ツーオンアイス
ずっと憧れていた綺更に並びたいという隼馬にグッと来ました。ラストの「たった今からは~」というモノローグも印象的でした。隼馬の情熱や努力が伝わって来たので、読者としても綺更の全力を見たくなりました。
隼馬の弱点や才能が描かれていたことも良かったです。夏日の「あんな野良スケーターが」という台詞も印象的でした。
綺更がペアを始めたきっかけについて一瞬だけ描かれたシーンも興味深かったです。今後しっかり描写されると思いますが、競技人口の非常に少ないペアを選んだ理由はやはり気になるところですね。
絵が雑なシーンがちょっと気になりましたが、キャラクターの掘り下げが印象的で、一気に読めました。いよいよ本番を迎えたふたりがどうなるのか楽しみにしています。
部屋の一族(金未来杯エントリー作品)
不思議な力がある泥棒と、恵まれない家庭に育った少女華のバディに惹き込まれました。特に泥棒の「部屋の一族」という設定が斬新で面白かったです。
泥棒と華の生活が淡々としたコマで描かれる演出も良かったです。段々と表情が柔らかくなって行く華がとても可愛かったです。
ふたりの穏やかな暮らしを願っていたので、警察が乗り込んで来るシーンにはハラハラしました。泥棒が告げた「部屋の一族は~」という台詞も印象的でした。
その後、泥棒が華に言った「この世界にはたくさんの部屋がある」という台詞にもグッと来ました。読後感が良いところも魅力的ですね。
ただ、警察が乗り込んで来るまでの経緯や満潮で沈む部屋の設定など、細かい部分に引っかかったのは少し残念でした。警察については「行方不明の少女が見知らぬ青年と生活していた」ということで通報されたと考えていたのですが、その後の台詞を見ると「泥棒が部屋の一族だと分かったから」なのかとも思えてしまい混乱したんですよね。満潮で沈む部屋についても何故そんな場所に指紋を残せたのか、と考えてしまいました。
連載を目指すのなら、こういった部分も作り込んだほうが良いと思うんですよね。アイデアなどに惹き込まれただけに残念に感じました。
全体的には、キャラや設定が印象的で好きな作品でした。前作の「霊能者の心理学」も面白かったですが、本作も良かったです。部屋の一族と泥棒の関係なども気になるので、是非続きを読んでみたいです。
カグラバチ
チヒロのアクションシーンに魅せられました。特に金魚の斬撃の描写がかっこ良いですね。
柴がシャルに説明する形で色々な設定が分かったことも良かったです。サラッと言っていましたが、チヒロはもちろん柴も死ぬほど努力した、ということでしょうね。
ラストでチヒロの表情がアップになったことも印象的でした。いよいよ毘灼の手がかりに繋がるのか、読者としても気になります。
少しだけ気になったのは、正直雑に見えるシーンが散見されたことです。特にシャルの顔は粗いアップが目立っており、良い場面でもちょっと引っかかってしまったんですよね。
全体的には、バトルシーンがかっこ良く面白かったです。チヒロがシャルをしっかり守ってくれることにも期待させていただきます。
キルアオ
ノレンを避け続けた結果逆に彼女を暴走させることになってしまった、という展開が面白かったです。十三も触れていましたが、特にラストシーンはかっこ良すぎて笑ってしまいましたw
十三やノレン以外のキャラがしっかり描かれている点も良かったです。何気にツーショットで登校する天馬と千里、ノリの良い高田と馬場、そして静かに怒る遼とそれぞれが印象的でした。
また、一時的に元の姿に戻った理由も気になりますよね。エリも言っていましたが、やはり当日の食べ物が鍵になるのではと思います。
スピーディーで笑える展開が続き、一気に読めました。十三とノレンの激突や、若返りの秘密についての解明にも期待させていただきます。
魔々勇々
早速エリシアが掘り下げられており、面白かったです。元の世界で母親とどんな風に暮らしていたのかも気になりますね。
コルレオとエリシアが公園で会話するシーンも良かったです。弱さに悩んでいるという意味ではふたりとも似ているんですね。
ふたりが紋章術で何とか敵を打ち破るシーンも印象的でした。ラストのエリシアの台詞は告白めいていますが、本人は自覚しているんでしょうかw
ただ、パンネロが何故か全くふたりを追って来ないなど、細かい矛盾が気になってしまったのも事実です。コルレオとエリシアがふたりきりになるシーンを描きたかったのだと思いますが、もう少し自然な流れにして欲しかったと感じました。そもそも警戒される存在のはずのエリシアがひとりで駅に来ていたこと自体おかしいですよね。
また、前回から引き続き見づらいコマ割りが多い点にも引っかかりました。特にふたりがベンチに座って話し始めるシーンは順番が分かりにくく気になりました。
全体的には、エリシアや紋章術の描写が印象的で惹き込まれました。コルレオとエリシアの関係についても見守りたいと思います。
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