2023年10月28日土曜日

週刊少年ジャンプ2023年47号感想 2/2



暗号学園のいろは


多夕の意外な弱点と、その克服劇が見事でした。慕との対決方法も面白かったですし、多夕のお株を奪う慕の強さも伝わって来ました。

躾が多夕の弱点を見抜いていた、というシーンも印象的でした。このふたりのデモンストレーションも読んでみたかったです。

ラストの多夕の表情にも迫力がありました。多夕と慕の勝負がいよいよ読めなくなってきたので、次週が待ち遠しいです。


正直多夕は結局は強運なのではとも感じましたが、対決方法やキャラクターの掘り下げが印象的で面白かったです。そして岩崎先生の巻末コメントには笑いましたw次回は多夕や慕の次の作戦にも注目させていただきます。



一ノ瀬家の大罪


幸恵の話す真相に救いがあって良かったです。翔が「諦めた目」と感じていた耕三や美奈子の表情は、本当は現状を受け入れている目だったのではと感じました。

美奈子の言葉も印象的でした。「どんなに駄目でも私達はあの子の親」という主張がとても良かったです。

颯太が目覚めるラストシーンにも惹き込まれました。ようやく現実に戻った一ノ瀬家がどんなことを語るのか興味深いです。


ただ、全体的な展開は面白かったのですが、この重要な局面で主人公の翼が全く活躍していないことは正直引っかかりました。以前も書きましたが詩織の「翼はいつも前を向いていた」というモノローグも読者としては納得出来ませんでしたし、今回も翼以外の家族が話し合って解決してしまいましたよね。

初めに夢から目覚めたときと同じで、翼が結局はヒーローになれていないことははっきり言って残念でした。翔に気持ちをぶつけるメンバーの中に翼がいても良かったのではと思います。

また、幸恵がいきなり翔を責め始めるのもおかしいのではと感じました。以前、元気な耕三と一緒にいるために夢の中に閉じこもることを選んでいましたよね。夢を作り出したのは確かに翔ですが、自分の行動を反省せず翔だけに責任を押し付けるという流れは正直不愉快でした。

印象的な台詞などが多かっただけに、主人公の活躍を見られなかったことなど引っかかるシーンが余計に気になってしまいました。掲載順と展開的に終わりが近いのではとも感じますが、一ノ瀬家の出す結論は見届けさせていただきます。



アイスヘッドギル


前回初めて描かれた頭、オルデンとヴァ―サーのキャラが良かったです。性格的にはどちらかというと正反対のようですね。ヴァ―サーとドレキの関係も気になります。

悲しい運命を乗り越えるために走るギルとグレイティストにも惹き込まれました。グレイティストの「肉親の身体を~」という台詞が特に良かったです。

ラスト、ドレキと対面した際のギルの表情も印象的でした。辛いのでしょうが、嬉しさも滲み出ているようで上手いですね。


少し気になったのは、頭も含めて年頃の女子キャラが全く出て来なかったことです。今回オルデンと一緒にいた少女はまだ幼いですし、正直男子ばかりで画面がむさ苦しく感じるんですよね。シプもすぐ退場してしまいましたし、女性の頭がいても良かった気がします。

全体的には、登場したばかりのキャラも掘り下げられており、ついにギルとドレキの対面も叶い、一気に読めました。掲載順と展開的に終わりが近い気もしますが、ギルとドレキの戦いはしっかり見守らせていただきます。



アスミカケル


太賀の回想に惹き込まれました。もちろん千比路の登場も嬉しかったです! 施設は当たりなのにジムはハズレだった、という太賀のモノローグも印象的でした。

色々と過酷な環境を乗り越えて来た太賀につい感情移入してしまいますが、二兎の描写も良かったです。太賀だけが苦労しているわけではなく、二兎も努力や葛藤を積み重ねて来たんですよね。絶対に勝ちたいという強い意志も同じはずです。

ふたりがぶつかり合うラストシーンにも惹き込まれました。体格的にもほぼ同じですし、勝負の行方がどうなるのかとても興味深いです。


ただ、展開と掲載順的に終わりが近いような気もして少し心配です。好きな部分は多いのですが、正直人気が振るわない理由も分かるんですよね。

そもそもMMAの魅力が伝わりづらい、ということがまず挙げられるかと思います。馴染みのない競技の上分かりやすい必殺技もなく、絵的にもかなり地味な印象を受けるんですよね。二兎の得意技がもっと華やかならまた少し違った気がします。

また、以前にも書きましたが全体的にちょっと暗い雰囲気を感じてしまうんですよね。獏の介護問題もそうですし、今週の太賀のジムも読んでいて辛くなりました。特にジムについては会員の数が少なくなかなかスパーが出来なかった、くらいの設定でも良かったと思います。

試合の流れなどの熱い部分は好きなのですが、短所も目立ってしまっているなとも感じます。二兎と太賀の対決での巻き返しに期待させていただきます。




りは「特に少年にとっては受け入れにくい要素が
多いのかもしれませんねー。
魅力を活かして巻き返して欲しいです」




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週刊少年ジャンプ2023年47号感想 1/2



カグラバチ


トラウマが蘇ったことで逆に覚醒するチヒロと、シャルの正体に惹き込まれました。敵の作戦が完全に裏目に出た、という展開はベタですが好きです。

それでも、シャルを抱えたまま敵に捕らわれるシーンにはハラハラしました。だからこそ逆転劇が映えますね。「より鮮明になった」というチヒロの台詞がとてもかっこ良かったです。

