが学校に復帰しましたね。冒頭の行きたくないーとゴロゴロしている姿も妙に可愛かったですがwクラスにもそこそこ馴染んでいるようで何だかホッとしました。制服のルリが見たかった、と言うユカも先週に引き続き可愛いです。

ずっと気になっていた吉岡との会話が描かれたのも良かったと思います。被害に遭ったにも関わらずルリのことを心配してくれる彼はとてつもなく人格者ですね。もっと早くに謝罪を描いても良かったのではとも思いますが、きちんと触れてくれて安心しました。

そしてルリの欠席中、クラスメート達が彼女の正体を勝手に予想していたというシーンが特に面白かったですw実際あの場面に遭遇したら、確かに悪気なく色々と考えてしまうかもしれないな、と感じられる描写でした。


担任の先生も良いキャラですねー。世の中色んな人がいるけど仲良くやって行きましょう、というのは緩さの中に優しさも含まれた名台詞だと思います。また、母から入学時に事情を聞いていたという言葉からして、WITCH WATCHのようにある程度未知の存在が当たり前の世界なのかもしれませんね。生徒達はそこまで詳しくなさそうでしたから、一定以上の年齢の大人は分かっている、といったところでしょうか。

そしてネット上でも話題になっていますが、一話からずっと欠席している金尾も興味深いですねー。このクラスメートもルリのような事情のある生徒なのかも、と予想しています。


緩い雰囲気の中に今後が気になる描写や世界観がちりばめられており、楽しく読めました。今後も色々な部分に注目して行きたいと思います。



ALIENS AREA


いよいよ辰巳と写楽の初任務がスタートしましたね。工場に潜入するシーンでワクワクが高まりました。物質持ちを良く思わないメンバーもいる、という台詞も今後の展開に絡んで来そうで気になります。辰巳にはこれを乗り越えて行ってほしいところですね。また、冒頭ですぐ辰巳に謝罪する夢子も好印象でした。

そして、ダンボールから出て来た異星人の子どもは、那波先生の読み切り「KUNG-FU MASTER」のキャラからデザインを流用していますね! 正直この作品については忘れていたのですが、今回特徴的な子どもの顔を見てすぐに思い出すことが出来ました。印象的なデザインを作れるのは武器になりそうです。


ただ、せっかく任務のために動き始めたのに熱い展開がほとんどなかったのは残念でした。初任務は短めにして、今回の話の中で成功させたほうが盛り上がったのではないでしょうか。辰巳と写楽のバトルでのコンビネーションなどをそろそろ描かないと退屈な漫画になってしまいそうです。特にせっかくの「物質持ち」なのに辰巳の活躍がほぼなく、問題だと感じました。

そもそも、任務の内容自体も分かりにくいものでした。タコ型の生物はどこへ行ったのか、異星人の子どもが持っていた人形に擬態していたようですが何故それを彼女が持っていたのか。写楽のみが納得していて正直読者に伝わって来ないんですよね。

また、ふたりのコンビネーションも出て来ない内にまた新キャラを登場させるのも構成として問題だと感じました。キャラのプロフィールも覚えにくくなりますしね。先週の班員達は今後も大きく絡むでしょうし納得出来たのですが、班外のキャラを今出す必要はなかったと思います。協力者の描写を挟むとしても、名前を明かすのはもっと後にしたほうが良かったでしょう。


現時点で構成の甘い箇所が複数見られることが正直少し不安です。任務については期待しているので、見直した上で盛り上げて行って欲しいです。



あかね噺


いよいよ決勝がスタートしましたね。珍しく気負った様子のあかねを心から応援したくなりました。彼女の名前の由来についても期待しています。

新たに登場した一剣も謎めいたキャラですね。食わせ者のような雰囲気を醸し出していること、何よりあかねの父である徹の失脚に関わっている点が気になります。今後色々と描かれそうですし、大会にももっと絡んで来るのではないかと予想しています。

また、一生の講評の描き方からして、からしとひかる以外のライバルはそこまで掘り下げられないようですね。スピーディーに進行するためには良い選択なのではないかと思います。

そして、ラストページでからしの噺が少しだけ描かれましたね。改作落語が得意なんですねー。また、自己肯定感の持論も彼らしくて面白かったです。就活などを楽々クリア出来たのもこの辺りのメンタルの強さが理由かもしれませんね。果たしてからしはどんな噺を披露するのか、そして一生に評価されるのか、次週が気になる引きでした。


あかねの出番は次々週以降になりそうですが、期待と緊張感を保って待てそうです。まずはからしの噺を思いっ切り楽しみたいです!


りは「大会の盛り上げ方が上手いですねー。

 あかねを全力で応援しています!」


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