2022年9月29日木曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 仄見える少年 2/2



2 ホラー漫画的な迫力が足りなかった


いわゆる退魔物なので敵となる霊や妖怪の不気味さが大切だったと思うのですが、そこまでの恐怖を感じられなかったというのが正直なところです。登場時などには強さやおどろおどろしさなどをしっかり描写したほうが、打ち勝てた際の安心や面白さに繋がったのではないかと考えております。強大な相手を上回ったほうが伊織達の魅力も増しますしね。

元々そこまで恐怖に重点を置いていない幽霊との交流ものなどなら良かったと思いますが、仄見えは伊織の設定や絵柄からしてもシリアス寄りなんですよね。だとすると霊や妖怪の迫力が足りないというのはやはり欠点だったと言わざるを得ません。

冒頭からずっと「うん」という呟きが聞こえていた逆柱のエピソードなど演出面でゾクッとするシーンは良かったのですが、絵で魅せることも大切だったはずです。画力は非常に高かったと感じますが、全体的に綺麗になりすぎてしまったことも迫力不足の一因かもしれませんね。


バトルシーンは表現を少し変えるなどの工夫をすれば、恐ろしさが増して読者の印象にも残りやすかった気がします。高い画力は長所だと思いますが、霊や妖怪を描くときは、いっそ絵を崩すくらいでちょうど良かったのかもしれませんね。


3 絵、話共に印象に残りにくかった


絵も分かりやすく話に大きな矛盾などもなくストレスの溜まらない漫画だったのですが、読み終わった後、心に残るページが少なかった気がします。展開や設定などを思い出すのに時間がかかり、翌週になると前回のエピソードを忘れてしまう、という事態がよく発生しました。これは何度か読み直してもあまり変わらなかったんですよね。

まず絵に関しては、上の項目でも触れたように恐ろしさが足りていなかったことが原因として挙げられると思います。敵の強さがしっかり表現されていれば、ストーリーが難しくてもそのシーンは記憶に残りますからね。

そして話に関しては、短いエピソードが続いていた上、伊織達の大きな目標が示されていなかったことが問題だったと考えております。全体的にぶつ切りのような印象を受けてしまう構成になっていて、話の繋がりも覚えにくかったんですよね。伊織達の最終的な目標などが描写されていればまた違ったと思いますがそれもなく、エピソードの途中でも「何のために霊怪を祓っているのか」と疑問に感じてしまいました。また、伊織の心情が分かりづらく、先が気になる展開も正直少なかった印象です。

ちなみに、途中で怪異の舞台が学校外に移ったのも個人的にはもったいないと感じました。第一話は惹き込まれる部分が多かったので、人気が定着するまではいわゆる「学校の七不思議」を解決するようなストーリーにしたほうが盛り上がった気がします。読者にとっても身近なテーマですしね。


画力の問題や話の矛盾はなくとも、インパクトに欠けるとなるとアンケートなどで結果を出すのは難しかっただろうなと感じます。絵の見せ方も変えたほうが良かったと思いますが、伊織の過去や目標が中盤までほぼ描かれていなかったことが、ストーリーに入り込みにくかった大きな理由ではないでしょうか。上の項目でも書きましたが、もっと序盤で伊織の内面を明らかにしておけば結果は違った気がします。



金未来杯のときから知っていた漫画ですし、特にキャラと絵に惹かれて応援していましたが、連載では印象に残りにくい作品のまま終了してしまったというのが正直なところです。ストーリーを分かりやすくするためにも、もっと早くに伊織を掘り下げて明確な目標を示したほうが良かったのではと思います。序盤で作品から離れた読者はなかなか戻って来ませんしね。

いわゆる退魔物はベタでも人気のジャンルですし「テンションの低い主人公だけれど姉にだけは弱い」など、斬新な設定も個人的には好きでした。伊織は表情などはあまり変わらないものの、実は人間味に溢れていて面白いんですよね。少年達に伊織の魅力が伝わるように描けば、他の問題点はクリア出来て長期連載も出来たのではと感じます。

キャラへの好感度や画力は高かったですし、構成を改善した漫画を見てみたいなと思います。後藤先生、松浦先生の新作に期待しております。




りは「伊織もりくも、見せ方次第でもっと魅力的なキャラになれたと思います。
特に連載作品だと、細かい部分の工夫も大切になりますよね」



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短期連載(打ち切り)作品解説 仄見える少年 1/2

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短期連載(打ち切り)となった作品を取り上げ、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2021年18にて最終回を迎えた仄見える少年(全30話)について書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。

それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。


1 主要キャラの魅力が伝わりにくかった


霊媒師の伊織と霊によるトラブル(霊怪)を引き寄せる体質のヒロイン、りくがメインとなるキャラなのですが、物語に惹き込むようなインパクトを感じられなかったというのが正直なところです。

まず伊織については「基本的には無気力だけれど才能は素晴らしく、誰かを守るために熱くなることもある」といった設定なのですが、霊怪の相談を受けても大体面倒くさそうにしており、厳しいようですが少なくとも第一印象は良くないんですよね。

いわゆる「やれやれ系」に分類されるのだと思いますが、こういった主人公自体ジャンプでは正直難しい気がします。特に少年達は「ダルそうにしていて応援出来ない」と思ってしまうのではないでしょうか。実際、ヒット作にこういった主人公は少ないですよね。斉木楠雄のΨ難の斉木などは近いですが、ギャグ漫画なのでまた事情が違うでしょうし。

連載が進むにつれて、人との関わりを避けていた理由などが分かり内面の魅力も増したのですが、もっと早くにこういった設定が描かれていれば支持もされやすかったのではと感じます。たとえば暗殺教室の殺せんせーも、謎めいたキャラでしたが「大切な相手との約束を果たすため教師になった」ということはかなり早い段階で分かっていましたよね。主要キャラの内面に関わる重要な設定は、序盤で描写しておいたほうが良かったのかもしれません。姉に頭が上がらないなどの可愛げもあり個人的には魅力を感じましたが、少年誌には合わなかったのかもとも思います。

そしてりくについては、初めは守られる対象だったけれど徐々に成長して行く、というタイプでこちらも好きでしたが、正直地味だったとも感じます。伊織が王道から外れていてもヒロイン次第で漫画の人気に繋がったと思うのですが、そこまでの魅力はなかったんですよね。厳しいようですが、欠点はないけれど大きなインパクトもなかったというのが正直なところです。

また、2人とも外見的な特徴が薄かったのも惜しい点です。やはり容姿に魅力やインパクトがあると惹き込まれますからね。特にりくの髪がぺったりとした印象になてしまっているのは、せっかくの可愛さを邪魔しているようにも見えました。逆に伊織の姉の夜生は真っ黒な超ロングヘアに札での目隠しという特徴的な外見で、出番は多くなかったものの未だに印象に残っています。


主人公、ヒロイン共に不快なキャラではなかったのですが、魅力が伝わりにくかったのは問題点だったと考えております。伊織の設定もどちらかというとライバルやサブキャラにいそうな内容なんですよね。もちろん王道から外れた主人公でも構わないのですが、序盤で過去を少し見せておくなどの工夫が必要だったのだと思います。また、無気力さをなくし、クールな天才肌、といった描写にしても良かったかもしれません。りくはキャラ設定に大きな欠点はないので、もう少し容姿を華やかにすれば結果は違っていたのでは、と考えております。




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2022年9月28日水曜日

週刊少年ジャンプ2022年43号感想 2/2



ゴッドハンド藪(読み切り)


良い意味でベタな展開が多く面白かったです。冒頭部分の、CAと役に立たない大量の医者達の場面が既に笑えますね。「医者量おびただしっ」というツッコミが特に好きですwちなみに今感想を書くため「いしゃりょう」で変換したら当然慰謝料、となって更に面白かったですw

主人公の登場シーンも良いですね。名前がギャグになっているのが上手いと思いますw整形手術でもないのに外見を魅力的に改造してしまうのはどういう仕組みなんでしょうかw

ですが、病院の医師の実力を試すためわざと大怪我をした、という流れは何気に王道な気もします。そして、絆装甲は絵はともかく技の名前としてはかっこ良いと感じましたw丑ノ刻病院のカオスさも笑えますねw


ただ、全体的にギャグは面白かったのですが、絵柄の個性が薄れているように思えて少し気になりました。ジモトがジャパンの頃は画力は高くなくとも、林先生の絵だということはすぐ分かったんですよね。今回はちょっと印象に残りにくかったと感じます。