ラストのチヒロとシャルのやりとりにもグッと来ました。ハンバーガーを見たシャルの少し大人っぽい表情が良かったです。


必要な情報がきっちりと描かれており、面白かったです。チヒロはもちろん、シャルの今後にも期待させていただきます。



鵺の陰陽師


学郎の進むべき道がしっかりと示されていて良かったです。鵺と狂骨の会話を通して陰陽師の階級や隊長制度などの設定が明かされているのも上手いですね。鵺が二つ目の神器を盡器を使った理由にも納得出来ました。

また、鵺が学郎をプレゼンする流れは強引すぎて笑ってしまいましたw学郎の「架空の俺~」というツッコミも好きですw

それぞれの隊長の反応にも個性があって良いですね。キレまくる兵一と、ポニカーに反応する善哉が特に好きです。学郎の素直な説明で隊長達が耳を傾けてくれるようになった、という終盤の展開も説得力がありました。


新たな設定や学郎の目標が上手く描写されており、面白かったです。学郎と隊長達の新たな会話にも期待させていただきます。



ツーオンアイス


綺更の回想がとても印象的でした。たっくんの真意も気になりますね。綺更が表舞台から姿を消した理由も、辛いですがどこかリアルで納得出来ました。

自分がずっと苦しんで来たからこそ、隼馬にシングルも経験して欲しいと伝えるシーンもグッと来ました。「選択肢を奪わない」という台詞がかっこ良かったです。

ペアの楽しさを知ったばかりの隼馬が、迷いつつも「両方踊ってみる」と返事をする展開もとても良かったです。「今別れ道にいる」という夏日のモノローグも印象的でした。


気になっていた情報が色々と明かされ、とても惹き込まれました。隼馬のシングルでの演技と、どちらの道を選ぶかに注目して行きたいと思います。



キルアオ


普通の学校生活を堪能する十三に和みました。コタツの「セカイ系のヒロイン~」という台詞や、結局カズマ達が転校して来て日常が壊されてしまう、という展開も面白かったです。

殺し屋の大手三社が中学校に集まってしまう、という設定にも惹き込まれました。屋上での話し合いで早速不穏な空気になり、必死に止める十三に笑いましたw

久しぶりにしっかり描かれたシンの変態ぶりも面白かったですwラストのまとめにも笑ってしまいました。


予想通りの展開が多かったものの、笑いどころがちりばめられており一気に読めました。波乱万丈な学校生活に期待させていただきます。



ZOOKEY!!(金未来杯エントリー作品)


改造人間ゾーキーと頭脳明晰な少女ルアのタッグに惹き込まれました。ルアの正体には何となく気付いていたのですが、それでも面白かったです。

絵柄や演出がスタイリッシュな点も印象的でした。特にルアがマフィアのアジトをビックリハウスと表現するシーンが好きです。

マフィアのボスと戦った後のラストも良かったです。中でもドーナツに書かれた文字がとてもお洒落でした。


少し気になったのは、ゾーキーとルアの過去の描写が唐突に感じたことです。ルアの記憶から完全に抜け落ちてしまっている、という設定は正直悪手だった気がします。ゾーキーと一緒にいる内にルアが過去を思い出し始める、などの前振りがあったほうが感情移入出来たのでは、と思います。

全体的には、惹き込まれるシーンも多く面白かったです。ただ、本作はこれで完結しているように感じるので金未来杯で戦うにはちょっと厳しいのかなとも思います。

そして、今週で金未来杯エントリー作品が出揃いましたね。個人的にはベタな中に斬新な設定を上手く入れ込んでいたカンヴァステラが有利かなと考えております。キャラクター的には部屋の一族も好きです。

どの作品にも光る部分は感じましたし、バラエティ豊かな漫画を読めて嬉しかったです。結果発表を楽しみに待ちたいと思います。



魔々勇々


コルレオはもちろん、エスカバの描写も印象的でした。善人ではなさそうですが真意を隠しているように見えます。「あいつ」の正体も気になりますね。

怒りを露にしてエスカバと戦いながら、痛みや悲しみに耐えるコルレオにも惹き込まれました。「俺はまだ~」というモノローグが切ないですが良かったです。

土壇場でコルレオが覚醒するという展開も熱かったです。エリシアのために迷いや甘さを捨てるラストも印象的でした。


ただ、エスカバが自分で「指南役」だと言ってしまうシーンには正直引っかかりました。まだエリシアも倒れたままですし、エスカバの狙いについては伏せたほうが面白かったのではと思います。

そして細かいことかもしれませんが、先週と比較してエリシアや家具の位置が大きく変わっていることも気になりました。この辺りもきちんと見直したほうが良いと思うんですよね。

