一ノ瀬家の大罪
前半の幸せそうな光景から一転、歪んだ関係が明かされる終盤の展開に惹き込まれました。誰かひとりの問題ではなく、全員がそれぞれおかしな部分を抱えているということなのでしょうね。
颯太の現在の仕事などが描かれたのも良かったです。意外と器用に仕事をこなす翼の姿も新鮮でした。
偽りの家族のために颯太が決めた一方的なルール、深い闇を抱えていそうなけんたなど、後半の描写にはかなりゾッとしました。結局颯太も文乃も幻を見ているだけなのかなと感じました。
ただ「血の繋がりがないから結局は家族になれない」というような描き方は正直疑問です。颯太達の問題はけんたを甘やかしすぎなことであって、血の繋がりは無関係だと思うんですよね。颯太達のような形で集まっても固い絆で結ばれることは出来るはずですし、血縁者でも一切子どもをしつけずにいたら歪な関係になるのではないでしょうか。
また、翼が颯太にカメラのことなどを一切尋ねない理由もよく分かりませんでした。何のために福井まで来たんでしょうか。
けんたばかりを尊重して翼をないがしろにする颯太がはっきり言って不快で、読んでいて重い気分になりました。一ノ瀬家に関する謎も明かされないままですし、暗い話ではなく本筋を進めて欲しいというのが正直なところです。
テンマクキネマ
姫希と母の関係が気になりました。天幕は姫希の内面も見抜いて脚本を書いていた、ということなのかもしれませんね。
また、椎野の姉は撮影に関係して来るような気がしていたので、その点が描かれたのも良かったです。トラブルが発生してピンチになる、という展開にも惹き込まれました。
ラストの新市組勢揃いの絵も良かったです。それぞれの私服も印象的でした。
ただ、椎野が女装するという流れはイマイチ盛り上がっていなかったような気がします。撮影続行のために必要な手段だったというのは分かるのですが、ほとんど掘り下げられていなかったキャラがイメージチェンジしても、はっきり言ってあまり惹き込まれないんですよね。
今回の展開を描写する前に、もっと椎野の魅力を見せて欲しかったです。また、画力は高いはずなのに肝心のアップのシーンは正直あまり可愛いと思えませんでした。
撮影方法の解説や姫希と母との関係が表現されていた点などは良かったのですが、ピンチの乗り越え方に惹き込まれなかったというのが正直なところです。掲載順も厳しいですが、夏合宿での盛り返しに期待させていただきます。
ドリトライ
薬に手を出して暴走する虹村にゾッとしました。薬の詳細についても触れられましたね。
異常な虹村を見ても冷静な青空がかっこ良かったです。彼の強さについて解説する黒岩も印象的でした。
戦いの中で父と同じ景色に気付く、という展開も熱かったです。優華が青空の父を知っている様子なのも興味深いですね。決着シーンの青空の表情も良かったです。
ただ、審判に手を出した虹村を優華達が止めようとしない、という展開には正直引っかかりました。正式な拳闘とは違う裏試合という設定なのはもちろん分かりますが、暴走した選手を放っておいては試合が成り立たなくなるのではと思ってしまったんですよね。虹村の凶行については青空に対して危険な攻撃を繰り返す、程度で良かった気がします。
青空は主人公らしくてかっこ良かったのですが、肝心の試合の描写に引っかかってしまいました。掲載順と展開的に終わりが近い気もしますが、今後の展開も見守らせていただきます。
人造人間100
馬車内でのあしびと100のやりとり、No.99の心情など見所が多く、読みごたえがありました。全体的にはシリアスな流れでしたが、嬉々として博士の手帳を読み上げる100には笑ってしまいましたw
No.1が解説する人造人間の生み出し方も印象的でした。造り手が人造人間だからこそNo.99は恐ろしい個体になったということですね。いつも通り無邪気な様子のNo.1も不気味でした。
ラストのあしびとNo.1のアップにも惹き込まれました。あしびの「お前が~」という台詞に特に惹き込まれました。
ただ、モートセーフが再び襲撃されたという展開は正直要らなかったのではと思ってしまいました。何で警備を強化しなかったの?という疑問が浮かんでしまったんですよね。
また、中盤くらいから感じていましたが、やはりあしびが直接は戦えないという設定が足を引っ張っているように見えるんですよね。すごんでも実際にバトルをするのは100、という展開ばかりなので盛り上がりに欠ける気がします。支援タイプのキャラも個人的には好きですが、頭の切れる知将タイプにする、後方から戦うけれど動きが華やか、などの工夫が必要だったと思うんですよね。
掲載順的にもやはり終わりが近い気もします。ただ、あしびと人造人間達の決着は見届けたいと思います。
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