2023年9月23日土曜日

週刊少年ジャンプ2023年42号感想 2/2



一ノ瀬家の大罪


衝撃的なラストに惹き込まれました。ずっと気になってた翔が描かれていたことも良かったです。

また、移動中の翼と颯太の描写も印象的でした。等身大のふたりが会話していることが新鮮で、楽しかったです。責任感の強い颯太の姿も良かったです。

家の様子を聞いた颯太が何と言いかけたのかも興味深いですね。急に眠ってしまうことの真相には気付いている感じがします。


ただ、やはり引っかかる部分も多かったというのが正直なところです。特に終盤の展開は、はっきり言って「またか」と思ってしまいました。しかも以前「夢は見なくなった」と翼が語っていたので、完全に矛盾してしまっていますよね。

また、翼が颯太に当然のように夢のことを話していたのも気になりました。記憶喪失について颯太がどの程度把握しているのか不明なのに、いきなりこのことを伝えるのはおかしいですよね。

そして、そもそも疑似家族編自体が引っかかる点ばかりだったので、もしかして全部夢だったのかもと思えてしまうこともマイナスでした。この展開だとすると、真面目に読む意味がないんですよね。

矛盾ばかりだった展開に区切りが付き話が進んだことは良かったのですが、ワンパターンな描写で残念に感じたことも事実です。きっちり構成を見直さないと人気の回復は難しいかと思います。



暗号学園のいろは


いろはと縁沙のやりとりにワクワクしました。ふたりが仲良くしているシーンは微笑ましいですし、同時に期待も高まりますね。イメージチェンジした縁沙の姿もとても印象的でした。

アンヴァリッドの伝言をメタンガスが持って来る、という展開も意外ですが良かったです。名前は果たして似ているんでしょうかw

ずっと気になっていたチア部のキャプテンについて明かされたことも印象的でした。名前を見て男子かと思ったのですが、メタンガスの台詞からすると女子のようですね。

終盤にクオッカがやって来る展開も緊迫感がありました。正直暗号は全然解けませんでしたが、いろはがどんな選択をするのかはとても興味深いです。


今回は本筋が大きく進むことはなかったものの、次に繋がりそうな描写が多く面白かったです。いろはの選んだ答えや、それぞれの真相に期待させていただきます。



アイスヘッドギル


遂に登場したイズンのキャラに良い意味で驚きました。強面で口調は庶民的ですが、ギルを心から大事にしている様子が伝わって来ました。

トロル達のピンチにも引き続きハラハラしました。まだまだ苦境は続きそうですが、グレイティストやスリズの強さがしっかり描かれており、希望が見えるのも良かったです。

ギルの技がイズンと一緒に編み出したもの、という描写も印象的でした。リッチ達に勝利して、ギル達がドレキの手がかりを掴めるのか気になるラストでした。


ただ、肝心の戦闘シーンが見づらかった点は残念に感じました。特に冒頭のトロル達が捕らえられるシーンはとても分かりにくかったです。正直、何度か読み直してもアクションを把握することが出来ませんでした。

バトルファンタジーでは、やはり戦闘シーンにも力を入れるべきだと思うんですよね。キャラクターのデザインなどは好きなのですが、せっかくの魅力的なキャラ達がしっかり動けていないなという印象を受けてしまいました。

イズンについても描かれ、ストーリーが進んだことは良かったのですが、読みづらくなってしまっていた点には引っかかりました。掲載順も回復していませんが、今回のバトルでの巻き返しに期待させていただきます。



ドリトライ(最終回)


終わってしまいましたね。最後がかなり駆け足でしたし、話数から見て打ち切りと判断して良いでしょう。

ただ、最終回は惹き込まれる描写が多かったです。青空の子孫、大河の意外な境遇、そして青空自身の結末など、いずれもとても印象的でした。

式の最後に流れた動画を見て、大河が本当の夢のためにもう一度歩き出す、という締めくくりも綺麗でした。「何度でも立ち上がる」という台詞から青空の魂が感じられて良かったです。


敗因としては、わりと早くに読者の期待とは違う方向に進んでしまったことがひとつ挙げられるかと思います。このブログにも何度か書いていますが、熱血スポーツ路線で良かったと思うんですよね。

いきなり非現実的なキャラや技が登場すると、正直戸惑ってしまいます。せっかく舞台を終戦直後にしたのですから、ある程度古臭くてもベタで真っ当なスポーツを描いて欲しかったんですよね。

また、作画面での粗も目立ってしまっていたと感じます。特に生野の腕や虹村の顔立ちなどは何度も描写されていたので引っかかりました。画力は高いと思うのですが、連載のペースについていけなかったのかなとも感じます。

そして、細部の矛盾が多かったことも問題だった気がします。最終回で描かれた青空の生年月日も明らかにおかしいですし、星の症状の表現なども矛盾が目立っており気になってしまったんですよね。また、大河の職場がブラックと描写されていますが、実際は簡単な仕事をこなしているだけなのでそれほど悪に見えませんでした。

ただ、終盤と最終回のストーリーは個人的には好きでした。青空の熱い考えが令和の若者にしっかり引き継がれた、という展開も良かったですし、青空の生き様がしっかり伝わって来た点も魅力的でした。

また、最終回でかなりの時間経過があったもののストーリーはきちんと締めくくられていますし、今回は個別記事の作成は予定しておりません。雲母坂先生、お疲れ様でした。長所を活かした新たな作品に期待させていただきます。




りは「序盤と終盤の雰囲気はとても好きでした。
雲母坂先生の作品をまた読みたいです」



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