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短期連載(打ち切り)となった作品について注目、分析する記事です。今回は週刊少年ジャンプ2010年41号にて最終回を迎えたメタリカメタルカについて書かせていただきます。あらすじや設定につきましてはこちらをご覧ください。
それでは短命に終わったことから、打ち切りの理由になったと思われる問題点について考えて行きます。
1 既存作品の影響を強く受けていた
中でもHUNTER×HUNTERにかなり似てしまっている点が引っかかりました。独特の世界観のファンタジーなのである程度要素が被ること自体はもちろん理解出来るのですが、許容範囲を超えてしまっていた印象です。
主人公のルカが父親を探してある分野のプロを目指している、という設定や、楽観的でおバカな性格などは完全にゴンですよね。また、序盤の鋼探索士(ミネア)の試験編もハンター試験を彷彿とさせる展開だったなという印象です。もちろん試験編自体は少年漫画の定番ですし構わないのですが、HUNTER×HUNTERの影響を受けたシーンが他にも多かったためあまり印象が良くなかったんですよね。
ちなみに、ルカが「サポートメンバー」を「しぽしぽめんだん」と聞き間違えるシーンも非常に気になりました。ゴンは馬鹿正直でも芯の強さを感じられる主人公なのに、ルカはただ子どもっぽいばかりでイライラしてしまいました。
また厳しいようですが、ギャグとしても強引すぎて面白くないんですよね。既視感が強い上に笑えるわけでもないというのは正直かなり問題だったと考えております。
そして絵柄についても、画力自体は高いと思うのですが真島ヒロ先生などに似てしまっており個性は薄かったと感じます。こちらは強く影響されたとは思いませんが、読者の印象に残るように工夫して欲しかったところです。
ストーリー、設定、絵柄ともに既視感が強く、はっきり言って作品ならではの良さを感じにくかったというのが正直なところです。HUNTER×HUNTERも真島先生の作品も名作ですし、これだけ似てしまっているなら影響元の漫画を読めば良いのではと考えてしまうんですよね。
特に、ルカがゴンに似てしまっている上魅力に欠けている点が気になりました。主人公に好感を持てないと作品も人気にならないと思うんですよね。ゴンからの影響を良いほうに活かし、ルカならではの魅力を表現して欲しかったです。
2 メインキャラのバランスが悪かった
主人公のルカ、メタルシティで出会ったヒロインのシノ、手先が器用なガトーという三人がメインで話が進んで行くのですが、シノやガトーとルカの関係性が薄く、友情や絆を感じにくかったというのが正直なところです。一致団結のシーンなどが少ないことも問題だったと思います。
ルカがデザイン的にも幼かったのに対し、シノ達はむしろ大人びており絵としてのバランスも良くなかった気がします。仲間ではなく、兄弟や保護者と子どものように見えてしまったんですよね。
また、ガトーはシノに一定の興味を抱いているのに対し、ルカは冒険の途中でふたりと出会った上最後までしっかりとした友情を築けていなかったため、肝心の主人公が置いてけぼりになってしまっている感じもしたんですよね。シノかガトー、どちらか一方でもルカと元々親しければまた違っていたはずです。
絵や設定的に三人組のバランスが悪く、厳しいようですが最後までひとつのチームになれている感じがしませんでした。あくまでも主人公を中心に他のメンバーを考えたほうが面白くなったと思います。
3 金属や鋼探索士(ミネア)の設定が分かりにくかった
ルカや父はレアメタルを探し求める鋼探索士と描かれていますが、分かりにくい設定だったというのが正直なところです。メインとなる部分が十分に伝わらないと、読む気が失せてしまうんですよね。
金属についてはレア度や収集の難易度などによってランク付けされており話に活かせれば面白くなったと思うのですが、絵での描き分けが難しいせいか、メタルの魅力が理解出来ませんでした。ランクや文字での説明を示すだけではなく、もっと掘り下げて欲しかったです。架空の物質だからこそ丁寧な描写が必要だったはずです。
読者に金属の魅力が伝わらないまま話が進んでしまうため、ルカが試験で持ち帰ったメタルが試験官に絶賛されるというシーンなども盛り上がりに欠けていた印象です。デザイン的にも迫力がなく、メタルのすごさが分からなかったんですよね。
また、鋼探索士についても描写が少なく、最後までどんな職業なのか伝わりにくかったと感じます。ルカの金属の形を自在に変えられるという能力や父の偉大さも同じく理解出来ませんでした。
重要な設定を表現しきれていないというのはやはり問題だったと言わざるを得ません。特にファンタジー作品では、こういった部分を上手く説明することがヒットに繋がると思います。絵やストーリーの中で金属や鋼探索士の魅力が十分に描かれていれば結果は違ったはずです。
まず既視感の強さに引っかかってしまい、キャラや独自の設定で挽回することも出来ていなかったというのが正直なところです。最後まで似たストーリーの人気漫画が頭に浮かんでしまう作風だったんですよね。
金属の設定自体は魅力的ですしキャラクターのデザインなどもとっつきやすく、面白くなるのではという雰囲気は感じたのですが、結局最後まで盛り上がりに欠けていた気もします。RPG的な世界観なので、レアメタルや鋼探索士の設定をもっと活かしたオリジナリティのある冒険を描ければ結果は違ったはずです。
画力は高いと思いますし、良い意味でベタな少年漫画を作るという狙い自体は正解だったと考えております。独自性を大切にして、水野先生には挑戦を続けて欲しいです。
りは「お気に入りの漫画に引っ張られすぎると
既視感の強い作品になってしまうのかもしれませんねー。
オリジナリティを出せるようにしっかり設定を考えて欲しかったです」
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