ギャグは好きなので、絵柄の個性を大切にした作品をまた読んでみたいです。



ALIENS AREA


班長会議が興味深く、辰巳の両親の詳細にも惹き込まれました。また、辰巳に物質を埋め込んだ宇宙人についても気になりました。手術のおかげで今の辰巳があるんですね。

また、証人が語ったA3の目的にゾクッとしました。全員で一丸となって止めなければならない組織なんですね。

会議自体は今回で無事に終わりましたが、ソツなく立ち回る鏑矢、良くも悪くも若者らしい加東、正義感の強い泉と室生、と、短い中でも班長達のキャラが立っていて上手いと感じました。写楽が物質持ちになった経緯なども気になりますね。


ただ、辰巳の過去の描き方が唐突に感じられたこと、今週の会議内容は面白かったのですが前回とまとめて一話で良かったのでは、と思えたことは少し引っかかりました。先週は正直かなり違和感のある構成になっていましたしね。また、掲載順と展開から、A3との対決で連載が終了するのかなとも思ってしまいました。写楽の過去については本人も覚えていないようなので、謎のままの気もするんですよね。

このブログでも何度か書いていますが、やはり少し前まで物語の方向性が分かりにくかったこと、キャラの使い捨てが多かったことが痛かったかなと思います。今週は凶悪なA3に勝つという道が示されましたし、複数の班長達も印象的でしっかり覚えられたので、もっと序盤に戦いや会議の描写があれば結果は違った気がします。

終わりは近いのかもしれませんが今回は面白く読めたので、写楽の過去やA3との決着を見守りたいと思います。



すごいスマホ


伊村の本格的な登場は久しぶりの気がします。以前と変わらず全一郎を崇めて暗躍していましたね。全一郎の部屋の詳細や、出勤前の様子を見られたのも良かったです。彼のモチベーションは何なのか、という描写に惹き込まれました。

ようやく顔などが明らかになった全一郎の父、全得もとても興味深いキャラでした。すマホについての全一郎との駆け引きも面白かったです。指の動きだけで要求を読み取る秘書など、周囲の人々も何気に印象的でしたw

終盤で全一郎の大切な目的が明かされたのも良かったです。双子の妹のことは心底愛しているんですね。また、彼女の葬儀の際の全得の反応にはゾクっとしました。

その後、全得やQに対する感情を爆発させるシーンには色んな意味で惹き込まれました。序盤を彷彿とさせるオーバーリアクションですねw部屋の中に羽根が飛び散るシーンが派手で印象的でしたw

また、全一郎のプライベートが色々と判明したこと、全得の人物像が少し掴めたことで、やはり修誘拐の犯人は全一郎ではない気がしました。全得のほうが怪しいですし、もし本当に犯人だったら跡取りの確保を考えていたのかもしれない、と予想しています。ラストの伊村がQ達に辿り着くシーンも、次週が待ち遠しくなる引きで良かったです。


ただ、掲載順と話の展開からして終わりが近いのかなとは正直感じました。だとするとやはり藻浦編の評判が良くなかったのかなと思います。先に登場していた全一郎と比べ見劣りする部分が大きかった気がするんですよね。彼は非道な手段も使うものの言動にブレがなく惹き込まれるのですが、藻浦は矛盾ばかりで興味も好感も持てませんでした。もし藻浦が原因でアンケート結果が落ち他のすマホ持ちの詳細なども明かされないまま短命に終わるのなら、とてももったいないと思います。

けれど、今週は全一郎や全得のキャラの濃さがとても印象的で一気に読めました。すマホの詳細、修誘拐事件の真犯人など、物語の鍵となる情報がどう明かされるのか今から楽しみです。




りは「考えなしにすマホを使ってしまうキャラは必要だったと思いますが、
それでも藻浦の設定には色々違和感があったんですよねー。
主人公に助けられるなら、最低限の魅力は描いたほうが良かったんじゃないでしょうか」




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週刊少年ジャンプ2022年43号感想 1/2



大東京鬼嫁伝


早くも蛙人が再登場したのは嬉しい驚きでした。彼女がもののけの世界や生態を解説する、という流れも面白いですし覚えやすかったです。作業着や動きやすそうな私服も似合っていましたし、語尾も好きですwちょっと申し訳ないですが、泣き顔も可愛いですよねw

また、冒頭でバイトに出かける進太を心配する愛火も良かったです。工場へは無理に押しかけず、駅にいるからもしものときは連絡して欲しい、と言っていたのも好印象でした。

進太、愛火、蛙人の三人がファミレスで話している図も斬新ですね。愛火の「罪を犯したヤツが~」という台詞が笑えましたw蛙人は今後も何かと出て来てくれそうですね。

その後、頬を膨らませる愛火を見て「フグにされる!?」と誤解する進太も良かったですwラストに吉橋から連絡があったので、次週の展開への期待も高まりました。


少し引っかかったのは、進太達のバイト先があまりにもブラックすぎた部分です。まつりや吉橋の「無理はするな」という言葉を裏切っているようにも見えますし、上司の対応からして給料が高いとも思えないんですよね。蛙人をトラブルに遭わせたかったのかもしれませんが、職場を悪く描く必要はなかった気がします。

ただ、先週まではコマ割りなどが分かりにくく引っかかる部分も多かったのですが、今週は蛙人のキャラも魅力的で面白かったです。進太と愛火の活躍と、蛙人がまた登場してくれることを願いつつ次回を待ちたいと思います。



あかね噺


落語連盟とあかね側の視点、両方が描かれる構成が面白かったです。落語連盟の大御所達は全員強キャラ感が漂っていますが、外見も人間離れしている円相に特に惹き込まれました。何気に魁生のすごさも分かりましたねw

芸を更に磨くため、歌と演奏を学ぶあかねも良かったです。あかねの行動がとても読みやすい、実はガラケーは結構便利に使える、など、笑えるシーンも多かったですねw

そして「阿良川一門の影響で、あかねに理不尽な視線が向けられるかもしれない」という展開も興味深かったです。ただ先週も書きましたが、大変な状況でもあかねなら必ず乗り越えられると思います。

また、遂に新章のテーマが明かされたラストにも惹き込まれました。からしの登場も良い意味で意外ですね!


落語界を支えるキャラ達の顔見せや新たな章の始まりなど、とてもワクワクする回でした。あかねが修行にどう取り組んで行くのか楽しみにしています。



ギンカとリューナ


都編もワクワクしますねー。新たに登場した魔術師、ベレッタも良かったです。内気だけれど努力家なところ、何気にかなり長身なところが特に好きですw

魔術師の仕事をまとめる組織、ユニオンでのやりとりにも惹き込まれました。ギンカが扉を壊して派手に入って来るシーンは笑えますねwその後、ギンカとリューナ、ベレッタの三人で次々と任務を片付けて行くシーンもかっこ良かったです。

報酬を受け取ってからの三人のシーンも印象的でした。あまり活躍出来なかったベレッタに対して「今できねーことだってできるようになる」と話すギンカがとても良かったです。迷宮での任務を依頼されるラストにも惹き込まれました。


一話から思っていましたが、良い意味で展開が早いところも魅力的ですよね。今週も一気に読めましたし、次週への期待も高まりました。

ちなみに、もしベレッタがヒロイン枠ならリューナの性別はもしかして?とも感じましたw何にせよ、迷宮の攻略も楽しみにしています。



絵に描いた餅を描いた餅(金未来杯エントリー作品)


タイトルと冒頭から想像した話と良い意味で違っており、とても惹き込まれました。不器用な四宮も内気な小南も好感の持てるキャラですね。音楽と漫画、それぞれの分野でひたすら努力しているところが魅力的でした。

ふたりの友情が良かったからこそ、悲しすぎる出来事が四宮を襲うシーンは本当にショックでした。トランペットからも離れて、徐々に漫画の実力が認められて来た小南に当たってしまうのが切なかったです。

その後、小南の漫画を読んだ四宮が「音」を感じるシーンもとても良かったです。「四宮さんの今までが~」という小南の台詞にもグッと来ました。小学生のときに小南が四宮の演奏を聴いていた、という描写も良いですね。ラストページの四宮も印象的で、読後感も爽やかでした。絵についても、特に表情の描き方が上手いですね。


ひとつだけ、回想シーンと小南の漫画のコマが同時に描写されているページは惜しいと感じました。下に並んでいるのが小南の作品だということがちょっと伝わりにくいんですよね。表現を工夫すれば更に良いシーンになった気がします。

