2024年7月13日土曜日

更新休止につきまして

 このブログをご覧くださり誠にありがとうございます。


突然のお知らせで恐縮ですが、多忙につき記事の投稿が困難になったためブログの更新を休止させていただきます。コメントなどにもほぼ返信が出来ない状況となるかと思います。

現在も週刊少年ジャンプをはじめとする漫画作品は楽しんでおりますし、落ち着いたらまた再開するかもしれません。このブログも残しておきますので、気ままにご自由に読んでもらえれば幸いです。

それでは、失礼します。またお会い出来ることを願っております。

週刊少年ジャンプ2024年32号感想 2/2



極東ネクロマンス


薫の姿は痛々しいですが、冒頭から物語に惹き込まれました。今回の事件は首謀者以外にも複数の人物が絡んでいるようですね。ピンチでも意識を失わず冷静に現状を把握する薫の様子も印象的でした。

自分も体調が良くないのに出来る限りのことをする翠の描写も良かったです。夕子と万尊の関係も興味深かったです。全体的にはシリアスでしたが、結局夕子への気持ちを自白してしまう万尊にはちょっと笑いましたw

馬頭の異名にも良い意味で驚きました。「暴れてこいってこと」という燿司の台詞も好きです。

薫と犯人が対峙するシーンにはハラハラしました。名刺を見たときは薫と同じく驚いてしまいました。

舐められたことに怒りを露にする薫もかっこ良かったです。犯人とのツーショット、ハラハラしますが迫力がありますね。


少し気になったのは、犯人とのやりとりがイマイチ分かりにくかったことです。初めは「実はシシが危険な存在で犯人は薫の味方をしている」という設定なのかと思ったのですが、薫の反応を見る限り違うようなんですよね。「薫はシシを信じているから犯人の台詞に怒った」ということなら、修行の際に励まされたことを思い出す、ベタでも「シシは意味もなく人を殺す奴じゃない」というモノローグを描くなど工夫が必要だったのではと感じました。

全体的には、キャラクターも掘り下げられていましたし犯人の正体も描写されており、面白かったです。ただ、掲載順が回復していないことがちょっと不安ですね。

以前にも書きましたが、やはり耀司ばかりがかっこ良く描かれていることが原因かなと思います。薫が単独で熱い活躍を見せる、というエピソードが少ないんですよね。個人的には耀司も嫌いではないのですが、やはりより主人公らしい薫の魅力を掘り下げたほうが人気に繋がったのでは、と思います。

また、画力は高いのにバトルシーンの迫力がイマイチな気がします。そのため、薫が戦っていても正直かっこ良さを感じにくいんですよね。

今週はストーリーも大きく動きましたし、巻き返しに期待させていただきます。とにかく薫には無事でいて欲しいです。



さいくるびより


新キャラの武田が印象的でした。ちょっと乱暴な口調なのも愛嬌があって好きです。

武田のために恩人を探す、というストーリーも良い意味で分かりやすかったです。再会を果たした際の「そうは思いたくなかった」という台詞も切なくて印象的でした。

終盤に描かれたハウスのメンバーと武田の交流も微笑ましいですね。「俺が動物の飼い方を~」という台詞もちょっと笑えましたし良かったです。


ストーリーも上手くまとまっていましたし、武田のキャラも面白く、一気に読めました。個人的にはとても好きなエピソードでした。

ただ、掲載順が回復していないことが気になりますね。以前にもこのブログに書きましたが、ストーリーの起伏のなさが一因かなと思います。サイクや住人達の設定は興味深いのですが、結局そこにはほとんど触れられず正直どうでもいいやりとりで終わってしまうことが多かったんですよね。

個人的には日常を描いた漫画自体は好きなのですが、話が盛り上がるようなハプニングも少なく、はっきり言って淡々とした印象を受けてしまうんですよね。単純な考えかもしれませんが、超能力者達が暮らしているという設定なのですから、生活の中でトラブルが起こる→住人達が話し合ったりサイクを使ったりして解決、という構成を基本にしても良い気がします。ほのぼのとした描写だけではなく、もう少し工夫が欲しいところです。

ただ、今回は「ねむるとことねが武田を手助けするけれど一筋縄ではいかない」という明確なストーリーがありましたし、最後まで飽きずに読めました。武田の加入にもワクワクしましたし、今後の巻き返しに期待させていただきます。



