小羊虎を成す(読み切り)
あどけない顔をして身勝手に新聞記事を書き続ける主人公小羊と、凶悪な妖獣、窮姫のコンビに惹き込まれました。画力も高く、特に小羊が本性を現すシーンが印象的でした。
一見善人に見える悪人の正体を暴いて行く、という展開も良かったです。ふたりがそれぞれ別の角度から捜査をしているのもコンビネーションが感じられてワクワクしました。
窮姫が小羊を気に入っている理由が明かされる終盤の流れにもグッと来ました。「我が羊の君」という台詞が彼女らしくて良かったです。
ただ、窮姫の生態がイマイチよく分からないなとも感じました。作中では「善人を食い殺して悪人に懐く、善人は嫌な臭いで悪人は良い香り」と描写されていましたが、だったら食べたくなるのは悪人のほうでは、と思ってしまったんですよね。匂いについては本作オリジナルの設定のようなので、説得力を出せないなら無理に描く必要はなかった気がします。
また「自分を助けようとした善人も食い殺すことしか出来なかった」と語られていますが、何故小羊と行動を共にするようになってからは人を食べずにいられるのか、という部分も最後まで描写されなかったんですよね。人間の食べ物で十分栄養を得られるから、善人面した悪人の本性を暴いた際の香りが妖力になるから、などの理由付けが欲しかったところです。
設定などは斬新でしたし絵も好きなのですが、重要な部分であるヒロインの行動に引っかかってしまったというのが正直なところです。可能性は感じたので、遥川先生の作品を本誌でまた読んでみたいです。
キルアオ
十三とノレンがラーメン店をハシゴする冒頭のシーンが面白かったです。特に十三が自爆寸前になっているシーンには笑ってしまいましたw
ラーメン試食会の顛末も楽しくて一気に読めました。千里と西村が強いのは何となく分かりますw
途中で十三に出会ったキャラが豹変する、という終盤の展開にも惹き込まれました。新たなユニコーン舞の詳細が明かされそうでワクワクしますね。
ギャグも笑えましたし、メインストーリーが動きそうなラストで、面白かったです。十三と舞がどんな関係になるのか楽しみにしています。
カグラバチ
双城の六平への歪んだ愛にゾッとしました。妖剣にしか興味がなくシャルを積極的に探そうとはしない、という描写にも良い意味で驚きました。
父の刀を悪用されそうになったことでチヒロの闘志に火が点く、という展開も自然ですし惹き込まれました。父や造られた剣に思い入れがある、という点では同じなのに感情の方向性が全く違うんですね。
満身創痍ながら周囲の人々を守り抜くチヒロがとてもかっこ良かったです。ラストの錦にも惹き込まれました。
チヒロと双城、それぞれの主張のぶつかり合いから目が離せませんでした。今回ははっきり決着しないのかな、と思っていますが、戦いの行方はしっかり見守らせていただきます。
ツーオンアイス
大会での出番が迫り緊張しまくる隼馬の心情がリアルで惹き込まれました。こちらもハラハラしていた分、意外な場所から出て来る夏夜にはちょっと笑いましたw
トップクラスの男子選手、ロランの滑りを観た隼馬が素直にかっこ良いと感じるシーンも印象的でした。ロランの全身が描かれているコマもとても綺麗で好きです。
シングルに心を動かされたことを認め、綺更の現状も知った上で、隼馬が夏日に本音を告げる展開も良かったです。「綺更に失礼」という台詞が印象的でした。
綺更の演技、男子シングルの素晴らしさ、隼馬のモノ ローグなど、惹き込まれる場面が多く面白かったです。隼馬の演技と、彼の結論に期待させていただきます。
鵺の陰陽師
久しぶりの男子生徒達の登場が嬉しすぎましたw特にまた上半身裸になっている膳野が最高でしたw
前回から引き続き七咲の魅力も光りますね。おもしれー女のキャラも好きですw
ラストの不思議な式神が七咲にとり憑かれる展開も良かったです。七咲の本音が気になりますね。
スピーディーな展開と誤解から盛り上がる男子生徒達など、本作らしさが詰まっていてとても楽しかったです。まずは七咲がどんなことを語るのか見届けたいと思います。
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