2022年11月30日水曜日

週刊少年ジャンプ2022年52号感想



イチゴーキ!操縦中(新連載)


キャラクターに勢いがあり最後まで面白く読めました。絵柄も可愛く、特にヒロインのミサオが良かったです。

「マッドサイエンティストになりたい」と語るミサオには笑いましたがwあくまでも主人公の一剛木を助けるためという動機なのは良かったです。

ミサオの指示で街を突き進んで行く展開も面白かったです。特に「形見のバナナ」と「サイコパスか?」のシーンで笑いましたwラストの教室に突っ込んだコマも好きですw


ただ、どちらかといえば子どももターゲットにしたような内容なのに、主人公が一度命を落としているという重い設定は正直必要だったかなと感じてしまいました。一剛木のデザインも厳しいようですがグロテスクですよね。

また、ミサオは面白いキャラだとは思うのですが、失敗の描写が多く鬱陶しく感じてしまう部分もありました。個人的には少し前の読み切り、ゴッドハンド藪のほうが好みです。

林先生はジモトがジャパンのときから応援していたので、今後の巻き返しに期待したいです。一剛木とミサオの、前途多難すぎる青春に期待させていただきますw



あかね噺


うららの落語と、女性噺家の歴史について触れられたことがとても印象的でした。八正の解説も光りますね。うららはあかねにとって女性としての手本にもなるのかなと感じました。

また、本番中のうららの様子がファンタジックに描写されていたのも魅力的でした。良い意味で今までの落語家達とは違いますよね。特にキセルが現れるシーンが好きです。

ラストも印象的でした。妖艶さも相まって本当の遊女のように見えるうららですが、真髄は更にこれからとのことで恐ろしいですね。


先週から予想していましたが、弥栄亭の客達と同じようにうららの作り出す世界に惹き込まれてしまう回でした。師匠から声をかけられて落語の道に入ったうららの過去も気になりますし、次週も楽しみです。



暗号学園のいろは


学園の秘密が早速明かされて惹き込まれました。かなり壮大ですし、暗号解読以外の見どころもどんどん描かれそうで楽しみです。

いろはのクラスメート達についての情報が分かったのも良かったです。名前も含めて興味深いキャラばかりですねw

また、享楽の掘り下げもとても印象的でした。高飛車でいろはを敵視している、というキャラなのかと思いきやそれだけではなかったんですね。むしろいろはを助けようとしているのかもしれませんね。

そして、凍の描写にも惹き込まれました。享楽とは逆に、本当にいろはの味方なのか怪しくなって来ましたね。凍の真意や、享楽との関係が興味深いです。


先週から気になっていたいろはの才能についても明らかになり、とても読みごたえがありました。暗号やメインキャラ達はもちろん、個性豊かすぎるクラスメート達の掘り下げにも期待したいです。



一ノ瀬家の大罪


正直今回の展開も予想の範囲内ではあったのですが、先週よりインパクトが増しており最後まで一気に読めました。冒頭から辛い展開が続きますが不思議と惹き込まれてしまいますね。

また、翼と中嶋の関係も更に気になりました。小学生時代に何かあった様子ですね。翼が過去を思い出しかけた際の、パチパチという表現が印象的でした。

終盤の展開と演出にも惹き込まれました。ちょっとしたきっかけでの立場の逆転にリアルな恐ろしさを感じます。


ただ特別荒れた学校というわけでもないようですし、中嶋のいるグループだけではなくクラスのほぼ全員が翼の敵、という描写にははっきり言ってリアリティがない気がします。この点が引っかかったままだったので、クラスメートがいきなり掌を返すシーンにも入り込めなかったんですよね。中嶋のグループが陰で翼に辛く当たっている、などの設定でも良かったのではと思います。

次週も翼と中嶋については掘り下げられるようなので、今後は納得出来る展開が来ると嬉しいです。また重い展開になりそうですが、単なる加害者と被害者というだけではないようですし続きが気になります。覚悟を決めて次週を待たせていただきます。



ギンカとリューナ


正体を隠すギンカ達と、学会の描写がとても印象的でした。それぞれのエリアが別世界のようになっていてワクワクしますね。

また、態度の悪い魔術師への一行の反応も印象的でした。ことを荒立てずに被害者を助けようとするベレッタ、小声で批判するアネモネ、はっきりと言い返すリューナ、こっそり魔術を使うギンカと、それぞれの個性が表れていて惹き込まれました。

ラストに登場した魔術師のデザインも、良い意味で恐ろしくて印象的でした。ギンカとの関係も気になりますね。


今回も一気に話が進み、終始ワクワク出来ました。魔術師についてはもちろん、書庫に案内してくれた新キャラの掘り下げも楽しみです。



大東京鬼嫁伝


新たなもののけ娘、かばねの正体が面白かったです。フランケンシュタインが由来かと思っていたのですが少し違いましたね。ランダム性の強いドラえもん的な設定も楽しいですw

また、進太の祖父からのメッセージも気になりますねー。進太と境遇が似ていたことは確かなようですが、肝心な部分が分かりませんでしたね。進太の「紙で残せ」というツッコミに笑いましたw

花札家で騒動を起こした後、かばねが進太や愛火と共に外出する展開も良かったです。無邪気に進太にまとわりつく姿が可愛いですね。

嫉妬しながらも、もののけを追い払ったことに感心する愛火も面白かったです。三人が強引に手を繋ぐ、というシーンも笑えますねwラストの新しいもののけのデザインも好きです。


ただ、ようやくかばねのキャラが判明したばかりなのにまた新キャラが描かれることは正直少し不安です。先週も気になりましたが、無闇にキャラを増やす必要はないと思うんですよね。掲載順も下がっていますし、まずは今いるキャラでストーリーをしっかり動かして欲しいです。

デザインには惹き込まれたので、新たなもののけ娘の登場自体は楽しみです。とにかく来週を待たせていただきます。




りは「もののけ娘のデザインが魅力的だからこそ、
定着する前に新しいキャラが出て来てしまうのは残念ですー。
人気獲得のためだとしても、既存のキャラを掘り下げたほうが良いと思うんですよね」




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2022年11月25日金曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 ビーストチルドレン 2/2



3 既存作品の影響を強く受けていた


主人公は桜、雄虎の息子でもあるライバルは雪兎という名前ですが、ほぼ確実にカードキャプターさくらが由来だと思われます。正直、少し引っかかったんですよね。

どちらかといえば泥臭い漫画のビーストチルドレンと美麗な絵柄の少女漫画のカードキャプターさくらという組み合わせがミスマッチですし、厳しいようですが名前とキャラが合っていない気もしました。桜はラグビー日本代表のエンブレムからの命名なのかもしれませんがカードキャプターさくらのほうが先に浮かんでしまいますし、やはり熱血タイプの主人公にはミスマッチな名前だと感じるんですよね。