バトル自体は熱くて良かったのですが、引っかかる部分が多いと感じたことも事実です。エスカバの掘り下げでの巻き返しに期待させていただきます。




りは「細かい部分での粗が目立って来たな、というのが正直な感想です。
キャラや絵柄は好きなので何とか踏ん張って欲しいです」



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2023年10月21日土曜日

週刊少年ジャンプ2023年46号感想 2/2



ツーオンアイス


ペアで演技をしながら隼馬と綺更のモノローグが描かれる演出がとても良かったです。綺更が隼馬の才能に気付く、という展開にも惹き込まれました。ペアの楽しさに気付いて笑顔になる隼馬と、逆に彼の才能を実感して切なそうな表情になる綺更の対比が印象的でした。

解説はあまり多くないものの、演技中の描写が分かりやすいのも良いですね。夏日の「世界初だぞ」という台詞にもグッと来ました。

綺更が隼馬のもとへやって来るラストシーンにも惹き込まれました。シングルをやめた理由や、たっくんの詳細が早速語られそうで、意外ですが次週への期待が高まりました。


絵が荒れている部分は少し気になりましたが、ふたりの心情がしっかりと伝わって来て、苦しくなる部分もありましたが面白かったです。綺更が話す真相をしっかり見届けさせていただきます。



アスミカケル


一狼、太賀と二兎、どちらが正しいということはないのでしょうね。それぞれの主張のぶつかり合いが印象的でした。

試合後の二兎と金之丞のやりとりも良かったです。特に必死に「やりづらかった」と伝える二兎の姿が好印象でした。

太賀の言葉を聞いた二兎が、やっぱり相容れないと感じるラストにも惹き込まれました。「負けたくないな」という呟きと表情が良かったです。


ただ、二兎のすっきりとした勝利を見られなかったことは少し残念に感じました。一狼に課題を指摘されていることもそうですし、決着の後すぐに太賀の試合を観たことで結構シリアスな雰囲気になってしまっているんですよね。

主人公が勝って大きく盛り上がる、という期待していた展開がなかったことはちょっと引っかかりました。金之丞との戦いを短くして、勝利の余韻の後に太賀とのやりとりを描いても良かったのではと思います。

それぞれの主張や太賀のキャラがしっかり描写されている点は面白かったのですが、話がちょっと暗くなってしまっていることが少し気になりました。二兎と太賀の戦いでの盛り上がりに期待させていただきます。



鵺の陰陽師


個性豊かな隊長達に惹き込まれました。特に意外とノリの良い善哉が好きですw

鏖についても説明も興味深く、また分かりやすかったです。鵺が鏖の一員なのは確かでしょうが、他の幻妖とは違う存在なのでしょうね。

ラストの展開は色んな意味で衝撃的で、学郎と同じく動揺してしまいましたw隊長達の反応も気になるところですね。


様々な設定が明かされ、新キャラ達も印象的で、面白かったです。学郎の修行や、他の鏖達の登場にも期待させていただきます。



一ノ瀬家の大罪


翔の回想が切なくて辛かったです。個人的には耕三はちゃんと翔への愛情もあったと思うのですがどうでしょうか。

夢の中で美奈子に気持ちをぶつける詩織も印象的でした。涙ながらに過去の自分を反省していたので、前回の翼の言葉がちゃんと響いたということでしょうね。

ラストの美奈子と翔が対面するシーンも良かったです。現実世界のふたりが何を話し合うのかとても興味深いです。


ただ、夢を操っていたのは全て翔、というような描写は正直引っかかりました。翼の入院中に記憶喪失の夢について発覚した際は、完全に偶然の一致というふうに描かれていましたよね。以前の設定と矛盾しているのではと思ってしまいました。

また、翔に関しては父である耕三に執着しているのにほとんど介護に関わっていない点も気になりました。他の部分で耕三や颯太に敵わなくても、しっかり介護をすればその誠実さは家族から認められたのでは、と感じたんですよね。

そして、詩織の問いかけについても引っかかりました。過去の詩織については現時点では分かりませんが、介護も家事も仕事もしている美奈子はしっかり家族のために動いていますよね。颯太達に頼ってばかりだった、という描写は不自然では、と感じました。

惹き込まれるシーンも多かったのですが、やはり矛盾も目立っており引っかかってしまいました。翔の研究や真相について明かされてストーリーが盛り上がることに期待させていただきます。



アイスヘッドギル


グレイティストとスリズの聖遺物の設定が面白かったです。船上の何気ないやりとりでふたりの関係性が感じられる点も印象的でした。

王の部下への振る舞いも酷いですが惹き込まれました。父を肯定する王子達も恐ろしいですね。

ラストの頭達の登場シーンも良かったです。ギルを知っている様子の台詞も興味深いですね。


ただ、今回も神や頭の設定がかなり詰め込まれており、正直読み辛く感じました。ラストに出て来た頭達は一瞬敵かと思って混乱してしまったんですよね。このブログでも何度か書いていますが、情報の明かし方はもっと工夫したほうが良いと思います。

構成を少し変えるだけでももっと盛り上がったのではと感じるので、その点は残念でした。また、大きな目的も示されて敵のボスも描かれたので、終わりが近い気もするのですが、ギル達の戦いはしっかり見届けたいと思います。




