2022年8月26日金曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 U19 2/2



3 主人公サイドの能力の描写に違和感があった


衛児含む主人公サイドのキャラクター達は、ストレスや強い思いによって発現する能力、リビドーの持ち主なのですが、大事な設定なのに引っかかる部分が多かったというのが正直なところです。

まず肝心の衛児ですが、手芸好きであること、朱梨を赤い糸で引き留めたいと願ったことがきっかけで糸を操るリビドーに目覚めます。ただ、これについての描写が既に気になりました。

序盤で能力を見たこともないキャラ(七海)から「糸のリビドーなんて最弱だ」と貶されるのですが、糸使いにそこまで弱いイメージはないんですよね。むしろ細くて自由に動かせるため使いやすそうですし、束ねれば丈夫な武器にもなります。読者はこの段階で衛児のリビドーについて知っていますし、何故か彼の能力を否定する七海には、はっきり言って違和感がありました。ONE PIECEのドフラミンゴも充分に強いキャラですよね。

また、便利さに反して見た目は正直地味で、主人公の能力としては扱いにくかったかなとも思います。そのため「漫画内では造形には触れられずただ弱いと判定されているけれど、読者からすると応用は効くものの地味な能力」という状況で、作中の描写と読者の認識にズレが生じてしまっていたんですよね。

そして、他のリビドーの描写にも引っかかるところがありました。特に気になったのは大矢 門人の全身を硬化させる能力です。門人が衛児とガレージキッドの女子(音羽)を自分にしがみつかせ飛び降りる、というシーンがあるのですが、鉄の塊に縛られたような状態で落下した人間が無事でいられる、というのは引っかかりました。ここは終盤の見せ場であるバトルシーンだったので、もう少し煮詰めて欲しかったです。


終盤発動した素張(衛児のライバル的なキャラ)のハサミのリビドーは衛児と対になっている設定も含めて好きだったので、メインであるガレージキット達の能力が引っかかってしまったのは残念でした。子ども達がリビドーを活かして大人に立ち向かって行く、という構造は面白くなりそうだったので、能力の詳細をもっと練れば人気にも繋がりやすかったはずです。



振り返ってみると、主に衛児達の設定が煮詰められておらず違和感を覚える描写が多かったことが敗因だったと思います。一話の時点では大人に刃向かう衛児のキャラが熱く、コンセプトも王道で分かりやすく画力も高かったのにこれは残念ですね。逆に考えると、いくら他の部分が魅力的でも主人公達を応援出来ないと長くは続かない、という教訓にもなっている気がします。

ただ、特に終盤は印象的なシーンも増えていたと思います。上述した素張との対決や、ラストの「自分より強大な相手に挑み続ける限り、人はきっと永遠に子ども」というナレーションなどは好きでした。やはりテーマ自体は少年誌にも合っていますし魅力的だったと思うんですよね。

絵柄や良い意味で泥臭いストーリーは好きなので、主人公達の設定をきちんと考えた作品をまた読んでみたいです。敵キャラを魅力的に描けるのも武器だと思うので、そこは今後も活かして欲しいですね。




りは「テーマや設定は王道なのに主人公が不快、というのは正直戸惑いますねー。

キャラが読者にどんな印象を残すのか、しっかり考えるのが大切だと思います」




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短期連載(打ち切り)作品解説 U19 1/2



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短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2017年28号にて最終回を迎えたU19(全17話)について書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。

それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。



1 主要キャラクターの魅力が伝わりにくかった


「子ども達を支配する大人党を倒し世界を変える」という目的は良い意味で単純ですし分かりやすくなっていますが、成し遂げようとする主人公を含むキャラクター達に好感を持ちにくかった点が残念でした。

主人公の衛児は大人党ばかりが持て囃される世の中に元々疑問を持っておりその思想自体は理解出来るのですが、正直やり方がかなり乱暴ですし悪い意味でまさに「子どもがわめいているだけ」になってしまっているんですよね。

初めに疑問に思ったのは、ヒロインの朱梨がエリート校に移ることを身勝手に止めようとするシーンでした。ふたりはいわゆる両片想い状態で朱梨自身も衛児や友人と離れることを嫌がってはいるのですが、作中の制度ではどう考えても転校したほうが朱梨のためになりそうなんですよね。もちろんそのまま送り出すことが正しいとも言いませんが、朱梨の幸せのためには応援したほうが良いだろうけれど納得出来ない、といった葛藤シーンをもう少し挟むべきだったと思います。

そして、ネット上でも批判されていた担任教師(谷)を追い出すという展開は、やはり正直不快でした。個人的には谷自身も擁護は出来ないのですが、それでも冤罪をでっち上げて無理矢理辞職させるというのは主人公サイドがやることではないでしょう。この時点で悪手でしたが、谷がいなくなったことを衛児達がバカにして笑い飛ばすシーンが更に問題だったと感じます。ムカつく相手は正当な方法でこらしめてこそすっきりすると思うんですよね。卑怯な手段を用いたのに集団で爆笑するのは、厳しいようですが完全に悪役のやることです。

また、次の項目で詳しく書きますが、大人党は確かに問題は多いものの正しい部分もあるんですよね。大人党をかたくなに否定して暴れるだけの主人公達には、正直魅力を感じられませんでした。


とにかく、衛児を中心とした主要キャラクター達にほとんど共感出来なかったというのが正直なところです。力のない子ども達が理不尽な大人に抗う、というのは王道の展開なのですが、はっきり言って衛児達のほうが自己中心的に見えてしまったんですよね。こういった展開が序盤に続いたことで、読者離れが進んでしまったような気がします。



2 悪役サイドのキャラクターのほうが応援しやすい構成になっていた


上の項目でも少し触れましたが、大人党の政策は正直納得出来る部分も多かったんですよね。主人公の敵なのですからもっと不快感を全面に出したほうが良かったのでは思います。

もちろん必要以上に子ども達を抑圧する、戦争を計画しているなど問題点も目立つのですが、実際に日本の景気はかなり改善されているんですよね。ランクによる差別が根付いているのは良くないですが、低ランクでも一定以上の収入と住まいが保障されるというのは政党として非常に優秀なのではと感じてしまいます。この暮らしで救われている人もたくさんいるのでは、とどうしても考えてしまうんですよね。

また、ラスボス的な存在の作中の総理大臣、四季大和はカリスマ性を感じるキャラであり、正直個人的には衛児達よりも好きでした。かなり過激な思想の持ち主なのですが言動も一貫していますし、部下に感謝を示す、突然襲撃して来た衛児達(ガレージキッド)の能力を見抜いて即座に対応するなど、印象に残るシーンが多いキャラでした。擁護出来ない部分もありますが衛児達を応援しづらかったこともあり、大和のほうが魅力的に思えてしまったんですよね。