その他にも、チームのキャプテンである鯨井の「テメーらは俺だ」というかけ声はハイキュー!の音駒高校に似ていると思ってしまったんですよね。リスペクトだったのだとしても、同じような場面で似た台詞を言わせる、というのは正直悪手だった気がします。ハイキュー!がコマ割りなどもとても印象的だっただけに、比較すると見劣りしてしまっていたというのが正直なところです。


好きな漫画の要素を取り入れるのはもちろん構わないのですが、作品に合っているかをしっかり判断するべきだったと思います。また、無闇に似たシーンを描くだけでは読者の印象は良くならないんですよね。


序盤でサクラの知識不足や他作品由来の命名が気になり、話が進むにつれて選手達の格好、ルール説明の少なさ、人気漫画からの強い影響など引っかかる点が増えて行き、最後まで話に乗り切れなかったというのが正直なところです。また、宿命のライバルとして描かれていたはずのユキトが、最終回で全く登場しないのも残念でした。

主人公の設定が作品と合っているかを初めに考えたほうが良かったと思います。また、寺坂先生はルール自体はよく分かっていたようなので、無理に漫画的にせずヘッドキャップは描写するべきだったのではとも感じます。ここを押さえれば、他作品からの影響はあまり気にならなかったと思うんですよね。

ただ、最後まで引っかかる部分は残っていたものの、後半は面白い展開も多かったんですよね。特に最終回は、一年生がスクラムを組み鯨井達上級生に立ち向かって行く場面、サクラと雄虎の会話シーンなどが熱くてとても好きでした。

ラグビーが大好きだけれど詳しくない主人公、彼の憧れの選手の息子で一流の選手のライバルといった設定も面白いですし、細かい部分をしっかり煮詰めれば人気作になった可能性もあったのではと考えております。泥臭い男子達の漫画は個人的に好きなので、また寺坂先生の作品を読んでみたいです。



りは「設定や描写の違和感が多いと面白い部分も活きないんですよねー。
キャラの熱さや絵柄は好きなので、
構想をしっかり練って欲しいです」



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短期連載(打ち切り)作品解説 ビーストチルドレン 1/2

ビーストチルドレン 1 (ジャンプコミックス)

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短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2020年1号にて最終回を迎えたビーストチルドレンについて書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。

それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。



1 主人公(サクラ)が無知すぎた


主人公のサクラは「伝説のラグビー選手、雄虎の試合の影響で、小学生の頃から独学でラグビーの特訓をしていた」と描かれているのですが、本格的なラガーマンを目指しているのに競技について分かっていないことが多すぎて引っかかりました。ラグビー馬鹿を強調したかったのかもしれませんが、正直真剣にプレイする気がないのではと思えてしまったんですよね。

特に、憧れの選手の雄虎がコーチをしていた学校すら知らない、という描写は非常に引っかかりました。情報収集よりもひたすら練習、というキャラだったのは確かなのですが、雄虎のことはしっかり調べているシーンも描かれていたので気になってしまったんですよね。年齢も中三で極端に幼いわけではなかったので、適当にラグビー雑誌を読むだけでもコーチをしていることは分かったはずだと思ってしまいました。

ラグビーは大好きだけれど知識はない、という主人公自体は上手く描ければ面白いはずなのですが、納得の出来る描写が必要だったのではないでしょうか。たとえばネットもほとんど繋がらないような山奥の出身、時代が昭和で情報収集の手段が限られている、などの設定ならば受け入れられたかなと感じます。また、主人公がラグビーを少しずつ学んで成長して行く様子を描きたいのなら、高校で初めてラグビーに触れたというキャラでも良かったのではないでしょうか。


厳しいようですが、小学生の頃から特訓していたという描写と、ラグビーへの理解の乏しさが噛み合っていなかったなという印象です。ラグビーへの思い入れが強い主人公ならルールや師と慕う選手については知っているほうが自然ですし、一から理解して行くなら初心者設定のほうが面白くなったのではと感じます。



2 競技中の描写の違和感が強かった


高校ラグビーをテーマとした作品なのですが、サクラを含む選手達は試合中でも全員ヘッドキャップなしの状態で描かれています。厳しいようですが、初めて見たときから引っかかっていました。

実はこの件に関しては「ルールは把握しているけれど、キャラクターの特徴や表情を分かりやすくするためにわざと省いている」と作者の寺坂先生がコメントしているのですが、正直納得出来なかったんですよね。ラグビーにおけるヘッドキャップは競技に詳しくない読者でも知っている情報ですし、やはり装着させるべきだったのではと考えてしまいます。

現代を舞台にした作品でも全てを写実的に描写する必要はないと思いますし、特にスポーツ物では、ありえないような表現でもストーリーが盛り上がるなら受け入れられます。ただ「高校ラグビーでヘッドキャップをさせない」という設定は、絵的な違和感が際立つ形になってしまっており、表情やキャラが分かりやすくなるというメリットが活きていなかったんですよね。

アイシールド21などはヘルメット描いて人気作になっていますし、やはりここは妥協するべきではなかったと思います。ヘッドキャップは顔全体を覆うわけではないですし、簡単なキャラの描き分けが出来ていれば読者が混乱することもなかったはずです。

また、ラグビーのルールについて序盤に詳しい説明がないまま物語が進んでいることも引っかかりました。個人的にラグビーにそこまで詳しくないので、置いてけぼりにされた気持ちになってしまったんですよね。ルールについても、アイシールド21は初心者のセナに教える、という形で上手く描写されていましたよね。


キャラ達の能力や技などなら誇張が含まれていても話が面白くなれば構わないのですが、試合の度に選手達の格好が引っかかる、というのは単純にマイナスだったと感じます。現実と異なる描写をする際は、作品の盛り上がりに繋がるかどうかを考えるべきなのかもしれませんね。またルールについても短くて良いので、把握しやすくなる解説が欲しかったところです。



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2022年11月23日水曜日

週刊少年ジャンプ2022年51号感想



暗号学園のいろは(新連載)


暗号は難しかったですがw学園の設定も斬新で面白く読めました。キャラクターのインパクトも強く、早速明かされたいろはの特徴に良い意味で驚かされました。

演出や表現方法も印象的でした。特に黒塗りの「言論弾圧」や「アカウント凍結」はかなり斬新ですねw

いろはだけではなく、享楽や凍のキャラも立っていますね。特に凍の「暴力をふるわなくてもヒーローになれるから」という台詞が説得力もあり好きです。

不思議な道具を駆使してピンチを乗り越えて行くという少年漫画らしい熱い展開になっていたのも良かったです。スマートグラスを使いこなすいろはにも、本人が気付いていないような秘密があるのかもしれませんね。

ラストの凍も印象的でした。いろはの境遇や能力、M組という聞き慣れないクラスについて、暗号資産のこと、凍の真の目的など、まだまだ謎が多くてワクワクしました。

ところで、凍は女子で良いんですよねw享楽は小娘と呼んでいますし外見も可愛いのですが、一人称が俺ですしボディラインも分かりにくいので、ミスリードの可能性も考えております。ちなみに個人的にはどちらでもOKですw