妖怪バスター村上


上級妖怪を一蹴する村上に笑ってしまいましたw紅院もツッコんでいましたが、何故強い霊気の中にいても平気なのか興味深いですね。

天狐のキャラも印象的でした。ネガティブすぎる言動が面白いですね。逆にコミュニケーション能力の高すぎる村上も印象的でした。

村上のもてなしを受けて天狐が心を開く、という終盤の展開も良かったです。「友好的な妖怪はどんどん味方にしていく」という村上の作戦は個人的にも賛成です。戸惑いながら「楽しそう」と考える紅院の様子も微笑ましかったです。


ただ、ストーリーとは関係ないのですが、村上がエナジードリンクを用意するコマの絵が明らかにおかしくて気になってしまいました。村上と天狐のサイズ感がどう見ても変なんですよね。ドリンクの準備をする村上を強調したかったのだとは思いますが、この辺りは見せ方を考えて欲しかったです。

また、巻末コメントを読むと天狐が伊原先生の分身のように感じられてしまい正直引っかかりました。自分をモデルにする、ということ自体は気にならないのですが、それを明言されてしまうとはっきり言ってストーリーに入り込めないんですよね。天狐が可愛らしかったこともあり、美少女を分身にしてかっこ良いキャラと交流しているように思えてしまい引っかかりました。

全体的には、今までとタイプの違う天狐のキャラが可愛らしく、面白かったです。妖怪との戦いだけではなく、仲間になってくれる妖怪との交流にも期待させていただきます。




りは「妖怪がミニキャラになる描写も好きですが、
そのまま仲間になる、というのも良いですねー。
個性豊かな妖怪が描かれそうで楽しみです」




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週刊少年ジャンプ2024年32号感想 1/2



ひまてん!(新連載)


小野先生は前作のフルドライブ(主人公がヒロインと切磋琢磨しながら成長して行く卓球漫画)のときから好きだったのですが、ガラッと作風が変わりましたねー。元々画力の高い先生でしたが、ラブコメがメインの作品ということで特に女子の描き方が可愛くて惹き込まれました。

主人公の殿一とヒロインの妃眞理のやりとりも印象的でした。お互いの仕事へのプライドを知って少し好感を持つ、という流れに説得力があり良かったです。

妃眞理だけではなく、穂乃花も好きなキャラでした。殿一や妃眞理とどんな関係になって行くのか興味深いです。ちなみにセクシー系の担任教師も魅力的でした。

正直全体的にベタかなと感じましたし特に終盤の展開はほぼ予想通りだったのですが、それでも最後まで飽きずに読めました。秘密を共有したふたりの今後がとても気になりますね。


少し引っかかったのは、殿一の家族の設定が不自然に思えたことです。両親が健在で母も夕方には帰宅出来るなら、殿一がそこまで忙しい生活を送らなくて良いのではと思ってしまったんですよね。

家での家事は当番制と描写する、バイトの日数も今より減らすなど、もっと自然に受け入れられる描き方があった気がします。少しでも学費を稼ぎたい、家事も好きだからそこまでストレスではない、という殿一の考えは理解出来るのですが、読者からすると苦労しすぎているように見えてしまうんですよね。

また、妃眞理や叔母が素性も知らず殿一に家事代行を依頼する、という流れにも無理があった気がします。家事代行には詳しくないのですが、相手のことは事前にしっかり確認するのが常識ですよね。妃眞理は有名人という設定なので余計に引っかかってしまいました。

全体的には、殿一と妃眞理の描写が爽やかで、面白かったです。学校だけではなく、妃眞理の部屋でふたりがどんなやりとりをするのか、温かく見守らせていただきます。



カグラバチ


冒頭の京羅の描写に惹き込まれました。実際は満身創痍だけれど映像の彼は以前と変わらない姿で楽座市を盛り上げる、という対比が印象的でした。京羅の楽座市への思いの強さも伺えますね。

チヒロと柴の会話シーンも印象的でした。特に柴の「うねりを求めている」という台詞が分かりやすくて良かったです。

その後に描かれた統領の姿にはゾクっとしました。京羅の考えも見抜いていたんですね。

チヒロ達にピンチが訪れてしまいハラハラしていたからこそ、ラストシーンは頼もしすぎました。伯理がどう答えるのかも良い意味で気になります。


それぞれの思惑がしっかり描写されており、終盤の展開も印象的で、面白かったです。ストーリーも大きく動きそうなので、次回以降をしっかり見守らせていただきます。



悪祓士のキヨシくん


清の恩人、天馬のキャラが印象的でした。内面はもちろん、外見もなかなかにイケメンで良いですね。副業として始めた町中華が妙に人気になってしまった、という設定もリアリティがあり面白かったです。