そして、子ども達が生活のほぼ全てを制限されている、という設定のため、一話の冒頭では髪を伸ばしていた女子生徒が丸刈りにされるのですが、このとき指導していた谷の台詞からして髪を整える猶予期間はあったみたいなんですよね。現代の基準からすれば乱暴なことは確かですが、坊主頭にされるのが嫌ならその期間に切ってくれば良かったのではとも感じてしまいました。作中で大人達の悪行とされている部分も納得出来なかったりしたんですよね。


厳しいようですが、衛児達の暴挙は理解出来ないのに大人党の政策や言動には頷けるという、本末転倒な描写が多かったと思います。高ランクになれば何不自由のない生活だけれど低ランクの場合は何とか生きていけるレベル、くらいに極端な設定のほうが敵役としてはちょうど良かったはずです。正義側と悪役側にもっと説得力が欲しかったです。



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2022年8月25日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年38号感想 2/2



地球の子


冒頭から緊張感のある展開が続きますね。物理的にも精神的にも衛達を攻撃する地球少女が恐ろしいです。「自分より弱い父親に育てられても~」という台詞も印象に残りました。

また、地球少女との話し合いが始まるラストシーンも惹き込まれました。彼女が言っていた通り、現状のままだと佐和田家が力づくで勝利すれば世界の滅亡に繋がるわけですから、何としてもそれは避けなければいけませんよね。

ただ、引っかかる部分も正直いくつかありました。

まず、令助達が世話になった人達を訪ねる場面ですが、今頃?という思いが拭えませんでした。かれり救出の際に協力して貰ったのですから、お礼はもっと早くに済ませておくべきでしょう。改めて、という意味なら「毎年恒例の~」などの説明を挟んだほうが自然だったと思います。

そして、真路美に頭を下げる令助を過剰に称賛するような描写も気になりました。力を貸して貰ったから苦手な相手にも感謝を示す、というのは確かに良いシーンですが、人間として当然のことでは、とも思ってしまうんですよね。

また、地球少女を会議に招くシーンは好きなのですが、かれりが「お母様」とも呼ぼうとしていた地球少女がセーラー服姿なのは引っかかりました。今の格好だと彼女は令助とかれりの子どものように見えますし、お説教のような形で問題を解決してしまうのでは、と勘ぐってしまいます。

ですが、もちろん話し合いの結果は気になります。掲載順と話の流れからして終了は近そうですが、納得出来る形で地球の子の運命を変えて欲しいです。地球少女の反応や解答にも期待ですね。



ドロンドロロン


遂にノブナガの封印が解かれましたね。理性を失っておりカンベエのことも認識していない、という展開も、ベタですが惹き込まれました。そして、カンベエを一撃で倒すようなノブナガが宮本に取り込まれるシーンも恐ろしさを感じました。

ドラとクサナギが力を合わせてのバトルを久しぶりに見られたのも嬉しかったです。特に「テメーに勝てりゃんなことどうでもいい!」というドラの台詞が熱いですね。

また、宮本の弱点については予想の範囲内だったのですが、ドラとクサナギの例外的な妖力なら攻撃が届くかもしれない、という描写にはとても納得出来ました。宮本の隙を作るため、自らを顧みず戦う塚原にも惹き込まれました。


ただ、話の流れ自体は好きなのですが、全体的に絵が荒れているように感じられたことが残念でした。大事なバトルシーンも正直分かりにくいですし、合体後の宮本は目の周りにヒビのようなものが描かれており、表情なども汚く見えてしまいました。

そして、期待していたノブナガが猿のようなデザインだったのは悪い意味で意外でした。また、カンベエを簡単に吹き飛ばすシーンにはインパクトがありましたが結局すぐに退場してしまい、厳しいようですが裏切られた気分でした。その他にもあまりにも急ぎ足の展開が続きますよね。掲載順から考えても終了が近いのだろうなと感じてしまいました。

ただ、宮本との決着と同時に連載も終了しそうですが、このバトルがしっかり描かれれば、連載期間は短くても物語の締めくくりとしては綺麗なのかなと思います。とにかく、ドラとクサナギの戦いを最後まで見守らせていただきます。



ALIENS AREA


夢子の可愛さと強さが描かれた回でしたね。私服も仕事の際の服と少しイメージが変わって似合っています。先輩として辰巳にてきぱきと指示を出しているところも良いですね。

辰巳がレンズを選んだことを受け入れる室生にも好感が持てました。真面目でお堅いだけのキャラではないのは魅力的ですね。

そして、辰巳と夢子が追っていた事件が一話で解決したのも良いですね。相手がそれほどの凶悪犯ではなかったこともあり展開がスピーディで、ストレスなく読むことが出来ました。レンズの機能も面白かったです。


ただ、前回のラストで今回から試験編なのかなと期待していましたし、ここで仕事の話を挟むのは正直テンポが悪い気がします。事件を追ってはいましたが、緊迫感やバトルシーンがなかったことも残念でした。

また、絵も全体的に荒れたままですよね。掲載順も下がっていますが、正直あまり見せ場のない展開が続いたので納得してしまいました。

厳しいようですが、色々と盛り上がりそうな設定はあるのに、現時点では活かせていないと思います。試験の内容などは気になるので、今後改善されることを願います。




りは「今週の展開も正直肩すかし感がありました。
レンズを活かして辰巳がバトルも出来るようになると良いですねー」



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週刊少年ジャンプ2022年38号感想 1/2



あかね噺


可楽杯が決着しましたね。こぐま兄さんの言葉通り、もっと聞いていたいと思うくらいに、あかねの噺には惹き込まれました。やんちゃな寿限無の微笑ましさと、川で死んでしまう当初のオチに持って行くのかと思いきやもうひとひねりある、という展開も上手かったです。

からしとひかるの描写も良いですね。特にからしはあかねのプロ意識に気付いている感じがしました。

一生の講評も印象的ですね。言葉は厳しいですが可楽杯の結果を見るに、彼も「許してはいけないけれどあれを認められないのはダサい」と考えていたのかなと感じました。あかねと一生が対峙するラストシーンもグッと来ました。


可楽杯編は結構長かったと思いますが、面白い展開が続き一気に読むことが出来ました。一生があかねに何と答えるのか、ワクワクしながら待たせていただきます。



明日あきらの掌(読み切り)


メインキャラ全員が魅力的な作品でした。天真爛漫だけれど一流の祓い師のあきら、明るく優しい美星先生、良い意味で子どもらしい幽霊の一香、それぞれに共感出来ました。リアリティのあるキャラを描けるのは大きな武器になりそうですね。

個人的には演出も上手いと感じました。特に、生前の一香の恵まれない境遇を一コマで表現していたところにグッと来ました。

ジャンルとしてはホラー、オカルトものですが、絵柄が可愛くマイペースな小学生が主人公ということもあり、良い意味であまり怖くないのも魅力だと思います。個人的にはむしろ好きなのですがwホラーものが苦手な方でも、これなら読めるのではないでしょうか。

ラスト部分も怖いというよりはむしろ感動的でしたね。夢の中での美星先生と一香の会話シーンがとても印象に残りました。一香が生まれ変わって先生の子どもになれれば良いな、なんて想像してしまいます。