りは「正直、情報が詰め込まれていると読者としてはストレスなんですよねー。
面白そうな設定が多いので余計残念に感じます」




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週刊少年ジャンプ2023年46号感想 1/2



キルアオ


カズマの催眠の詳細や、暴走しまくるノレンの描写が面白かったです。好きになるという催眠だけでここまで言動がおかしくなるだろうかと思っていたのですが、そういうことだったんですねw

ノレンを落ち着かせるため十三が放課後デートにつき合う、という展開も良かったです。観覧車の中での葛藤が特に笑えました。「社会的に死ぬ」という表現が好きですw

無事に催眠が解除された後のふたりのやりとりも面白かったです。ラストの「良かったね」が好きですw


少し残念だったのは、ノレンが催眠状態の自分を完全に忘れてしまっている様子だったことです。言動も面白かったですし、おかしかった自分に動揺する展開などを見てみたかったんですよね。催眠中のことを覚えている、という展開のほうが今後にも繋げやすかった気がします。

全体的には、十三とノレンのバタバタした放課後がコミカルに描かれており、一気に読めました。カズマ達の再登場も楽しみにしています。



暗号学園のいろは


ラスボス爆弾の顛末が印象的でした。予想出来ない展開でしたが、いろはの機転が見事ですね。

また、いろはの過去も非常に辛いですが惹き込まれました。シリアスな展開ですがロングヘアにはちょっとドキッとしてしまいましたw

恩人であるアンヴィシャスのイケメン女子ぶりも光りますね。鹵獲とまた少しタイプが違うところも魅力的でした。「あたしをリフト出来る奴~」という台詞も良かったです。

終盤の多夕VS慕の流れにもワクワクしました。多夕が退場の予感もしますが、個人的には生き残って欲しいです。


それぞれのキャラがしっかり描かれており、いろはの過去も明かされ一気に読めました。まずは多夕と慕の対決の行方を見守りたいと思います。



魔々勇々


新たな魔王、エスカバが印象的でした。影を操る特殊能力も面白いですね。ラストはかなり不穏でしたが、エリシアが倒れた理由はエスカバと無関係、という可能性も残っているのでは、と考えております。

勇者と魔王がチームを組む、という展開も良かったです。お互いに監視させるという意味もあるのでしょうが、コルレオに仲間が増えるのならば更に盛り上がる気がします。

終盤、コルレオが以前の戦闘を思い出すシーンも印象的でした。彼の成長を見られることに期待したいです。


ただ、コルレオがエリシアとのやりとりを忘れてしまっているという設定は残念に思いました。しっかり覚えているものの恥ずかしくて認められない、といった描写でも良かった気がします。そのほうがエリシアのために動くラストシーンにも繋がりますよね。

また、エリシアが登場してから日が浅いため、彼女が窮地に陥っても正直あまり感情移入出来ませんでした。今週はエスカバとエリシアの掘り下げに終始して、エリシアのピンチは来週以降に描いたほうが面白くなったのではと思います。

新キャラのインパクトが強く、色々と今後が楽しみになる設定も明かされたところは面白かったのですが、細かい部分に引っかかってしまったのは残念でした。キャラクターは好きなので、今後の巻き返しに期待させていただきます。



カンヴァステラ(金未来杯エントリー作品)


ベタな少年漫画と見せかけて、画家やヒロインテアの設定が練られている点がとても良かったです。扉絵のテアが人間離れしているのも伏線だったんですね。

描いたものを実体化させる画家の設定も面白いですし、眠ると消えてしまうというリスクがある点も上手かったです。卑怯な悪党をカイガとテアが成敗する、という展開もベタですが惹き込まれました。

終盤からラストにかけてカイガとテアの関係、そしてテアの秘密が明かされて行く構成も見事でした。テアが一途にカイガを慕っているのも可愛かったです。ラストの「好きな人に~」という台詞も印象的でした。


画力も高いと思いますし、ベタな展開も斬新な設定もしっかり描けており、とても面白かったです。連載にもしやすそうな題材なので、是非また本誌で読んでみたいです。



カグラバチ


引き続きシャルの境遇が気になりますね。真相を気にしつつ、シャルを深くは追及しないチヒロも良かったです。

外の世界を見たくてシャルが車に乗り込んでしまう、という展開も面白かったです。マイペースなシャルに振り回されるチヒロにほのぼのしました。夜の道路を進んで行く雰囲気も良かったです。

柴から情報を聞いた直後、敵らしき人物が現れる終盤のシーンにも惹き込まれました。敵の気持ち悪さとクールなチヒロのギャップが良かったです。


ただ、チヒロとシャルのコンビは好きなのですが、ちょっと会話のテンポが悪いように感じました。シャルが色んな食べ物を欲しがるシーンは、一ページにまとめたほうがギャグとしても面白かったのではと思います。

全体的には、ラストが特に印象的で面白かったです。バトルや妖刀の行方をしっかり見守らせていただきます。




りは「強敵の予感もしますが、
チヒロがシャルをしっかり守ってくれることに期待したいです!」




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2023年10月14日土曜日

週刊少年ジャンプ2023年45号感想 2/2



鵺の陰陽師


双斧の行く末が意外でしたが良かったです。任務前のモノローグなどで彼の人柄が伝わって来る点も好印象でした。

また、教室でのやりとりは笑いどころが多く面白かったです。特に心の中でツッコミを入れ続ける学郎と、相変わらずこき使われている狂骨が好きですw狂骨がこれからも登場してくれそうなことも嬉しいですね。