ですが、画力も高いですし、本誌初登場とは思えないほど全体的にハイレベルな作品でした。本作は読み切りで完結していますし金未来杯の結果はもちろん分かりませんが、早し先生の漫画をまた是非読んでみたいです。



りは「金未来杯の一週目に相応しい、とても良い作品でした。
大人になった四宮と小南も見てみたいです!」




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2022年9月23日金曜日

週刊少年ジャンプ2022年42号感想 2/2



メイビーネクストタイム(読み切り)


シリアスで緊迫した状況の中でほのぼのとしたやり取りが繰り広げられる、独特の空気を味わえる作品でした。テンションは低いけれど人間味のある神と、素直でくるくる表情の変わる天、2人とも好感の持てるキャラですね。絵柄が可愛く画力も高く、全体的に料理が美味しそうでしたw

アオリにも書かれていましたが、世界の存続も意外と誰かのさじ加減で決まるものなのかもしれませんね。逆に、自分の何気ない行動が地球を救っているかもしれないとも感じられました。


ただ、コメディ要素を含む日常系として考えるとそこまで笑いどころは多くなかったかなとも正直思います。特に神も天も「娯楽がきっかけで滅亡を止める」という部分が被っているので、もう少し別の方向で感情の変化を描いても良かったかもしれません。また、本作は読み切りでほぼ完結しているので、連載にするのは難しいのかなとも思います。

キャラと絵柄が好きなので、また別の作品を読んでみたいです。



すごいスマホ


冷のキャラがとても印象的でした。どちらかと言えば派手な容姿なのに人目を気にしすぎてしまう、というのは良い意味でギャップを感じますし斬新ですね。ボーケンが彼女を頼りにするのにも納得出来ました。

Qの酷過ぎる熱唱が冷の心を開かせる、という展開も笑えますし良かったですw3人で協力しあえば全一郎達にも対抗出来そうだと期待が持てました。

また、Qの推理がどれも面白かったです。SNSでの会議についての考察も、すマホに粗が多すぎる、という指摘も印象的でした。少なくともQ達がすマホを使うように仕向けたのは超常的な存在などではなく人間なのかな、と予想しています。

すマホの誕生に関わっていそうな新キャラ、ニヒゥとクィンにも惹き込まれました。正体については見当がつかないのですが、全一郎の名前を挙げていましたし物語の鍵を握っているのは確かでしょうね。


ただ、ボーケンが丁寧に掘り下げられていた印象だったので、今回の冷のエピソードは正直唐突な気がしました。一番引っかかったのは、先々週街中でリラックスした様子で歌う場面が描かれていたことです。今週明かされた設定と矛盾していますよね。

ニィゥとクィンについても興味深いことは確かですが、登場が急でついていけないとも感じてしまいました。もう少し伏線などが欲しかったところです。

冷についての詳細やQの推理、意味深な新キャラなど、読みごたえはありましたが、詰め込みすぎて話が散らかってしまっている印象も受けました。掲載順も不安ですがQ達3人の関係は好きなので、挽回に期待しています。



ALIENS AREA


特別捜査本部を設置しないと明菜の事件をこれ以上調べられない、という冒頭の展開に惹き込まれました。A3の恐ろしさがよく分かりますし、班長達の登場への期待も高まりました。会議に辰巳も同席するというのも良いですね。

班長達も癖のあるキャラばかりでとても印象的でした。中でも一班の班長、墨田が特に気になります。正直好印象というわけではないのですが発言には正論も多く、攻略に苦労しそうだなと感じます。

また、写楽が連れて来た証人には良い意味で驚きました。そして、何と言っても辰巳と物質の繋がりが興味深いですね。彼の動き次第で特別捜査本部を設置出来るかが決まる気がします。


ただ、かなり違和感を覚えた箇所があったのも事実です。

まず、しっかり前振りをしていたはずの兵装試験を完全に飛ばしたのは悪い意味で意外でした。正直室生や鈴の登場直後に別の展開になった時点で不安はあったのですが、それが当たってしまったという印象です。アンケート結果などが振るわなかったのかもしれませんが試験について詳しい説明も描いたのですから、多少短縮してでも兵装試験を行うべきだったと思います。厳しいようですが、辰巳がいきなり「試験に合格したぞ」と言い出すシーンは、ソードマスターヤマトと批判されても仕方のない唐突さだと思います。

そして、新キャラの鈴が退場状態のまま新たな班長達を描写したのも問題ではないでしょうか。このブログにも何度か書いていますが、登場した人物を掘り下げる前に別のキャラが目立ち始めるという展開が多いんですよね。今回は特に唐突だったので、鈴は何だったの?と強く感じてしまいました。また、時間も一ヶ月飛ばされていたので、事件直後の写楽や辰巳の動向が不明なのも悪手だったと思います。前回ラストの写楽の台詞が良かったので、2人が力を合わせる姿をじっくり見たかったです。

掲載順も下がっていますし、唐突な展開を続くようなら挽回は難しいのではと考えてしまいます。今回描かれた班長達はちゃんと活躍させて欲しいです。




りは「正直、キャラの使い捨てがプラスになることはまずないと思いますー。
連載終了が決まったんだとしても、既存キャラの活躍を見られたほうが嬉しいんですよね」




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週刊少年ジャンプ2022年42号感想 1/2



ギンカとリューナ


麓に降りただけでも新たな世界が広がっている、という展開はワクワクしますね。前回の山の動物達も魅力的でしたが、今週登場した架空の生き物達も良かったです。はしゃいでいるリューナも可愛いですね。

穏やかそうな生き物だけではなく恐ろしいモンスターもいる、という流れも王道ですね。単純に怒って退治するのではなく、リューナが「もっと楽しいことがあるかもしれないのに」と呟くのも斬新でした。ギンカとリューナが魔術の実力を見せつけるシーンもかっこ良かったです。

また、ギンカの身体が一か所に封印されていたわけではないという展開にも惹き込まれました。旅の大きな目標が示された感じですね。ギンカのセコさに笑えましたし、リューナが「今度は誰かが落ち込む前に解決しちゃおう」と言うシーンはグッと来ました。

ちなみに、今回もリューナの性別については明言されませんでしたね。先週も感じていたのですが、口調などがちょくちょく男の子っぽい気もするんですよねー。こちらにも注目して行きたいと思いますw


きっちりと見せ場もあり新たな目標も示され、一気に読むことが出来ました。南の都でのエピソードも楽しみにしています。



PPPPPP


前回から引き続きソラチカの作り出したファンタジーと、ラッキーの見た相手の正体に強く惹き込まれました。「彼」の言葉にも、死装束を着ていたことにも納得出来ますね。風景との相乗効果でとても神秘的でした。ソラチカはラッキーの心の奥底を見抜いていたんですね。

ラッキーが「体験が沁みこみやすい体質」という描写も印象的でした。また、ラッキーは本当に凡才なのか、という考察も多かったですが、答えが出された感じですね。

最終的にラッキーがどちらの自分を選ぶのか。予想は難しいですがラストも良かったです。


少し気になったのは、ラッキーの体質についての描写が唐突に思えたところです。体験が沁みこみやすい、という具体的なシーンがもっとあれば今より分かりやすくなった気がします。

また、杞憂かもしれませんがソラチカの演奏が圧倒的すぎるのも正直ちょっと不安なんですよね。既にファンタジー(能力)が描かれているファンタはともかく、未知数のドンやシカトがいざ登場したときかすむのでは、と思ってしまいます。

ただ、全体的にはラッキーの本質に迫る興味深い話でした。また、無事に一周年を迎えたということで、今回で感想記事でのピックアップは一旦休止させていただきます。

面白い展開がずっと続いているので、もちろんこれからも読んで応援させていただきます。今はラッキーの選択と、運の演奏が特に楽しみです。PPPPPPが更なる人気作になることを願っています。



大東京鬼嫁伝


窃盗犯との決着が見られて良かったです。正体についてはほぼ予想通りでしたが、デザインが印象的ですね。愛火の変幻魄刀のシーンもやはりかっこ良かったです。

特別上手いわけではないですが、愛火の絵は可愛いし分かりやすかったですw進太に怒られた後の表情も絶妙ですねw

進太から家族について聞いて、やさしい心が似ていると反応する愛火がとても良かったです。彼女の家にも何か事情があるようですが、進太の「地球に70億人もいんだ」という台詞にもグッと来ました。

