2022年8月11日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年36・37合併号感想 1/2



あかね噺


「上手いと思われてる内は二流」という龍若のモノローグにとても説得力がありました。確かに真の実力者ほど才能や技術をひけらかさず、噺の魅力そのものを伝えてくれるものなのかもしれませんね。既にその境地に足を踏み入れつつあるあかねの成長も感じられました。

定番中の定番の寿限無だからこそ観客も情景を想像しやすい、という描写も納得出来ました。不利になりそうな選択が逆に武器になるという展開は熱いですね。実際、あかねの寿限無はとても楽しく読ませていただいています。

そしてラスト、志ぐまの影響を感じる一剣の描写も意味深でしたね。当然一生も分かっているでしょうし、これがどんな評価に繋がるのかも気になりました。


話者の存在が消えるという表現も面白く、読者としても寿限無の世界に入り込める回でした。あかねはオチをどう演じるのか、そして一生の評価はどうなるのか。次号以降を楽しみに待ちたいと思います。



ロクの冥約(読み切り)


キャラの描写が上手いですねー。テンションは低いけれど友人思いのロク、底抜けに明るくロクを支えていたマチ、ツッコミをこなすけれど達観している部分も持つルシル、性根の腐り切ったボスなど、メインキャラ全員の個性が掴みやすかったです。ルシルについてはデザインもインパクトがあって好きですw

見せ場も盛り上がっていましたね。ロクが本部に乗り込み復讐を遂げるシーンは、ややグロテスクですが画力が高いこともあり、とても迫力を感じました。外薗先生の以前の読み切り「まどぎわで編む(ラブコメ要素のある猟奇作品)」もエグくグロい描写が印象的だったので、これが武器なんでしょうね。「悲しいだけだ」という台詞は切ないですが、自分の気持ちを表現出来るようになったのは良い変化なのかもしれませんね。

また、亡くなったタイミングと性格から、もしかしてルシルはマチの生まれ変わりなのでは?とも思えました。ただ、ロクに対する態度から記憶を失っていることは間違いなさそうですね。


ただ、一ヶ所だけなのですが構成が少し気になりました。ボスが「俺は反省した」と言ってロクを騙そうとするシーンは引きに持って来たほうが良かったのではないでしょうか。今の構成だと、隣のページですぐに嘘が分かってしまうんですよね。ページをめくったところで「性根の腐り切ったボスがロクを殺そうとしている」と判明したほうがインパクトがあった気がします。

ですが、全体的にはとてもクオリティが高いと感じました。ロクとルシルのこの先も気になるので、連載でまた読んでみたいです。



PPPPPP


ミーミンの「私だけ何も考えることがなーい」というモノローグに笑ってしまいましたw運とソラチカに対する予想の適当さも彼女らしいですね。ただ、深く悩まずに演奏出来ることこそミーミンの強さだとも感じます。

かつてのマネージャー達が客席でミーミンを応援している、というシーンも良いですね。「愛される才なら音上一」という運の考察にも説得力がありました。そのミーミンに対して「輝け」と願い続けるメロリの描写も非常に印象的でした。ミーミンの成功を逆に武器にするつもりなのかもしれませんね。

終盤でミーミンの演奏が始まりましたが、とても彼女らしく弾けていますね。「もっと楽しくなることを考えよう」という結論も良かったです。フェアリーが観客の意見を訊きに行く、という描写も可愛いですね。


レイジロウ対彩刃もふたりに感情移入しながら読めましたが、ミーミン対メロリの勝負の行方もとても楽しみです。まずはミーミンの奏でるニューワールドに期待したいと思います。



すごいスマホ


藻浦とすマホの会話が印象的でした。特にすマホが片言で感謝を伝えるのが切なかったです。このときの言葉からして、藻浦のすマホ(まほ)は彼に好感を持っていたようですね。

また「修の事件と藻浦の姉の死の時期が一致している」という事実には、気付いていなかったのでハッとしました。さすがにこれは偶然ではないでしょうね。そして以前「Qのすマホは少年型で藻浦のすマホは女性型」と描かれていたので、修と、藻浦の姉はそれぞれのすマホに関係しているのかなと考えています。

すマホSNSも今後の鍵になりそうな設定ですねー。Qと全一郎が注目している最後の機能については正直予想出来ないのですが、すマホ持ちを支配出来るようなものなのかなとは考えています。

そしてラスト、恐らく藻浦を消すために全一郎が具体的に動き始めたシーンには惹き込まれました。気になる部分はあるものの、今週のすマホとの会話シーンなどは良かったので、やはり実際に藻浦が退場してしまうかもと思うと緊張しますね。


ただ、先週のラストがあったにも関わらず今回結局藻浦が死ぬこともなかったのは少し引っかかりました。ここまで引っ張らず、QとSNSで繋がった直後に藻浦を消す、などのほうが正直盛り上がった気もします。

ですが物語の本筋に関係しそうな要素が明かされ、今後の展開について色々と考えたくなりました。まずは藻浦がどうなるのか、そして今後SNSはどう描かれるのかに注目したいです。



りは「合併号ですし、

ここで藻浦を退場させたほうが引きとしては良かったかもしれませんねー。

逆に次号で彼を消すなら先週のラストは余分だった気がします」


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