彼だけではなくフリーターのディエゴの描写も印象的でした。時給アップと言われて張り切るシーンに笑ってしまいましたw

清が町中華で奮闘する、という展開にも良い意味で驚きました。町中華のオムライス、美味しいですよね。

本編でずっと触れられていたアカリがラストに登場する、という展開も良かったです。クールな顔をしながら動揺しまくる清に笑ってしまいましたw


清の配属先が決まり恩人や新キャラが続々現れる、というストーリーがテンポ良く描かれており、面白かったです。どのキャラクターも魅力的なので、清とどう交流して行くのか楽しみにしています。



超巡!超常先輩


催眠が原因で暴走する直に笑ってしまいましたwそもそも直の良い女イメージが酷すぎるのも面白いですねw

明らかにおかしい直に冷静に対応する恵那院も印象的でした。特に「お店の化粧室借りようね」という台詞が好きですw

保身に走る巡とあくまでも落ち着いている恵那院の描写も良かったです。結局素の直も相当おかしかった、というオチも笑えましたw


千尋、リリ、平助などのレギュラーキャラも描かれており、笑いどころが多く面白かったです。恵那院も言っていましたが、今後も直とは是非交流して欲しいです。ふたりが本音でぶつかりあう展開なども面白そうなので、楽しみにしています。



願いのアストロ


フィジカルで窮地を突破する寅三の姿が印象的でした。金羽の「アストロないんだよね?」という台詞も的確で好きですw

ヒバルと野々のやりとりも良かったです。野々の母の「パパだって~」という台詞も印象的でした。

微笑ましいシーンから一転して獅鷹達の動きが描かれる、という構成にも惹き込まれました。獅鷹はもちろん、彼に心酔している様子の清允も印象的でした。

ふたりのアストロについても気になりますね。獅鷹の「母さん」という台詞が鍵になるのでは、と考えております。

仲間達を救うためにヒバルと寅三が車に乗り込む場面も印象的でした。一刻も早く 現場に辿り着いて欲しい、と思えるラストでした。


ヒバル達はもちろん獅鷹達の描写も印象的で、一気に読めました。正直今までヒバルの行動に引っかかることも多かったのですが、今週は見返りを求めずに野々を助ける姿が印象的で良かったです。仲間のピンチに駆け付ける、という展開も熱いので、今後も期待させていただきます。




りは「新キャラの描写で盛り上がって来たのは良い傾向ですねー。
相手のアストロは恐ろしいですが、ヒバル派には絶対勝って欲しいです!」





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2024年7月6日土曜日

週刊少年ジャンプ2024年31号感想 2/2



極東ネクロマンス


薫が敵を圧倒する、という展開に惹き込まれました。「何で~」と相手に問いかけ続ける彼のモノローグも良かったです。強力な分反動も大きく、逆に追い詰められてしまうという流れにもハラハラしました。

翠の様子にはホッとしたのですが、彼女が告げた事実はショックでした。「すまない」という燿司の表情も印象的でした。

ラストに登場した万尊も興味深いキャラですね。燿司とのやりとりも良かったです。


ただ、正直燿司がずっと後手後手に回ってしまっているように見えてその点は気になってしまいました。保育園での事件の際もすぐに調査したほうが良いのではと感じましたし、今回も燿司が同行していれば薫も翠も無事だったのではと思ってしまうんですよね。はっきり言って周囲からの評判ほど燿司が有能に見えず、話に入り込めませんでした。

また、冒頭の薫の活躍にはワクワクしたのに、結局すぐに退場することになってしまい引っかかってしまいました。今は無理に燿司を掘り下げなくても良い気がするんですよね。

読者が望む展開を書けない、というのは掲載順が回復しない理由のひとつでは、と感じます。はっきり言って燿司だけが無駄に持ち上げられているように見えてしまうんですよね。