作者の小林先生は「ヤマビコな日常(SF要素のある日常系作品)」から知っているのですが、特徴的な絵柄はそのままに、かなり成長されているなと感じました。ヤマビコな日常も独自の雰囲気は魅力だったのですが、キャラの台詞などに少し引っかかっていたんですよね。今回はそれがなく、のんびりとした作品ですがとても楽しかったです。

読みながら優しい気持ちになれる、小林先生の成長を感じられる作品でした。連載にするなら、美星先生のようなキャラをパートナーにすると大人の視点からもストーリーを描けて良いかもしれませんね。とても好きな作品なので、是非また読んでみたいです。



PPPPPP


演奏を終えたミーミンとの会話中、あまりに自由な彼女にペースを乱されるメロリが新鮮でした。基本的に考えていることが分かりにくいメロリの、人間らしい表情は貴重な気がしますwミーミンはもう木を出さない、というシーンも印象的でした。

また、メロリがミーミンに投票を依頼する展開は意外でしたが納得出来ました。彼女が木の演奏をしなかった以上、勝敗を決めるためにはこの選択が妥当ではないでしょうか。

そして、ミーミンが本格的に聴き手となったことで投票結果の予想が難しくなって来ました。対抗心もある分メロリが優勢かなと考えていたのですが、今の流れは「ミーミンからは投票されたけれど全体票では負けた」という展開の前触れかも、とも感じるんですよね。カオスな演奏を聴いて戸惑っている観客もいましたし、メロリの圧勝にはならないのかな、と考えています。


ただ、ミーミンの演奏についてほぼ描写がなかったことは少し残念でした。フェアリーとの世界旅行を見てみたかったんですよね。

ですが、全体的にはとても面白く読めました。読み切り時代から描かれていたメロリの「グニャグニャカオス」の再登場も嬉しいです。色々と予想しながらミーミン対メロリの行方を見守らせていただきます。



すごいスマホ


やはり藻浦は退場してしまいましたね。ほぼ予想通りでしたし正直あまり好きなキャラではなかったのですが、それでもショックです。全一郎の優秀さと恐ろしさも感じる描写でした。

藻浦が消されるまで必死に保護していた瀬尾水の姿も印象的でした。Qとの通話の際の、取り乱したりはしないものの苦しそうな表情も上手かったです。逆に、藻浦の退場を感情的に嘆くQには胸が痛くなりました。「修だけじゃなく藻浦も守れなかった」というモノローグが切ないです。

そして、他のすマホ持ちも一気に描かれましたね! 正直キャラ数が多すぎてまだ把握が難しいのですが、全員が十代、二十代なので年齢にも何か意味があるのかな、と考えております。


ただ、厳しいようですが藻浦に好感を持ちづらかったこともあり、ショックを受けるQにあまり同意出来なかったのも事実です。やはり万引きや空き巣を繰り返す描写は不要だったと思います。

そして、終盤ですマホ持ちが一斉に登場したことには、はっきり言って少し戸惑いました。掲載順も下がって来ているので、アンケートが良くないため展開を急いでいるのかなと勘ぐってしまいます。

ちょうど全一郎が初登場した辺りのアンケートが反映されているはずなので、その影響もあるのかもしれませんね。このブログでも触れましたが、当時の全一郎は会社の描写など引っかかる描写が多かったというのが正直なところなので。ただ、その後はブレない悪役として印象的なキャラになったと思います。むしろ藻浦のほうが違和感が強いのでこれからのアンケートも心配です。

ですが、すマホ持ちが全員判明し、物語が大きく動きそうなことには期待しております。次週以降は新章でしょうし、印象的な展開やカリスマ性のあるキャラの描写で盛り上げて欲しいです。




りは「すマホ持ちが多すぎて扱い切れるのか正直心配です。
魅力的なキャラがいれば良いですねー」



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2022年8月16日火曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 無刀ブラック 2/2



3 予想を超える展開が少なかった


物語に大きな問題点は感じなかったのですが、良い意味で予想を裏切られることがあまりなく、簡単に先を読めてしまう展開が多かったというのが正直なところです。

この項目を語る上で外せないのは、やはり「槍としてのあなたは死にました」ですね。槍術使いの青年、砕蔵と対戦することになった雪路は彼の兄弟である徹から「兄が負けた場合は殺してください」と依頼され、その後砕蔵に勝利します。対戦終了時に言ったのが「槍としてのあなたは死にました」です。

厳しいようですが、徹が殺してくださいと頼んだ時点で素人でも予想出来てしまう展開だったと言わざるを得ません。当時ネット上でも「あまりにも安直すぎる」と話題になっていましたし、個人的にも読んでいて本当にこの台詞を使うの?と正直少し呆れてしまいました。

もちろん雪路が砕蔵を生かすこと自体に文句はないのですが、たとえば秘術で一時的に仮死状態にしてある意味で徹との約束を守るなど、もう少し捻った展開にも出来たはずです。王道やベタは大好きですが、読者の予想を超えることがほぼないというのはやはり問題だったと思います。また、それ以外にも意外性や驚きがなく、見ていて退屈な展開が続いたと言わざるを得ません。厳しいようですが、読者が離れやすい構造になってしまっていた気がします。


ベタや王道は上手く使えば盛り上がりますが、やはり連発されるとつまらなくなってしまいます。ベタな流れと先が読めない展開、当然ですが両方をバランス良く配置することが大切なのだと思います。無刀ブラックはありがちな展開に偏ってしまっていたというのが正直なところです。



まとめると、キャラクターや展開の魅力が薄く、既視感も強いまま終了してしまったといったところでしょうか。るろ剣に似ているということを除いても退屈な内容だった、というのが正直なところです。

ちなみに個別項目にはしませんでしたが、雪路が試合終了後などに説教じみた発言ばかりを繰り返す点も偉そうに感じてしまい、個人的には苦手でした。また、特に終盤の構成のバランスが悪く、作中の大きな問題がほとんど解決しないまま雪路が道場に帰って来て終了、というあまりにも消化不良な展開になっていたことも気になりました。打ち切りとはいえ、もう少し上手く物語を締めくくって欲しかったです。

画力は当時から非常に高かったと思いますし、掘り下げれば面白くなりそうな設定もあったので残念でした。やはり作品にはオリジナリティが不可欠ですね。野々上先生は「最後の西遊記」も短期終了となっていますが、こちらは既視感についての問題は解消されていたと思います。絵やキャラクターデザインなどは好きなので、次回作があればまた読ませていただきたいです。




りは「問題点以外は全体的に小さくまとまっている印象も受けてしまう作品でした。
今後新作を描くのなら、爽快感やオリジナリティを取り入れて欲しいですねー」



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短期連載(打ち切り)作品解説 無刀ブラック 1/2



無刀ブラック 上 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2013年36号にて最終回を迎えた無刀ブラック(全13話)について書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。

それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。



1 既存作品の影響を受けすぎていた


正直あまり詳しくはないのですが、それでも時代物であること、主人公(雪路)の信条、そしてキャラクター同士の関係などから「るろうに剣心」の影響を強く感じてしまう作風でした。編集さん達が指摘するべきだったのでは、というレベルで設定が被っていると思います。また、るろ剣を超える部分もはっきり言って感じられませんでした。

映画化もされている大ヒット作ですから、比較すると見劣りしてしまうのは当然だとも思います。そして、偉大な漫画にこれだけ似ていると「るろ剣を読めば良いや」と感じる読者が出て来ても正直仕方ないはずです。無刀ブラック連載当初から見てもるろ剣は20年ほど前の作品でしたが、メディア展開もされていますし、老若男女問わず内容を知っている読者は多かったと思います。「設定が被っていても若い世代には受け入れられる」と考えたのだとすれば、それはちょっと早計だったと言わざるを得ません。

たとえば雪路は道場を開くのではなく大家(藪)の用心棒を務めており、その働きぶりを見た人々が徐々に雪路の武術に関心を持つようになる、など、どこか一か所でも設定を変えればもう少し読者は定着しやすかったと思います。「似た設定のまま見どころもなく終わってしまった」というのが正直なところです。


既存作品の影響を感じる短期連載漫画は結構多いのですが、どの作品も設定を真似ただけで独自の武器を生み出せなかったことが敗因になっている気がします。もちろん人気漫画から学ぶのは大切なのですが、設定をしっかり理解した上で、自分の作品へと昇華させたほうが長続きするはずです。無刀ブラックも「るろ剣で見た」と感じてしまう部分が多く、そこが残念でした。



2 キャラクターのバランスが悪かった


雪路と一人目の門下生であり準主人公の少年、継春は、互いを尊重し守る関係にあるのですが、描き方に正直引っかかる部分がありました。

第一話で雪路は継春の人柄や心意気を見込んで道場に勧誘しますが、初対面の継春を過剰に褒め続けており少し違和感を覚えました。もちろん内面に惚れ込んで、という意味なのは分かるのですが「一輪の月」や「私の誇り」はそこまで言う?と感じてしまったというのが正直なところです。当然ながら第一話の段階ではまだキャラも掴めませんし、登場したばかりで雪路自身も会って間もない相手を絶賛されても響かないんですよね。

そして、この濃すぎる関係が続いてしまったのもはっきり言ってクドいと感じました。涙を流して互いへの思いを吐露するシーンが多く、割と早い時期に食傷気味になってしまったんですよね。熱い友情なら大歓迎ですが雪路の過去が重かったこともあり、正直薄暗く感じてしまいました。男性同士の湿っぽい関係は少年誌では求められていないと思います。

また、ヒロインについても気になりました。いわゆる男装少女なのですがそもそも女性だと推測出来る伏線がほとんどなく、性別が明かされたときは良い意味で驚くというより、これで女性というのは無理があるだろう、と感じてしまいました。たとえばニセコイのつぐみの初登場時などは「ほぼ全員が男子だと勘違いしているけれど幼馴染の千棘や鋭い生徒は見抜いており、ボディラインも女性的」と上手く表現されていましたよね。性別についてはほぼ予想通りでしたが明らかになるシーンは盛り上がっていましたし、魅力的なキャラになっていたと思います。

無刀ブラックのヒロインは、正直男装少女ならではの良さを感じられませんでした。上記の通り伏線がなかったことはもちろんですが、雪路や継春が正体を知って驚くシーンや、逆に男性だと思ったまま日常を過ごして行くというギャグなどもなく、設定を活かせていなかったと言わざるを得ません。特徴的なヒロインを生み出しただけで満足するのではなく、魅力をしっかり見せるべきだったと思います。


主人公と準主人公の関係は王道から外れており、ヒロインも活かせておらずキャラクターが作品の評価に繋がらなかったというところでしょうか。個々のキャラ設定は面白くなりそうな部分もあったので、そこを磨いて欲しかったです。





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2022年8月12日金曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 クーロンズ・ボール・パレード 2/2



3 細かい箇所の矛盾が多かった


触れている記事などは少ないのですが、個人的には気になった部分なので挙げさせていただきます。

正直、第一話で既に引っかかる点がありました。巻頭カラーの部分で、龍堂が白鳳学院のユニフォームを着ているんですよね。しかし一話ラストでは小豆田が不合格となっているため、この時点で少し気になりました。ただ、もしかして別の学校に行くと見せかけて主人公ふたりは白鳳に入る展開なのかなとも思ったんですよね。だとすれば意外性もあり面白くなりそうだと期待もしていました。

ですが実際は入学直前まで白鳳学院との大きな絡みなどもないまま黒龍山に進んだため、正直巻頭カラーの描写は何だったの?としか感じられませんでした。小豆田の合否を伏せるためだったのかもしれませんが、一話終了時点で結果が出ているのでその意味も薄かったと思います。巻頭カラーのユニフォームは奇をてらわず黒龍山のもので良かったはずですし、入学する高校を隠すにしても別のユニフォームにするべきだったでしょう。はっきり言って悪い意味で裏切られたとしか感じられませんでした。

またその他にも、黒龍山が甲子園で優勝した年が「1980年頃で約30年前」と説明されていたので作中の年代は2010年前後なのかと考えていたら、単行本で「約40年前」と修正されていたことなども引っかかりました。物語の年代設定は結構重要だと思いますし、特別な理由があってこその2010年設定なのかと考えていたのに結局何の意味もなかった、というのは正直読む気が失せてしまいました。


細かい設定も煮詰めてこそ、名作が生まれるものだと思います。もちろん矛盾を超えるくらいの勢いと面白さがあれば良いのですが、それも感じられなかったというのが正直なところです。気付かない読者も多いだろうからと疎かにせず、しっかり描写や設定を作り込んで貰いたかったです。



まとめると、設定の違和感や展開の遅さで読者が作品に入り込めなかったのが敗因だったと思います。特に、序盤で時間をかけて仲間集めを始めたのが正直致命的だったのではないでしょうか。どうしてもメンバーがチームに来た経緯を描きたいのなら、入部当時を振り返る形などで見せて欲しかったです。

キャラの好感度や画力は高いと思いますし、メンバーが揃ってからの試合は相手チームも魅力的で、光る部分ももちろんありました。近年、ジャンプ本誌で新連載のスポーツ漫画はなかなか定着しない傾向にあるので、また鎌田、福井両先生のスポーツものを読んでみたいです。



りは「仲間集めに限らず、序盤の進みの遅い展開はジャンプでは鬼門ですよねー。

スポーツ漫画なら尚更スピード感が大事だったと思います」




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短期連載(打ち切り)作品解説 クーロンズ・ボール・パレード 1/2



クーロンズ・ボール・パレード 1 (ジャンプコミックス)

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短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2021年31号にて最終回を迎えたクーロンズ・ボール・パレード(全20話)について書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。

それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。



1 特に序盤の展開が遅すぎた


これで読者離れが進んでしまった部分は大きいと思います。当時様々な場で批判されていましたし、個人的にも読んでいて正直退屈でした。

そもそも「仲間集めから始める」ということ自体スポーツ漫画では良く言えば定番、悪く言えばありがちな展開なわけですが、これを令和にやるのは時代遅れでしょう。一話はともかくとして、練習試合で良いので二話か三話の時点で試合を描いたほうが良かったはずです。

また、ひとりのメンバーを勧誘するのに時間をかけすぎていたのも問題だったと思います。仲間集めをするのなら、せめてひとりにつき一話くらいのテンポで進めないと飽きてしまいます。ジャンプ本誌だけでも優れた漫画がたくさんあるのに、序盤でスカッとした展開も描かずダラダラ続けるのは悪手でしょう。

そして結局、主人公ふたりが高校に入学するまでメンバーも揃わず「チームでの勝利」がなかったのも問題でした。あくまでも個人的な考えですが、スポーツ漫画で一番盛り上がるのは主人公達が勝利する瞬間だと思うんです。それがないままのんびり仲間を集めるのは、正直つまらない展開をずっと見せられているのと同じことなんですよね。


時代やスポーツ漫画の研究が出来ておらず、読者が飽きやすい展開を序盤で続けてしまったのかなというのが正直なところです。

仲間集めをすぐに済ませる、またはいっそ省くなどして野球の熱さをしっかり描いていればもっと読者を惹き付けられたと思います。



2 主人公(小豆田)が地味すぎた


「相手の分析や配球センスセンスは優秀だけれど、選手としての総合的な能力は中の上レベル」という設定ですが、はっきり言って扱いが難しいレベルで地味だと感じました。もちろん上手く描けていれば良いのですが、もうひとりの主人公である龍堂の影に隠れて地味なまま終わってしまったというのが正直な感想です。

もちろん、目立たない凡才も主人公としてはアリだったと思います。ただ、魅力的に描くためには何か別の設定も必要だったのではないでしょうか。たとえば黒子のバスケの黒子のようにサポートに特化している、など「総合的な能力は平凡だけれどある技術が突出している」といった主人公は割と王道ですよね。小豆田の場合なら、分析力は白鳳学院にデータ班としてスカウトされるレベルで優秀、といった描写でも良かったかもしれません。しかし選手を強く希望していたため入学を断ったところ、その能力を活かして一緒にプレーしないかと龍堂に誘われる、などの展開も作れそうですよね。

個人的には「能力の特化もなく練習量がとりえ」のような平凡なキャラも好きなのですが、特に若い読者に受け入れられるのは難しかったと正直感じます。練習が独創的、などの描写などがあれば少し違ったかもしれません。


厳しいようですが、平凡な主人公があまり成長を見せることもない内に連載終了してしまった作品でした。何か突出した技術や練習方法をプラス出来れば結果は大きく変わっていたはずです。



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2022年8月11日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年36・37合併号感想 2/2



ALIENS AREA


今回初めて登場した室生と鈴、それぞれ印象的ですし魅力も伝わって来るキャラでしたね。特に吉なぎゃ鈴が好きですw夢子はどちらかと言えば先輩ポジションなので、同世代のヒロインは鈴なのかもしれませんね。

兵装についての説明も面白かったです。鈴が写楽を尊敬していることに焦る室生も良いですねwそして室生が言っていた通り、ラストで辰巳が何故定番ではない兵装を選んだのか気になりました。


ただ数週に渡って書いている気がしますが、やはりずっと絵が荒れていますよね。特に辰巳と鈴が無重力の兵装を体験するシーンと、鈴が便利グッズ~と発言する場面が正直非常に見辛かったです。細かい部分だと、室生のモノローグを表している線もかなり雑に感じました。ルリドラゴンのこともありますし、もし週刊連載が難しいなら移籍などを考えても良いのではと思います。

また、今回もあくまでも試験ということで辰巳の本格的なアクション描写がなさそうなのも残念に思いました。もちろんバトルメインではない「変わった職業のお仕事漫画」でも構わないのですが、一話の展開を考えるとやはり違和感は拭えません。路線変更をするにしてもとても唐突で、受け入れにくいというのが正直なところです。また、兵装を選ぶ部分はかなりワールドトリガーに似ているとも感じました。

掲載順から考えても、今のままだと短命に終わる可能性が高まってしまいそうです。外5の仕事内容をメインにするしても、伝わりやすい絵でアクション描写は入れたほうが良いと思います。



ドロンドロロン


雲林院とカンベエのバトルがかっこ良かったです。以前の戦闘でカンベエの術の仕組みを見抜いていたというのは王道ですね。ぶつかり合う前の会話シーンも印象的でした。

その直後、遂に宮本が具体的に動き始めましたね。とんでもない妖力を包帯で抑え込んでいるという描写に強さと邪悪さを感じました。塚原やユウサイの一撃もほとんど効かないというのは恐ろしいですね。

また、久しぶりにドラとクサナギの活躍を見られたのも嬉しかったです。傷付いた雲林院達のもとにふたりが駆けつけるシーンではホッとしました。雲林院の「ウルトラスーパーヒーローになって来い!」という台詞も良いですねー。力量では正直宮本が圧倒的に上回っていると思いますが、雲林院と同じく、ドラ達ならば勝てると信じたくなりました。


ただ前回も思いましたが、展開が早すぎて正直少し雑に感じました。終了が近いのならある程度は仕方ないのかもしれませんが、もっと構成を考えて欲しかったです。塚原とユウサイがすぐに倒れたため、強者感が良かったふたりの魅力も薄れてしまっているように思いました。また、絵も全体的に荒れていますよね。

掲載順から考えても最終回は近そうですが、ドラとクサナギの連携が歪んだ宮本を討てることを願いながら次号を待ちたいと思います。



地球の子


冒頭、たったひとりで地球と戦い続ける衛が切ないですが熱いですね。祈りながらその姿を見つめるアルベールの描写も印象的でした。

衛の心を折ろうと地球が畳みかけるシーンは恐ろしく、そして迫力がありました。衛に対してかれりが呼びかけた「未来に負けないで」という台詞も良いですね。

また、その際に描かれた佐和田家の休日はとても微笑ましかったです。衛はもちろん、子どものようにはしゃぐかれりも可愛いですね。令助の「思い出はチェックポイント」という台詞も説得力がありました。空港でのラブラブすぎる両親に対して冷静に突っ込む衛のシーンも面白かったですw

そしてラスト、地球の攻撃を押しのけ「僕が相手だ」と宣言する衛がかっこ良かったです。地球に勝つと言うと非現実的に聞こえますが、今の衛ならば可能なのではと思えるシーンでした。


ただ、引っかかる部分もいくつかありました。かれりが家族での思い出作りに張り切っている、というのは分かるのですが、正直どのスケジュールも無理があると思います。特に子どもの衛には辛すぎるでしょう。地球の子だから体力も常人以上、といった設定もなく、むしろ「念動力以外は普通の人間」と明言されているのでやはり違和感がありました。かれりの熱心さを表現するにしても、日帰りのはずが泊まりがけになった、などで良かったと思います。

