2022年7月14日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年32号感想 1/3



捌(読み切り)


シシノケとのバトルの最中、喜々としながら調理法や味付けを語るハチが良い意味で不気味でしたw美味いものほど醜悪な見た目でその味を隠す、という描写にも説得力があります。不味いんかい!と突っ込めるオチも笑えますねw食欲をそそる香りがするのに不味い、というのは裏切られた気分になりそうです。


ただ、未知の生き物と戦って調理する料理人というと、やはりトリコが浮かんでしまいます。そして正直なところ、トリコと差別化を図れるほどの魅力や個性は感じませんでした。舞台が現代日本である点は確かに違うのですが、主人公の設定がかなり被ってしまっていますからね。

この題材で描くのであればトリコと異なるアプローチが必要かと思います。作者の渡邊先生はまだお若いようですし絵なども好きなので、他のテーマの作品も読んでみたいです。



ルリドラゴン


「ドラゴンも人間も実はあまり変わらない」というメッセージを感じる回でした。クラスメート達の「怖いと思う部分は正直あるけれど、ルリ本人も自分の正体に戸惑って怖がっているはずだから過剰に恐れたりはしない」という台詞や、母の「ドラゴンも人間も『自分はこのままでも良いのかな』と考えるのは変わらない」という言葉がとても印象的でした。ルリも周りの人達も、それぞれ葛藤などもありつつ受け入れている様子が上手く描かれていますね。


また、ルリが教室で炎を吐いた日、彼女を迎えに行く前に母がクラスメート達に説明と謝罪をしていたという描写も好きです。こちらのブログでも批判しましたし、ネット上でも正式な謝罪シーンが必要なのでは、という意見は多かったですよね。今回で上手くフォローされたなという印象です。先述したクラスメート達の反応も、母の行動があってこそですからね。


そして、帰宅してからの一連の流れには和みました。会話も印象的なのですが、たこ焼きが美味しそうで風呂上がりのラフな髪型、格好のルリが可愛いですwちょっと古めのゲームに熱中する親子の描写も同じく良いですね。翌朝笑顔で登校するルリも眩しいです。


本編はとても楽しめたのですが、次週の休載に驚きました。週刊連載は厳しいようですし、眞藤先生の体調が心配です。無理をせずにゆっくり休んで欲しいですね。



あかね噺


ひかるの演目、芝浜というのは予想していなかったので驚きました! ですが、確かにあかねのトラウマを呼び起こして噺がやりにくくなる可能性のある選択ですね。


女将の出番を意図的に増やして美声と演技力で戦う、という見せ方も説得力がありました。その上で、ひかるの真の武器は容姿や演技力ではなくがむしゃらさ、という描写が魅力的ですね。絵にも気合いが入っていました。一生の講評についてはまだ分かりませんが、少なくとも観客の心には非常に響くのではと思います。


ただ、これは逆にあかねの闘志が湧く選択なのではとも感じました。ひかるの噺でより火が点いたあかねが100%以上の実力を発揮する展開があり得そうです。


良い意味で予想を裏切られ、ひかるの美しさや演技力の高さを絵でも魅せられた一話でした。ひかるがどう評価されるのか、この演目があかねの噺にどう影響するのか、ワクワクしながら読ませていただきます。



ALIENS AREA


パイウンの家族が既に処刑されていたというのは切ない展開ですね。事実を伏せてでも彼女を守ろうとしている執事の忠誠心にも胸が痛くなります。泣きながら辰巳の頭をかじるパイウンの姿も悲しいです。また、攻撃を躱しつつ辰巳に兵装の解説をする写楽はやはりさすがですね。


ただ、今週も辰巳のバトルでの活躍が全くなく、正直退屈に思えてきました。

写楽が戦闘面でも優れているため、はっきり言ってしまうと辰巳が不要なキャラに見えて来てしまうんですよね。写楽をかばおうとして不格好ながら連携をとることになる、くらいの描写はあっても良かったと思います。また、今回のように弱者の救出や保護をメインに描くなら、いっそ辰巳は「防御力は素晴らしいけれど攻撃面ではほぼ役に立たない」くらいのキャラでも良かったかもしれません。もしくは現在のポジションのままヒロインにしてしまっても説得力が出たのではないでしょうか。


いずれにせよ初任務の最中でも戦闘に参加せず、戦ったのが入隊する際の先輩との手合せシーンだけというのはさすがに問題だと思います。

アクションシーンやキャラデザインは好きなので、主に辰巳について見直して改善して欲しいです。




りは「正直、今のままだと辰巳がストレスの元になってしまいそうなんですよねー。
   デザインも内面も好きなので惜しいです」


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