2022年6月16日木曜日

週刊少年ジャンプ2022年28号感想 1/2



ルリドラゴン(新連載)


絵が非常に好みでした。すっきりしているけれど可愛らしさが表れていますね。外見だけではなく、主人公のルリの「少しクールだけれど友達もいる、ごく普通の女子高生」という描写も上手いですね。

物語も「ある朝突然、頭にドラゴンのツノが生えた」というファンタジー的な出だしから、ほのぼのとした日常へと展開するのが面白かったです。周囲が大騒ぎせず受け入れて行く様子にも妙なリアリティを感じましたwだからこそ、ルリが吐血してしまうシーンはドキッとしました。ギャップの描き方が秀逸ですね。

車内での母親との会話も好きです。「父親が誰でも気にしないけど、一緒に暮らしてる母親にずっと隠しごとされるのは寂しい」という台詞が特に印象的でした。

ルリドラゴンは読み切りは未読だったので今回VOMICをチェックしましたが、第一話はほぼ読み切り通りですね。父ドラゴンとのやりとりに和みましたw


ただ、気になる点も正直いくつかありました。

まずどう考えても非常事態なのに、登校しても良いという反応の母親が引っかかりました。確かに「ツノが生えただけだから」と言ったのはルリですが、娘に何が起きるか分からないのですからさすがに是が非でも休ませるべきではないでしょうか。ツノのある状態で学校に行ってしまい騒動が起きる、という展開を描くとしても、休むように言われたけれど母親の外出後に「大したことないか」と判断して、あるいは友達との約束があるからなどの理由でルリが自主的に登校する流れで良かったと思います。

そして、炎を吐いて男子の髪を焼いてしまうのはやり過ぎだと感じました。自分の意思とは関係なく火を吹いてしまうという設定自体は納得出来ますが、被害者を出す必要はなかったと思います。教科書を焦がしてしまったなど、もっと小さな事件でも話の流れには影響しないでしょう。この男子が今後本筋に関わって来るからあえて事件を起こしたのだとしても、ルリ達からの謝罪シーンと「毛先が焦げただけだから大丈夫」のように男子が答える、といったフォローが必要だったと思います。


ですが、全体的にはとても面白く読めました。

眞藤先生は金未来杯の「除冷師煉太郎の約束(除霊師が題材の読み切り)」のときから応援していたので、本誌での連載を読めてとても嬉しいです。バトル展開だけではなく、ほのぼのとした描写も上手いですね。

ルリドラゴンの設定は日常にもファンタジーにも活かせそうで、今後の予想が楽しいです。次週以降の展開に期待させていただきます。



ALIENS AREA


組織の仕事内容が少し明かされましたね。また、辰巳については赤ちゃんが助かってホッとするシーン、妹と弟がいるから残業はあまり出来ないという台詞などに、口調は乱暴だけれど思いやりのある人柄が溢れていますね。写楽の「キミは徹頭徹尾~」という台詞もかっこ良く決まっていました。


ただ、非常に気になる点がひとつありました。

主役二人の名前が覚えられないんです。記憶力についての話ではなく、特に第二話には辰巳と写楽の名前が全く登場しておらず、今回感想を書くにあたって先週号を読み直すことになりました。

本編と関係ない、と考える方もいるかもしれませんが、これは構成として問題だと思います。キャラクターを定着させるためにも、序盤はしつこいくらいキャラに名前を呼ばせ合ったほうが良いのではないでしょうか。そもそも写楽は初対面の際に名乗っているのですから辰巳が呼んでも問題ないですし、部下もついて来ているのですから彼に呼ばせても自然だったでしょう。辰巳についてもたとえば今回の冒頭で写楽が名前を尋ね、軽い自己紹介を挟むなどすれば違和感なくお互いに名前を呼べたはずです。二話を読んだ段階だと、一番印象に残るのが辰巳の妹と弟の名前というおかしな現象が起きてしまっています。

このブログで正直批判的な内容を書いているすごいスマホや地球の子も、主要キャラの名前が適度に個性的で、作中に何度も登場して覚えやすい点は魅力だと考えております。


また、先週に引き続きまだ大きな武器になりそうなものが出て来ておらず、その点も少し心配になりました。

絵や話の流れ自体は好きなので、次回以降の改善に期待させていただきます。



PPPPPP


今回の見どころは何と言ってもソラチカですね。当たり前ですが演奏の実力も流石です。「死も楽しみだよ」と静かに語るシーンは、瞳の表現の変化も相まってゾクっとしました。とても優しいはずなのに母の見舞いに行かないのは、この辺りの考えが理由なのかもしれませんねー。あらゆる出来事を楽しみだと捉えてしまう、といったところでしょうか。これは能力(ファンタジー)にも影響して来るかもしれませんね。何にせよ、色々と掴みどころのないキャラです。

そして、最後のレイジロウ登場シーンはとても心強かったです。以前も書いた通り正直レイジロウ編はそこまで楽しめなかったのですが、今回はラッキーの味方になってくれることを素直に嬉しいと感じられました。以前話していた「僕の巨人達はみんな君の騎士」が現実になるときが来たんですね。


ミーミン編から現在まで勢いを落とさずに話が展開していると思います。ラッキーのピアニストとしての開花、レイジロウの新たな演奏、ソラチカのファンタジーなど、楽しみな部分も多いです。次週にも期待しています。



        りは「かつて戦った相手が仲間になる王道の展開でもありますね。

ソラチカの妖しさも魅力的です!」



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