薫やシシのキャラは魅力的なので、無事を祈りたいと思います。もちろん燿司と のかっこ良いシーンもしっかり見せて欲しいです。



さいくるびより


ねむるの能力や境遇に良い意味で驚きました。「世界で最初に~」という台詞は衝撃的ですね。ことねも気にしていましたが、彼の境遇についても興味深いです。

植物のサイズを変える際のやりとりも印象的でした。最終的にさいくの応用についての会話に繋がる、という構成も上手いですね。

チューリップが大きくなったラストのコマにも和みました。きょこの話で締めくくられていることにはちょっと笑いましたw


ただ、前回と同じく特にストーリーに動きがなかったことは気になりました。ねむるの設定に触れられたことは良かったと思うのですが、それ以外は正直見所がなかったんですよね。

日常の描写がメインであることは分かっているのですが、もう少し盛り上がりが欲しいところです。たとえばハウスを目撃した一般人が騒いでトラブルになる、何故かクマバチの大きさが変わらずねむるが工夫して解決する、など、今回登場した要素も膨らませることが出来た気がするんですよね。

話に起伏がないと正直退屈に感じてしまいますし、これも掲載順が振るわなかった理由ではと考えてしまうんですよね。現状のままだと回復は難しい気がします。

住人同士の会話は好きですし興味深い設定も登場したので、巻き返しに期待させていただきます。ちょっとした盛り上がりをしっかり描いてくれることを祈りたいです。



ミーミアの杖(読み切り)


一見ドジだけれど才能を秘めた魔法使いミーミアと、気難しいけれどスゴ腕の杖職人、ロッドの会話が面白かったです。ミーミアがややオーバーリアクションなのも可愛いですね。渋くて魔法使いとしても一流のロッドのキャラも印象的でした。

ロッドの作業風景を見て目を輝かせるミーミアも可愛かったです。「魔法は楽しい」という言葉は読者としてもグッと来ました。

完成した杖のデザインもお洒落で良かったです。ロッドがミーミアの素質を見抜いていた、という描写も印象的でした。


絵柄も可愛いですし、短いページの中でファンタジーとしてしっかりまとまっており、好印象の読み切りでした。本作はこれで完結している印象ですが、また本誌で大久保先生の作品を見てみたいです。



妖怪バスター村上


ヒノコ、可愛いですねー。デザインや紅院との関係も含めて魅力的でした。特に髪飾りの設定が好きですw

ぬりかべの描写も興味深かったです。広さについては意識したことがなかったのですが、改めて考えてみると相当スケールの大きい妖怪なんですね。

紅院、村上、ヒノコの三人が色々な意味で活躍しているのも良かったです。ラストのカラオケのシーンには和みました。


少し気になったのは、ぬりかべの周囲の環境にちょっと納得出来なかった点です。周りにゴミが散らかっているから不衛生、というのは正直とってつけたようなツッコミに見えてしまったんですよね。変態、といった台詞は笑えたのですがここは残念でした。

また、妖怪のランク付けにも引っかかりました。特に天狗は神として扱われることもありますし、かなり霊力が強いイメージなんですよね。雑魚妖怪、という設定は不自然ではと感じました。

全体的には、ヒノコのキャラにインパクトが面白かったです。ヒノコは今後も活躍してくれると嬉しいです。




りは「言動が面白く見た目の可愛いヒロイン、というのはやっぱり魅力的ですねー。
また三人のかけあいを見たいです」




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週刊少年ジャンプ2024年31号感想 1/2



悪祓士のキヨシくん


緊張しすぎた清が就任式に遅刻してしまう、という冒頭が既に面白かったですw本質的にはちょっと気が弱いんでしょうね。自分も大変なのに困っている老婦人がいたら助けてしまう、という描写にも人柄の良さが表れていてグッと来ました。

ライバルになりそうな新キャラ、葬介も印象的でした。清がいなければ彼が余裕で首席だった、という設定も良い意味で分かりやすかったです。

そんな葬介が全く敵わない魔王を清が圧倒する展開にも惹き込まれました。シリアスな表情を浮かべた清が「どういう状況?」と考えているシーンは思わず吹き出しましたw

葬介が「いずれお前を超える」と宣言するラストも良かったです。清は感動して「仲良くなりたい」と思っているのに、顔が怖くて誤解されてしまう、というオチも笑えましたw


ストーリーのテンポも良かったですし、清の活躍も新キャラの描写も印象的で、面白かったです。清や葬介はもちろん、他の悪祓士の描写にも期待させていただきます。



超巡!超常先輩


ローボのグレッぷりが妙に古典的で笑ってしまいましたwあれは注目されても仕方ないと思いますw

行き場をなくしたローボが非有児と出会う、という流れも自然で良かったです。だいぶコンビニに馴染んだ様子の非有児と、店員としての解像度の高さに驚くローボに笑ってしまいましたw「仲間と本気でぶつかり合え」という非有児のアドバイスも良かったです。

