ハコイリお嬢とグータラ執事(読み切り)
自分の意志に反して家事能力が向上してしまう令嬢リリィと、あまりにも無気力な執事タナカの会話劇が面白かったです。個人的に綺麗な額の女子が好きなので、リリィのデザインもツボでした。
名家の出身なのにツッコミが上手い、というギャップも良かったです。中でも「機種変なさい!」という台詞が好きですw
タナカが身の回りの家事を放棄していたのは、結局「すぐやらなければならないこと」ではなかったからなのでしょうね。オチは大体予想通りでしたが、リリィの成長に繋がったということでほのぼの笑えました。
キャラクターの好感度が高く、デザインも魅力的で、面白かったです。今回の話は読み切りで完結しているかと思いますが、また可愛いキャラクター達のコメディなどを見られれば嬉しいです。
ドリトライ
夕日に圧倒されながらも語りかける青空が印象的でした。また、虹村についての「アイツは間違っていたけど必死に抗っていた」という台詞にもグッと来ました。
諦めないことの辛さを見せつけられるシーンにも辛いですが惹き込まれました。夕日の主張も間違っているとは言えないので切ないですね。
心が折れそうになる青空を優華や黒岩、観客達が支えるシーンも熱かったです。ラストの「ド級のリトライ」という台詞もとても印象的でした。
ただ、やはり夕日の能力があまりにも非現実的すぎて引っかかってしまいました。心の強さを押し付けたことを悔やんでいる、という描写自体には納得出来るのですが、地面を割るような技を繰り広げている姿を見ると、その技で戦況を打開出来なかったの?と思ってしまうんですよね。
互いの主張のぶつかり合いや、周りの人達に支えられて青空が立ち上がるシーンは熱くて良かったのですが、夕日の描写が足を引っ張ってしまっているなというのが正直な感想です。展開的に終わりが近い気もするのですが、親子対決の結末をしっかり見届けさせていただきます。
テンマクキネマ
渚に対する雪尾のコメントが印象的でした。特に「こんな姫希の表情は~」という台詞と、元にプロになる意志はあるのかと質問するシーンが良かったです。
元と姫希が映画コンクールの選考会場に向かう展開も緊張感があり惹き込まれました。秋津達も配信で見守っているという描写にもグッと来ました。
姫希がコンクールへの出品を望んでいた理由も描かれていたことも好印象でした。審査員達も個性的で良いですね。スクリーンで上映される渚がどんな評価を受けるのか、惹き込まれるラストでした。
ただ、会場がざわついていたように、やはりプロの役者が出演した映画を学生コンテストに出品するという展開には引っかかってしまいました。プロレベルの脚本に本職の人間が出演すれば評価されるのは当然ですよね。天幕の設定は物語に必要だったと思いますが、やはり姫希は「光る部分のある女優志望」くらいのほうが自然だった気がします。
ストーリーが進んだことは良かったのですが、根本的な部分が気になってしまったというのが正直なところです。展開的に終わりが近いのではとも思いますが、渚の上映は見届けさせていただきます。
人造人間100(最終回)
終わってしまいましたね。最後がかなり駆け足でしたし、話数から見て打ち切りと判断して良いでしょう。
ただ、惹き込まれる展開も多かったです。特に冒頭、狂気に満ちた笑顔と共に100がとった行動はとても印象的でした。「責めてくれるな」というモノローグも少し切ないですが彼女らしいですね。
ラストの成長したあしびの描写も良かったです。「昼夜を問わず~」という描写が100とリンクしていて印象的でした。「この痛みが~」というラストのモノローグもとても良かったです。
敗因としては、あしびと100の関係性を描くことがそもそも難しかったという点が挙げられるかと思います。いつかは相手を乗っ取らなければいけないバディ、というのは、特に少年誌ではかなり扱いにくかったのではと感じるんですよね。あしびと100のやりとりは基本的にコメディ調でしたが、どうしても重い未来が見え隠れしてしまい暗い気分になることも多かったです。
また、画力自体は高いと思うのですが、戦闘などで惹き込まれる描写が少なかったなというのも正直なところです。中でもあしびの能力が非常に地味で、はっきり言って主人公らしくなかったんですよね。
ただ、終盤の展開はかなり好きな部分も多かったです。特にラスト二話は博士の計画の真意、100が出した答えなどにとても惹き込まれました。
「あしびと過ごす内に人間の心を理解した」という安易な展開になっていないところも印象的で良かったです。100の個性がブレないまま、それでも彼女はどこか変わったのではと思えるところがとても魅力的でした。
最終回はかなり急展開でしたが、しっかりと結論を出して物語が締めくくられていると思うので、今回は個別記事の作成は予定しておりません。江ノ島先生、お疲れ様でした。個性を活かした次回作に期待させていただきます。
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