また、以前にも書きましたが結局かれりの記憶についての矛盾は解消されていないままですね。以前は十歳までの記憶がないと描かれていましたし、かれりが念動力に目覚めたのも十歳の頃だとされていたのに、今週を読むと偽りのものとはいえ幼少期の記憶があったことになっています。この辺りは地球の子に関する大切な設定なので、きちんと整理して欲しいです。

そして、両親の形をした雲が衛を絶望させようとする、というシーンですが、はっきり言って納得出来ませんでした。危険な状況の中でもかれりとは実際に会話出来ているのですから、これに惑わされるというのは正直無理があるでしょう。


また、展開と掲載順から考えてやはり終わりは近そうですね。引っかかる描写が多いことは正直否定出来ませんが、地球との対決は気になるので最後まで見守らせていただきます。




りは「かれりの記憶についてはずっと引っかかってましたが

解決されそうになくて残念ですー。

メインキャラの人生に関わる設定は作り込んだほうが良いと思います」


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週刊少年ジャンプ2022年36・37合併号感想 1/2



あかね噺


「上手いと思われてる内は二流」という龍若のモノローグにとても説得力がありました。確かに真の実力者ほど才能や技術をひけらかさず、噺の魅力そのものを伝えてくれるものなのかもしれませんね。既にその境地に足を踏み入れつつあるあかねの成長も感じられました。

定番中の定番の寿限無だからこそ観客も情景を想像しやすい、という描写も納得出来ました。不利になりそうな選択が逆に武器になるという展開は熱いですね。実際、あかねの寿限無はとても楽しく読ませていただいています。

そしてラスト、志ぐまの影響を感じる一剣の描写も意味深でしたね。当然一生も分かっているでしょうし、これがどんな評価に繋がるのかも気になりました。


話者の存在が消えるという表現も面白く、読者としても寿限無の世界に入り込める回でした。あかねはオチをどう演じるのか、そして一生の評価はどうなるのか。次号以降を楽しみに待ちたいと思います。



ロクの冥約(読み切り)


キャラの描写が上手いですねー。テンションは低いけれど友人思いのロク、底抜けに明るくロクを支えていたマチ、ツッコミをこなすけれど達観している部分も持つルシル、性根の腐り切ったボスなど、メインキャラ全員の個性が掴みやすかったです。ルシルについてはデザインもインパクトがあって好きですw

見せ場も盛り上がっていましたね。ロクが本部に乗り込み復讐を遂げるシーンは、ややグロテスクですが画力が高いこともあり、とても迫力を感じました。外薗先生の以前の読み切り「まどぎわで編む(ラブコメ要素のある猟奇作品)」もエグくグロい描写が印象的だったので、これが武器なんでしょうね。「悲しいだけだ」という台詞は切ないですが、自分の気持ちを表現出来るようになったのは良い変化なのかもしれませんね。

また、亡くなったタイミングと性格から、もしかしてルシルはマチの生まれ変わりなのでは?とも思えました。ただ、ロクに対する態度から記憶を失っていることは間違いなさそうですね。


ただ、一ヶ所だけなのですが構成が少し気になりました。ボスが「俺は反省した」と言ってロクを騙そうとするシーンは引きに持って来たほうが良かったのではないでしょうか。今の構成だと、隣のページですぐに嘘が分かってしまうんですよね。ページをめくったところで「性根の腐り切ったボスがロクを殺そうとしている」と判明したほうがインパクトがあった気がします。

ですが、全体的にはとてもクオリティが高いと感じました。ロクとルシルのこの先も気になるので、連載でまた読んでみたいです。



PPPPPP


ミーミンの「私だけ何も考えることがなーい」というモノローグに笑ってしまいましたw運とソラチカに対する予想の適当さも彼女らしいですね。ただ、深く悩まずに演奏出来ることこそミーミンの強さだとも感じます。

かつてのマネージャー達が客席でミーミンを応援している、というシーンも良いですね。「愛される才なら音上一」という運の考察にも説得力がありました。そのミーミンに対して「輝け」と願い続けるメロリの描写も非常に印象的でした。ミーミンの成功を逆に武器にするつもりなのかもしれませんね。

終盤でミーミンの演奏が始まりましたが、とても彼女らしく弾けていますね。「もっと楽しくなることを考えよう」という結論も良かったです。フェアリーが観客の意見を訊きに行く、という描写も可愛いですね。


レイジロウ対彩刃もふたりに感情移入しながら読めましたが、ミーミン対メロリの勝負の行方もとても楽しみです。まずはミーミンの奏でるニューワールドに期待したいと思います。



すごいスマホ


藻浦とすマホの会話が印象的でした。特にすマホが片言で感謝を伝えるのが切なかったです。このときの言葉からして、藻浦のすマホ(まほ)は彼に好感を持っていたようですね。

また「修の事件と藻浦の姉の死の時期が一致している」という事実には、気付いていなかったのでハッとしました。さすがにこれは偶然ではないでしょうね。そして以前「Qのすマホは少年型で藻浦のすマホは女性型」と描かれていたので、修と、藻浦の姉はそれぞれのすマホに関係しているのかなと考えています。

すマホSNSも今後の鍵になりそうな設定ですねー。Qと全一郎が注目している最後の機能については正直予想出来ないのですが、すマホ持ちを支配出来るようなものなのかなとは考えています。

そしてラスト、恐らく藻浦を消すために全一郎が具体的に動き始めたシーンには惹き込まれました。気になる部分はあるものの、今週のすマホとの会話シーンなどは良かったので、やはり実際に藻浦が退場してしまうかもと思うと緊張しますね。


ただ、先週のラストがあったにも関わらず今回結局藻浦が死ぬこともなかったのは少し引っかかりました。ここまで引っ張らず、QとSNSで繋がった直後に藻浦を消す、などのほうが正直盛り上がった気もします。

ですが物語の本筋に関係しそうな要素が明かされ、今後の展開について色々と考えたくなりました。まずは藻浦がどうなるのか、そして今後SNSはどう描かれるのかに注目したいです。



りは「合併号ですし、

ここで藻浦を退場させたほうが引きとしては良かったかもしれませんねー。

逆に次号で彼を消すなら先週のラストは余分だった気がします」


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2022年8月5日金曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 総合時間事業会社 代表取締役社長専属秘書 田中誠司



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短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2018年50号にて最終回を迎えた総合時間事業会社 代表取締役社長専属秘書 田中誠司(全20話)について書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。

それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。


1 あらゆる面で週刊連載に耐えられていなかった


これが根本的かつ最大の問題点ではないでしょうか。中盤辺りから絵もストーリーも正直かなり質が下がってしまっていました。

まず絵についてですが、特に後半は明らかに力尽きて手を抜いているとしか思えない箇所が散見されました。具体的に挙げるとキャラの片目しか描かれていない絵、そして何よりもざっと目を通しただけでも分かるレベルでコピペが多用されていたんですよね。はっきり言って画面としてもつまらないと感じました。

