暗号学園のいろは
多夕の意外な弱点と、その克服劇が見事でした。慕との対決方法も面白かったですし、多夕のお株を奪う慕の強さも伝わって来ました。
躾が多夕の弱点を見抜いていた、というシーンも印象的でした。このふたりのデモンストレーションも読んでみたかったです。
ラストの多夕の表情にも迫力がありました。多夕と慕の勝負がいよいよ読めなくなってきたので、次週が待ち遠しいです。
正直多夕は結局は強運なのではとも感じましたが、対決方法やキャラクターの掘り下げが印象的で面白かったです。そして岩崎先生の巻末コメントには笑いましたw次回は多夕や慕の次の作戦にも注目させていただきます。
一ノ瀬家の大罪
幸恵の話す真相に救いがあって良かったです。翔が「諦めた目」と感じていた耕三や美奈子の表情は、本当は現状を受け入れている目だったのではと感じました。
美奈子の言葉も印象的でした。「どんなに駄目でも私達はあの子の親」という主張がとても良かったです。
颯太が目覚めるラストシーンにも惹き込まれました。ようやく現実に戻った一ノ瀬家がどんなことを語るのか興味深いです。
ただ、全体的な展開は面白かったのですが、この重要な局面で主人公の翼が全く活躍していないことは正直引っかかりました。以前も書きましたが詩織の「翼はいつも前を向いていた」というモノローグも読者としては納得出来ませんでしたし、今回も翼以外の家族が話し合って解決してしまいましたよね。
初めに夢から目覚めたときと同じで、翼が結局はヒーローになれていないことははっきり言って残念でした。翔に気持ちをぶつけるメンバーの中に翼がいても良かったのではと思います。
また、幸恵がいきなり翔を責め始めるのもおかしいのではと感じました。以前、元気な耕三と一緒にいるために夢の中に閉じこもることを選んでいましたよね。夢を作り出したのは確かに翔ですが、自分の行動を反省せず翔だけに責任を押し付けるという流れは正直不愉快でした。
印象的な台詞などが多かっただけに、主人公の活躍を見られなかったことなど引っかかるシーンが余計に気になってしまいました。掲載順と展開的に終わりが近いのではとも感じますが、一ノ瀬家の出す結論は見届けさせていただきます。
アイスヘッドギル
前回初めて描かれた頭、オルデンとヴァ―サーのキャラが良かったです。性格的にはどちらかというと正反対のようですね。ヴァ―サーとドレキの関係も気になります。
悲しい運命を乗り越えるために走るギルとグレイティストにも惹き込まれました。グレイティストの「肉親の身体を~」という台詞が特に良かったです。
ラスト、ドレキと対面した際のギルの表情も印象的でした。辛いのでしょうが、嬉しさも滲み出ているようで上手いですね。
少し気になったのは、頭も含めて年頃の女子キャラが全く出て来なかったことです。今回オルデンと一緒にいた少女はまだ幼いですし、正直男子ばかりで画面がむさ苦しく感じるんですよね。シプもすぐ退場してしまいましたし、女性の頭がいても良かった気がします。
全体的には、登場したばかりのキャラも掘り下げられており、ついにギルとドレキの対面も叶い、一気に読めました。掲載順と展開的に終わりが近い気もしますが、ギルとドレキの戦いはしっかり見守らせていただきます。
アスミカケル
太賀の回想に惹き込まれました。もちろん千比路の登場も嬉しかったです! 施設は当たりなのにジムはハズレだった、という太賀のモノローグも印象的でした。
色々と過酷な環境を乗り越えて来た太賀につい感情移入してしまいますが、二兎の描写も良かったです。太賀だけが苦労しているわけではなく、二兎も努力や葛藤を積み重ねて来たんですよね。絶対に勝ちたいという強い意志も同じはずです。
ふたりがぶつかり合うラストシーンにも惹き込まれました。体格的にもほぼ同じですし、勝負の行方がどうなるのかとても興味深いです。
ただ、展開と掲載順的に終わりが近いような気もして少し心配です。好きな部分は多いのですが、正直人気が振るわない理由も分かるんですよね。
そもそもMMAの魅力が伝わりづらい、ということがまず挙げられるかと思います。馴染みのない競技の上分かりやすい必殺技もなく、絵的にもかなり地味な印象を受けるんですよね。二兎の得意技がもっと華やかならまた少し違った気がします。
また、以前にも書きましたが全体的にちょっと暗い雰囲気を感じてしまうんですよね。獏の介護問題もそうですし、今週の太賀のジムも読んでいて辛くなりました。特にジムについては会員の数が少なくなかなかスパーが出来なかった、くらいの設定でも良かったと思います。
試合の流れなどの熱い部分は好きなのですが、短所も目立ってしまっているなとも感じます。二兎と太賀の対決での巻き返しに期待させていただきます。
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