重要な設定が明かされるシーンにも惹き込まれました。他の鏖の詳細、鵺の真意、学校に封じられている理由など、次回以降がより楽しみになりました。


シリアスなシーンと笑える箇所のバランスが良く、面白かったです。まずは鵺が何を語るのかしっかり見届けたいと思います。



アスミカケル


金之丞の性格や動きを見抜いて戦う二兎がかっこ良かったです。ファイトIQが高いという描写にもとても納得出来ました。

前回から引き続き金之丞のキャラも印象的で良かったです。完全に素人だけれど根性とセンスだけでのし上がって行くという設定が面白かったです。

彼の強さやスタイルを認めた上で、得意の戦法に持ち込む二兎にも惹き込まれました。二兎が技を決めるラストシーンが熱かったです。


個人的に今週で決着でも良かったのでは、とも思いましたが、二兎と金之丞のぶつかり合いに終始惹き込まれました。次回のふたりのやりとりもしっかり見守らせていただきます。



一ノ瀬家の大罪


笑顔の颯太に切なくなりました。一緒に現実に戻ろうと約束したはずの颯太の変化に戸惑う翼の描写もリアルですね。

颯太から今の生活を奪って良いわけがない、という詩織の言葉も印象的でした。その言葉を受けても夢から抜け出すために行動する翼がとても印象的でした。

自分から団欒をぶち壊して「そのたんびに全部忘れてやり直すの?」と問いかける翼にグッと来ました。次回以降の翔とのやりとりも気になりますね。


ただ、詩織の「翼だけはいつも前を向いていた」という台詞には正直納得出来なかったんですよね。恐らく小学生時代はそうだったのでしょうが以前「結局自分は家族を救えなかった」と描写されていたので、突然翼は頑張っていたと描かれても受け入れられませんでした。目を覚ました後も家族を支えるようなシーンはなく、福井へと逃げていましたよね。

そして細かいですが「颯太の話もつまらない」という台詞もはっきり言って不快でした。正直子どもの頃の翼が話していた内容もどうでも良いものでしたし、そもそも家族同士の雑談に面白さを要求するのがおかしいですよね。

翼の大胆な行動は良かったのですが、読者としては説得力がないなと感じてしまったのも事実です。掲載順も回復していませんし、展開的に終わりが近いのかなとも思いますが、一ノ瀬家の結末はしっかり見届けたいと思います。



アイスヘッドギル


悲しい戦いの結末に惹き込まれました。特に気絶したギルを見たスリズの葛藤が印象的でした。

墓前でのギルとグレイティストの会話も切ないですが良かったです。ドレキの教えをギルに伝えた後「愛する人を~」と問いかけるグレイティストに惹き込まれました。

その後のリッチ達のやり取りも印象的でした。バアルが目覚めたラストシーンに特にゾクッとしました。


ただ、墓前で落ち込むギルに正直感情移入しづらいなと思ってしまいました。以前にも書きましたが仲間達との絆の描写が非常に少なかったので、キャラとの別れを素直に悲しめないんですよね。

また、リッチが運んで来た脚についての描写が分かりにくい気がしました。サナのものをギルだと勘違いしている、ということだと思うのですが、確証が持てずちょっと戸惑ったんですよね。

一気にストーリーが進んだことは良かったのですが、やはり引っかかる部分も多かったというのが正直なところです。掲載順と展開的に終わりが近い気もするのですが、ギルとドレキの再会をしっかり見守らせていただきます。



暗号学園のいろは


いろはや躾の活躍はもちろん、他のキャラの掘り下げも印象的でした。特に家雪の秘密について明かされたことが意外でしたが良かったです。

途中の暗号も難しかったものの説得力がありました。アドバンテージを捨てていろはのもとへ行き、楽しそうにクリアして行く躾がとても良かったです。

ラストシーンも気になりますね。デジタル時計の数字がXに見える部分が鍵になる気がするのですがどうでしょうか。


キャラの掘り下げや暗号が印象的で、面白かったです。いろはや躾の安否と、今後のダンジョン攻略をしっかり見守って行きたいです。




りは「なかなか衝撃的なラストだったので、
まずはいろは達の無事を祈りたいです。
他のキャラの掘り下げも楽しみにしています」




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週刊少年ジャンプ2023年45号感想 1/2



ツーオンアイス


ずっと憧れていた綺更に並びたいという隼馬にグッと来ました。ラストの「たった今からは~」というモノローグも印象的でした。隼馬の情熱や努力が伝わって来たので、読者としても綺更の全力を見たくなりました。

隼馬の弱点や才能が描かれていたことも良かったです。夏日の「あんな野良スケーターが」という台詞も印象的でした。

綺更がペアを始めたきっかけについて一瞬だけ描かれたシーンも興味深かったです。今後しっかり描写されると思いますが、競技人口の非常に少ないペアを選んだ理由はやはり気になるところですね。


