2022年8月4日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年35号感想 1/2



あかね噺


自分を前面に出さないまま客を噺の中に惹き込んで行く、というあかねの戦法が面白かったです。定番の演目を選んだという部分はひかると共通しているのに、その表現の仕方が正反対になっているという描写も上手いですね。

そして、あかねの名前の由来にもグッと来ました。どこか寿限無に似た部分もありますね。この噺のテーマは子を想う親心、というのも改めて納得出来ました。


寿限無の一番の山場では客は完全に噺に入り込んでいるのかな、と予想しています。今回も説得力があり飽きずに読めましたが、次週がより気になるラストでした。あかねの寿限無の更なる盛り上がりに期待しています。



霊媒師の心理学(読み切り)


除霊ものと心理学というのは新しい取り合わせですね。ところどころで描かれる心理学も単純に勉強になりました。派手さはない絵ですがすっきりしていますし、基礎的な画力の高い先生ですね。

謎解き要素も面白かったです。容疑者である霊媒師が全員怪しすぎる点など、小ネタも笑えましたw

主人公の前職については正直予想の範囲内ではあったのですが、霊媒師に転職した理由が説得力もあり斬新でした。また、最後の保護者達を意図的に呼び出した、というシーンはグッと来ますね。


淡々と進む構成になっており少年漫画らしいわけでは正直ないのですが、最後まで飽きずに読めましたし好きなタイプの話でした。連載にもしやすそうですしキャラにも好感が持てたので、是非また読んでみたいです。



PPPPPP


レイジロウと彩刃の会話シーン、切ないですが良かったです。そして今回初めて気づきましたが、ふたりは衣装以外に髪色や髪型も対になっていたんですねー。意識していたかどうかは別にして、彩刃はずっとレイジロウを追っていたのかもしれませんね。

彩刃が引退を決めたのは、本気のレイジロウに叩きのめされて苦しさが消えたからなのかなと個人的には考えています。彩刃に対し全部許す、と伝えた上で無理には引き留めないレイジロウの姿はとてもかっこ良かったです。いつかまた~の台詞も彼らしいですね。

そして、彩刃と正反対とも言えるメロリの描写も印象的でした。ミーミンの「苦しいのってやでしょー?」という言葉に意味深な笑みを浮かべているので、やはり苦しみを利用するつもりなのではと予想しています。いずれにせよ、ミーミン対メロリへの期待が一気に高まりました。


レイジロウと彩刃、そしてメロリとミーミンの会話がどちらもキャラクターらしさが際立っており惹き込まれました。次回以降も印象的な台詞と、そして演奏を楽しみにしています。



すごいスマホ


正直藻浦の描写には今も納得出来ないのですが、鶴本のメッセージにはグッと来ました。やはり親からは放置されていたんですね。その理由も納得出来るものでした。

また「藻浦はすマホに振り回されたけど、弱い人間というわけじゃなくて普通の人間」というQのモノローグも印象的でした。もちろん非行に走ったことは擁護出来ませんが、やはり知恵や確かな展望のない人間が手にしたら安易に金儲けなどを考えてしまうのでしょうね。

そして「Qが鬼ごっこの現場から自転車で来られる範囲に住んでいる」と全一郎達に確信を与えてしまったかも、というシーンはハラハラしました。藻浦との会話が比較的穏やかだったので、余計に緊迫感が際立ちますね。

また、予想の範囲内ではありましたが藻浦に死が迫っていそうなラストシーンにも惹き込まれました。個人的には好感の持てるキャラではないので仲間になって欲しいとも思えないのですが、だからと言って死を望んでいるわけではありません。藻浦の行く末は前回同様とても気になりました。


ただ、緊迫感で盛り上がる回だっただけに、藻浦への違和感は残念でした。このまま消されるのであれば同情はしますが、惜しいキャラとまでは思えないのが正直なところです。彼の描写は今回でほぼ終わったでしょうし、以降のキャラで修正して欲しいです。



ALIENS AREA


慣れないPCのセットアップは難しいですよねwUFOの駐車違反という表現も面白く、冒頭から惹き込まれました。

銀次は良い先輩ですねー。辰巳を舐めた態度の宇宙人への交渉や「手ェ借りろ」という台詞が特に印象的でした。最後のドライブシーンは少しだけ情けなさもあり笑えますねw


ただ、本来外五は前回や今週のような裏方的な仕事がメインなのでしょうが、いまだに辰巳のアクション、バトルがほぼ見られないのは一話から知っている読者としては正直退屈です。今までのバトル回のアンケート結果が良くなかったのだとしても、それは写楽のみが活躍していて、辰巳の個性やふたりの連携が描かれていなかったことが大きな理由だと思います。アンケート結果だけを見て「バトルは受けが良くないから方向転換しよう」と考えたならちょっと早計と言わざるを得ません。

そして、まだ連載も始まったばかりですしかっこ良いバトルを描くことに挑戦して欲しいのですが、絵が荒れていることもやはり気になりました。銀次の魅力なども表現しきれていないように思います。

辰巳のキャラは好感度が高いので、今後の活躍に期待させていただきます。




りは「今のままだとどっちつかずで迷走しちゃいそうですー。

   ちなみに個人的には、やっぱりバトルメインで進んで欲しいです」




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