2022年6月24日金曜日

週刊少年ジャンプ2022年29号感想 2/2

 


暗殺者の暗子ちゃん(読み切り)


パロディ多め、テンション高めのギャグで最後まで飽きることなく読めました。パロディは呼び込み君と「その綺麗な顔を~」のネタが特に好きですw中でも後者は懐かしいですねー。今のジャンプ読者には伝わりにくいでしょうが、パロディだと気付かなくても理解出来るように構成されており上手いと思いました。

また何気に、ギロチンに引っかかっても平然と喋っている富士見が気になりましたw連載になったら暗子のライバル、もしくは殺せないターゲットとして掘り下げられるかもしれませんね。ラスト付近で暗子とミストの奇妙な友情が描かれているのも好きです。暗子の非リア充感がちょっと可哀想ですが笑えますw


ただ「なかなかターゲットを殺せない暗殺者」というネタ自体は、正直そこまで目新しくはないかなとも感じました。暗殺教室はヒットしましたが、あれは殺せんせーのキャラや暗殺の動機がものすごく斬新でしたからね。

ストーリー部分にもっと独自性があれば更に面白くなるかと思います。連載にしやすそうな内容なので、また読んでみたいです。



ドロンドロロン


一般人かと思った老人が組織のトップだった、という王道の展開でしたね。いつでも一本とっていい、という台詞と高枝切りハサミになったクサナギが笑えますwハンゾウという大ボスの存在にもワクワクしました。また、今まで登場していなかった上士侍達も描かれましたが、この中に以前不穏な動きをしていた内通者がいるのかどうかにも注目ですね。そして、ハンゾウを倒せばクサナギも消滅するのでは、という引きはとても次週が気になる終わり方でした。


ただ、アヤカシを生み出した黒幕が明かされたこと、複数の上士侍が描かれたことなどから、終わりが近いのかも、と不安にもなりました。掲載順も正直下位が続いていますからね。

ですがこの予想が当たっていたとしても、内通者を暴いた上でハンゾウに勝利し、クサナギの行方について描かれれば、物語としては綺麗に終われるのかなとも思います。いずれにせよ、ハンゾウとの戦いに期待です。



泣くなあかおに(読み切り)


童話パロディで青島と別れてしまう結末なのかも、と思いながら読んでいたため、オチの部分でほっこりしました。赤尾と青島、どちらも好感の持てるキャラですねー。特に赤尾の「青島は優しくていいやつなのだから!」という台詞には心から同意出来ました。角がモチーフになった髪型も良い感じです。

ストーリー全体の流れも良い意味で分かりやすいですね。赤尾と青島の関係は今後もっと親密になるかも、とも感じられる構成です。短いページ数でしっかり青春が描かれており、気持ち良く読めました。


絵柄と表情の描き方が古めなことだけ少し気になりましたが、とても楽しい作品でした。連載になればラブコメ要素を足しても良い感じになりそうですし、続きを読みたいなと思います。



PPPPPP


ラッキー側のメンバーが全員明らかになりましたね。ほぼ予想していた通りですが楽しみです。特に運は本編でまだ演奏が描かれていませんし、読み切りから知っていたキャラなので期待しています。また、何気に七つ子の誕生日についても気になっていたので描かれたことが嬉しかったです。

バトルの発案者についてはびっくりしました! メロリが何を考えているのか、少し怖いですが期待もしてしまいます。

なかなか緊迫したシーンが多い回でしたが、レイジロウの泣き顔とミーミンの「ドッコイショー!」に和みましたw勝ってファンタをママンのところに引っぱってこう、という台詞も良いですね。いつも思いますが、ワガママさと優しさが描かれたとても魅力的なキャラですね。


バトルの決着についてはなかなか予想が難しいですが、ファンタの「相手が懐いただけで厳密に勝ってはいない」という台詞はやや辛辣ながら読者としても感じていたことなので、ラッキーが成長してしっかりと勝利する展開もありうるのかもしれません。そして、ファンタ側のメンバーの残りひとりも気になりますね。今週の掲載順は少し不安でしたが、平均推移を考えるとそこまで心配はいらないのかなとも思います。最近はワクワクが途切れず読めていますし、次週も楽しみです。



地球の子


アルベールと共に救助に向かうシーン、かれりが腕を伸ばすシーンが感動的でした。また、前回の衛の反応からして無事に帰れたわけではないのだろうなとは予想していましたが、流星群が令助とかれりに直撃するシーンも胸が痛みました。

気になったのは、あの環境でヘルメットを脱いだら即死に近い状況になるのでは、という点と、アルベールがすぐに離脱してしまったことです。また、次回以降に描かれるのかもしれませんが、皆がアルベールの身を案じているように見えないのも引っかかりました。


ですがそれ以上に、やはり終わりが近付いているように思えて心配になりました。次号か次々号辺りで成長した衛が令助達を助け出せば、物語として区切りもつきそうなんですよねー。掲載順などから判断して、元々短期連載の予定だったという可能性も低いでしょう。

ただ、令助達の安否がしっかり描かれれば強引な終わり方にはならないのかなとも思います。佐和田家についてはもちろんですが、アルベールが心配です。正直キャラに好感の持てない描写も多いですが、アルベールは芯の部分が揺らがない魅力的な人物なので。とにかく令助、かれり、アルベールが無事であることを願っています。



   りは「みんな過酷な運命を背負っていますが、

  地球の子達を信じています!」



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週刊少年ジャンプ2022年29号感想 1/2

 


ルリドラゴン


一話に引き続き、日常とファンタジーが上手く融合していますね。排泄物~のたとえは吹き出しましたwルリがすぐには父ドラゴンに会いに行かないなど、読み切りと異なる展開も描かれ始めましたね。