絵が雑なシーンがちょっと気になりましたが、キャラクターの掘り下げが印象的で、一気に読めました。いよいよ本番を迎えたふたりがどうなるのか楽しみにしています。



部屋の一族(金未来杯エントリー作品)


不思議な力がある泥棒と、恵まれない家庭に育った少女華のバディに惹き込まれました。特に泥棒の「部屋の一族」という設定が斬新で面白かったです。

泥棒と華の生活が淡々としたコマで描かれる演出も良かったです。段々と表情が柔らかくなって行く華がとても可愛かったです。

ふたりの穏やかな暮らしを願っていたので、警察が乗り込んで来るシーンにはハラハラしました。泥棒が告げた「部屋の一族は~」という台詞も印象的でした。

その後、泥棒が華に言った「この世界にはたくさんの部屋がある」という台詞にもグッと来ました。読後感が良いところも魅力的ですね。


ただ、警察が乗り込んで来るまでの経緯や満潮で沈む部屋の設定など、細かい部分に引っかかったのは少し残念でした。警察については「行方不明の少女が見知らぬ青年と生活していた」ということで通報されたと考えていたのですが、その後の台詞を見ると「泥棒が部屋の一族だと分かったから」なのかとも思えてしまい混乱したんですよね。満潮で沈む部屋についても何故そんな場所に指紋を残せたのか、と考えてしまいました。

連載を目指すのなら、こういった部分も作り込んだほうが良いと思うんですよね。アイデアなどに惹き込まれただけに残念に感じました。

全体的には、キャラや設定が印象的で好きな作品でした。前作の「霊能者の心理学」も面白かったですが、本作も良かったです。部屋の一族と泥棒の関係なども気になるので、是非続きを読んでみたいです。



カグラバチ


チヒロのアクションシーンに魅せられました。特に金魚の斬撃の描写がかっこ良いですね。

柴がシャルに説明する形で色々な設定が分かったことも良かったです。サラッと言っていましたが、チヒロはもちろん柴も死ぬほど努力した、ということでしょうね。

ラストでチヒロの表情がアップになったことも印象的でした。いよいよ毘灼の手がかりに繋がるのか、読者としても気になります。


少しだけ気になったのは、正直雑に見えるシーンが散見されたことです。特にシャルの顔は粗いアップが目立っており、良い場面でもちょっと引っかかってしまったんですよね。

全体的には、バトルシーンがかっこ良く面白かったです。チヒロがシャルをしっかり守ってくれることにも期待させていただきます。



キルアオ


ノレンを避け続けた結果逆に彼女を暴走させることになってしまった、という展開が面白かったです。十三も触れていましたが、特にラストシーンはかっこ良すぎて笑ってしまいましたw

十三やノレン以外のキャラがしっかり描かれている点も良かったです。何気にツーショットで登校する天馬と千里、ノリの良い高田と馬場、そして静かに怒る遼とそれぞれが印象的でした。

また、一時的に元の姿に戻った理由も気になりますよね。エリも言っていましたが、やはり当日の食べ物が鍵になるのではと思います。


スピーディーで笑える展開が続き、一気に読めました。十三とノレンの激突や、若返りの秘密についての解明にも期待させていただきます。



魔々勇々


早速エリシアが掘り下げられており、面白かったです。元の世界で母親とどんな風に暮らしていたのかも気になりますね。

コルレオとエリシアが公園で会話するシーンも良かったです。弱さに悩んでいるという意味ではふたりとも似ているんですね。

ふたりが紋章術で何とか敵を打ち破るシーンも印象的でした。ラストのエリシアの台詞は告白めいていますが、本人は自覚しているんでしょうかw


ただ、パンネロが何故か全くふたりを追って来ないなど、細かい矛盾が気になってしまったのも事実です。コルレオとエリシアがふたりきりになるシーンを描きたかったのだと思いますが、もう少し自然な流れにして欲しかったと感じました。そもそも警戒される存在のはずのエリシアがひとりで駅に来ていたこと自体おかしいですよね。

また、前回から引き続き見づらいコマ割りが多い点にも引っかかりました。特にふたりがベンチに座って話し始めるシーンは順番が分かりにくく気になりました。

全体的には、エリシアや紋章術の描写が印象的で惹き込まれました。コルレオとエリシアの関係についても見守りたいと思います。




りは「主人公が身内以外の年上の女性と関わって行くというのは
ドキドキする展開ですねー。
どんな形でもふたりには幸せになって欲しいです」




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2023年10月7日土曜日

週刊少年ジャンプ2023年44号感想 2/2



鵺の陰陽師


双斧の強さに押され続ける描写にハラハラしました。狂骨も好きなキャラなので、今後についても気になります。

鵺の覚醒のシーンにも良い意味で驚きました。段々と台詞の文字が崩れて行く描写にゾクッとしました。

第二の盡器を振るう鵺にもとても惹き込まれました。瞳の描き方や台詞はもちろんですが、少し幼く見える理由も気になりますね。ラストの「君が来てくれて良かった」という台詞がとても印象的でした。