巡と直の本心について描かれていたのも良かったです。非有児のアドバイスを間違った方向に解釈したローボが暴走する、というオチも笑えましたw


珍宿署の面々の関係性や非有児の性格がしっかり伝わって来て、面白かったです。掲載順も好調ですし、新たな騒動に期待させていただきます。



カグラバチ


ボロボロになった伯理の姿に胸が痛くなりました。この描写があったからこそ、京羅の強さがよく分かりますね。

彼に対するチヒロの問いかけも印象的でした。「漣家当主だ」という京羅の答えも悔しいですがかっこ良かったです。

伯理が京羅との勝負の鍵になった、という展開も上手いですね。京羅と幼少期の伯理のやりとりから固い絆が伺えるのも切なかったです。

形勢逆転でチヒロ達が京羅を追い詰める終盤の流れにも惹き込まれました。その分京羅の最後の手が気になりますね。


とにかく京羅の掘り下げが印象的で、一気に読めました。楽座市の終わりも近そうですが、バトルと真打の行方をしっかり見守らせていただきます。



願いのアストロ


可愛らしいアストロを持つ少女、野々のキャラが印象的でした。彼女とヒバルのやりとりが微笑ましかったからこそ、アストロ狩りの犯人、千鋭の卑劣さが際立ちますね。野々の健気な反応も切なかったです。

ヒバルや寅三達が霞ヶ浦に行くという展開にも惹き込まれました。惨状や危険さを見て迂回を提案するテラスと、真っ向から衝突するヒバル達が印象的でした。「好きだぜ」という寅三の台詞に共感しました。

寅三のフィジカルについての描写も良かったです。特にラストに描かれた彼は本当に頼もしいですね。


少し引っかかったのは、冒頭のヒバルがあっさり居眠りしていたことです。仮にも一派のリーダーなわけですし、寅三に見張りを頼まれたのに無責任ではと思ってしまったんですよね。別の理由で野々と出会っていたらもっと話に入り込めたのでは、と感じます。

全体的には、新キャラ達が印象的で面白かったです。寅三を含むヒバル派達が霞ヶ浦でどう動くのか、しっかり見守らせていただきます。




りは「霞が関では更にストーリーが動くのではと予想しています。
獅鷹の登場もちょっと怖いですが楽しみです」




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2024年7月4日木曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 一ノ瀬家の大罪

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短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2023年49号にて最終回を迎えた一ノ瀬家の大罪について書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。
それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。


1 夢と現実の境目が分かりにくくストーリーを把握出来なかった

正直、これが本作の一番の問題だった気がします。重要なのかと思った設定や描写が「夢だった」という結果になることも多く、はっきり言って裏切られた気分になってしまう構成だったんですよね。また、特に中盤からはどれが夢でどれが現実なのか区別も出来なくなってしまい、見ているだけで疲れるような作品になっていたように感じます。
いわゆる「夢オチ」の扱いが難しいというのは分かりますが、上手く物語に組み込む、どこが夢なのかはっきりと読者に示すなどの工夫をすれば盛り上がるはずなんですよね。本作は現実との境目が曖昧で考察や予想などもほぼ不可能になってしまったことが致命的だった気がします。
また、そもそも夢の要素というのは読者に求められていなかったのではと思います。第一話の時点で示されていた家族がバラバラになった理由、事故の経緯などの詳細を描いて欲しかったんですよね。
途中からこういった部分よりも夢の要素が強くなってしまい、正直期待外れだと感じました。はっきり言って、ミステリーやサスペンスを扱う作品と夢オチの相性は基本的に良くないのだと思います。

実は夢だった、という展開が多すぎて真剣に読んだり考察したりする気が失せてしまった、というのが正直なところです。夢をメインストーリーに組み込むという構成が悪いわけではなく、ワンパターンになってしまったことが大きな問題だったと感じます。扱いが難しい設定を描く際はしっかり工夫して欲しかったです。