また、前回母があまり気にする様子もなくルリを登校させたことが気になっていたので、今回「火吹きをコントロール出来るようになるまで休ませる」という流れになっているのは好印象でした。医師や実家が理解してくれているというのも今後の展開に活かせそうですね。河原やスーパーでの親子の会話も好きです。さらっと「私がなんとかするから」と言う母に強さを感じました。

そして一話でも感じていましたが、何気にユカが可愛いですよねwルリが欠席中なことも気にせず駆け寄って来るのが微笑ましいです。ユカのような味方がいるなら学校に行っても大丈夫だろうなと思えるワンシーンでした。


引っかかる箇所もほぼなく、一話以上に楽しく読めました。

今後も緩いファンタジーな日常に期待しています。



ALIENS AREA


いよいよ本格的に入隊という流れでしたね。力を示すために先輩とぶつかり合う展開も王道でした。


今回は班員達の自己紹介も兼ねていたため、前回書いた名前が覚えられない点が問題になることもなくスムーズに読めました。

写楽は現時点では実力者ということ以外よく分かりませんがミステリアスなキャラのようなので気になりませんし、辰巳は随所に挟まれる思いやりのある描写がやはり魅力的ですね。入隊前にしっかり勉強しているのも好印象でした。写楽を慕い、辰巳の実力を確かめようとする夢子も可愛いです。

少し引っかかったのは、せっかく画力が高いのに絵が安定していないように思えるところです。先ほど挙げた夢子もデザインは好みなのですが、特にアクションが入ると顔立ちが変わったように見える箇所があり気になりました。まだ独自の武器と言える描写が少ないのも気がかりです。


ただ小さな問題はあるものの、今週は一番盛り上がっているように感じました。

外5については不明な点も多いので、これから明かされることに期待しております。



あかね噺


のっけから先生の可愛さ再びですねwすっかりあかねのファン兼監督のようになっていて好印象です。

また、ひかるについても更に掘り下げられましたね。方言女子、個人的に好きです。どちらかと言うと優勝を目指しているというより、爪痕を残して声優の仕事に活かしたいと考えているようですが、これもリアルだと感じました。今後も同世代女子のライバルとして登場して欲しいです。

そして、魁生の私服眼鏡姿も新鮮でした! ちょっとドキッとしてしまったのが何だか悔しいですwあかねが決勝用の武器を隠していると見抜いているなど、やはり落語以外の部分も食わせ者のようですね。


決勝も翌日なので早い内に描かれそうですし、今から楽しみです。

あかねはもちろんですが、からしとひかるの噺も色々と予想しつつ待ちたいと思います。



すごいスマホ


三者会談編は読みごたえがありますねー。Qが甲斐についてすぐに見抜くシーンもさすがでした。一般人扱いに激昂する全一郎は人間味があり、ちょっと好感が持てますねw

また、全一郎が自身の知名度と魅力を活かしてあえてビデオ通話を始めるというのは良い意味で予想出来ない展開でした。すマホ持ちの仲間をふたり引き入れているのも事実のようですし、Qがどう対処するのか、それとも全一郎のほうが先にQに辿り着いてしまうのか、今後が気になる引きですね。

そして、今回全一郎のモノローグがいくつも描かれていましたが、やはり修の誘拐についての内容が全く見られなかったため、現時点では犯人だと断定は出来ないなと改めて感じました。


少し引っかかったのは、全一郎が何故かワイングラスを投げたシーンです。室内でいきなりグラスを割る行動に、メリットは正直ないでしょう。得体の知れなさの演出なのかもしれませんが、それよりも「何でいきなり投げちゃったの?」という疑問のほうが先に出て来てしまいます。

また、読者としては全一郎がタワマン襲撃の企画者であることは分かっているので一見スムーズに読めますが、Qが全一郎を犯人だと断定出来るほどの根拠はないと思います。特に人物像が被っているから、というのは正直無理があるでしょう。

ただ全体の展開自体は面白かったので、これなら長く読めそうかなとも思います。序盤の段階で全一郎のようなインパクトのあるキャラを生み出せたのも大きな武器になりそうです。Qと全一郎、瀬尾水の駆け引きを更に盛り上げて欲しいです。




 りは「カリスマ性のあるキャラがきっかけで
           人気となる作品も多いですからねー。
                   Qより全一郎に注目してしまいそうな今日この頃ですw」



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2022年6月17日金曜日

週刊少年ジャンプ2022年28号感想 2/2

 


あかね噺


一話で予選が決着する展開はスピーディーですねー。予選では新たなテクニックを出さず言い立てのみで勝ち抜くという展開も、前回に引き続き良い意味で予想を裏切られました。人気声優ひかるのブレスを減らして~という解説も納得出来ます。あかねはやっぱり同世代の中では別格なんですね。

学校サイドのサブキャラ達も要所要所で魅力的に描かれていますね。特にあかねの噺に興奮する先生はとても可愛かったですwあかねと共にトレーニングに励むジャンボも好印象ですね。嫌味だった子どもが成長して主人公の味方になる、という展開は意外とありそうでなかった気がします。


また、決勝の展開が気になりました。

からしはやや辛辣にも思えますが、彼の主張通り言い立てのみの寿限無で他の参加者達を超えるのは難しいでしょうし、ここで新たな戦略が披露されるのではないかなと考えております。

個人的には、本来のオチである寿限無の死を活かしたりするのかなと予想しています。何にせよ今週も次回が楽しみになる展開でした。あかねの新たな寿限無に期待です!