迫力のあるバトルシーンはもちろん、鵺の謎がより深まって惹き込まれました。今の鵺と学郎達がどんな会話をするのか、少し怖いですが楽しみにしています。



暗号学園のいろは


予想以上にハイテクなメタバースの様子に惹き込まれました。ナビゲーター役の溺愛も良いキャラですね。第一話の合成音声の正体が明かされたことにも驚きました。

出発前のいろはと享楽のやりとりも良かったです。「この図書室で~」という台詞にグッと来ました。「彼女を追いこすために」と奮い立ついろはがとても良かったです。

ラストの落ちて行くいろはの描写も印象的でした。辿り着いたエリアも何やら不穏ですし、続きが気になりますね。


メタバースの様子や溺愛のキャラが面白く、最後まで飽きずに読めました。いろは以外のキャラの活躍にも期待させていただきます。



アスミカケル


新たな対戦相手、金之丞のキャラが面白かったです。格闘技に関してはド素人だけれどセンスと根性がずば抜けている、というのは今までにいなかったタイプで良いですね。

戸惑いながら二兎が寝技に持ち込む展開にも惹き込まれました。「相手がギブアップしないなら~」と一瞬考えるシーンもゾクッとしましたが良かったです。

ラウンド終了後の義時との会話も印象的でした。義時の「その顔が出来る奴はなかなかいない」というモノローグにもグッと来ました。


ただ、掲載順が回復していなかった点が少し気になりました。正直、トーナメント参加前は二兎に感情移入しにくかったことが一因かなと考えております。

MMAに関してもあくまでも「楽しいから始める」という動機で強さで読者を魅了するような主人公ではないですし、また大きな目標だった一狼が実は好人物だったため、そもそも格闘技を極める意味が薄いように見えてしまったんですよね。主人公が強くなって行く過程に惹かれない、というのは格闘技漫画では厳しいかな思います。

ですが、今週は二兎の素質の片鱗が描かれたので期待も出来るのではと思います。金之丞のキャラも良かったですし、試合の動きに注目させていただきます。



一ノ瀬家の大罪


颯太の過去に胸が痛くなりました。「俺の話は~」という台詞が特に辛かったです。

ココアを用意して翼達の話を聞く美奈子も印象的でした。美奈子に本音をぶつける颯太も良かったです。その後の美奈子がアルバムを取り出すシーンにも惹き込まれました。

終盤の詩織の気持ちも分かるのが辛いですね。テーブルに突っ伏す颯太にもゾクッとしました。何となく、美奈子には記憶が残っているような気がしますね。


ただ、夢を終わらせると宣言していた颯太が弱すぎないか、という部分は正直気になりました。ずっと求めていた言葉をかけられたから、というのは理解出来るのですが、そんなに簡単に家族を許せるだろうかとも思ってしまったんですよね。

また、颯太については写真を撮るのが楽しいと何度も描かれているのに、福井などで一切カメラを持っていなかった点にも引っかかりました。家から逃げたなら好きなことに熱中しているほうが自然ですよね。

今週の展開自体には惹き込まれたのですが、過去のストーリーとの矛盾が気になってしまったのもまた事実です。颯太の掘り下げなどは良かったので、翼がひとりで夢をどう乗り越えて行くのかにも注目したいと思います。



アイスヘッドギル


聖遺物の力を得たもののギルが押されてしまう、という冒頭の展開に惹き込まれました。「自虐の力」というジュミルの言葉も印象的でした。

それでも諦めずに立ち向かっていくギルも良かったです。「完璧なんて~」という台詞にグッと来ました。

サナが知の書になる、という展開も意外で惹き込まれました。聖遺物を制御し始めるラストのギルも良かったです。


ただ、前回退場した仲間達が結局そのままだった点には正直引っかかりました。はっきり言って、読者としてあまり感情が動かないまま戦闘不能になってしまったなというのが正直なところです。やはり仲間の掘り下げは必要だったと思います。

また、イズンのリンゴの描写についてもかなり唐突で気になりました。重要な設定ですし、回想シーンの際などに描いたほうが良かったと思います。

そして、ギルの能力や技自体には惹き込まれましたが、バトルシーンは見づらくて引っかかりました。せっかくのかっこ良さが活かせていない気がします。

ピンチのシーンなどは印象的だったのですが、はっきり言って残念に感じる部分も多かったんですよね。また、一気に戦いが進みましたし、掲載順的に終わりが近い気もします。ただ、覚醒したギルは好きなので戦いの行方はしっかりと見守らせていただきます。




りは「情報が多すぎてごちゃごちゃしている印象を受けてしまいますー。
特に重要な設定などは見やすく描写して欲しいです」



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週刊少年ジャンプ2023年44号感想 1/2



ツーオンアイス


隼馬がペアの楽しさに気付くという展開が面白かったです。まだ描写はそれほど多くないものの、夏夜と夏日の兄弟もキャラが濃くて楽しいですね。

ずっと綺更に憧れていたからこそ隼馬にペアの素質がある、という設定にも納得出来ました。ふたりが揃ってジャンプするシーンの構図も良かったです。

隼馬だからこそ発表会にも何とか間に合うかも、という展開にもワクワクしました。ラストの綺更の「ストーカーさん」という笑顔も可愛かったです。


ただ、絵が少し荒れているように見えて正直不安になりました。フィギュアスケートはスポーツの中でも特に画力が必要なジャンルだと思うので、今後の向上に期待したいところです。