作者の天塚先生は当時現役の大学生でまだ若く、初連載だったということもあり画力もそこまで高レベルではなかったため、余計に読む気が失せてしまいました。ただ、お若かったことも考慮すると先生だけの責任ではないとも思います。担当の方との連携がとれていれば上手く休憩なども出来たはずなので、その辺りがかみ合っていなかったのかなとも予想しています。

そしてストーリー的にも、終盤で様々な設定が伏線もなく明かされており、上記の絵の雑さも相まって読みにくかったというのが正直なところです。人間世界宝3'sの三人目については名前すら登場しませんでしたしね。これは短命に終わった漫画では比較的よくあることですが、やはりもう少し構成を考えて欲しかったと思います。


画力は高くなくとも個性もあり好きな絵柄だったので、手抜きは正直残念に感じました。

ストーリーの欠点も含めて、天塚先生の成長前に連載終了してしまったのかもしれませんね。


2 主人公(田中)の能力に魅力を感じられなかった


秘書という職業を活かして名刺や印鑑などを駆使して戦う田中ですが、インパクトに欠けていたというのが正直な感想です。

この設定自体は個人的には好きなのですが、結局投げつけるだけで終わることがほとんどであり、面白さを感じられませんでした。能力自体がそこまで斬新でなくとも演出などで魅せることは出来たと思うのですが、上記の通り画力もそこまで高くなく、はっきり言ってバトルシーン自体が分かりにくい部分も多かったため、絵での魅力作りも出来ていなかったと思います。


一見地味な能力が実はとても有用だった、という展開は上手く使えば盛り上がったはずなのでもう少し練って欲しかったです。

たとえばですが名刺を受けとってしまった相手はしばらく田中の名前ばかり考えてしまう、のように何かプラスした効果があれば良かったと思います。


3 既存作品の影響を受けすぎていた


洋画にはあまり詳しくないのですが、それでもターミネーターの影響を強く感じてしまう作風でした。実際当時、周囲やネット上でも指摘の声が多かったです。

「田中誠司」シリーズについては金未来杯にて優勝した特別国家公務員改造者対策課~しか知らないのですが、このときは人造人間という描写はなかったので、連載になった際に何故かターミネーターに近い設定が足されてしまった、というのが正直な印象でした。目的はむしろ全く逆とも言えますが、人造人間が現代で使命を果たすために未来からやって来た、という基本設定が同じなので指摘されて当然だと思います。

もちろん設定部分だけであればいわゆる盗作にはあたりませんし、それ以上の独自性が出せていれば良かったと思います。ただ、正直ストーリーにも絵にも個性や魅力が感じられなかったため「ターミネーターに似た作品」という印象のまま終わってしまいました。


能力の項目でも触れましたが、設定や細かいストーリーを練れていなかったように感じます。

天塚先生は連載への予行練習を兼ねて田中を主人公にした作品を何パターンも描いていたようですが、既存作品の影響を強く受けたこの設定を採用してしまったのは正直悪手だと思います。また、いたずらに描くだけではなく、設定などをしっかり見直したほうが結果に繋がる可能性が高かったでしょう。



まとめてみると、準備が整っていないまま描いてしまったのかなというのが正直なところです。

もちろんお忙しかったのだとは思いますが、金未来杯優勝後二年ほど経過してからの連載だったので、この期間にもっと世界観や設定を固めたほうが良かったでしょうね。

ただ、終盤になってから登場した最川のキャラなどは魅力的でしたし、特に読み切りの際はヒロインもとても可愛く適度に個性的に描けており、光る部分は色々と感じられました。まだ二十代でお若い方なので、今後の成長と次回作に期待させていただきます。



りは「総時社の設定や田中誕生に時岡が関わっていた展開とかは好きでした。

   画力を磨いて、オリジナリティのある新作を見せて欲しいです」


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2022年8月4日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年35号感想 2/2

 


LINNE(読み切り)


ほんのりラブコメ要素もあるサスペンスで、惹き込まれる構成になっていました。死んだはずの幼馴染からラインが来た、という信じがたいけれどりんねの生存に期待を抱いてしまう始まりから、段々と不穏な雰囲気になって行く展開が上手いですね。絵もヒロインのりんねが可愛らしく好みでした。

ラブコメとしては、ラインでの他愛もない会話がリアルで微笑ましかったです。特にりんねの言葉遣いが良いですね。ぴちぴちのじぇーけーという表現が好きですwそしてそんな可愛らしいやりとりの後、通話ボタンを押したら雑音しか聞こえない、というシーンが描かれておりゾクっとしました。


ただ、正直ラストは非常に分かりにくいと感じました。要するに別の世界線が存在した、ということなのでしょうが、最後のシーンに繋がるコマは時間経過とも解釈出来ますし説明不足だと思います。特に、パラレルワールドを扱った作品に慣れていない読者からしたら難解でしかないでしょう。せめてふたつの世界が並行して存在している、ということをもっと分かりやすく描くべきだったと思います。

途中まで飽きずに読めましたし題材も好きなので、ラストで引っかかり手が止まってしまったのは残念でした。分かりやすい話作りを心がけて欲しいです。



地球の子


令助とかれりを執拗に攻撃する地球が非常に印象的でした。残酷ですが、彼女は本気で地球(自分)を守ろうとしているのでしょうね。地球に対して本能的な恐怖を感じるアルベール、かれり、衛、逆に一度打ち勝ったことがあるせいか取り乱すことのない令助、という対比も説得力がありました。

地球が衛に対して妙な優しさを見せるシーンも良い意味で不気味ですね。そしてラスト、両親を助けるために念動力を使う衛がかっこ良かったです。このときに衛が思い出していた、泡と辛さの話もグッと来ました。


ただ、先週から考えていたのですが少し疑問に思う箇所も正直ありました。

そもそも、何故役目を終えた地球の子を死なせる必要があるのでしょうか。念動力がなければ地球の子は普通の人間なのですから、力のみを消せば済む気がします。地球にも不可能、ということなのかもしれませんが、様々な現象を自在に操っているのだから出来るのでは、と考えてしまいます。この疑問があるので、今回の佐和田家との戦いも正直引っかかりました。

また、少し細かいですが先週全く描かれていなかったグラハシがいつの間にか当然のように登場していて、逆に台詞もあった運転手の存在には全く触れられていないことも正直気になりました。

熱いシーンも多いですし、衛のキャラが個人的にとても好きなのでもっと佐和田家を応援したいのですが、やはり引っかかる部分もあってそれが出来ないというのが本音です。ただ、もちろん三人の未来は気になります。正直終わりは近いと思いますが、佐和田家が地球の子や家族の運命を乗り越えられるのか最後まで見守らせていただきます。



みらい健やか安定所(読み切り)


