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短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2021年30号にて最終回を迎えたアイテルシーについて書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。
それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。
1 引っかかる展開が多かった
シンプルですが、これは単純に大きな問題だったと思います。推理物だと矛盾や粗が余計に目立ってしまうんですよね。
中でも非常に気になったのは、やはり序盤の慰安旅行での事件です。特に犯人の描写には正直終始引っかかりました。
幼少期から異常な行動を繰り返していたと描かれていますが家庭環境は悪くなかった様子なので、何故凶行に走ったのか動機が分からなかったんですよね。中でも、優しく接してくれていた母親を標的にする理由が最後まで不明だったのが気になりました。
犯行動機はミステリや推理物においてかなり重要な部分だと思いますし、おろそかにせずきっちり描写して欲しかったです。もちろんトリックなどが凝っていればまた別ですが、この事件は秀逸なトリックが用いられていたわけでもないので余計に引っかかりました。
また、動機以外でも、死亡が確認されたはずの犯人がヒロイン(りさ)達のもとへ駆けつけるといった展開にも悪い意味で驚きました。色々な意味で人間離れしたキャラでしたが、異種族や妖怪だという設定もなかったんですよね。ただ単に矛盾した展開だったと言わざるを得ません。
ちなみにこの事件では、りさが因縁の相手に急接近したのに終盤まで全く気付かない、という展開にも引っかかりました。りさは鈍感なキャラというわけでもなかったので、やはりおかしい気がします。
これ以外でも、第二話で発生した女性誘拐事件なども引っかかりました。被害者の動向を調べれば容疑者はすぐに特定出来るのではと思えてしまったんですよね。
また、こちらは細かいですが、最終話で自分のお下がりを後輩に渡した刑事(左近)が「つんつるてん」と表現していたことも気になりました。適切なのは「ぶかぶか」でしょう。簡単な用語の間違いも印象は良くないんですよね。
綿密な構成が大切なはずのジャンルなのに、終始矛盾や違和感が多かったと言わざるを得ません。特に慰安旅行の事件で読者離れが進んでしまったのではと思います。
第一話も推理自体はかなり強引だったのですが、りさの「犯人を好きになってしまう」という設定が斬新で面白かったですし、この時点では勢いで楽しめました。また、あくまでも「無理がある」というレベルにとどまっており、大きな矛盾を感じることもなかったんですよね。魔神探偵脳噛ネウロなどの「推理はおまけで、犯人のインパクトがメイン」という作品にするつもりだったのかもしれませんが、ファンタジー要素がしっかり描かれていたわけでもないので、単純に引っかかってしまいました。
ネウロのような漫画にするならファンタジー的な部分が必須だったと思いますし、現実離れした要素は含むもののあくまでも推理物として勝負するのならやはりもっと話を練るべきだったのではと感じてしまいます。面白い設定が粗で楽しめなくなってしまったんですよね。
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