全体的には、ストーリーもきちんと進み、新たな目標も示されており、面白かったです。練習はもちろん、ふたりがどんな演技をするのかも楽しみにしています。



魔々勇々


派手なバトルなどはなくコルレオとパンネロの会話や修行シーンがメインでしたが、面白かったです。特に途中で一瞬沈黙した際のパンネロの強キャラ感に惹き込まれました。

本格的な特訓や戦闘の経験がなく押されてしまうコルレオですが、紋章術の可能性を示すシーンはとても印象的でした。今後はこの力が鍵になりそうですね。

ラストに登場した新たな勇者にも良い意味で驚きました。絵に描いた餅を描いた餅の小南を思い出して懐かしかったです。コルレオのリアクションにも笑いましたw


ただ、コルレオが学校に通っておらず軍部の教育を受けていたという設定には正直引っかかってしまいました。恵まれた環境だったはずなのに戦闘能力がはっきり言って低すぎますし、学校に行かせていなかったのにいきなり大学へ行けと言うマママの言葉もおかしいのではと思ってしまったんですよね。

また、冒頭に登場したパーシモット大陸も正直気になりました。形も単純すぎますし、大陸内の地名に「大陸」を付けて呼ぶのはおかしいですよね。

印象的なシーンは多かったのですが、細かい部分が気になってしまったこともまた事実です。新たな勇者の登場での巻き返しに期待させていただきます。



ほうきの狩人(金未来杯エントリー作品)


不思議なほうき、羽丸を乗りこなして悪い魔法使いを捕まえる賞金稼ぎ、という主人公フクロウの設定が面白かったです。主人公の相棒がホウキというのも斬新ですね。小林先生の個性的で可愛らしい絵柄がそのままなのも良かったです。

エルフの少女ハンナとの出会いはもちろん、両親とフクロウの関係もしっかり描かれており惹き込まれました。中盤以降の展開で、やっぱりフクロウは両親の教えを受け継いでいるんだなと分かるところが良かったです。

ラストの煙突に腰かけるフクロウの絵も印象的でした。「今日も悪い魔法使いを~」というナレーションが冒頭とリンクしているところにもグッと来ました。


少し引っかかったのは、展開などがあまりにもベタだったことです。もちろん少年誌として真っ直ぐさは大事だと思うのですが、良い意味で予想を裏切られるようなページが正直ほとんどなかったんですよね。人間とホウキのバディという部分は面白かったのですが、結局は「スピード自慢の主人公」というありふれた設定になってしまっていたなと感じました。

個人的には、主人公の能力を明かす際の絵なども印象的だった、前作の「明日あきらの掌」のほうが惹き込まれました。幽霊とのバトルにゾクッとする点なども良かったんですよね。

全体的には、展開もスピーディーで独特の世界観が上手く描写されており、面白かったです。連載にもしやすそうな題材なので、是非物語の続きを読んでみたいです。



カグラバチ


何やら訳アリらしい少女、シャルの登場で物語が進展して面白かったです。情報屋のヒナオのキャラも好きです。第三話で女子キャラが追加されるというのは、展開的にもスピーディーですし良かったと思います。

シャルの事情についても興味深いですね。特に妖術師に狙われている理由は今後の鍵になる気がします。

微笑ましい食事シーンから一転してシャルが捕まってしまう展開にも惹き込まれました。ラストのチヒロの「引き受けた」という表情もとてもかっこ良かったです。


少し気になったのは、何か所かコピペのシーンが見られたことです。チヒロはどちらかというと無表情なキャラなのでそれを表現するためだったのかもしれませんが、細かな違いなどをしっかり描いて欲しかったんですよね。

全体的には、物語が大きく動き新キャラ達も印象的で、面白かったです。今回の情報は毘灼に繋がるのか、バトルはどうなって行くのか、しっかり見届けたいと思います。



キルアオ


ノレンの様子と十三のツッコミに笑ってしまいましたw特に十三の「それ用の地獄があるよ」という台詞が良かったですw

エイジを心底大切にしているカズマにもグッと来ました。そして天馬のリアクションに良い意味でとても驚きました。中学生にしてこのメンタルは恐ろしすぎますね。

真相を知った後の天馬の「殺し屋が学校に~」という台詞もとても良かったです。「教えられることばっかりだ」という十三のモノローグにもとても共感出来ました。

カズマとエイジが引き続き登場しそうなのも嬉しいですね。十三にとっては受難の日々が続くでしょうが、今後がより楽しみになりました。


ただ、催眠術にかかったノレンがとても面白く可愛かっただけに、十三の設定が少し残念にも感じてしまいました。二十代の独身男性くらいのほうがノレンの成長後の進展も期待出来ますし、ドキドキ出来た気がするんですよね。

全体的には、それぞれのキャラクターがしっかり立っており、殺し屋兄弟編の締めくくりとしてもとても綺麗だったと思います。新たな展開にも期待させていただきます。




りは「敵キャラにも魅力があるのは良いですねー。
カズマとエイジの再登場も楽しみです」



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