すごいスマホ


個人的に前から興味のあったキャラである瀬尾水刑事が少し掘り下げられた回でした。生い立ちなどは明らかになっていないものの、好戦的だけれど家族や仲間に情のある部分が描かれており魅力的に感じました。また、もしかして中性的な男性なのかもと思っていたので今回で性別が確定したことにもなりますね。何気なく挟まれるうさぎ好きっぽい部分も可愛いですw

本編についても、Qが瀬尾水を引き入れると決める展開は納得の行くものでした。全一郎が暴徒を率いている分、この作戦は絶対に成功させたいところですね。彼女宛てのメールでQと全一郎が会話する、という流れも面白いです。また、すごいスマホを未所持なのにこれを見抜く瀬尾水の優秀さもよく分かりますね。Qと瀬尾水の会談中に全一郎が割り込むラストもワクワクしました。


Qは「タワマン襲撃事件の主犯は全一郎である」と信じさせることが出来るのか、逆に全一郎が「Qが嘘を吐いている」と瀬尾水を騙してしまうのか、三者会談の行方が気になります。どちらにせよ、Qだけではなく瀬尾水の活躍にも期待したいです。

今週は引っかかる箇所もほぼなく、楽しく読み終えることが出来ました。Qの「んしゃーない」という台詞などは少し気になりましたが些細な問題ですしwこの調子で長期連載を目指して欲しいです。



魔導師ヒバリ(読み切り)


ヘッポコな主人公とモンスターの奇妙な友情、という王道のテーマを扱った作品でした。しっぽのせいでお腹から出られなくなる魔導師喰いが面白いですwファンタジーとして世界観が分かりやすかったですし、連載にも続きそうな物語でした。


ただ、正直「よくある話、設定」から抜け出せていない感じもありました。主人公が特別な血筋なので少し違いますが、ジャンプ本誌でも昨年の金未来杯優勝作品の「人造人間100」が、人間と超常的な力を持った生き物との奇妙な共存関係を描いた話でしたよね。生き物側が「主人公が成長するまで食べるのを待つ」という点も同じです。また、絵柄と真っ黒な魔物との組み合わせから「王様ランキング」を連想してしまう感じもありました。

ギャグは好きなので、オリジナリティのある話を読んでみたいです。



ドロンドロロン


少し戸惑う様子を見せながらも、ドウサンに決別を告げるクサナギにすっきりしました。以前書いたように騙される姿は正直ストレスだったので、余計にかっこ良く思えます。その後、ドウサンが消されたシーンでショックを受けているのもクサナギらしいです。

ラストのドラの笑顔もまた良いですねー。ドラ好き同盟が生まれたことにも頷けますw

ただ、クサナギに対してナオトラのほうから謝罪するのは少しモヤモヤしました。ナオトラは上士侍として当然の判断、行動をしただけですし、ドウサン側がおびき寄せたとはいえ騒動の原因を作ったのはクサナギです。むしろクサナギが全力で土下座するのをナオトラが止めるくらいで良かったと思います。


また、詳細は分かっていないもののカンベエはかなりの強敵になりそうですね。決着が読めることを期待しています。掲載順はまだ不安ですが、新展開が楽しみですね。



地球の子


小学生になった衛が登場しましたねー。また、今週は真路美の台詞やキャラが光っていました。「子どもが死ぬとか言うのはダメで~」というのはとても説得力のある内容です。六年後のロングヘアも似合っていました。


引っかかった点は、ずっと感じていましたが令助自身が考案した作戦や行動が見られなかったところです。

かれりを助けられない、そして流星群も止められないとなれば高確率で彼女の命はないわけですから、動揺自体は理解出来るのですが、ただ「助けたい」と叫ぶばかりの主人公は正直魅力が薄いんですよね。一般人というカテゴリから外れてしまいますが、かれりに近付いたときだけ令助も特殊な力を発揮出来る、などの設定があっても良かったのではないかと思います。現在のところは、結局アルベールとウェイストが全て主導してしまっていますから。


六年後の衛は外見などははっきりと描写されていないものの、良い意味でマイペースで達観しており面白い少年だと感じました。令助達の作戦は衛の状況や真路美の台詞などから、かれりを守りながら自分達も岩になる、などかなと予想しています。

ただ、連載終了が見えて来てしまったように思えてそちらのほうが正直気になりました。成長した衛が改めてかれりを救出すれば、最終回になってもおかしくなさそうなんですよね。

今週の衛が魅力的だっただけに、やはりもっと早くに成長させるべきだったのではと思ってしまいました。掲載順も不安ですが、いずれにせよ最後まで見守ろうと思います。



りは「正直長期連載は難しいかもしれませんが、

成長した衛の活躍に期待しています」



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2022年6月16日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年28号感想 1/2



ルリドラゴン(新連載)


絵が非常に好みでした。すっきりしているけれど可愛らしさが表れていますね。外見だけではなく、主人公のルリの「少しクールだけれど友達もいる、ごく普通の女子高生」という描写も上手いですね。

物語も「ある朝突然、頭にドラゴンのツノが生えた」というファンタジー的な出だしから、ほのぼのとした日常へと展開するのが面白かったです。周囲が大騒ぎせず受け入れて行く様子にも妙なリアリティを感じましたwだからこそ、ルリが吐血してしまうシーンはドキッとしました。ギャップの描き方が秀逸ですね。

車内での母親との会話も好きです。「父親が誰でも気にしないけど、一緒に暮らしてる母親にずっと隠しごとされるのは寂しい」という台詞が特に印象的でした。

ルリドラゴンは読み切りは未読だったので今回VOMICをチェックしましたが、第一話はほぼ読み切り通りですね。父ドラゴンとのやりとりに和みましたw


ただ、気になる点も正直いくつかありました。

まずどう考えても非常事態なのに、登校しても良いという反応の母親が引っかかりました。確かに「ツノが生えただけだから」と言ったのはルリですが、娘に何が起きるか分からないのですからさすがに是が非でも休ませるべきではないでしょうか。ツノのある状態で学校に行ってしまい騒動が起きる、という展開を描くとしても、休むように言われたけれど母親の外出後に「大したことないか」と判断して、あるいは友達との約束があるからなどの理由でルリが自主的に登校する流れで良かったと思います。

