2022年7月14日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年32号感想 2/3



すごいスマホ


藻浦はもちろんですが、伊村のことも少し描かれましたね。全一郎に心酔しきっているようで、気味の悪さも感じますが優秀そうですし印象的なキャラでした。Qが全一郎の元に行っても行かなくても、今後何かと本筋に絡んで来ることになりそうです。

また、藻浦については大分掘り下げられましたね。意図的に道化を演じているようにも見えて哀れさを感じました。両親からほとんど関心を向けられていないようなので、もしかして何らかの理由でほとんど放置状態なのかもしれませんね。犯罪に手を染めてまで金をばら撒いて人を集めているのは、愛情に飢えているからなのかなと予想しています。


ですが、すマホを違法行為に活用していることは一切擁護出来ません。そして、情状酌量の余地のあるキャラとして描くには悪行を重ねすぎだと感じました。まだ高校生なのですから、パチンコやスロットで稼いでいるという一点だけに絞ったほうが納得出来たと思います。飲酒と窓を破っての複数回の空き巣まで加えるのはやりすぎでしょう。また、こちらはすマホ入手前から繰り返していたようですが、万引きも当然許されない行為です。同情する余地はあるのでしょうが、正直読者としては不快感のほうが勝ってしまいます。

最後の展開は面白かったです。Qがすマホを手にしたことで浮かれて全一郎の真の意図に気付かなかったというのは判断ミスではありますが、高校生だということを考えれば仕方ないのかなとも感じます。「藻浦が殺されれば全一郎に大量のポイントが入り、瀬尾水の信頼も得られなくなる」というのは緊迫感がありますね。藻浦を知ってしまった、というモノローグも印象的です。事前に藻浦を調査していたQは彼の家庭の事情についても情報を得ていて、やはりこれ以上道を踏み外させたくないと考えているのかもしれませんね。だとすれば、とても主人公らしい考え方です。


追い詰められたQと藻浦に注目したくなる気になる引きでしたが、藻浦への不快感が引っかかってしまいました。全一郎以外のすマホ持ちにも説得力のある描写が欲しいところです。



PPPPPP


ついにピアノバトルが開幕しましたね! ラッキーの「兄弟喧嘩なんて初めて」という台詞も印象的です。確かに今回のバトルはピアノで戦う兄弟喧嘩とも言えますね。


また、ファンタのマネージャーがしょっちゅう代わることに対する「ファンタは色々自分で出来るからね」という、ソラチカの反応も気になりました。ファンタはその前にも「オレは今日も格好良い」と言い聞かせている様子だったので、やはり彼は虚勢を張っていて、根本の部分は母を心配していた幼少期と同じなのかなと感じました。


バトル本番はまだ始まっていませんが、参加者の登場シーンだけでも十分面白かったです。特にソラチカの「神様」という紹介がとても印象的で、演奏への期待が更に高まりました。ちなみにこれはあまり関係ないですが、運の師匠の名前にインパクトがありすぎてちょっと笑いましたw

そして、第一回戦はレイジロウVS倫に決まりましたね! 対戦カードからしてもやはり倫は彩刃なのかなと思いますが、別人だとしても盛り上がりそうです。いずれにせよ、この一回戦が決着するまでには明らかになるのでは、と予想しています。


参加者達の紹介や準備期間だけでも読み応えのある回でした。生まれ変わったラッキーの活躍、そして第一回戦の行方を楽しみにさせていただきます。



ネルの屍(読み切り)


妹の死体と暮らしている、という不穏な始まりから、更に薄暗い結末に繋がる物語でした。序盤で登場した「死体はネクロマンサーが出来ることしか出来ない」という設定が伏線になっていたんですね。「ただ一緒にいたいだけ」というモノローグも悲しく、決して明るい話ではありませんでしたが、個人的には好きな雰囲気でした。


兄とネルはいわゆる共依存関係になっているようですね。好ましいものではないですが、お互いに相手しか支えがないのでしょうね。ずっとふたりきりだった上、ネクロマンサーであると発覚してからは教会に追われ続けていた、という描写のお蔭でこの関係にも説得力があります。


画力も高く独特の雰囲気があり、兄妹の逃亡劇で連載にもしやすそうなのですが、全体の薄暗さも相まって少年達から評価されるのは正直難しいかなとも思いました。

個性を活かした別の作品か、あるいは全く異なる王道の漫画を読んでみたいです。




りは「少し批判もしましたが、正直個人的にはかなり好きな作品です。

   また本誌でお会いできれば嬉しいです」


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