2022年7月22日金曜日

週刊少年ジャンプ2022年33号感想 1/2



ハルカゼマウンド(読み切り)


王道の青春野球ストーリーで読後感も爽やかでした。短い中でのキャラ立ても上手いですね。明るい熱血漢の凪春、冷静沈着だけれど今も兄の凪春を慕っている秋風、指導力と悪知恵が冴え渡る横木コーチなど、いずれも魅力的でした。

野球にはあまり詳しくないのですが、サブマリン投法の際の波が立つ演出も綺麗ですね。凪春の「弟が困ってる」という台詞も熱かったです。本来の持ち味を取り戻した凪春を見て、満面の笑みを浮かべる秋風のシーンも良かったです。


連載を経験された先生のコンビということもあり、全体的にクオリティの高い読み切り作品でした。王道ながらキャラや主人公の武器である投法に独自性のあるところが強みですね。

正直野球漫画は長続きしない傾向にありますが、是非応援したいと感じました。連載としても読んでみたいです。



あかね噺


センターカラー、私服のキャラ達も良いですね。休日の息抜き中、という感じですしみんなよく似合っています。

一生のひかるへの評価は肯定寄りでしたね。ひとりになったときに落ち込み、また「自分自身の表現」を褒められたことに喜ぶひかるが可愛かったですw

また、からしの「観客は自分とひかるで満足してしまっているから、この後の出演者の優勝はない」という言葉は、厳しいですが正しい面もあるのだろうなと感じました。要するに受けづらい空気になってしまっているということですよね。

ですが、あかねの噺に対する心配はありません。すっきりとした表情は強がりではなさそうですし、何よりも「一生のことは許せないけれど、落語家として彼を認められないのはダサい」と言える彼女なら力を出し切れるでしょう。こぐま兄さんの妹弟子、という台詞も良いですね。


ひかるへの評価も納得出来るものでしたし、あかねの出番への期待が更に高まりました。次週はいよいよ新しい寿限無を見られそうなので、楽しみにしています。



ALIENS AREA


兵装を並行使用する写楽がかっこ良いですねー。特にスペースウォークのシーンが印象的で、演出も綺麗でした。

また、パイウンを守りながら物質を使う辰巳も良かったです。結局ニノ太刀にはあまり苦戦しなかった、という印象ですね。

そして、写楽と辰巳は解明されていない部分も多い暗黒細胞の持ち主であり、物質が暴走した場合何が起きるか分からない、という設定も緊張感がありました。暗黒物質をコントロールしながら戦う、というのが今後の課題になるかもしれませんね。最後の缶コーヒーのやりとりも、ベタですが綺麗な締めでした。


ただ少し気になったのは、肝心の写楽のバトルの絵が荒れているように見えたことです。特にランダムアクセスのシーンは、正直何をしているのかよく分かりませんでした。週刊連載が大変なのかと思いますが、せっかく画力の高い先生なのにもったいなく感じてしまいます。

そして、結局今回の任務で辰巳が本格的に戦うことがなかったのも残念でした。パイウンを守るために物質を使ったのも一瞬でしたし、これはバトルシーンとしては正直弱すぎるでしょう。写楽との連携がなかったのも残念です。


面白くなりそうな設定や印象的なシーンがあり飽きずに読めましたが、やはり独自の武器や辰巳の存在感が見られなかったことが気になりました。長期連載のためにも、改善に期待させていただきます。



PPPPPP


倫が彩刃だとはっきり明かされましたね! 声や顔が分からなくても正体を察しているレイジロウが印象的でした。やはり彼の中には、今も彩刃への友情が残っているのでしょうね。

彩刃の行為は当然許されるものではありませんが、それでも回想で描かれた屈辱や嫉妬は理解出来る部分も多かったです。今日でピアニストをやめる、という決意が切ないですね。贖罪と愛と怒りを込めた、ぶちのめしてくれと願いながらの演奏は悲しいほど美しいのだろうなと感じました。

そして、第一回戦で彩刃が勝利することはほぼないだろうと予想しているのですが、レイジロウが演奏で彩刃を救うことになるのではと考えています。巨人で彩刃を包み込み、許しを伝える展開などがありえそうです。彩刃の決意は固いようですし完全な和解は難しいでしょうが、少しでもふたりが会話出来ると良いですね。


倫の正体や演奏が描かれ、とてもワクワクする回でした。

まずは一回戦の決着と、レイジロウの演奏を楽しみにさせていただきます。



すごいスマホ


遂に伊村も具体的な行動をとりはじめましたね。集めたメンバー達のスマホや服のタグを外して特定を避けるなど、やはり有能そうです。全一郎はもちろんですが、伊村も敵としてはかなり厄介ですね。

また、藻浦のあまりの不注意さに戸惑うQなど、遂に対峙したふたりのやりとりも新鮮でした。藻浦のすマホ、まほ姉ちゃんも気になりますね。ノリの軽いお姉さんっぽいキャラですw情報の保護が働いてQの写真が撮れないなど、今までの設定を活かした展開も面白かったです。

そして終盤、藻浦にあえて真実を突き付けることで逃亡に誘うQの選択は正解だったと思います。ただ、金品は盗んでも無闇に人を傷付けたりはしていない、という言葉は正直無理があるかなと感じました。パチンコ店での違法な荒稼ぎや空き巣は直接人に危害を加える行為ではありませんが、間接的には傷付けていますよね。この台詞を言わせるなら、やはり藻浦の罪はもっと軽くしたほうが良かったと思います。


Qと藻浦がどうなるのか、そして全一郎と伊村がふたりと対面することはあるのか、など、緊張感が高まる回でしたが、藻浦に魅力を感じられず正直引っかかる部分もありました。Qが初めて味方に引き入れるかもしれないキャラなのに、知力も性格の良さも描写しないのは悪手だと思います。説得力のあるキャラクター作りを心がけて欲しいです。



りは「藻浦がフォローされればされるほど正直違和感があります。

   憎めないキャラ、というのをしっかり描写したほうが良かったかもしれませんねー」


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