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短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2020年1号にて最終回を迎えたビーストチルドレンについて書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。
それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。
1 主人公(サクラ)が無知すぎた
主人公のサクラは「伝説のラグビー選手、雄虎の試合の影響で、小学生の頃から独学でラグビーの特訓をしていた」と描かれているのですが、本格的なラガーマンを目指しているのに競技について分かっていないことが多すぎて引っかかりました。ラグビー馬鹿を強調したかったのかもしれませんが、正直真剣にプレイする気がないのではと思えてしまったんですよね。
特に、憧れの選手の雄虎がコーチをしていた学校すら知らない、という描写は非常に引っかかりました。情報収集よりもひたすら練習、というキャラだったのは確かなのですが、雄虎のことはしっかり調べているシーンも描かれていたので気になってしまったんですよね。年齢も中三で極端に幼いわけではなかったので、適当にラグビー雑誌を読むだけでもコーチをしていることは分かったはずだと思ってしまいました。
ラグビーは大好きだけれど知識はない、という主人公自体は上手く描ければ面白いはずなのですが、納得の出来る描写が必要だったのではないでしょうか。たとえばネットもほとんど繋がらないような山奥の出身、時代が昭和で情報収集の手段が限られている、などの設定ならば受け入れられたかなと感じます。また、主人公がラグビーを少しずつ学んで成長して行く様子を描きたいのなら、高校で初めてラグビーに触れたというキャラでも良かったのではないでしょうか。
厳しいようですが、小学生の頃から特訓していたという描写と、ラグビーへの理解の乏しさが噛み合っていなかったなという印象です。ラグビーへの思い入れが強い主人公ならルールや師と慕う選手については知っているほうが自然ですし、一から理解して行くなら初心者設定のほうが面白くなったのではと感じます。
2 競技中の描写の違和感が強かった
高校ラグビーをテーマとした作品なのですが、サクラを含む選手達は試合中でも全員ヘッドキャップなしの状態で描かれています。厳しいようですが、初めて見たときから引っかかっていました。
実はこの件に関しては「ルールは把握しているけれど、キャラクターの特徴や表情を分かりやすくするためにわざと省いている」と作者の寺坂先生がコメントしているのですが、正直納得出来なかったんですよね。ラグビーにおけるヘッドキャップは競技に詳しくない読者でも知っている情報ですし、やはり装着させるべきだったのではと考えてしまいます。
現代を舞台にした作品でも全てを写実的に描写する必要はないと思いますし、特にスポーツ物では、ありえないような表現でもストーリーが盛り上がるなら受け入れられます。ただ「高校ラグビーでヘッドキャップをさせない」という設定は、絵的な違和感が際立つ形になってしまっており、表情やキャラが分かりやすくなるというメリットが活きていなかったんですよね。
アイシールド21などはヘルメット描いて人気作になっていますし、やはりここは妥協するべきではなかったと思います。ヘッドキャップは顔全体を覆うわけではないですし、簡単なキャラの描き分けが出来ていれば読者が混乱することもなかったはずです。
また、ラグビーのルールについて序盤に詳しい説明がないまま物語が進んでいることも引っかかりました。個人的にラグビーにそこまで詳しくないので、置いてけぼりにされた気持ちになってしまったんですよね。ルールについても、アイシールド21は初心者のセナに教える、という形で上手く描写されていましたよね。
キャラ達の能力や技などなら誇張が含まれていても話が面白くなれば構わないのですが、試合の度に選手達の格好が引っかかる、というのは単純にマイナスだったと感じます。現実と異なる描写をする際は、作品の盛り上がりに繋がるかどうかを考えるべきなのかもしれませんね。またルールについても短くて良いので、把握しやすくなる解説が欲しかったところです。
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