そして、炎を吐いて男子の髪を焼いてしまうのはやり過ぎだと感じました。自分の意思とは関係なく火を吹いてしまうという設定自体は納得出来ますが、被害者を出す必要はなかったと思います。教科書を焦がしてしまったなど、もっと小さな事件でも話の流れには影響しないでしょう。この男子が今後本筋に関わって来るからあえて事件を起こしたのだとしても、ルリ達からの謝罪シーンと「毛先が焦げただけだから大丈夫」のように男子が答える、といったフォローが必要だったと思います。


ですが、全体的にはとても面白く読めました。

眞藤先生は金未来杯の「除冷師煉太郎の約束(除霊師が題材の読み切り)」のときから応援していたので、本誌での連載を読めてとても嬉しいです。バトル展開だけではなく、ほのぼのとした描写も上手いですね。

ルリドラゴンの設定は日常にもファンタジーにも活かせそうで、今後の予想が楽しいです。次週以降の展開に期待させていただきます。



ALIENS AREA


組織の仕事内容が少し明かされましたね。また、辰巳については赤ちゃんが助かってホッとするシーン、妹と弟がいるから残業はあまり出来ないという台詞などに、口調は乱暴だけれど思いやりのある人柄が溢れていますね。写楽の「キミは徹頭徹尾~」という台詞もかっこ良く決まっていました。


ただ、非常に気になる点がひとつありました。

主役二人の名前が覚えられないんです。記憶力についての話ではなく、特に第二話には辰巳と写楽の名前が全く登場しておらず、今回感想を書くにあたって先週号を読み直すことになりました。

本編と関係ない、と考える方もいるかもしれませんが、これは構成として問題だと思います。キャラクターを定着させるためにも、序盤はしつこいくらいキャラに名前を呼ばせ合ったほうが良いのではないでしょうか。そもそも写楽は初対面の際に名乗っているのですから辰巳が呼んでも問題ないですし、部下もついて来ているのですから彼に呼ばせても自然だったでしょう。辰巳についてもたとえば今回の冒頭で写楽が名前を尋ね、軽い自己紹介を挟むなどすれば違和感なくお互いに名前を呼べたはずです。二話を読んだ段階だと、一番印象に残るのが辰巳の妹と弟の名前というおかしな現象が起きてしまっています。

このブログで正直批判的な内容を書いているすごいスマホや地球の子も、主要キャラの名前が適度に個性的で、作中に何度も登場して覚えやすい点は魅力だと考えております。


また、先週に引き続きまだ大きな武器になりそうなものが出て来ておらず、その点も少し心配になりました。

絵や話の流れ自体は好きなので、次回以降の改善に期待させていただきます。



PPPPPP


今回の見どころは何と言ってもソラチカですね。当たり前ですが演奏の実力も流石です。「死も楽しみだよ」と静かに語るシーンは、瞳の表現の変化も相まってゾクっとしました。とても優しいはずなのに母の見舞いに行かないのは、この辺りの考えが理由なのかもしれませんねー。あらゆる出来事を楽しみだと捉えてしまう、といったところでしょうか。これは能力(ファンタジー)にも影響して来るかもしれませんね。何にせよ、色々と掴みどころのないキャラです。

そして、最後のレイジロウ登場シーンはとても心強かったです。以前も書いた通り正直レイジロウ編はそこまで楽しめなかったのですが、今回はラッキーの味方になってくれることを素直に嬉しいと感じられました。以前話していた「僕の巨人達はみんな君の騎士」が現実になるときが来たんですね。


ミーミン編から現在まで勢いを落とさずに話が展開していると思います。ラッキーのピアニストとしての開花、レイジロウの新たな演奏、ソラチカのファンタジーなど、楽しみな部分も多いです。次週にも期待しています。



        りは「かつて戦った相手が仲間になる王道の展開でもありますね。

ソラチカの妖しさも魅力的です!」



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2022年6月9日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年27号感想 2/2



 地球の子


観覧車で語り合う令助とかれりが印象的でした。じれったいけれどラブラブで見ているほうまで照れてしまいますね。

また、かれりの念動力が衛の攻撃に対抗出来るのかな、と考えていたのですが、令助達が近付く度に力が回復するという展開は納得出来るものでした。片桐の「恋人へ駆け寄る少女」という表現も的確ですね。


ただ先週に引き続き、引っかかる部分が多かったことも正直否定出来ません。

ネット上でも批判の対象となっていましたが、デート中のかれりが一瞬とはいえ地上の光を消し去ったシーンがまず理解出来ませんでした。たとえ人々が感知出来なくても、データ機器などの障害を引き起こす行為ですよね? 照明だけを消していてその他の電力などには影響がないのかもしれませんが、だとしても説明不足だと思います。また、そもそもですが「勇気を出したいから令助の勇気を消したい」という願いも意味が分かりませんでした。動いていると落ち着かないから一瞬だけ観覧車を止める、などで良かったのではないでしょうか。


そして他の回でも感じていましたが、ほぼ令助とかれりだけの世界になっており衛がないがしろにされているように見えてしまうのも良くない描き方だと思います。令助が「一緒に帰って楽しい将来の話をたくさんしよう」と呼びかけるシーンは好きなのですが、ここにほとんど衛の話題がなく違和感を覚えました。三人の絆を強調している作品なのですから、ふたりが衛に愛情を注いでいるということをもっと表現して欲しいです。またラストシーンですが、作戦を中止しなければならないレベルの流星群が来たのに令助がスマホを持ったままでいられるのはおかしいでしょう。


ちなみにデートのシーンでは、初めに登場したゴンドラとキスシーンのゴンドラが全く違う形になっていたのも気になりました。そして、赤ちゃんの睡眠時間は九時間では短いです。細かい指摘かもしれませんが、丁寧さは大切だと思います。


掲載順もあまり良くありませんし、現在のところ短期連載で終わる可能性が無視出来ない程度には高いのではないかと考えております。光る部分は感じるので、批判の多い箇所を見直し今後修正して行って欲しいです。