ただ個人的には好きなのですが、暗号の解読ばかりが続くと飽きてしまう読者もいるのではと少し心配になりました。元々苦手な人も多いジャンルだと思いますし、早めに凍の目的などを示したほうが盛り上がるのではと感じます。また、杞憂かもしれませんが、毎週今回のクオリティを保った謎解きを描けるのかなという不安もあります。

そして、絵柄は好きなのですが、画面がごちゃっとして見えるシーンはちょっと気になりました。特に、いろはが謎を解いた後、享楽が去って行くシーンは正直見づらかったです。

全体的には、色々な謎や秘密が潜んでいそうで楽しい第一話でした。難易度は高くても解説を読むだけでも面白いので、次回の暗号にも期待しております。



一ノ瀬家の大罪


展開はもちろんですが、色々な設定が明かされたことも興味深かったです。翼と詩織が同じ学校、翔だけではなく美奈子や耕作も会社勤め、などの描写は今後も鍵になりそうですね。

新たに登場した中嶋のインパクトも抜群ですね。特に翼について「忘れっぽい」と話していたことが気になりました。

前回と同じく演出にも惹き込まれました。平穏で明るい学校生活から一転した放課後の教室のシーンは本当に辛かったです。


ただ翼の学校での境遇については、そこまでの意外性はなかったかなというのが正直なところです。自室の様子から予想出来てしまう展開のひとつだったんですよね。むしろ中嶋側の立場だと明かされたほうがインパクトがあった気がします。

ただ「忘れっぽい」という台詞についての掘り下げがないので、今後どんでん返し的な翼の過去などが明かされるのではとも考えています。

全体的には、興味深い設定も描かれ次回が待ち遠しくなる話でした。翼だけではなく、他の家族の秘密についても読みたいです。



あかね噺


あかねのピンチが続く描写に惹き込まれました。そして、うららの存在感も強すぎますねー。もはや崇拝の対象にも見えますw一門のまゆらのデザインも好きでした。

うららについては、嘘か本当か分からない初高座の伝説が特に印象的でした。実話だとしたら恐ろし過ぎますね。

人間離れしたようなシーンが続いていたので、あかねに声をかけて遊び始める場面は良い意味で意外でした。個人的には最初の着物のほうが好みですw

りゑんへの山号寺号について理解を示している辺り、ふたりは結構似た者同士なのかもしれませんね。「我を通す気がないのなら~」といううららの台詞も印象的でした。志ぐまとの関係も気になりますし、高座に向かうラストシーンもとても良かったです。


想像以上の伝説を残していたうららと、驚きつつ彼女としっかり会話をするあかねが印象的でした。うららの「わがまま」も楽しみです。



ギンカとリューナ


ギンちゃんがカルラのもとに残る、という冒頭は意外ですが納得出来ました。安全ですし、カルラならギンちゃんを手荒く扱うことはなさそうですよね。

また、山での冒険を繰り広げるギンカ達はもちろん、龍使いの老婦人も印象的でした。特にギンカを大福呼ばわりするシーンが好きですw

新たな困難や学会の話にワクワクするリューナも可愛かったです。「魔術師になって良かった」という台詞も印象的でした。ただ、ゴーレムには注意して欲しいですw

ベレッタとアネモネを助けて目的地へと向かうラストも爽快でした。ピンチが長引かず話が進むのは良いですね。


山を走り飛び回るギンカ達のように一気に読める回でした。次はいよいよ学会のことが描かれそうなので楽しみです。



大東京鬼嫁伝


花札家の開かずの地下室がとても印象的でした。第一話から少し感じていましたが、他にもまだ未知の場所が隠れているかもしれませんね。

また、進太の祖父の描写も興味深かったです。猟師という職業から考えても、ただ者ではないことは確かでしょうね。

そして、終盤で登場した新たなもののけ娘にも惹き込まれました。祖父からの伝言を預かっていると話すシーンが特に印象的でした。現時点では進太の味方のようですし、愛火以外で初めから進太を守ろうとするもののけ娘が描かれるのは斬新ですね。

ラストまで一緒だったこともあり、もののけ娘の正体も気になりました。妖力を感じる、と描写されていますが、機械っぽい印象も受けるんですよね。


ただ、家族や家の中だけの話は少し食傷気味かなとも正直感じました。愛火を動かすきっかけにもなりそうですし、そろそろ進太の学校生活なども見てみたいんですよね。

また、先週たぬきよの出番が終わったばかりなので、今回新キャラを出さなくても良かったのではとも考えてしまいました。面白いもののけ娘だとは思うのですが、みゃーこやたぬきよがもっと定着してから描いても良かった気がします。

全体的にはもののけ娘も興味深く、一気に読めました。まずは彼女の詳細と、祖父からの伝言について知りたいです。




りは「新キャラを登場させるタイミングは難しいと思いますが、
読者が以前のキャラをしっかり覚えてからにして欲しいですねー」



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2022年11月18日金曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 アイアンナイト

 

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短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2014年18号にて最終回を迎えたアイアンナイトについて書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。
それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。


1 世界観が暗すぎた


住んでいる街がゴブリンによって破壊され、同じくゴブリンの力を手に入れた主人公(鉄兵)が敵と戦いながら生存者を探しに行く、という第一話なのですが、正直この時点でかなり重苦しい気分になりました。インパクトは強かったものの恐怖を感じる設定なんですよね。
第一話は読者を惹きつけるためにわざと暗く表現しており徐々に爽快感も強くなって行く、などならば問題なかったと思うのですが、しばらく重い展開が続いていたのもマイナスだった気がします。特に、変身した鉄兵を親友のカズモチが「バケモノ」と拒絶するシーンは本当に辛かったです。もちろん相手も子どもですし、異常な事態に巻き込まれて混乱していたというのは分かるのですが、やはり酷いな、という感想を抱いてしまいました。また、カズモチはその後敵と戦う鉄兵を応援していましたが、すぐに手の平を返したようにしか見えずはっきり言って不快でした。
世界観が暗かった分、むしろ「鉄兵をよく知らない大人は怖がっているけれど、元々親しかったカズモチは信じてくれた」など、王道で鉄兵が救われる描写を入れても良かった気がします。この辺りはバランスが大切ですよね。

次の項目で詳しく解説しますが、世界観が暗いだけならば大きな問題にはならなかったと思います。ただ、序盤にほとんど爽快感がなく、すぐに主人公の味方になるキャラが不快だったというのは厳しいようですがマイナスになっていた気がします。年齢的にも、友達は鉄兵をすぐに受け入れてくれた、で良かったと思うんですよね。