また、吉橋の話も興味深かったです。今後は進太と愛火で妖怪関連のトラブルを解決するという展開になって行きそうですね。


ただ、ラブコメもメインのはずなのにドキッとするようなシーンがほぼなかったことが気になりました。自転車の二人乗りは可愛いのですがあくまでも微笑ましいというレベルになっており、正直キュンとする感じではないんですよね。

また絵についても、前回よりは改善されているものの全体的に見辛い印象を受けました。そして、愛火との会話自体は良いのですが、進太の髪型に違和感を覚えていまいち話に入り込めませんでした。やはりデザインは少し失敗しているのではと思ってしまいます。

ですが、展開は大分スムーズになっていたので、今後の巻き返しに期待出来るかなとも感じました。次回以降の二人の活躍にも期待させていただきます。



あかね噺


あかねと志ぐまの会話シーン、やはりとても良かったです。志ぐまの弟子でいたいからこそ志ん太は落語家をやめた、というのは泣けますね。彼が「志ぐまの芸を継ぐ」ことを目標にしていたと明かされたのも良かったです。これは一生の台詞とも繋がって来そうですね。

また、何気にジャンボ好きなんですよねw今回もあかねの優勝に触発されて自分も高みを目指す、という描写にグッと来ました。落語界の関係者ではないですが、あかねの日常を支えるキャラとしてまた出て来てくれると嬉しいです。

ラストシーンも良いですね。確かにあれだけの実力を見せたら世間で話題になるのも当然な気がします。


話が大きく動いたわけではないのですが、重要になりそうな設定や新展開に繋がるシーンが読めてとても楽しめました。あかねがマスコミにも追われる展開なども描かれるかもしれませんね。色々と予想しながら次週を待ちたいと思います。




りは「環境が大きく変わっても、あかねなら絶対乗り越えられるはずです。
ジャンボもいますしねw」



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2022年9月15日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年41号感想 2/2



PPPPPP


ソラチカの演奏と、ラッキーが見た風景に圧倒されました。音上家の中でもソラチカは別格という設定も納得出来る描写でしたね。台詞のないページでの表現もとても綺麗でした。

ファンタジーの中でラッキーが対面した相手も気になりますね。服が着物だとすると故人なのかもと思える描き方ですし、少し楽音に似ている気もします。いずれにせよ、これが「君」なのでしょうね。


ただひとつ引っかかったのは、ソラチカの演奏を表す見開きが連発されていた点です。描写自体はとても好きなのですが、長く展開されると正直手抜きに思えてしまうんですよね。見開きは二か所程度に留めて、観客の反応などを入れたほうが良かったかもしれません。

ですが新たな世界を作り出すかのような神様の演奏がとても印象的で、全体的には楽しめました。正直どうすれば勝てるのか分かりませんが、次週センターカラーで物語が大きく動くとのことなので期待しながら待ちたいと思います。



ALIENS AREA


犯人の異常さ、凶悪さにゾクッとしました。特に組織の仲間との通話中、事件現場で平然談笑しているシーンは、恐ろしいですが惹き込まれました。個人的には回想に登場した豊との関係を疑っていますが、まだ確証はない状態ですね。

悲しみや怒りを露にする辰巳と、冷徹に思えるほど職務を全うする写楽、という対比の描写も良かったです。もちろん写楽も容疑者に対する激しい感情がないわけではなく「僕らは法に則って被疑者を追って逮捕出来る」と辰巳に語りかけるシーンがとても印象的でした。


ただ、気になる部分も正直ありました。まず、外5は現場保存が最優先という理念自体は分かりますが、新たな被害者を出す可能性も高い凶悪犯を追いもしない、というのはさすがに納得出来ませんでした。救命出来そうな人が残っている、大怪我で動けないなどの事情が描かれていれば良かったのですが、実際は助けられるような相手もいませんでしたし、負傷している状態でもなかったので引っかかったんですよね。

また、目撃者への対応も、記憶消去装置を使えば済むのでは、と思えてしまい気になりました。厳しいようですが一連の流れに引っかかりましたし最終的には当然犯人を追う展開になったため、無理に引き伸ばしているのでは、という印象になってしまったんですよね。

そして、小さなことですが犯人の顔が写楽に似てしまっていることも引っかかりました。特にアップのシーンでは一瞬混乱するんですよね。

せめて銀二が到着してからでも犯人を追えば良かったのではと感じてしまいました。掲載順も下がっていますし、引っかかる部分が多かった今週も正直巻き返しは難しいと思います。

ですが、かなり手強そうな犯人が逃亡したという緊迫した状態は逮捕劇を上手く描けば盛り上がると思うので、来週以降に期待させていただきます。写楽と辰巳のタッグが明菜の無念を晴らせるように願っています。



すごいスマホ


Qがカードゲームのようにボーケンの正体に迫って行く展開が面白かったです。最初に切ったカードも納得出来るものでした。

また、ある程度予想はしていましたが「軽々しい手つきで~」というモノローグもありましたし、やはりボーケンは家族のために動いているようですね。両親以外との関係も気になりました。

そして、全一郎も身内を失っていること、すマホ所有者の家族の死や失踪と関函一族の因縁など、興味深い情報が続々と明かされ惹き込まれました。Qとボーケンは良い協力関係を築けそうですし、ラストに握手を交わすシーンも印象的でした。ちょこちょこ描かれている冷も可愛かったですw

また、関函一族についても気になりましたが、今回の展開から全一郎本人ではなく彼の父のほうが怪しいのでは、と感じました。全一郎が家族を失ったとき彼はまだ子どもですしね。


ただ、引っかかる部分も正直ありました。一番気になったのは、ボーケンが両親が巻き込まれた事故についてほとんど調べていなかったように見えた点です。検索すればすぐ出て来る程度の情報すら知らないというのはおかしいでしょう。七年前のことですし今のボーケンはそれなりに落ち着いているはずなのに、何故事故について調べていなかったのかなと疑問に感じてしまいました。

そして、Qの推理を聞いたボーケンが暴力まがいの行為に走ったことも引っかかりました。ノリは軽いけれど思慮深いという描写と矛盾している気がします。家族のことに触れられた動揺もあったのだと思いますが、正体を探るゲームについて自ら了承しているのにいきなりQを責めるのは、やはり唐突な印象が拭えませんでした。

カードゲームを長引かせず今回のみで終わらせたのは、テンポが良くなりますし正解だったのではと思います。掲載順が下がって来ているので展開のスピード感は大切ですよね。引っかかる部分はありましたがボーケンは魅力的だと思いますし興味深い設定も明かされたので、次週以降の展開にも期待しています。




りは「ボーケンが好きだからこそ、矛盾のある描写は残念でした。
魅力的なキャラの個性を大切にして欲しいです」




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週刊少年ジャンプ2022年41号感想 1/2



ギンカとリューナ(新連載)


童話のように優しいけれど、どこか寂しさも感じる世界観に惹き込まれました。絵も可愛らしく、画力が高いですね。特に終盤のリューナがギンカを巨大化させるシーンが好きです。

ギンカの身体を取り戻すため、師弟関係でもある2人の魔術師が冒険に出る、というストーリーも良い意味で分かりやすいですね。展開がスピーディーなのも好印象でした。特に序盤にグダグダしているとつまらなく思えてしまいますからね。達観しているけれど実は優しいギンカ、目的に向かって突き進む努力家のリューナ、と、主役2人も魅力的でした。「魔術師に不可能はねぇ」という台詞も良かったです。

ところでひとつ気になったのですが、リューナの性別は明確に描写されていませんよね。外見も可愛いですし一人称が「私」なので高確率で少女だとは思うのですが、もしかして少年の可能性もあるのでは、と1話の時点は考えております。実際、そう思いながら読むと愛らしい少年にも見えるんですよね。ちなみに、個人的にはどちらでも楽しめる自信がありますw


好感の持てる主役達が早速冒険に出た、ということで、文句なしに期待出来る1話でした。ギンカは身体を取り戻せるのか、2人はどんな街を訪ねるのか。色々予想しながら2話を楽しみに待たせていただきます。



大東京鬼嫁伝


まつりの前職と年齢が気になりましたwそれはともかく、進太と生みの親の関係や今の家で暮らすようになるまでの経緯なども興味深いですね。辛い話もあるのでしょうが、いつか読めたら良いなと思います。