2 不自然な設定やシーンが多く違和感が残った

上述の夢の要素についてもそうなのですが、それ以外にも納得出来ない部分が多かったと感じます。漫画ですし多少の誇張程度なら個人的には気にならないのですが、無視出来ないレベルでおかしな描写が多かったんですよね。
顕著だったのは福井編だと思います。はっきり言って颯太、けんた、文乃の疑似家族については終始引っかかってしまいました。
特にけんたの設定はかなり重いのに全く説得力がなく、読んでいてストレスがたまってしまうレベルだったんですよね。また、けんたが福井にいた理由についても結局判明しなかったので残念に感じました。
細かい部分になりますが、そもそも福井については「新幹線で行く」という展開自体がおかしいんですよね。このシーンが描かれた時点では新幹線は開通していなかったため、正直冒頭の時点で気になってしまいました。
また、以前にも書きましたが、伏線らしき描写に触れないまま物語が終わってしまったことも大きな問題だったと考えております。中でも翼に手紙を渡した人物については絶対明らかにしなくてはいけなかったと思います。

他には、ほぼ寝たきり状態の耕三を車の後部座席に乗せる、何度も描かれていた颯太のカメラが壊れるシーンについても経緯が分からないなど問題点が目立っていた印象です。謎解き要素の強い作品で多数の伏線を残すというのは、はっきり言ってタブーではないでしょうか。責任を持って作品を締めくくって欲しかったです。


3 見ていて不快になる描写が多かった

個人的に、暗い設定や重くなりがちな要素自体は嫌いではありません。しかし本作はこういった部分ばかりを強調していてバランスが悪かったなという印象です。キャラクターがリアルな悩みを抱えているというような設定は確かに話題にはなりやすいですが、正直そういった描写が苦手な読者も多いですし、連発は避けるべきだったのではと思います。
そもそも、少年誌と暗い要素は基本的に合わせるのが難しい気がします。扱う場合は爽快感のあるシーンや笑える場面を組み合わせたほうが良いと思うんですよね。
ジャンプのヒット作では、たとえば魔神探偵脳噛ネウロなどは数々の犯罪者が登場しますが、主人公のネウロが犯人を成敗するある意味勧善懲悪の流れになっていること、顔芸など面白い場面も多く不快感が中和されていた点が上手いなと思います。また、DEATH NOTEも主人公の月がノートを使った犯罪に手を出すという設定ですが、こちらも笑えるシーンが多いこと、月が始末するのは基本的に犯罪者のみであることなどが人気に繋がったのではと思います。
一ノ瀬家の大罪はいじめ、家出、介護、援助交際など重くなりがちな設定を多数描いていましたが、はっきり言ってただそれだけだったんですよね。暗い気分を中和する要素もなく、不快になるだけだったというのが正直なところです。上の項目でも少し触れましたが、結局真相が分からないまま終わってしまう設定が多かったこともマイナスでした。

上手く描写出来ていない暗く重い要素というのは、はっきり言って欠点でしかないと思います。扱う場合はバランスを考えて、しっかり描き切るべきだったのではないでしょうか。
厳しい言い方になりますが、本作は不快な部分ばかり目立ってしまっており、読者を楽しませる気があったのかなと考えてしまいます。少年誌であることを意識して、読者が受け入れられる設定で描いたほうが良かったのではないでしょうか。


第一話はミステリアスで本当に惹き込まれましたし、暗く重い部分も良いスパイスになってくれるのではと期待したのですが、夢オチばかりでストーリーを把握出来ない、不自然な部分が多い、少年漫画らしい熱さや爽快感がない、など、物語が進むにつれてどんどん問題が浮き彫りになってしまったというのが正直な感想です。基本設定はとても面白かったので非常に残念でした。
特に、家族がバラバラになるきっかけになった事件についてはしっかり描写して欲しかったです。肝心な部分を描かず、不快な要素ばかりが強調されているなと感じたんですよね。
しかし、最終話の「上手く行かなくても家族は家族」といったメッセージはグッと来ましたし、ささいなきっかけで人間関係は歪になってしまうという描写などもリアルだったと思います。インパクトの強い設定を描けることや家や部屋の様子でキャラクターの内面を表すセンスなども好きなので、タイザン5先生には個性を活かし、暗い雰囲気をコントロールした新作を描いて欲しいです。



りは「読んでいて悪い意味で辛くなる作品だった、というのが正直なところですー。
少年誌で難しいジャンルに挑戦するなら、やっぱり爽快感も大事ですよね」



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