2 絵柄とストーリーが合っていなかった

可愛らしい絵柄は個人的にも好きですし画力も高いと思うのですが、重すぎるストーリーとの相性は正直良くなかった気がします。絵と世界観が合っていませんでしたし、そのギャップを活かすような描写もなかったんですよね。
主人公が小学生という設定も難しかったかなと感じます。特に鉄兵と同世代のジャンプ読者には、ちょっと年上の主人公のほうが人気になりやすいと思うんですよね。自分の小学生時代を思い返しても、やはり中高生の主人公に憧れていた気がします。
実際、ジャンプだとギャグ漫画以外のヒット作で小学生主人公は非常に少ないですよね。ヒカルの碁や、年齢で考えればNARUTOもそれに当たるかもしれませんが、ヒカルの碁は序盤で中学生になっていますし、NARUTOは第一話でアカデミーを卒業していますよね。
また、鉄兵は絵柄も相まって子どもらしくて可愛かったのですが、過酷な環境にいることが可哀想に見えてしまう部分もありました。一定以上の年齢の主人公が辛い境遇にいるのは耐えられるけれど、小さい子が虐げられている作品は読めない、といった意見は多いですし、個人的にも同感です。やはり主人公の年齢はもう少し上げても良かった気がします。
ただ、先ほどの項目でも書いたように、世界観が暗いだけならマイナスにはならなかったと思います。実際、近年の代表的ヒット作の鬼滅の刃や呪術廻戦も重苦しい描写は多用されていますよね。他誌でも進撃の巨人などは似たタイプの作品だと感じるのですが、いずれも主人公は中学生相当以上の年齢ですし、また過酷な戦いの中でも少し笑えるようなシーンが多いことが特徴だと思います。アイアンナイトは終始暗く、幅広い読者を獲得しづらかった気がします。

世界観がとっつきにくかったことに加えて、絵柄が合っていなかったことは、厳しいようですが問題だったと思います。可愛い絵と相性の良い作風にする、シリアスなストーリーの中でもホッと一息つけるシーンをバランス良く描くなどの工夫が必要だったのではと感じます。


3 メインキャラのバランスが良くなかった

鉄兵と両想い状態の翼と、鉄兵と対になる能力の持ち主ユキといういわゆるダブルヒロインなのですが、正直この設定は必要なのかなと思ってしまいました。ユキが登場した時点で疑問だったんですよね。
そもそも、ダブルヒロインの扱いはかなり難しいんですよね。上手く両方を活かせずファンが荒れてしまう作品も多い印象です。アイアンナイトはダークファンタジーのバトル漫画なので女子キャラが重要視されるジャンルではないですし、ヒロインを増やさなくても良かったのではと考えてしまいました。鉄兵達は小学生で、恋愛要素も薄いものでしたしね。
幸い鉄兵は翼に一途でしたし、ユキはあくまでも仲間というポジションで鉄兵と翼の関係も応援していたので、恋愛ヒロイン、バトルヒロイン、と住み分けは出来ていたと感じます。ただ厳しいようですが、それでもふたりのヒロインが必要だったとは思えないんですよね。
また、アイアンナイトはプロトタイプに当たる読み切り版(ゴブリンナイト)では能力の使い手となるヒロインがひとり登場しただけだったんですよね。ジャンプnextの読み切りで設定を変えたとのことですが、何故わざわざ描き方の難しいダブルヒロインにしてしまったのだろうと考えてしまいます。

連載終了が早かったので問題視されることはほぼなかったものの、ヒロインがふたりいるという状況は長く続いていたら荒れる原因になっていた気がします。アイアンナイトに限らず、妥当な理由もなく複数のヒロインを動かすのは正直悪手だと思うんですよね。


絵にもストーリーにも光る部分はあったものの、可愛らしい絵柄と重苦しい世界観の相性が良くなく、充分に楽しむことが出来なかったというのが正直なところです。キャラクターにもマイナス要素を打ち消すほどの魅力はなく、また読み切りの設定が活かされていないのも残念でした。
悲惨な状況の中で立ち上がる主人公自体はむしろ王道だと思いますし個人的にも好きなので、メインキャラの年齢層を引き上げるだけでも結果は違った気がします。小学生達のデザインが可愛かったことは確かですが、画力が高いので大人キャラも充分描けていましたしね。
特徴的な可愛らしい絵柄か、暗いけれど惹き込まれる世界観か、今後の作品ではどちらかに特化出来れば人気の獲得も可能だと思います。屋宜先生の新たな漫画を楽しみに待たせていただきます。




りは「読んでいて辛くなる作品はジャンプだと難しそうですよねー。
絵柄との相性を考える、重い展開が続いたらキャラ同士の少し笑えるやりとりを描くなど、バランス感覚が大切だったと思います」




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2022年11月16日水曜日

週刊少年ジャンプ2022年50号感想



一ノ瀬家の大罪(新連載)


全員が記憶喪失という衝撃的な冒頭、家族と打ち解けて行く感動的で微笑ましい中盤、自室のおぞましさが明らかになる終盤、という構成に惹き込まれました。主人公の翼がようやく意識を取り戻したものの記憶がなかった、という出だしから予想した展開を良い意味で裏切られました。

また、一気に複数のキャラが登場したのに、しっかりと個性が描かれており覚えやすいのも良いですね。表情の描写も上手く、特に詩織の泣き顔にグッと来ました。

演出面も良かったです。和やかに会話していた病院の場面から、明らかに異常な自宅のシーンに切り替わったときはゾクッとしました。


良い意味で色々と気になる第一話でした。写真から判断すると家族なのは確かなのかなと考えているのですが、たとえば血の繋がりなどについてはまだ分かりませんよね。もちろん、翼達が抱えている秘密や罪もとても興味深いです。

タコピーの原罪の作者さんなので期待はしていたのですが、それを上回るインパクトを残してくれた第一話でした。色々と予想もしつつ、全ての謎が明かされる日まで楽しみに読ませていただきます。



あかね噺


キャラクターの掘り下げが面白かったです。物腰も語り口も穏やかだけれど指導は厳しい八正、ネガティブすぎる良治、どちらも印象的ですね。特に良治の長台詞には笑いましたw

その後、新しい演目も習えず高座にも上がれないかもしれないというあかねのピンチに、たまたまやって来る禄郎がとても良かったです。私服も似合っていましたし、本当に清々しいまでにイケメンですねwイベントの前座をあかねに任せたときの笑顔も印象的でした。

ラストシーンのうららも迫力がありました。こちらの私服姿も良いですね。遂にあかねと対面することになりそうで楽しみです。


あかねと新たなキャラ達の弥栄亭でのやりとりが面白いので、うららともどうなるのか期待が高まります。うららの内面の掘り下げも楽しみにしつつ次号を待ちたいと思います。



ギンカとリューナ


カルラのギンカへの愛に笑ってしまいましたwただ、欠片を保管してくれていたという意味では恩人とも言えるかもしれませんね。リューナに鍛えてやる、と話すシーンも印象的でした。

その後のリューナの食材集めも良かったです。五感や魔術を駆使する場面も印象的でしたが、何よりもギンカが思い出していたリューナの台詞が気になりました。最後に辿り着きたい場所へ行くには闇の魔術が必要、ということでしょうか。今後の鍵になりそうですね。