喫茶店でちょこちょこ働く愛火は可愛いですね。個人的には出汁巻き卵っぽいホットケーキもちょっと食べてみたいですw

そして、店主の吉橋のエピソードも印象的でした。笑顔で喋っていることが多いものの、夫が亡くなっていること、車椅子で生活していることなどから、苦労もあったのだろうなと惹き込まれました。

窃盗犯を迷いなく追いかける進太はかっこ良いですね。愛火が悪人をどうこらしめてくれるのか期待しています。


ただ、少し気になる部分もありました。細かいようですが、まず冒頭部分に引っかかったんですよね。コマを上から下へと読んで行くとシーンが繋がらず、正直混乱しました。大ゴマは2ページ目だけに描いたほうが分かりやすかったはずです。

また、全体的に絵がのっぺりしている印象になっていたのも気になりました。1話がとても綺麗だったのでギャップを感じてしまったんですよね。特に進太の体型がコマごとに変わっているように思えて引っかかりました。

そして、あまり詳しくはないのですが家の値段や借金についても気になりました。都内に豪邸を持っているなら、売却すれば借金についての心配は要りませんよね。この辺りは正直説明不足に感じました。

また、窃盗犯との決着を持ち越してしまったのも個人的には悪手だと思います。凶悪犯などなら長い尺で追跡劇を描写するのも分かりますが、ただの小悪党は2話目でこらしめてしまったほうが話的にもまとまったのではないでしょうか。

引っかかる部分はありましたが、キャラ達の好感度が高いのは魅力的でした。吉橋のためにも、進太と愛火が窃盗犯を捕まえてくれることを願っています。



あかね噺


何故か顔芸が多めの回でしたねw特にガラスの仮面パロディのあかねの白目が好きですw可楽杯編は緊張感のある展開が多かったので、こういうホッと出来る話が描かれるのは嬉しいですね。

また、ずっと気になっていたまいける兄さんの掘り下げも良かったです。とりあえず飲みたかったんですねwこぐま兄さんのあだ名も個人的には可愛いと思いますし、先生を口説きたくなる気持ちもよく分かりましたw

ただ、ノリが軽いだけではなく実力も確かなのだろうなと伝わって来ました。あかねへのアドバイスが印象的ですね。

つきあいで同席している様子のこぐま、真面目だけれど酒乱の享二、ちょっと粗忽なぐりこなど、それぞれの宴での一面を見られたのも楽しかったです。終盤まで笑える場面が続いていた分、あかねと志ぐまがふたりきりになるラストシーンの静かさとシリアスさが際立っている気がしました。一生や志ん太について何を語るのか、期待も高まりますね。


熱い大会だけではなく、キャラの個性を活かしたギャグも描写出来るのは今後も武器になりそうですね。次回のあかねと志ぐまの会話も楽しみにしています。



大いなる散歩(読み切り)


シリアスで悲惨な状況と絵のギャップに笑えるという、不思議な感覚を味わえる作品でしたwゾンビが生前好きだったものしか喋れなくなる、という設定も斬新ですね。洋画を思わせる絵も世界観に合っていて良かったです。

ディックとブルース、ゾンビ化した親を始末されたソフィアと彼女を守る男性、と、2組のペアが対照的に描かれているのも印象的でした。ブルースが暴走する中、ディック、ソフィア、男性が真剣な会話を繰り広げるというシーンがとてもカオスですねwけれど「いくら考えても~」や「ディック君みたいに命をかけれないなら」という台詞にはグッと来ました。


つぶやきの内容は下品なのに、いつのまにかディックに感情移入してブルースを殺されたくない、と思えてしまいました。ただ、ブルースのキャラがかなり人を選びそうですし、正直連載などは少し難しい気がします。

絵柄やギャグセンスはとても好きなので、もう少しマイルドにした漫画を描ければ人気に繋がるのではと思います。鈴木先生の作品を是非また読んでみたいです。




りは「批判も多そうですが、個人的にはブルースのキャラは好きですw
読み切りのギャグでインパクトを残せるのは素晴らしい才能だと思います」



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2022年9月9日金曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 アメノフル 2/2



2 主人公達の個性が薄かった


上の項目でも少し触れましたが、主人公のツムギも準主人公のミサキも外見や内面のインパクトに欠けていた、というのが正直なところです。ツムギは強かな美少女、ミサキは堅物で常に敬語の少年、というだけでほぼ説明出来てしまうんですよね。最低でもどちらか一方は印象に残るように描写したほうが良かったと思います。

特にツムギの「黒髪ロングの美少女で、表面上は人当たりも良いが裏の面もある」という設定は斉木楠雄のΨ難の照橋を思い出してしまいました。もちろんあくまでもキャラが被っているだけなのですが、同誌で数年前まで連載していた漫画のヒロインに似ている、となると、余計に個性が薄いように感じてしまうんですよね。

逆に途中参戦したトウカは「クールポンコツ」というあまり他と被らない設定で、ネットなどでも好評でしたし個人的にも好きでした。外見に反して登場する度にドジを踏む、というのは単純に笑いに繋がりますし、とても印象的だったんですよね。

能力についても、トウカはいわゆる氷系の技を使うキャラだったので目立っていたように感じます。上の項目で触れたバトルがワンパターンという問題点も解消されていたんですよね。ツムギ達にもこれくらい強烈な個性があったり、あるいはトウカをもっと早くに参戦させてツムギの同性の相棒的なポジションにしたらまた結果は変わっていたのでは、と思います。


キャラクター同士のかけあいはクスッと笑える場面が多く好印象だったので、惜しかったな、と考えております。ツムギの異常なペロペロキャンディ愛なども個性的でしたが、こちらは上の項目でも触れたように少年達には響きにくかったんでしょうね。女性主人公という題材自体が難しいので、キャラクターの個性でもっと読者を惹きつけた方が良かったのでは、と思います。



3 画力が足りていなかった


特にキャラクターの顔がアップになると区別が難しいレベルで似ていて、場面転換などの場合シーンを把握しづらい箇所が正直ありました。目の描き方のパターンがほぼ同じなんですよね。ツムギとミサキでさえ似てしまっているのは問題だと感じました。

また、絵については目の周りにいつも線が入っていることも気になりました。特定のキャラの特徴というわけではなくほぼ全員に描かれており、余計に区別しにくくなってしまったように思います。厳しいようですがそもそも何のパーツなのかよく分からず、混乱することもありました。

身体についても異常に手足が細い場面などがありましたし、正直そこで話に集中出来なくなってしまったんですよね。個人的には画力よりも話のほうが重要だと考えていますが、物語の邪魔になる絵なのは問題だと思います。


作画と原作も分かれていましたし、絵で魅せるコマがもう少し欲しかったと感じます。画力はそこまで高くなくともバトルシーンは見やすかったですし、お菓子が散らばっている大ゴマなどには惹き込まれたのでこちらも惜しい点ですね。



振り返ってみると、難しい題材を選んだ上、他の部分で読者を獲得することも出来ていなかったように思います。「魔法少女アニメのような設定、バトルにそこまでの個性はない」ということで、スタートダッシュにも正直失敗していたんですよね。ただ致命的な問題点はなく、絵もストーリーもあと一歩及ばなかったという印象です。

敵組織含むキャラとの会話はボケとツッコミのテンポが面白く、読んでいて楽しい気分になれました。メインキャラもインパクトは強くないものの応援出来たんですよね。原作のたけぐし先生も作画のみたらし先生も初連載ですし、単純に経験不足で未熟な部分が目立ってしまったのだろうなと考えています。

先述したようにトウカは今でもお気に入りのキャラですし、ラストにツムギが少女を助けるシーンもかっこ良く、短命ではあるものの好感度は高い漫画でした。未熟ということは成長の余地があるということだと思いますし、両先生の次回作に期待させていただきます。アメノフルのような捻った作品でも、王道の漫画でも良いですね。新作を読める日を楽しみにしております。




りは「好感度の高いキャラや笑える台詞を描写出来るのは大きな武器だと思います。
長所を伸ばして更に面白い作品を生み出して欲しいです!」




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短期連載(打ち切り)作品解説 アメノフル 1/2



アメノフル 1 (ジャンプコミックス)

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短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2021年41号にて最終回を迎えたアメノフル(全19話)について書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。

それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。



1 基本設定が少年誌に合っていなかった


「お菓子の能力を使う人物が暗躍する世界で、密かにキャンディの力を手に入れた女子高生が主人公」という構成なのですが、正直少年誌ではかなり扱いにくかったと思います。女性向けのほうが向いている設定の気がしますし、ジャンプの読者を惹きつけるのは難しかったんでしょうね。主人公のツムギもどちらかと言えば冷静なタイプで、少年達が感情移入出来る熱いキャラではなかったと思います。

そもそも女性主人公という時点で、ジャンプの読者を惹きつけるのはかなり大変な気がします。もちろん成功例もあるのですが、たとえばアンデッドアンラックや約束のネバーランド、魔人探偵脳噛ネウロのように、本筋を動かす強烈な個性を持った男性キャラが相棒になることが多いんですよね。アメノフルの場合はツムギを監視、護衛することになるミサキがそのポジションなのですが、「真面目すぎる敬語キャラ」の一言で説明出来てしまい、厳しいようですが際立った個性は感じられませんでした。この点については次の項目で詳しく解説いたします。

主人公が女性のみでヒットしている作品は、正直かなり少ないんですよね。近年になり、あかね噺やルリドラゴンなどその兆候が見られる漫画は増えて来たと思うのですが、文化系の熱血漫画、ファンタジー要素を含むほのぼのコメディと、アメノフルとはジャンルが全く違います。やはり「バトル漫画で主人公が女子高生、視点を担当する男子に強烈な個性はない」というのははっきり言って難しかったのでしょうね。

そして、お菓子を武器にするという設定は画面も華やかになり良いと思うのですが、結局ほぼ殴るか投げつけるかの二択になってしまっており、途中から正直退屈だったんですよね。直接攻撃だけではなく、たとえばいわゆるデバフ系のお菓子などがあればもっと面白かったかもしれません。

また、バトル内容自体は熱くて好きでしたが、お菓子がメインという時点で入り込めない読者も多かったのではないかと思います。戦場にお菓子が散らばっているシーンなどは、魔法少女アニメで見られるような描写なんですよね。たとえば、主人公は女子高生だけれどあえて重火器を使ったバトルをメインにする、といった設定ならギャップが生まれたかもしれません。


正直、基本設定の時点でかなり損をしていたと感じます。お菓子をメインに戦う女子高生が主人公、という部分を崩したくないなら、相棒の男性キャラはむしろ熱くて男らしい性格にしたほうが良かったかもしれません。これなら若い読者が興味を持つきっかけにもなった気がします。

個人的には女性主人公の作品も好きですしどんどん増えて欲しいですが、少年が主人公の漫画を描くとき以上に気を遣わないといけないのだろうなとも思います。女性主人公だけれど男勝りな性格、あるいは同じくらい目立つ少年がいる、などの工夫が必要なのでしょうね。



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2022年9月8日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年40号感想 2/2



ALIENS AREA


今回も面白い設定がいくつも明かされましたね。人々を守っているようで異星人の排除しようとする組織、A3が特に気になりました。明菜の経歴も少し描かれましたが、何故この組織にいたのかなどまだ興味深い部分が残っていますね。明菜については「理屈のある恋は全部嘘」という台詞もとても印象的でした。

冷静な写楽と不器用だけれど人情派の辰巳、ロマンチストの明菜とあくまでも仕事をこなそうとする写楽、と、それぞれ対になるような描写なのも面白いですね。しぶしぶ記憶消去を見送る写楽が何だか可愛らしかったですw明菜が賄賂として辰巳にカップラーメンを渡すシーンも庶民的で良いですね。

そして、明菜が謎めいていて魅力的だっただけに、ラストシーンはショックでした。犯人も気になりますが、どちらにしても明菜は退場しそうですね。悲しいですが、とても惹き込まれる展開でもありました。


前回から様々な設定が明かされ、衝撃的な展開となり面白く読めました。次週以降、写楽と辰巳がこの事件にどう対処するのか楽しみにさせていただきます。



HUNGER(読み切り)


すっきりしているけれど個性的な絵が好印象で、コマ割りなども見やすかったです。キャラの表情も良いですね。ラストでヒロインが妹と鍋を食べているシーンが特に可愛いです。

ストーリーも王道で、ストレスなく読むことが出来ました。特に、ワラダを投げつけるシーンがかっこ良いですね。主人公とヒロインがしっかり役目を果たしているところも好きです。


ただ、ページ数が短かったせいか小さくまとまっているように思えてしまったのも正直なところです。また、モンスターハンター、トリコ、HUNTER×HUNTERなど、様々な名作の影響を強く感じてしまいました。絵柄は適度に個性的なのに、ストーリーにオリジナリティがない気がしたんですよね。名作ゲームのコミカライズのような印象を持ってしまいました。

絵は好きですしキャラにも好感を持てたので、もう少し独自性のある作品を読んでみたいです。



地球の子(最終回)


終わってしまいましたね。一丸となって任務をこなす佐和田家が頼もしかったです。地球少女がいつ攻撃を仕掛けてくるか分からないというのは怖いですが、三人なら大丈夫だろうなとも感じられました。

令助とかれりが話していたように、成長した衛がかっこ良いですね。「その程度でオレ達の絆は壊れない」という令助の台詞も印象的でした。一般人がヒーローに恋したことで、いつの間にか自分もヒーローになっていた、と描かれたラストシーンも良かったです。


ただ、最終回も引っかかる点がいくつかありました。まず前回から思っていましたが、アルベールの髭が正直似合っていない気がします。もちろんほぼ自由に動けるようになったので髭を生やすこと自体は理解出来ますが、雑な感じがしてアルベールの顔に馴染んでいないんですよね。もう少しかっこ良く描写出来たのでは、と思ってしまいます。

また、友達と遊ぶことの許可をとるだけなのに衛がおどおどした様子なのも気になりました。使命の日が来ていない自分を令助達が心配しているから、というのは分かりますが、あまりにも遠慮がちなので普段束縛でもされているのかと勘ぐってしまいます。もう少しライトな描き方で良かったと思います。


衛の使命の日も描かれず、ウェイストも完全に変わったわけではないので個人的には打ち切りだったのでは、と考えております。敗因としては、まず無理のある展開が多かったことが挙げられると思います。このブログでも少し触れましたが、特に「かれりを奪還するために宇宙まで行ったのに、義実家を訪問するために突然帰還する」というのはかなり引っかかりました。厳しいようですが、大勢の人の協力でようやく救助のスタートラインに立てたのに身勝手だと感じてしまいました。

そして、細かい部分の矛盾が多いのもマイナスだったと思います。以前書いたようにかれりの記憶についての設定が一番気になりましたが、今週も衛の卒業式まで時間が経過しているのに「数年後」とされているのが引っかかりました。五年を数年とは呼べないでしょう。他にも、衛がモノローグで「使命の日はもう決めていた」と語っていたのに結局最後までそのときが来なかったこと、衛が流星群について書いた夏休みの作文が活かされなかったことなども気になりました。

また、衛が誕生したことで家族に焦点が当たっていたはずなのに、結局令助とかれりだけで盛り上がっているように見えるシーンばかりなのも引っかかりました。今週も衛が友達のところへ走ったため、ラストはふたりきりでしたよね。その前のシーンで令助とかれりは手を繋いでいるのに衛は後ろを歩いているのも気になりました。

ですが、成長した衛の活躍は熱いシーンが多かったですし、地球少女のキャラも光っていたので、後半は盛り返していたかと思います。もっと早くに小学生になった衛をメインにしていれば結果は違っていた気がします。

ただ、地球少女との話し合いは済みましたし最終的に家族三人の様子も描かれていたので、物語としては比較的綺麗にまとまっていたのかなとも思います。今のところ個別記事の作成は予定していません。神海先生、お疲れ様でした。これからも応援しています。矛盾を解消した次回作を読めれば嬉しいです。



りは「正直矛盾の多さは気になりましたが終わってしまうのは寂しいですー。
地球の子という設定や赤ちゃんとふたりで妻を助けに行く発想は
良かったと思います」




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週刊少年ジャンプ2022年40号感想 1/2



大東京鬼嫁伝(新連載)


義理の姉と妹がいる主人公のもとに妻を名乗る美少女がやって来て同居することになる、という、正直都合の良すぎる出だしでしたが面白かったです。画力が高く、特に女の子がとても可愛いですね。