ドロンドロロン


ドラ、クサナギは実力とチームワークで、ナオトラは自分の力で強敵を倒すという、前回に続き王道の展開でしたね。


バトルになるとテンションの上がるナオトラも魅力的です。また、濡れたことで一瞬髪型が変わるシーンも良かったと思います。可愛かっただけにすぐ戻ってしまったのは残念でしたがw前回のPPPPPPのミーミンについても感じましたが、印象的なキャラの髪型チェンジは好評なことが多い気がします。最後にドラ達が合流するシーンも熱かったです。


掲載順が少し不安ですが、ドウサンが最後の敵とも思えないのでまだ読めるのかなと期待しております。特に最近は熱い展開がきっちり描かれているので、長い目で見守れれば嬉しいです。



異常者(読み切り)


作画も綺麗ですしストーリーも分かりやすく、オチが特に笑えました。主人公、ヒロインと一緒に「生き別れた家族じゃないんかい!」と突っ込める作品ですねw感動系で締めるのかもという予想を良い意味で裏切られました。ページ数は短いですが随所にギャグがちりばめられており、充実した構成になっている点も上手いですね。「異常者のパワースポット」という台詞も好きですw


ただ、どちらかというとコントにしたほうが面白いかも、と思いました。ノリは好きなので、今後もっと漫画向きの作品も読んでみたいです。



守れ!しゅごまる(最終回)


終わってしまいましたね。アヤシモン同様、巻末コメントから見ても短期連載で終わったと判断して間違いないでしょう。


ただ、本編はとても楽しく読めました。

前回予想した通り日常に戻ったしゅごまるとさなぎの様子がメインでしたが、学校での登場キャラがほぼ全員揃ったピクニックシーン、小福黒幕説の伏線回収など盛り沢山でしたが上手くまとまっていたと思います。つまり真犯人は実際は十歳くらい年上なんですね。一瞬だけ描かれた硯のしゅごまるへの気持ちも微笑ましいです。最後のしゅごまるの表情も眩しいですね。


多くの読者からの人気を得られなかった理由としては、前回書いたように伝わりにくいパロディに頼りがちだったことに加え、ネタに一貫性がなかったことも挙げられるかと考えております。


たとえばテレビアニメ化が決まったロボ子もパロディネタが不可欠な作品ですが、基本設定などは国民的作品のドラえもんが元ネタですし、作中でメインとなるのも本誌で連載中の漫画のネタが多く、現役で人気のある作品という共通点のおかげで分かりやすいんですよねー。パロディ自体続けるのが難しいネタだと思いますし、恋するワンピースと被ってしまうためあえて避けたのかもしれませんが、現役で連載中の作品のネタをもっと扱っても良かったのではないかと思います。実際今回も、サンジとクロコダイルの通話シーンパロディなどは笑えましたしw


伊原先生のツイッタ―などが話題になっていますが、作品自体はギャグということもあり物語に区切りがついて綺麗に締めくくられていると思いますので、こちらは解説記事の作成は予定しておりません。恋するワンピースの再開や別作品を楽しみにしております。



       りは「個人的には第一話から楽しんでいた作品なので寂しいです。
伊原先生、お疲れ様でした」



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週刊少年ジャンプ2022年27号感想 1/2

 


ALIENS AREA(新連載)


家族を支えるため忙しい生活を送る主人公が異能に目覚め、特殊な組織に所属することになるという王道のスタートでしたね。

キャラクターデザインも個性があり魅力的です。特にエイリアン達の良い意味での不気味さが印象的でした。

今回は引っかかる箇所もほぼなく一気に読めたのですが、あまりにも王道すぎて大きな武器になりそうな設定や展開がなかったことは少し気になりました。序盤の内に読者を惹きつける強味を示せないと人気の獲得が難しくなってくるかと思います。

那波先生は金未来杯の「APOLLO(ゴーストバスターが題材の読み切り)」から知っているのですが、こちらも演出やデザインなどは素晴らしかったものの、正直ストーリーや設定には引っかかる点が結構多かったんですよねー。ALIENS AREAとは別作品なので長々とは書きませんが、読者目線担当であろうサブヒーローがはっきり言って足手まといであること、本筋に関係ないキャラクターが何人も登場することなどが特に気になりました。

序盤で魅力を示して他の漫画との差別化を計れるか、キャラクターの数を増やしすぎずに面白いストーリーを作れるかが今後の鍵になるかと思います。第一話の時点では好きなタイプの熱い作品だったので、期待しつつ読ませていただきます。



あかね噺


同世代のライバル達が登場しましたね。学生落語のチャンピオンは予想出来ましたが、現役のプロ声優は良い意味で意外でした。

この2人がどういった噺を披露するのか、またあかねは定番中の定番である寿限無でどう戦うのか、本番前ではありますがとても期待が高まりました。

また、魁生は画面も華やかにしてくれる良いキャラですね。まだそこまで掘り下げられていないのにも関わらず、登場しただけでワクワクさせる描き方が秀逸だと感じました。人気落語家がまだ無名のあかねを推している、という展開も王道ですね。

掲載順も好調ですし、このペースなら長期連載も可能かなと思います。まずは可楽杯編を楽しみに見守らせていただきます。



すごいスマホ


まだ分からない部分が多いためセキュリティについての詳しい感想は控えますが、全一郎の恐ろしさの片鱗は上手く描写されていると感じました。笑顔なのに不穏な空気が漂っているなど、表情も秀逸です。


ただ、面接に来た男性(相高)が入社を決めるまでの経緯が分かりにくかったとも正直思います。途中まで前時代的でおかしな会社だと考えていたのに、何故いきなり全一郎と共に働くと言い始めたのでしょうか。彼のカリスマ性に魅了されて、ということなのでしょうが、そう納得出来るほどの描写はなかったと思います。相高を通じて全一郎の恐ろしさを強調するのならば、もっと過剰なほどの演出があっても良かったのではないでしょうか。