また、食事のシーンも微笑ましかったです。カルラの料理が酷かったので何だかホッとしましたwギンカの「リューナにとって~」という台詞もとても良かったです。

ギンカを睨むリューナには笑いましたがwラストの展開にも惹き込まれました。学会のギンカへの対応には緊張感がありますし、正体を隠して潜入する展開も王道で良いですね。


色々な部分が掘り下げられ、新たな設定も明かされて面白く読めました。闇の魔術や学会の詳細にも期待しつつ次週を待たせていただきます。



大東京鬼嫁伝


愛火とたぬきよのバトルが面白かったです。いわゆるパルクール的な戦闘シーンはやはり盛り上がりますね。

たぬきよに勝つため愛火が変身する展開も王道で好きですが、それより決着が良い意味で酷くて笑ってしまいましたwあくまでもルール通りなので文句は言えませんねwたぬきよも結果は受け入れていましたし、去り際の笑顔が良かったです。

ラストシーンも微笑ましかったです。確かにあの角は結構痛いでしょうねw


ただ、決着の場面は笑えることは確かなのですが、ラブコメとしては正直疑問でした。前回も書きましたが、女子キャラに清潔感がないように見える描写は悪手だと思います。また、バトル展開自体は盛り上がっていましたが、愛火の変身前後の差が分かりにくい部分などは気になりました。

突っ込みどころはあっても勝敗に納得出来たことや、愛火と進太の距離が縮まっている描写は良かったのですが、やはり細かい部分に引っかかってしまいました。今後の新たなキャラの登場を予感させるシーンも描かれていたので巻き返しに期待させていただきます。



化けニャンコマスター梅吉(読み切り)


梅吉の妙にダンディな立ち姿に笑ってしまいましたw化け猫がカフェを運営するという設定は意外と少ないと思いますし斬新ですね。メニュー表の中で何故か頭なでだけが異様に高額になっている、などの小ネタも好きですw

突っ込み役の公太郎も良かったです。何度か読み直して気付きましたが、多分名前はモルモットとハムスターが由来ですよね。梅吉の被害者、という意味も込められているんでしょうねw

終盤、自由に暴走しているだけかと思った梅吉がしっかりと公太郎を癒す展開も印象的でした。ストレスを軽くしてくれるなら浪梅に行ってみたい気もするのですが、オチがホラーっぽくなっているのでやっぱりちょっと怖いですw


少し引っかかったのは、冒頭のモノローグが梅吉のものだと分かりにくい部分です。初めおばあさんの描写かと思ったんですよね。梅吉のアップを一コマ目に入れるなど、工夫があれば良かったかなと感じます。

いわゆる代原のようですが、全体的にはキャラのインパクトも強くほのぼのと笑えました。話を広げやすそうな設定ですし、また読んでみたいです。



噂の毛野くん(読み切り)


ホラー的な出だしから少し意外なオチへと繋がって行く構成が面白かったです。特に、毛野の変身シーンが印象的でした。

メインキャラの毛野と吉田に好感が持てるのも良いですね。不器用だけれど周りを思いやっているという意味では似た者同士なのかなとも思います。特に吉田の「しくじったー」というモノローグには笑いましたwまた、吉田を助けた際の毛野をモフモフしたいですw

ラストも良いですね。クラスメート達は毛野の噂を真に受けていたわけではなく、あくまでも話のネタにしていただけという描写に何だか和みました。ちなみにあまり関係ないですが、今週の読み切りが両方とも化け猫を題材にしているのが何だか面白いですねw


絵柄も個性的ですしコマ割りも見やすく、一気に読める作品でした。もう少しインパクトがあっても良かったかなとも感じましたが、ショート読み切りなので難しかったのかなとも思います。毛野と吉田のもっと長い話を見てみたいです。




りは「大きな盛り上がりはないものの安心して楽しめる読み切りでした。
動物の描写が上手いので、
ホラー以外のジャンルを描いても面白くなるかもしれませんねー」



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2022年11月11日金曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 アイテルシー 2/2



2 メインキャラのバランスが悪かった


ヒロインのりさは「犯人を好きになってしまう」というかなり個性的な設定で、事件を追う際もひとりで突っ走ることが多いのですが、これをコントロール出来る人物が近くにいないことが読者としては正直ストレスでした。思い込みが激しく突き抜けたようなキャラは、周りに常識人がいてこそ面白くなるんですよね。

初めは「テンションが低くりさにも厳しく指導する」先輩刑事の右近がその役目を担っていたのですが、序盤で退場してしまったのがとても惜しかったです。他のメインキャラも、左近はいわゆる「熱血バカ」で少年誌としては王道のキャラだったもののりさのツッコミ役としては力不足でしたし、後に登場した上司の明は有能ですがりさと同じくらい変わり者で、良識的なキャラとは違ったんですよね。

正直、目立つ集団が暴走しているだけ、では物語に惹き込まれないんですよね。ファンタジーやギャグならともかく、あくまでも現代がベースの推理物としてはやはり難しかったのではと感じます。個人的にも右近のキャラは好きだったので、無理に離脱させなくても良かったのではと考えてしまいます。


りさはとても面白いもののメインキャラとのバランスがとれておらず、厳しいようですが個性を活かせていなかったと感じます。周囲にも迷惑をかける悪い部分が強調されてしまう形になっていたんですよね。単純に右近を残すのも手だったと思いますし、どうしても退場させるなら、りさにもガンガンツッコミを入れる優秀な新キャラなどを加えれば結果に繋がったのではと思います。



3 テーマとなる事件がほとんど描かれなかった


りさは誘拐事件の被害者となったという過去の持ち主でその犯人を追い続けているのですが、真相がほぼ明かされないまま終わってしまい残念に感じました。犯罪者に好意を抱いてしまうことが多いはずのりさが犯人を「必ず殺す」と表現するなど、個人的にはとても興味深いと思っていた設定なので、しっかり描写して欲しかったんですよね。

序盤で真犯人らしき人物が描かれているものの、結局最後まで掘り下げられなかったのも正直拍子抜けでした。犯罪者としてはかなりの手腕のようでしたし、他の犯人達を操っていた、などの派手な設定にして再登場させても良かったのではと感じます。

また、りさが「大切な人」と話していた事件の関係者と思われるキャラの詳細が分からないままだったのも同じく残念でした。真犯人とも結び付いている様子だったので、しっかり描写すれば面白くなったはずなんですよね。


連載期間が短かったためため仕方ないかなとも思うのですが、最終回で誘拐について全く触れないのはやはり問題だったと思います。真犯人の逮捕や真相について描くのは難しくても「いつか誘拐事件も解決してみせる」くらいの台詞は欲しかったんですよね。厳しいようですが、興味深い設定が最後まで活かされなかったなと感じてしまいました。


第一話はインパクトも強く惹き込まれたのですがその後矛盾ばかりが目立つようになり、またメインキャラの退場でバランスが悪くなってしまったというのが正直なところです。重要なはずの誘拐事件がほとんど掘り下げられなかったのも残念でした。

ただ何度か触れたように、りさや事件の設定自体は今でもとても面白いと感じるんですよね。ジャンプで推理物をヒットさせるのは難しいと思いますが、インパクトの強い設定を上手く活かせば人気も獲得出来たのではと考えております。実際、ネウロが近い形でヒットしましたよね。