ちょっと世にも奇妙な物語感がありますね。みらいノートの設定や、モブの顔に文字が描かれている表現も面白かったです。

そして、みらい健やか安定所の職員達の貼り付けたような笑顔が非常に不気味でした。あくまでも善意で行動しているようなので余計に性質が悪いですね。その職員から主人公(戸田)を助け出す音楽家の男性のキャラも立っていました。


ほぼ成功が保障されたノートに従う人生か、失敗ばかりでも好きなことを貫く人生か、正解はないと思いますがとても考えさせられる内容でした。読み切り向きのネタですし少年漫画っぽさもないのでそのまま連載にするのは難しそうですが、比名先生の作品は是非また読んでみたいです。



ドロンドロロン


ギンチヨのピンチに駆けつけるユウジンがかっこ良かったです。彼に対する「また頑張り過ぎちゃったわね」というギンチヨの台詞も印象的でした。

ルイとナオトラのタッグも息が合っていて良いですねー。ルイの能力を見られたのも嬉しかったです。ふたりは元々同じ班の先輩後輩だったんですね。

サコンタ、ハジメの戦いも印象的でした。サコンタはモノノケの予知を超えた一撃を叩き込むシーンが王道で熱かったです。ハジメは北畠に対する台詞にグッと来ました。


ただ、場面場面は面白く読めたのですが、かなり詰め込まれているような印象も正直受けました。正直、五怪将を一週で倒してしまうのはやりすぎだった気もします。掲載順や展開から考えて、やはり近い内に最終回を迎える可能性が高そうですね。

ですが、ドラとクサナギの活躍もまだ残っているでしょうし、熱いバトルが続いているので楽しみに読ませていただきます。今週のラストから考えて主人公ふたりの登場は近そうなので楽しみです。



りは「今週がかなり駆け足だった分、

ドラとクサナギの活躍はある程度時間をかけて描いて貰えればなと思います」


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週刊少年ジャンプ2022年35号感想 1/2



あかね噺


自分を前面に出さないまま客を噺の中に惹き込んで行く、というあかねの戦法が面白かったです。定番の演目を選んだという部分はひかると共通しているのに、その表現の仕方が正反対になっているという描写も上手いですね。

そして、あかねの名前の由来にもグッと来ました。どこか寿限無に似た部分もありますね。この噺のテーマは子を想う親心、というのも改めて納得出来ました。


寿限無の一番の山場では客は完全に噺に入り込んでいるのかな、と予想しています。今回も説得力があり飽きずに読めましたが、次週がより気になるラストでした。あかねの寿限無の更なる盛り上がりに期待しています。



霊媒師の心理学(読み切り)


除霊ものと心理学というのは新しい取り合わせですね。ところどころで描かれる心理学も単純に勉強になりました。派手さはない絵ですがすっきりしていますし、基礎的な画力の高い先生ですね。

謎解き要素も面白かったです。容疑者である霊媒師が全員怪しすぎる点など、小ネタも笑えましたw

主人公の前職については正直予想の範囲内ではあったのですが、霊媒師に転職した理由が説得力もあり斬新でした。また、最後の保護者達を意図的に呼び出した、というシーンはグッと来ますね。


淡々と進む構成になっており少年漫画らしいわけでは正直ないのですが、最後まで飽きずに読めましたし好きなタイプの話でした。連載にもしやすそうですしキャラにも好感が持てたので、是非また読んでみたいです。



PPPPPP


レイジロウと彩刃の会話シーン、切ないですが良かったです。そして今回初めて気づきましたが、ふたりは衣装以外に髪色や髪型も対になっていたんですねー。意識していたかどうかは別にして、彩刃はずっとレイジロウを追っていたのかもしれませんね。

彩刃が引退を決めたのは、本気のレイジロウに叩きのめされて苦しさが消えたからなのかなと個人的には考えています。彩刃に対し全部許す、と伝えた上で無理には引き留めないレイジロウの姿はとてもかっこ良かったです。いつかまた~の台詞も彼らしいですね。

そして、彩刃と正反対とも言えるメロリの描写も印象的でした。ミーミンの「苦しいのってやでしょー?」という言葉に意味深な笑みを浮かべているので、やはり苦しみを利用するつもりなのではと予想しています。いずれにせよ、ミーミン対メロリへの期待が一気に高まりました。


レイジロウと彩刃、そしてメロリとミーミンの会話がどちらもキャラクターらしさが際立っており惹き込まれました。次回以降も印象的な台詞と、そして演奏を楽しみにしています。



すごいスマホ


正直藻浦の描写には今も納得出来ないのですが、鶴本のメッセージにはグッと来ました。やはり親からは放置されていたんですね。その理由も納得出来るものでした。

また「藻浦はすマホに振り回されたけど、弱い人間というわけじゃなくて普通の人間」というQのモノローグも印象的でした。もちろん非行に走ったことは擁護出来ませんが、やはり知恵や確かな展望のない人間が手にしたら安易に金儲けなどを考えてしまうのでしょうね。

そして「Qが鬼ごっこの現場から自転車で来られる範囲に住んでいる」と全一郎達に確信を与えてしまったかも、というシーンはハラハラしました。藻浦との会話が比較的穏やかだったので、余計に緊迫感が際立ちますね。

また、予想の範囲内ではありましたが藻浦に死が迫っていそうなラストシーンにも惹き込まれました。個人的には好感の持てるキャラではないので仲間になって欲しいとも思えないのですが、だからと言って死を望んでいるわけではありません。藻浦の行く末は前回同様とても気になりました。


ただ、緊迫感で盛り上がる回だっただけに、藻浦への違和感は残念でした。このまま消されるのであれば同情はしますが、惜しいキャラとまでは思えないのが正直なところです。彼の描写は今回でほぼ終わったでしょうし、以降のキャラで修正して欲しいです。



ALIENS AREA


慣れないPCのセットアップは難しいですよねwUFOの駐車違反という表現も面白く、冒頭から惹き込まれました。

銀次は良い先輩ですねー。辰巳を舐めた態度の宇宙人への交渉や「手ェ借りろ」という台詞が特に印象的でした。最後のドライブシーンは少しだけ情けなさもあり笑えますねw


ただ、本来外五は前回や今週のような裏方的な仕事がメインなのでしょうが、いまだに辰巳のアクション、バトルがほぼ見られないのは一話から知っている読者としては正直退屈です。今までのバトル回のアンケート結果が良くなかったのだとしても、それは写楽のみが活躍していて、辰巳の個性やふたりの連携が描かれていなかったことが大きな理由だと思います。アンケート結果だけを見て「バトルは受けが良くないから方向転換しよう」と考えたならちょっと早計と言わざるを得ません。

そして、まだ連載も始まったばかりですしかっこ良いバトルを描くことに挑戦して欲しいのですが、絵が荒れていることもやはり気になりました。銀次の魅力なども表現しきれていないように思います。

辰巳のキャラは好感度が高いので、今後の活躍に期待させていただきます。




りは「今のままだとどっちつかずで迷走しちゃいそうですー。

   ちなみに個人的には、やっぱりバトルメインで進んで欲しいです」




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