また、黒幕が本当に全一郎なのかも気になるところですね。すごいスマホを犯罪にも利用していることは確かですが今のところ誘拐などについて考えている描写はありませんし、何度か登場している自宅のシーンでも修を監禁している様子は見られません。現時点ではミスリードの可能性もそれなりに高いかと思います。

正直今週も引っかかる部分はありましたが、ラストのQと全一郎が接触するかも、という引きは次回以降への期待が高まりました。説得力のある展開を作って行って欲しいです。



PPPPPP


ファンタが少しずつ掘り下げられていますね。母の見舞いに行かず、イベントでのバトルも仕事だと言い切る姿は一見冷たく見えますが、プロ根性の表れとも解釈出来ます。


そして、能力(ファンタジー)についても描写が入りましたね。聴衆に合わせた遊園地を生み出すとんでもない演奏なんですね。ダダ先生までドレスを着てしまいましたwただ能力が優れているだけではなく、観客のことを考えられるからこそ遊園地を作り出せるという描写も非常に説得力がありました。また、ここまで相手に寄り添えるのだから、やはり母に対して無関心を装っているのには何か理由がありそうだと改めて感じました。

ファンタは今までで一番の強敵になりそうですね。苦戦は避けられないでしょうが、ラッキーがピアニストを続けるためにも必要な試練なんでしょう。今後について色々と予想しつつ楽しみに読ませていただきます。



りは「ラッキーだけではなく、

            ファンタも応援したくなる描き方が上手いですねー。

       ふたりのファンタジーに浸りたいです!」


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2022年6月2日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年26号感想 3/3

 


ドロンドロロン


幸せな世界の幻影を力を合わせて断ち切り目の前の敵と戦うことを選ぶ、という王道の展開でしたね。

ドラの母となめぞーの台詞もそれぞれ温かくて余計に切なかったです。中でもドラの母の「ドラが笑ってるところを見れば疲れが吹っ飛ぶの!」という台詞は愛情が溢れていますね。


ナオトラ登場の辺りから盛り上がっていると感じますが、掲載順があまり高くないことが少し心配ですね。

ドラとクサナギが友情を確かめ合うシーンは個人的にはとても好きなのですが、ほぼ数話ごとに描かれている状態なので冗長だと思う方も多そうです。ふたりの絆は十分に伝わりましたし、今後の描写は調整が必要かもしれませんね。また、クサナギが敵に何度も騙されるなどの展開は正直ストレスとなるので、控えたほうが良いかと思います。

そして、熱い王道の展開が続いているので少しイレギュラーな要素を入れると人気の回復に繋がるのではないかとも感じました。先ほど少し触れたナオトラがやや珍しいタイプの女性キャラなので、彼女を活かした展開も面白くなりそうですね。


現状は正直厳しいかと思いますが、今回のように印象的な台詞を生み出せる先生なので、今後の巻き返しに期待しております。



DOOR POLICE(読み切り)


SFサスペンスかと思いきや、終盤でペットとの絆を題材にした感動的な展開にしていた点が秀逸だと思いました。

異世界に繋がるドアが複数あり、その先では様々な生き物が頂点に君臨しているという設定も斬新で面白いです。ヒロインとはきっといつか再会出来る、と希望を持たせる終わり方も良いですねー。連載にしやすそうな作品だとも思います。


少しだけ引っかかったのは、後半に入るまでヒロインがドアポリスの正体に全く気付いていない様子だった部分です。犬と猫がいきなり人型になったんだから当然、と言われればそれまでですがw可愛がっていたペット達なら何となく察しても良いのではないかとは感じました。犬は前世で世話になった、と言っていましたが、ヒロインはペットと幼少期の自分が過ごす姿を回想していたのでヒロインの前世、ということではないでしょうし。


ただ、全体的にはとても好感が持てましたしクオリティの高い読み切りだったと思います。嶽辻円盤先生の活躍に期待したいです。



守れ!しゅごまる


ギャグのほとんどないシリアス回でしたね。

しゅごまるの中でスカルが目覚めた経緯、兄や姉との関係などが明かされ読み応えのある話でした。駆け足気味ですが描かれた情報自体は納得出来るものであり、またしゅごまるの手紙も個人的はグッと来ました。


ただ、既にほとんどの伏線が回収されましたし、ここから物語を続けるのは正直難しそうですね。さなぎとしゅごまるが日常に戻って終了、といった展開になるのではないかなと思います。

個人的には好きでしたが、パロディの使い方が特に若い読者には響きづらかったかなと感じております。例えば遊戯王のパロディが何度も描かれていましたが、人気作とはいえ二十年近く前に本誌での連載が終了した漫画のネタを理解出来る読者はそう多くないでしょう。しかも名場面のパロディなどではなく、詳しくない読者からすれば馴染みのないルールのカードゲームを延々と描き続けるのは正直悪手だったと思います。


ヒカキンさんやマグちゃんなどの比較的新しいネタを使ったパロディや、しゅごまる達がかまくらを作る回などのほのぼのとしたギャグは面白かったのですが、それ以外のパロディの選び方が良くなかったかと考えております。ただ物語としては破綻することなく描かれているので、今後の展開を見守らせていただきます。



アヤシモン(最終回)


終わってしまいましたね。連載期間は半年ほどですし、巻末コメントから見ても短期連載として良いでしょう。


正直、中盤までの展開は盛り上がりに欠けると感じましたが、今回を含む終盤は良いと思える展開もたくさんありました。

最終話では、それまで自分が満足することばかりを考えていたマルオが「仲間と力を合わせて相手を助けるために闘う」と決意するシーンが王道でとても熱いと感じました。また、器が大きそうな刑部狸のキャラクターも魅力的です。