また、稲岡先生の前作「キミを侵略せよ!(宇宙人が主役のコメディ)」も個人的に好きだったのですが、このときと比較して画力が上がっているのも魅力だったと思います。特に、りさのファッションやくるくる変わる表情がとても可愛かったです。

面白い設定や勢いで読ませる第一話を作れるのは大きな武器だと思います。稲岡先生は今もジャンプ+などで活躍中ですが、本誌でもお会い出来れば嬉しいです。



りさ「現実的な推理物として描くかファンタジー要素を強調するか、
はっきりと決めれば結果は違ったかもしれませんねー。
第一話が良かっただけに、その後作品に入り込めないのが残念でした」




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短期連載(打ち切り)作品解説 アイテルシー 1/2

 

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短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2021年30号にて最終回を迎えたアイテルシーについて書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。
それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。


1 引っかかる展開が多かった

シンプルですが、これは単純に大きな問題だったと思います。推理物だと矛盾や粗が余計に目立ってしまうんですよね。
中でも非常に気になったのは、やはり序盤の慰安旅行での事件です。特に犯人の描写には正直終始引っかかりました。
幼少期から異常な行動を繰り返していたと描かれていますが家庭環境は悪くなかった様子なので、何故凶行に走ったのか動機が分からなかったんですよね。中でも、優しく接してくれていた母親を標的にする理由が最後まで不明だったのが気になりました。
犯行動機はミステリや推理物においてかなり重要な部分だと思いますし、おろそかにせずきっちり描写して欲しかったです。もちろんトリックなどが凝っていればまた別ですが、この事件は秀逸なトリックが用いられていたわけでもないので余計に引っかかりました。
また、動機以外でも、死亡が確認されたはずの犯人がヒロイン(りさ)達のもとへ駆けつけるといった展開にも悪い意味で驚きました。色々な意味で人間離れしたキャラでしたが、異種族や妖怪だという設定もなかったんですよね。ただ単に矛盾した展開だったと言わざるを得ません。
ちなみにこの事件では、りさが因縁の相手に急接近したのに終盤まで全く気付かない、という展開にも引っかかりました。りさは鈍感なキャラというわけでもなかったので、やはりおかしい気がします。
これ以外でも、第二話で発生した女性誘拐事件なども引っかかりました。被害者の動向を調べれば容疑者はすぐに特定出来るのではと思えてしまったんですよね。
また、こちらは細かいですが、最終話で自分のお下がりを後輩に渡した刑事(左近)が「つんつるてん」と表現していたことも気になりました。適切なのは「ぶかぶか」でしょう。簡単な用語の間違いも印象は良くないんですよね。

綿密な構成が大切なはずのジャンルなのに、終始矛盾や違和感が多かったと言わざるを得ません。特に慰安旅行の事件で読者離れが進んでしまったのではと思います。
第一話も推理自体はかなり強引だったのですが、りさの「犯人を好きになってしまう」という設定が斬新で面白かったですし、この時点では勢いで楽しめました。また、あくまでも「無理がある」というレベルにとどまっており、大きな矛盾を感じることもなかったんですよね。魔神探偵脳噛ネウロなどの「推理はおまけで、犯人のインパクトがメイン」という作品にするつもりだったのかもしれませんが、ファンタジー要素がしっかり描かれていたわけでもないので、単純に引っかかってしまいました。
ネウロのような漫画にするならファンタジー的な部分が必須だったと思いますし、現実離れした要素は含むもののあくまでも推理物として勝負するのならやはりもっと話を練るべきだったのではと感じてしまいます。面白い設定が粗で楽しめなくなってしまったんですよね。



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2022年11月9日水曜日

週刊少年ジャンプ2022年49号感想



あかね噺


センターカラーの絵にまず惹き込まれました。その後のあかねとのやりとりでも同じ格好だったので、あくまでもからしは遊び人なんですねw

「やれる演目がない」というあかねのピンチを引きずらない展開も良かったです。確かに新しい噺を覚えることが唯一の対策ですからね。

あかねはレベルは高いけれどほとんど呪文や特技を身に付けていない勇者、という表現も分かりやすかったです。やはりあかねとからしのコンビ感は良いですね。要領や現場での経験値はからしのほうが上、技量や稽古歴ではあかねの勝ちという対比が面白くて好きです。

志ぐまとあかねの会話もグッと来ました。壁にぶち当たったからこそ他の場所で成長するべき、という描写が熱いですね。また「あの芸」という言葉も気になりました。最後、やる気に満ちた様子で歩いて行くあかねもとても良かったです。


まずはどの演目を覚えるのか、あかねは噺を誰から習うのか。静かですがとても次回が気になる話でした。今後の展開にも期待させていただきます。



あやしのあやし(読み切り)


実力のある陰陽師が妖怪の子ども達が集まる保育園に派遣される、という設定が面白かったです。ぶっきらぼうだけれど周りの人達を守ろうとする龍太郎と、個性豊かすぎる園児達のやりとりも印象的でした。笑いどころも多く、特に狩衣エプロンという発想が好きですw

話の中心となる女の子、まゆきも良かったです。天真爛漫で子どもらしいキャラなのですが、妖の力が理由で辛い思いをしたことがある、と明かされる場面では切なくなりました。過去のシーンに惹き込まれたからこそ、自分の手を受け入れてくれる龍太郎に懐いたという描写に納得出来ました。

そして中盤以降、事件解決のために動く龍太郎がとてもかっこ良かったです。特に「ちゃんと目の前のものを守りたい」という台詞が印象的でした。まゆきの描いた絵が出て来る場面もグッと来ました。

厳しいものの龍太郎のことも思いやってくれる倉橋や、いつも笑顔で既に強キャラ感の漂う兄など、主人公以外の陰陽師達も好印象でした。ラストシーンも良いですね。忙しくなるでしょうが、龍太郎には頑張って欲しいです。


画力はまだそこまで高くないかなと感じますが、キャラクターの立て方が上手く最後まで楽しませていただきました。

田中先生の以前の読み切り「青眼の大和(金髪碧眼の型破りな高校生が中心の剣道漫画)」も面白かったのですが、メインとなるキャラが分かりにくいなどの問題点も正直目立ってたんですよね。今回はかなり改善されていたかと思います。連載にもしやすそうな題材ですし、是非また読んでみたいです。



ギンカとリューナ


リューナとカルラのバトルに惹き込まれました。正直実力は圧倒的にカルラが上のはずですが、食らいついて行くリューナがかっこ良かったです。特に奥義を発動させるシーンが印象的でした。

「魔術師に不可能はない」という台詞にもグッと来ましたが、直後のギンカの乱入に良い意味で驚きました。それまでシリアスな流れだったので、ほろ酔いの魔法でリューナとカルラを止める場面のイメージ図に笑ってしまいましたw