ヒロインの愛火は嫉妬深いですが、進太を一途に想い続けているところが魅力的ですね。変幻魄刀のシーンもかっこ良かったです。

また、愛火や進太の姉、妹はもちろん、蛙人のデザインも好きですw愛火にきっちりこらしめられ、反省して泣きながら去って行くのも可愛らしいですね。ヒロインが同居しているということで、色々な展開を描きやすそうだとも感じます。


ただ、気になった点もいくつかありました。まず、厳しいようですが進太のデザインが良くないと思います。幼少期は可愛らしかったのに、成長した現在はあまりにもモブ顔すぎるというのが正直な感想です。ラブコメで主人公の外見が平凡、という設定なのは構わないのですが、読者が好感を持てるようにデザインしたほうが良いはずです。素直に子どもの頃の顔をそのまま成長させたほうが魅力的だったのでは、と感じました。実際、読み切り版ではそれに近いデザインでしたよね。

そして、かなり印象的な出来事だったはずなのに進太が完全に愛火を忘れている様子なのも引っかかりました。ただ、これは次週以降何か明かされるかもしれないなとも考えています。

少し気になる部分も見られましたが、全体的には画面も華やかで楽しく読めました。仲間先生は「魔法少年X(魔女の血を引く少年が主人公のダークファンタジー)」から知っていますし当時から画力やセンスの高い方だったので、応援しております。次週以降も女の子たちの可愛さを描いていただければと思います。



あかね噺


正直まだ納得出来ない部分もあるのですが、破門の理由について説明する一生に前回同様すご味を感じました。誰よりも落語という文化を大切にしているのは確かでしょうね。志ん太の練習風景を思い出すあかねも印象的でした。

一生の答えによかった、と反応するあかね、あかねの実力を認める一生、というシーンも印象的でした。お互いに落語家として尊重しあっているんでしょうね。そして、あかねの「おっ父の芸を認めさせる」という姿勢が変わらないのも良かったです。あかねが志ん太を否定すると正直物語として面白くないかなと考えていたので、この部分を貫いたのは正解だと思います。

また、ひかると一剣の会話も意外でグッと来ました。ひかるはしばらく描写されないかもしれないと思っていたので嬉しい驚きです。からしと友人が話題にしていた円相も興味深いですね。ひかる、からしは個人的にとても魅力を感じるキャラなので、今後も登場してくれそうで安心しました。

そして、魁生の食わせ者っぷりはブレませんねwクローズアップされる度に目が彼に向いてしまいます。魁生に対する「お前のこともあくまで芸で判断する」という一生の台詞も印象的でした。


先週の違和感が大分なくなり、新たな展開への期待も持てる回でした。特に、あかねを「志ぐまの芸を追う」と表現したり「言葉を選んで話すのは疲れる」と言っていた一生は、まだ本心を隠していそうな気がして惹き込まれました。

今回か次回で可楽杯編は終了だと思いますが、新展開も楽しみにしています。ひかるやからしはもちろん、円相の描写も待ち遠しいです。



PPPPPP


ファンタからソラチカの強さを聞かされても、面白そうに笑う運が印象的でした。既に強キャラの雰囲気が漂っていますねw

また、最後ファンタに何を伝えようとしていたのかも気になりました。個人的には母のことを見抜いているのかなー、と予想しています。表情はほぼ変わりませんでしたが、ファンタも何か感じる部分はあったのかな、と考えています。

ソラチカとラッキーの会話にも惹き込まれました! ソラチカの言う「君」がこれからの鍵になるんでしょうね。ラッキーに秘められた本当の才能とかかな、と予想しています。

また、ファンタの膝を枕にしながらメロリについて話すミーミンに和みましたw控え室のシーンでも感じましたが、関係性は悪くなさそうですよね。泣きながら正論で突っ込むレイジロウも可愛いですw「ファンタ大きいから枕に丁度いいんだもーん」という台詞も何ともミーミンらしいですねw

そして、ソラチカについての会話もとても印象的でした。一家の中でも別格という扱いなんですね。

また、ソラチカの強さを知っているレイジロウが運を「異常」と表現していたのにも惹き込まれました。勝敗が読みにくいのですが、それだけにとても楽しみです。


様々な場面での会話やまだ実力の分かっていないキャラの才能の片鱗が描かれ、とても読みごたえがありました。今は「神様」のピアノをワクワクしながら待ちたいと思います。



すごいスマホ


ボーケンについて段々と明らかになっていきましたね。ノリは軽いけど頭は切れる、という設定が新鮮ですし、正直現時点で既に藻浦より魅力的です。外見が好青年なのでQの母に警戒されていない様子なのも面白いですね。

Q、ボーケン、冷の頭脳戦も興味深く読めました。情報をカードと表現するボーケンの考え方が面白いです。また、ボーケンのモノローグも描かれましたが、現時点では全一郎と協力関係にはないようですね。すマホは家族のために使っているのかなと予想しています。

そして、Qが藻浦のペナルティを伝えて三人でカラオケに移動する展開にも惹き込まれました。ボーケンや冷が話していた剥奪条件も物語に関わって来そうですね。

この場でボーケンの正体に辿り着く、と宣言するQがとても印象的でした。正直手段については分からないのですが、協力者を求めているQに勝って欲しいところです。


ただ、ボーケンのキャラが面白く一気に読むことが出来たのですが、顔立ちや髪質が全一郎にかなり似てしまっていることが少し気になりました。特にアップになった際が顕著ですね。せっかく良いキャラなのですからもう少し区別をつけて欲しかったです。

前回から盛り上がっていると思うので次週以降に期待しています。まずはQの勝利を見たいです。




りは「ボーケンと冷に期待出来そうなのは嬉しいですねー。
こういうキャラを上手く動かせればQも魅力的に描けると思います」



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2022年9月1日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年39号感想 2/2



ALIENS AREA


久しぶりに辰巳と写楽のコンビを見られて嬉しかったです。人間のふりをした異星人が何人も街中を歩いているという非日常感も良いですね。今のところ活用出来る予定はないのですが、尾行についての知識も勉強になりましたw

新たに登場した明菜も気になるキャラですねー。「理屈を探してる」という台詞がとても印象的でした。外5の問題点や他組織が明かされたのも興味深いですね。正直、異星人達が色々と世話をしてくれる明菜を頼ってしまう気持ちも理解出来ました。多くの秘密を握っている様子の彼女との駆け引きがどうなるのかも気になるラストでした。


ただ、今週もまだ試験が始まっておらず、兵装の練習は前回だけで良かったのではと感じてしまったのも事実です。また、厳しいようですが、キャラをしっかり描写出来ていないのに新たなキャラを登場させるのは問題だと思うんですよね。室生と鈴についてもまだ分からないことが多いですし、パイウンや執事と出会った任務に協力していた職員達も名前以外の情報がほとんど明かされないまま退場状態ですよね。今後は構成を整理したほうが良い気がします。

謎めいた明菜や組織の問題点など、面白い情報が色々と出て来たのでひとつのエピソードとしては好きでした。作画も綺麗でしたし、次回も彼女とのやりとりに期待です。



地球の子


令助が会議の場として死の待合室を選んだのは意外でしたが納得出来ました。着席してもなお佐和田家への攻撃を続ける地球少女は恐ろしいですね。ただ、言動が一貫している点はむしろ好感が持てました。

死が近付き、かれりに止められても地球少女も救おうとする令助がかっこ良かったです。最後まで諦めない姿がとても主人公らしいですね。

結論についても、地球少女を強引に改心させるのでなく、あくまでも願いの力でようやく少し歩み寄れた、という流れなのが良いですね。地球少女が優位のまま終わったのも個人的には好きです。「ずっと見守ってる」という台詞が迫力もあり印象的でした。


ただ、もう少し早くこの方向に持って行けなかったのかなとは正直思いました。地球少女は基本的に万能な存在なのですから「大きなデメリットが出て来るまでは手を組んだほうが早い」という答えにはすぐに辿り着ける気がするんですよね。

そして、念動力で身体を分解させるという展開にも疑問が残りました。何故令助達は無事に生きていられるのでしょうか。実際はほぼリスクがないのかもしれませんが、だとすると初めに地球と対峙した際などにこの方法を使わなかった理由が分からないんですよね。また、分子となった佐和田家の絵にわざわざ名前の頭文字を書いていましたが、この説明は不要だろうと感じてしまいました。

しっかりと地球少女との話し合いを描写してくれたのは良かったです。いよいよ終盤だと思いますが、物語は綺麗に締めくくれそうですよね。話し合いを終えた令助達の未来を見届けさせていただきます。