ただ、最終決戦の相手が敵のコピーであるなど課題も残る作品だったと考えております。

他の部分の違和感も含めてまとめ、アヤシモンにつきましては後日新たに解説記事を作成する予定です。



    りは「終盤のような展開をもっと早くに描ければ

     人気作品になったかもしれませんねー。

賀来先生、お疲れ様でした」



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週刊少年ジャンプ2022年26号感想 2/3

 


なんで何田さん(読み切り)

ヒロインの何田さん、最近はちょくちょく見かける考えていることが分かりづらい系のキャラですが個人的には突飛な行動が可愛くて好きでした。

特に秋の衣替えシーンはツボりましたねー。間違った方向に行ってしまったサンリオキャラみたいでw


何田さんは可愛いですし主人公(戸円居)にも好感が持てて良い読み切りだったとは思うのですが、これを連載にするのは少し難しいのかなとも感じました。考えが読めないヒロインとラブコメは既に「阿波連さんははかれない」というヒット作がありますし、一対一のラブコメ作品にまで範囲を広げれば類似の漫画はもっと多くなりますよね。また、読み切りのラストで両想いになっていますがこれも少し唐突だと思いました。四本のショートネタだけでは何田さんの魅力が十分には伝わりませんし、少しでも連載を意識するのであれば余韻を持たせる結末で良かったのではないでしょうか。


ただ、作者の川口先生はラブコメのほうが向いているのではないかなとは改めて思いました。以前描かれていた読み切りの「みゃくなし(イケメンと幽霊のショートラブコメ)」も印象に残る作品でしたし、短期連載で終わったレッドフードも女性キャラを評価する声は多かったですよね。女性キャラを可愛く描けるのは武器だと思いますし、ラブコメではないにしてもそこを活かす作品に挑戦して欲しいと感じました。



PPPPPP


あかね噺と同じく、バトル展開の導入部ですがこちらもワクワクしますねー。4VS4の対決はどのような人選、結果になるのか注目です。

ファンタもなかなか気になるキャラですね。母に対して無関心を装っているのにも何か理由がありそうです。今後事情が描かれることに期待します。

また、ラストで母親が倒れるシーンは本当にドキッとしました。さすがにここで亡くなってしまうということはないでしょうが、ヒキとしては非常に上手いと思います。


また、本筋とあまり関係ないですがポニテミーミンが可愛くてツボでしたwワガママながらちゃんと母やラッキーを労っている部分も好感が持てますね。

ミーミンが活躍するようになってから作品も盛り上がった感じがしますし、本当に良いキャラを生み出したなと思っています。正直、レイジロウ編は彼への贔屓が鼻についてなかなか楽しめなかったんですよねー。反面、ミーミンは身勝手な行動がラッキーを含む周囲から批判されていましたし、ふたりが選んだ演奏方法も意外性と説得力があり、気持ち良く読み終えることが出来ました。

センターカラーも多いですし、この勢いを落とさずに行ければ長期連載は可能かと思います。ファンタ編もミーミン編以上に盛り上がると嬉しいですね。



地球の子


アルベールのキャラが光りますね。「ボクへの礼なんて~」は非常に彼らしく、かつ令助達を励ましてくれる名台詞だと感じました。

真路美の令助達への感情も印象的でした。好きだとは思えないけれど、努力している姿を見て来たからこそ成功を願ってしまうというのはリアリティがありますね。


ただ、全体的には正直かなり違和感の残る回でした。

まずISSには取り付けるのに岩状態のかれりに近付けない、という設定自体が矛盾していますよね。また、初めのVRでの特訓シーンはISSで行っているようですが、宇宙空間にいるのならロープはもっとフワフワ浮かないといけないでしょう。そして、流星群が来るまでにかれりを救出しなければいけない、という設定自体は理解出来ますが、ならば何故アルベールは令助が義実家に行くことをすぐに了承したのでしょうか? もう少し葛藤があっても良かったと思います。


そもそも前回までの義実家に訪れる流れ自体、はっきり言ってついて行けない部分が多かったんですよねー。

衛には打つ対象さえ覚えさせれば良いのですから、あの岩が母親だ、と認識させようとする令助の考えが理解出来ませんでしたし、自分の両親に贈ったはずのプレゼントを何故かかれりが自分の部屋で保管している、などの点も気になりました。


また、他の設定も納得出来ない部分が多いです。

例えば地球の子への成長手術についてですが、アルベールとかれりも当然受けているわけです。このことについて片桐が「家族と本人に偽りの十年の記憶を与えた」と言っていましたが、何故かアルベールは「自分達には十歳までの記憶がない」と話しています。記憶を操作されているはずなのにこれはおかしいでしょう。また、「手術は極秘で、表向き急成長は地球の子の体質」とも言われているのですから、それを聞かされて信じた家族が、アルベールやかれりに「実は君は急成長したんだ」と話していた、などの設定のほうが自然だったと思います。


神海先生はライトウィングの頃から好きですし第一話は本当に面白かったのですが、正直それ以降は先生の良さが出ていない気がします。

今言っても仕方のないことかもしれませんが、そもそも衛が赤ちゃんであることも展開が遅く退屈である要因だと思います。

ウェイストの技術でかれりを宇宙空間で保護することに成功するがそれ以上の救出と復元の方法を見つけられず、衛が成長後に令助と共に彼女のもとへ向かう、などの展開のほうが盛り上がったのではないでしょうか。

かれりのお手伝い券にバッチリベアとサカナヒットが描かれているなどファンとしては要所要所で楽しめる部分はあるのですが、正直それだけでは厳しいでしょう。実際批判も多いですし、早急に矛盾点やキャラへの違和感を改善しないと短期連載で終わる可能性が高まってしまいそうです。