ギンカとカルラの関係が少し明らかになる最後のシーンも印象的ですね。とりあえず、カルラの反応からしてギンちゃんが手荒く扱われていた可能性は低いでしょう。また、途中でカルラが回想していた相手はギンカなのかな、と考えました。


ただ、リューナとカルラのバトルはもう少しじっくり描いても良かったのでは、とも感じました。ラストでギンカがふたりの元へ走って行き次週で決着、くらいのペースでも充分スピーディーだったと思うんですよね。最終的にはカルラとギンカの再会シーンがギャグっぽくなっても構わないので、今回はまだカルラは強キャラでいて欲しかったとも感じます。

ですが、最後まで目が離せず一気に読めたことも事実です。次回以降、ギンカとカルラの過去などの掘り下げにも期待したいと思います。



大東京鬼嫁伝


たぬきよのキャラが面白かったです。体格が大きく勝負好きな女子なんですね。お世辞にも年相応とは言えない内面でしたが「愛火と進太の捕獲の依頼主は教えられない」と答えるなど、忍としての自覚を持っている様子なのも魅力的でした。

愛火との関係も良いですね。愛火が敵わないほどの相手なのかと思いきや、しつこすぎて棄権した、というオチだったことに笑いましたw

進太を本気で狙っている描写も面白かったです。みゃーこは愛火への対抗心という部分が強そうですし、神血目当てとはいえ真剣に進太を自分のものにしようとしている、というキャラの登場は盛り上がりますね。進太との子どもが欲しいと語るたぬきよに静かに怒る愛火に笑いましたw


少し気になったのは、たぬきよのいわゆる「デカ娘」という特徴がデフォルメの際などに消えてしまっているように見えたことです。チビキャラになったシーンでは、身長も筋肉量も愛火達とあまり変わらないんですよね。せっかくの個性なのですから徹底して描いて欲しかったです。

また、前回のみゃーこに引き続き、食事のときにたぬきよの行儀が良くないのも引っかかりました。正直、マナーをわきまえていないヒロインに好感は持ちにくいんですよね。漫画のキャラにも清潔感は大切だと思います。

全体的には新キャラの登場で楽しい回でしたし、たぬきよとのバトルの行方がどうなるのか惹き込まれるラストでした。今の状態ならさすがに愛火が有利だと思いますが、どんな決着になるのか期待させていただきます。



さっちゃんは石になった(読み切り)


「若い内に死ねば高価な宝石になれるため、長生きを望まない人も増えた世界」という設定がとても斬新だと感じました。主人公の奈津子が宝石化した友達、さっちゃんを手に入れる冒頭も印象的ですね。

さっちゃんの宝石を身に付けた奈津子の回想と、その後の人生にも惹き込まれました。特に、愛猫にも先立たれたのかなと感じる描写に切なくなりました。

ラストシーンもとても良かったです。みすぼらしい姿に反して、ふたりの友情はとても美しかったなという余韻が残りました。


絵柄に派手さはないものの画力も高く、話の内容にも合っていたと思います。ページ数は少ないですが物語は重厚で、短編映画を観たような満足感を味わえました。

奈津子とさっちゃんのエピソードは読み切りで完結していますが、同じ世界観で色々なキャラの歩みを描くといった挑戦も出来そうですね。非常にクオリティの高い作品だったので、この設定での物語をまた味わいたいです。




りは「ジャンプっぽさはないもののとても惹き込まれる作品でした。
まさに発想の勝利ですね!」




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2022年11月3日木曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 ベストブルー

ベストブルー 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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(2022/11/4 07:21時点)



短期連載(打ち切り)となった作品を取り上げ、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2015年52号にて最終回を迎えたベストブルーについて書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。

それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。



1 既存作品の影響を強く受けているように見えてしまった


漫画ではないのですが、本作連載の少し前に水泳アニメのFree!がヒットしており、その影響を相当感じたというのが正直なところです。特にキャラの泳ぎを動物に喩える場面はかなりFree!に似てしまっていたと思います。

ただ、本当にFree!からインスピレーションを受けたのだとしても、流行りに乗ること自体は悪くないでしょう。ですが個性がない場合、厳しいようですが二番煎じという印象になってしまうんですよね。ベストブルーは見せ場が被ってしまっていたので、余計に痛かったと感じます。

また、Free!のクオリティが高かったため、比較されると厳しかっただろうなとも思います。声も色も動きも楽しめるという点ではアニメのほうが有利ですし、水泳部の少年達の青春物でヒットを狙うなら、むしろFree!とは別の部分をクローズアップしたほうが良かったのではと感じます。これならあくまでも水泳というジャンルが共通しているだけなので、過度に比べられることもなかったと思うんですよね。次の項目でも触れますが、特に泳ぎの表現には工夫が欲しかったところです。


世間の関心が向いている水泳というジャンルでヒットを目指す、という狙い自体は分かったのですが、既存の人気作と描写が似ていることが気になって話に入り込めない部分がありました。泳ぎの表現の比喩を動物以外にするだけでも印象は変わったと思うので、惜しいところですね。



2 泳ぎのすごさが伝わりにくかった


選手達やコーチは優秀で個性的だったのに、その魅力に反して泳ぎのすごさを感じにくかったというのが正直なところです。先ほどの項目でも触れましたが、ヒット作と表現が被っていたことも一因かと思います。

地上や空中のシーンと比較しても、水中での描写というのはとても難しいと思うんですよね。読者に伝えるためにも一番工夫が必要な部分だったと考えているのですが、そこに個性がなかったというのは正直問題だったと思います。

また、厳しいようですが、動きの描き方自体も迫力に欠けていたと感じます。平方先生の絵柄はとても好きですし画力も高いと思うのですが、スピード感などの描写は正直そこまで得意ではない気がするんですよね。独自の表現がなくとも圧倒的な絵で魅せる、というのもひとつの方法だと思いますが、それは出来ていなかったと感じてしまいます。


漫画で水中での競い合いを表現するというのはかなり大変でしょうし、そのハードルを越えられていなかったと思ってしまいます。やはり表現方法はもっと工夫して欲しかったです。



3 キャラクターを活かせていなかった


主人公を含むキャラ達の好感度自体は高かったのですが、正直容姿を覚えにくかったという印象が強いです。特徴がないということではなく、競泳中はキャップ、水着、ゴーグルが必須のため、描き分けのハードルが高かったのだろうなと思います。

これも水泳を題材にする際の難しい部分ですよね。やはり漫画で表現するのは大変なのだろうなと感じます。

また、個人的に平方先生の作品の女の子がとても好きなのですが、ヒロインがひとりしかおらず影が薄かったのも残念でした。もちろん競泳の描写に一番力を入れたほうが良かったとは思いますが、複数の女子マネージャーを登場させて華やかな画面を作る、などの演出があっても良かった気がします。試合の表現が上手かったとしても、同じ格好で表情も分かりにくい男子選手ばかりだと退屈に感じる読者も多いと思うんですよね。


読者がキャラクターの特徴を覚えられるようなシーンが少なく、厳しいようですが競泳中はその問題がより顕著だったと感じてしまいます。また、長所である可愛い女の子が目立たないのももったいなかったなと思います。


