2023年3月10日金曜日

短期連載(打ち切り)作品解説 ノアズノーツ

ノアズノーツ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

新品価格
¥418から
(2023/3/11 07:48時点)



短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2018年38号にて最終回を迎えたノアズノーツについて書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。

それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。



1 キャラクターデザインの既視感が強かった


絵柄も好きですし画力も高いと思うのですが、肝心のデザインにオリジナリティを感じなかったというのが正直なところです。ストーリーや設定も大切ですが、やはりその作品ならではのキャラクターというのも重要なんですよね。

特に残念だったのはヒロイン、未来の描写ですね。勉強は苦手だけれど明るく人懐っこく家庭的なギャル、という設定で可愛かったのですが、外見がアイドルマスターシンデレラガールズ城ヶ崎美嘉に非常に似てしまっており引っかかりました。 髪型やイヤリングのデザインまで同じというのは、いわゆるトレスなどには当たらなくてもやはり問題だったのではと考えてしまいます。主人公ノアのコートを羽織った姿にとても近いイラストもあったので、正直参考にしていたのではと思ってしまうんですよね。

また主人公のノアについても、サングラスをかけた飄々とした男性というわりとよくあるデザインで、魅力的な個性を感じにくかったんですよね。内面はむしろ好きだったので、容姿を工夫すればもっと魅力が増した気がします。


他にも 途中で主人公達に同行する女性ニナもニーアオートマタの2Bを連想してしまうデザインで、やはり引っかかってしまいました。厳しいようですが、細かいデザインに個性を感じられず気になってしまったというのが正直なところです。



2 設定の違和感が気になった


古代遺物を集めて世界の崩壊を阻止する、というのが物語のテーマなのですが、特に古代遺物の描写に引っかかる部分が多かったというのが正直なところです。この辺りの設定は連載前に作り込むくらいでないと魅力的にならないのかなと思います。

中でも、初めに入手することになったライター型のハイノーツ(高度な技術によって生み出された様々な道具)についてはかなり気になりました。空気より重いガスが詰められていると描かれているのに、その前の場面では普通のライターと同じように火が上に吹き出しているんですよね。また、メタンガスの多い場所で使っても爆発しない、などのシーンにも引っかかりました。もちろん安全性の説明はされていたのですが、それでも描写不足で納得しづらかったんですよね。序盤でハイノーツについての情報が描かれたときはワクワクしたので余計残念に感じてしまいました。

そして、ライターを入手した際のエピソードについては話数が多い気もしました。序盤だったので、もっとサクサク進めたほうが良かったのではと考えてしまうんですよね。逆にライターについては丁寧な説明があったほうが納得出来たのではと思います。また、途中で唐突にバトルもののような展開になってしまったことにも引っかかりました。


考古学という知的な題材を扱っているので、矛盾が目につくというのはやはり痛かった気がします。連載前に古代遺物の設定をしっかり練っておけば違う結果になったはずなんですよね。構成についても工夫が必要だったと思います。



3 絵の手抜きが目立っていた


第一話は絵やコマ割りも魅力的で惹き込まれたのですが、段々と絵的な粗が目立つようになってしまったんですよね。特に後半はかなり顕著だった印象です。

中でも最終盤のタイムリープする展開で、絵がほぼ全てコピペだった点は非常に気になってしまいました。時間が序盤に巻き戻ったことは確かですが、過去のエピソードをそのままコピーするというのははっきり言ってかなり手抜きに感じました。時期的に短命に終わった直接の原因ではないと思いますが、最後まで気合いを入れて欲しかったというのが正直なところです。

それ以外でも、ノアのサングラスのデザインがコマごとに変わっているなどの細かいミスにも引っかかりました。キャラクターの大事な小道具なので見直しが重要だったと思います。


画力が高い分余計手抜きが気になりましたし、厳しいようですが特に後半は画面から情熱を感じられなかったんですよね。真剣に描いていない作品は真剣に読まれることはない、と個人的には思います。連載の終了が決まった後も丁寧な描写を見せて欲しかったです。



正直未来のデザインにまず引っかかりましたし、その後は設定や絵の粗が目につくようになってしまったという印象です。期待しながら読んでいたので、初めのエピソードがちょっとグダグダしてしまったのも惜しかったなと思います。

前の項目でも触れましたが、知的な題材と壮大なテーマを扱っているので余計にミスや矛盾が気になってしまったんですよね。特に丁寧に描かなければいけないジャンルだったんだろうなと思います。

ただ、第一話はとても面白かったですし、キャラも内面に人間味があり好感が持てました。既存作品からの影響を受けすぎないこと、最後まで真剣に作ることなどを心がければ、池沢先生はもっと活躍出来るのではと思います。



りは「特にメインキャラのデザインは初めに目に入るので、
既存キャラが浮かぶと残念に思ってしまうんですよねー」







レビューランキング

にほんブログ村 漫画ブログ 漫画感想へ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