ドロンドロロン(最終回)


終わってしまいましたね。塚原が決死の攻撃で作り出した隙をドラとクサナギが突く、という展開が王道で熱かったです。「負けだ――もしひとりで戦ってたら!」というモノローグも良いですね。宮本の格が最後まで落ちなかったのも上手いですね。

「もう強さに囚われなくていいんじゃ」という塚原のモノローグも切なかったです。最後まで宮本への敬意や仲間意識はあったんでしょうね。

そして別れの際、声を揃えてありがとう、と伝えるドラとクサナギにグッと来ました。時間があまりなく会話は短かったですが、お互いの気持ちは十分に分かっているんだろうなと感じられました。

戦いの後の日々を描くシーンで上士侍達が登場したのも嬉しかったです。ドラとクサナギのツーショットが見られないのは寂しいですが、違う世界に暮らしていても目標は同じ、と綺麗に締めくくられていましたね。


正直前回までと同様絵は荒れていましたし展開も早すぎましたが、ラスボスとの戦いも読めましたし、主人公ふたりが新たな道を歩き始める、という流れも良かったと思います。終盤の構成から判断して打ち切りだったのだろうなとは感じるのですが、必要な場面は描かれていたという印象です。

敗因としては、ドラとクサナギが友情を確かめ合う場面が多すぎた上にワンパターンだったことがひとつ挙げられると思います。厳しいようですが、連載が始まって間もない頃に食傷気味になってしまったんですよね。また、終盤の絵が雑でバトルシーンが見辛かったこと、特に敵キャラのデザインが期待外れだったこと、鬼滅の刃の影響を強く感じたことなども正直良くなかったと感じます。

ただ、基本設定はベタですが王道の展開も多かったですし、主要キャラ達も応援出来るように描写されていたと思います。大須賀先生の前作「ゴーレムハーツ(ゴーレムが主人公のファンタジー作品)」は正直キャラ達の好感度が低く疑問に思う流れが続いていたので、かなり成長は感じられたんですよね。

ドロンドロロンは読後感も良かったですし、少なくともバトルが中途半端に終わったわけではないので、個別記事の作成は予定しておりません。大須賀先生、お疲れ様でした。また更に成長された漫画を読めれば嬉しいです。




りは「ラストシーンも絵と台詞が爽やかでとても良かったです。
構成を磨けば大須賀先生は更に成長出来ると思います!」



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週刊少年ジャンプ2022年39号感想 1/2



あかね噺


からしとひかるの順位についても判明して良かったです。悔しがるからしの描写も印象的でした。個人的にはひかるのことも気になるので、いつか反応が見られると良いなと思います。

そして、一生の迫力がすごいですね! あかねが志ぐまに師事していることを言い当てるシーンは読者としてもゾクッとしました。記者達が退室してからは余計に緊張感が増した気がします。

また、志ん太への評価はかなり厳しいですが頷けるものでした。人生を賭けた場だからこそ客を魅了しなければいけないということでしょうね。志ん太を尊敬しているあかねですら納得している部分がある様子なのはさすがだと感じました。


ただ、一生の説明だと「昇段出来なかった」ことについてはとても納得出来るのですが「破門にした」理由にはなっていない気がして少し引っかかりました。合格レベルに達していなかったのは分かりますが噺のクオリティが低かったとも思えませんし、そもそも破門自体滅多にないことみたいなんですよね。しかも自分の弟子でもない志ん太も含めて全員破門にしたというのはやはりやりすぎでは、というのが正直なところです。

来週以降新たな描写も見られるでしょうし、まずはそれを待たせていただきます。可楽杯編はとても楽しめましたし、納得出来る説明やフォローが入ることを願っています。



おイナリ(読み切り)


イナリが良い意味でうざったいですねw特に「わしを先に好きだったのに」に笑いましたwただ、主人公の仁がかなり辛辣に突っ込んでくれるので不快感がないところが上手いですね。「大昔の恩を擦って来る年寄り」という表現が好きですw

嫌味のない美少女、綾瀬も良いですね。おかげでイナリの異常さが際立っている気がしましたwまた、イナリが仁を追って転校して来るというのはベタですが「すぐに神と表現する若者のおかげで霊力が戻った」という展開は何だか勢いで納得してしまいましたw

この前振りがあったからこそ、歪んだ信仰が原因で魔神化してしまう、というのも自然な展開になっていますね。何だかんだでイナリを止めに来てくれる仁に好感が持てました。もしかして最後はイナリが消滅してしまうのでは、と考えていたのですが、笑えるオチになっていて安心しましたw


連載にもしやすそうですし、ラブコメ要素を取り入れた場合仁がどちらと結ばれるのか読めないところも面白そうですね。現時点ではイナリにも綾瀬にも明確な恋愛感情はないようですし、本気で言い合いの出来るクセが強い昔馴染みと、明るく才色兼備な憧れのお嬢様、というのはどちらも魅力的だと思います。

ネタがちりばめられており、1ページに1回くらいは笑っていた気がしますw以前掲載されていた「最弱!! ジェノサイドクイーン(ヒーローものの悪の女性幹部がヒロインのギャグ読み切り)」は正直ベタすぎて沼先生の魅力があまり感じられなかったので、今回は持ち味が戻って来ていて嬉しかったです。絵もキャラも好きなので、是非また読んでみたいです。



PPPPPP


ミーミンとソラチカのツーショットは新鮮ですねー。会話を見るとそれなりに仲も良さそうですね。メロリの演奏に込められたメッセージを正確に読み取るソラチカが印象的でした。ミーミンが「何でも聞こえるのに」と言っていたので、これはファンタジーとは別の能力なんでしょうね。

また、ラッキーへの問いかけも意味深ですよね。自動販売機の影に隠れて何か考えている様子のラッキーの表情に惹き込まれました。彼が今後どう動くのかに期待です。

そして、メロリと対面して素直な気持ちを伝えるミーミンがとても良かったです。「私は私以外の人のことなんか分からない」というミーミンらしいモノローグはちょっと笑える部分もあったのですが、意外とみんな同じなのかもしれないなとも思います。メロリがありがとう、と言ってミーミンをハグするシーンもグッと来ました。「ずっと一番だった」と納得した様子のメロリはいつも以上に美しかったです。

投票結果も出ましたね。花弁子先生が話していた通り、どちらが勝ってもおかしくない素晴らしいバトルだったので納得出来る内容でした。

次の対戦カードにもワクワクしました! 運の演奏に注目したいです。読み切りではメロリのグニャリに憧れてピアノを始めていましたが、直前にメロリがそれを披露しているので違う路線に行っている可能性もある気がするんですよね。とにかく、ふたりに期待したいです。


メロリの演奏をもう少し読みたかったとも思いますが、全体的にはとても満足出来ました。次の対戦も楽しみにしています。



すごいスマホ


日本をかき乱しているすマホ持ち達の描写に惹き込まれました。特に、法で裁けない悪人達を晒す、という全一郎の手腕が見事ですね。また、キラが登場したことで世界が変わって行ったDEATH NOTEに近い部分も感じました。

そして、すマホ対策会議の瀬尾水も印象的でした。彼女が考えていた通り、現時点ではすマホを持った容疑者を確保しても物証は得られないんですよね。どう乗り越えて行くのか、Qと瀬尾水が改めて協力し合うのかなど期待が高まりました。

久しぶりに結歌がしっかりと描写されていたのも嬉しかったです。「人から逃げて寂しい人生送るより~」という台詞も印象的ですね。結歌に背中を押されたQが新たな仲間を得る、と決意するシーンも良かったです。

また、伊村の暗躍も印象的でした。全一郎に心酔しきっている様子が良い意味で気持ち悪いですw

ラストのボーケンと冷の登場シーンにも惹き込まれました! どちらもQに対して攻撃的な様子はないので、少なくとも一人は味方になるのかな、と予想しています。


ただ、全一郎ですら完全には特定していないQの家を、新キャラがいきなり訪ねるというのは少し引っかかりました。今週の描写から判断するとそこまで切れ者という感じではないですし、正直今のままだと不自然な上全一郎の株が下がってしまう気がします。

全体的には楽しく読めたので最後に引っかかるシーンがあったのは残念でしたが、ボーケンと冷については気になるので魅力的なキャラであることを願っています。




りは「新キャラの扱いは難しいと思いますが、
今の時点だと正直違和感もあります。
次回以降でしっかり魅力を描いて欲しいです」



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