そもそも難しい題材を選んだ上、全体的に読者に伝える工夫が出来ていなかったというのが正直なところです。既存の作品の影響を強く感じた上、それを超える魅力も表現できていなかったと思います。

ただ、キャラの設定や「水泳部が舞台の青春物」というテーマ自体は個人的には好きなんですよね。特に「主人公の青野は指導も受けずたったひとりで泳ぎ続けて来たけれど、センスと努力のおかげで自己流ながらタイムは悪くない」という第一話の展開にはとても惹き込まれました。この設定はFree!とも被らず非常に個性的ですし、泳ぎの表現に何か一工夫あればヒットも狙えたのではと考えております。

キャラの好感度が高く、主人公の設定が面白いのは大きな武器だと思います。もちろん元々の長所である女の子の魅力も活かして、平方先生には今より更に活躍して欲しいです。



りは「競泳中のモノローグも絵で表すなど、
もっと派手に演出するのも手だったかもしれませんねー。
ただ第一話の印象がとても良かったこともあり、個人的には好きな作品です」



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2022年11月2日水曜日

週刊少年ジャンプ2022年48号感想 



あかね噺


禄郎のキャラが光りますね。テンションは低そうなのにりゑんにビシッと指導する姿がとても良かったです。静かに諌めつつあかねのことを認めている様子なのも興味深いですね。「俺の名前出して良いから」という台詞も印象的でした。人となりが少し明らかになったところで、うららとの会話が描かれるという構成も上手いですね。

メンバーチェンジについて話すあかね達も良かったです。寂しいと言うあかねと雲うんに対して、やや冷めた表情を見せるからしに笑いましたw

そして、ラストには良い意味で驚きました。あかねにとって初めてくらいの大きなピンチではないでしょうか。この場をどう乗り越えるのか、何故技量に反して話せる演目が少ないのか。次週がとても気になる引きでした。


本番のシーンはほぼなかったものの、キャラの新たな一面やあかねの危機の描写に惹き込まれました。次回の展開はもちろん、センターカラーにも期待しています。



隣の小副川(金未来杯エントリー作品)


強大な力を持っているがゆえに部屋の中にこもって暮らす魔法使い、という設定が面白かったです。隠れるように住む様子が妙に庶民的なのも笑えますね。特に押し入れの描写が良かったですw

ストーリー展開もとてもシンプルですが個人的には好きでした。主人公の斗矢も姉の七奈も羨ましいくらいにマイペースなのが良いですね。回想シーンはやや重かったですが、他の部分がコメディタッチに描かれているので暗くならずに読めました。事件解決についてはもう少し捻っても良かったのではとも思いましたが、犯人達を捕縛するシーンの迫力に惹き込まれました。

終盤、ふたりがご近所さん達に受け入れられて行く展開も微笑ましかったです。ラストの「誰が魔法使いかなんて~」というナレーションも良いですね。


画力は正直そこまで高くないかなと感じるのですが、キャラと設定が面白く魅力的な作品でした。連載にもしやすそうな題材ですよね。

今週で金未来杯のエントリー作品が出揃いましたが、面白いものが多くて優勝予想が難しいです。インパクトを感じたのは絵に描いた餅を描いた餅なのですが、連載のしやすさではLIFE LIAR FROM HELL、恋の曜日の世崎さん、隣の小副川のほうが上かなとも思います。画力なども総合的に考えると絵に描いた餅を描いた餅とLIFE LIAR FROM HELLが少し有利になるかなと予想していますが、本当に難しいです。面白い漫画が揃っていて迷うというのは嬉しい悲鳴ですね。

ただ、今回名前を挙げなかった作品にも光る部分は感じたので、どれが優勝しても納得出来るかと思います。結果発表が楽しみです。



大東京鬼嫁伝


鍋を食べる愛火、けろる、みゃーこの三人が個性豊かで惹き込まれました。また、花札家の出費についても少し気になっていたので、家賃を貰っているという描写に妙に安心しましたw

もののけとのバトルも良かったです。愛火が圧倒するのかと思いきや、意外なピンチに陥りハラハラしました。そこに進太が駆けつけるシーンがとても良かったです。すぐに倒されてしまったくせに、強敵っぽい台詞を残して退場するもののけに笑いましたw

ラストにも惹き込まれました。またタイプが違うもののけ娘がやって来そうですね。


ただ、ひとつ非常に気になる部分がありました。進太が鍋の〆を作るためお玉を買いに行ったと説明されていたのに、ほとんどつゆしか残っていない上、まつりとつむぎが別室に移動していたことです。〆には具材も使い、すぐに食べるのが一般的ですよね。正直「この状態で〆を作るの? というか食卓で待たないのは何で?」という疑問が消えませんでした。〆の作り方が異なるならそれを描写したほうが良いと思いますし、まつりとつむぎが席を外したことについても「進太が遠方のスーパーに行っており戻るまで時間がかかるから」などの理由づけが必要だったと思います。

バトルや新キャラ登場の場面は良かっただけに、細かい部分が気になったのは少し残念でした。ラストシーンは良かったので、次週に期待させていただきます。



ギンカとリューナ


リューナと新キャラ、ムニンとフギンのバトルが面白かったです。カルラを師匠と呼ぶ2人を見て、山でギンカと修行した日々を思い出すシーンが特に印象的でした。

ムニン達の魔法に興味津々のリューナも可愛かったです。2人の意表をついて接近するシーンがギャップで更にかっこ良く感じました。ムニンとフギンも優秀だけれどまだまだ子ども、というキャラで微笑ましかったです。

また、杖の設定については今後も鍵になりそうですね。リューナらしい方法で戦闘を終わらせていたのにも笑いましたw

ラスト、カルラと対峙する場面も印象的でした。直前の様子からしてギンちゃんの安否も気になるのですが、まずはリューナがどう戦うのか見守りたいと思います。


バトルも面白く新キャラも魅力的で、一気に読める回でした。少しハラハラしますが、次週も楽しみにしています。



筋肉探偵(読み切り)


探偵には頭脳だけではなくパワーも必要、という冒頭の描写に納得してしまいましたwムキムキなのに知力で冷静に解決に導いて行く、という土手のキャラも面白いですね。特に扉を破らずにピッキングするシーンが好きですw

進行役の星井のキャラも良かったです。筋力に憧れすぎて視野が狭くなっている気がしますw

また、地味に事件内容が新鮮だと感じました。自分の秘密を奪われそうになった犯人が銭湯で友人を殺してしまう、という展開はあまり見ない気がします。シリアスな話で描いても面白くなりそうですね。


正直画力はあまり高くないと思うのですが、ギャグの勢いとキャラが魅力的で笑える作品でした。特に土手の外見のインパクトが強すぎますよねwネタも作りやすそうですし、また読んでみたいです。




りは「筋肉を強調した探偵というのはいそうでいなかったキャラですねー。
星井が正式に土手の助手になる展開なども見てみたいです!」




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