      りは「神海先生のやりたいこと自体は伝わって来ますが、

         正直矛盾が多くて話に乗り切れないのが残念です」



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週刊少年ジャンプ2022年26号感想 1/3



あかね噺

今後のバトル展開次第ですが導入部としてはワクワクしました。


ただ、こぐま兄さんのイメチェンがとても良かっただけに落語が「説明中心」というのは正直ちょっと拍子抜けでした。

真面目な語りがメインだけれどその中にある短い会話にギャップがあって面白い、などのほうが伝わりやすかったかと思います。


それから心配なのは落語という題材が特に少年達に響くかですね。

正直どうしても地味さは否めないしあまり身近でもないと思うので。また、今後キャラクターが増えるにつれて上手く差別化出来るか否かで明暗が分かれる気がします。

ただ、やはり期待度は高いです。この作者さん達が以前描いていた「タタラシドー(学生コントが題材の読み切り作品)」も個人的にすごく好きなので。

力を合わせて頑張って行って欲しいなと思います。


あとほとんど関係ないし前回の話になってしまうのですが、現在寿限無の死亡オチが主流でないことにびっくりしました!

幼少期に読んだ絵本では亡くなっていたので。今は落語でもあまり不謹慎なネタは好まれないのかもしれませんね。


すごいスマホ

Qのスマホの使い方が上手いですね。事件の解決法としてはちょうど良い落としどころだったと思います。

また、ヒロインの結歌がQを支えている感じも個人的には好きです。ただこれは好みの問題だとは思うのですが、明確に美少女とされている結歌が何故か三白眼気味なことがちょっと引っかかりました。可愛くて何かと世話を焼いてくれる幼馴染、という王道の設定なのですから、シンプルにくりっとした目の美少女で良かったと思います。


また、報道されている事件の全容があまりにも凶悪なことも気になりました。一棟のタワーマンション襲撃であれほどの被害者が出た上、大きく騒がれているようにも見えないという点には正直違和感を覚えます。

そして、この事件の犯人と修誘拐犯が同一人物という推理は正直納得出来ませんでした。404、403の違いに着目するのは良いのですが事件発生の時期も当然異なりますし、現場が中央線の十キロメートル以内というのは特定出来るほど狭い範囲ではないでしょう。

もうひとりのすごいスマホの持ち主、全一郎の魅せ方は良かったと思います。容姿や口調からも強者感が伝わって来ますね。

反面、Qと全一郎の間で「すマホ」という呼び方が何故か共通になっていることは少し気になりました。そもそもこの名前自体、正直そこまでセンスが良いと思えないんですよねー。


そして先ほども少し触れましたが、ネーミングセンスについては第一話からちょっと違和感がありました。

まず「すマホ」という呼び方については納得出来るとして、この名前が唐突に出されたときははっきり言って戸惑いました。リアルタイムで読んでいる際は本気でミスプリントかと考えたほどです。

例えばですがQが「すマホ」と呼びかけて、Qのすマホ(君)が「先ほどまでとイントネーションが違うようですが?」と返し、それに対してQが「すごいスマホの略で『すマホ』だよ」と答える、などのシーンがあればもっと受け入れやすかったと思います。

また、第一話については女児誘拐事件の容疑者を特定する流れも少し気になりました。容疑者達の家に女の子が事件当日に着ていた服がないことはすぐに判明したのですから、直後に「子どもがいないのに子ども服を購入した人物」を検索すれば済んだのではないかと。初めから服について考えていた上、Qは天才的な頭脳の持ち主なのですからこの方が自然だったと思います。


修の誘拐事件については気になりますし、推理物としてジャンプに新たな風を吹かせてくれることに期待はしています。ですが現代サスペンスと銘打たれている以上、今後もリアリティのない事件ばかりが続くようだと短期連載で終わる可能性が高まってしまいそうです。タワマン襲撃事件はすマホが引き起こしたものですが、実行犯はあくまでも人間なので余計に違和感があるんですよね。

例えばデスノートでも大量の死者が出ましたが、こちらはほぼ全員がノートの力によって殺されておりますし、基本的に法で裁けない悪人のみが犠牲になっていたため説得力があったんですよね。すごいスマホも早急に改善したほうが賢明かと思います。


りは「未知の道具を用いたサスペンスだからこそ、

事件のリアリティは大切かもしれませんねー」





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このブログにつきまして

 

※この画像はCHARAT様にて作成させていただきました。

はじめまして。針江(はりえ) りはと申します。


昔から漫画が大好きで、特に週刊少年ジャンプは十五年以上愛読しております。

数々のメディア進出を果たすような名作はもちろん、残念ながら短期連載(打ち切り)となってしまった作品でも思い入れのある漫画は多いです。


けれど現在、そういった作品を取り上げて詳しく解説しているブログは少ない。

今は動画メディアが主流だとは思いますが、自分のペースで読めるブログも僕は好きです。そこで、週刊少年ジャンプの短期連載作品中心の漫画解説ブログを立ち上げました。


今後は、上記の作品解説と週刊少年ジャンプにおける新連載(基準としては連載期間が一年に達していない漫画)の動向の予想をメインに書いて行く予定です。


取り上げる作品につきましては単行本五巻以下の漫画を選ぶつもりです。また、短期連載の中でも他の方があまり解説していない作品について書きたいと考えております。


ただし、元々短期集中連載と明言されていたもの、打ち切りだとは思われるけれど物語として綺麗に締めくくられている漫画(こちらは個人的な解釈をかなり含みそうですがw)は除きます。


また逆に、長期連載だけれど終盤の展開に納得が出来ない、批判の多い作品につきましても行く行くは取り上げたいと考えております。


ちなみにブログの性質上批判的な内容を含むこともありますが、作品や作者さんを貶める意図は一切ございません。あくまでも個人的な感想、解釈であることをご理解いただければ幸いです。


それでは、ここまで読んで下さったみなさんありがとうございました。

少しでも当ブログをお楽しみいただければ幸いです。