LIFE LIAR FROM HELL(金未来杯エントリー作品)
転生を題材にした恋愛作品自体は定番ですが、前半がギャグ多めになっている構成が斬新で面白かったです。ホラにしか聞こえない話を繰り返す主人公の由人と、病身ながら激しく突っ込む沙羅の組み合わせが良いですねw画力も高く、特に沙羅がとても可愛かったです。
要所要所に笑いどころを挟みながら話が進んでいたので、中盤以降のシリアスな展開が続く構成はギャップがあり惹き込まれました。ギャグがメインだった漫画で重い設定が明らかになると違和感を覚えるケースも多いのですが、この作品は早い段階でファンタジー世界でのふたりの別れや沙羅の難病などのシリアスなシーンが描かれていたため、自然に受け入れることが出来ました。
ラストも良いですね。ふたりの再会はもちろん、映画のフィルムを思わせるコマ割りも印象的でした。序盤の由人と沙羅のやりとりが活かされているのも上手いですね。
ただ、気になる点も正直ありました。
まず引っかかったのは、沙羅の母親が非常に身勝手に見えてしまったことです。もちろん母親の行動がなければこの物語自体が生まれないわけですが、理由が不明なので悪い印象しか持てないんですよね。沙羅の父についてもほぼ掘り下げられていないので、仕事に行き詰まると妻への暴力に走っておりそれから逃れるために、などの描写を入れれば納得出来たのではと感じます。
血の繋がった親が身勝手すぎるというのは、子どももその性格を受け継いでいるのではという懸念に繋がってしまいますし、難しい設定だと思います。親のおかしさを理解していて乗り越えるために努力している、などなら逆に好印象ですが、沙羅は母の行動を全く知らずに信じていた様子なのでやはり引っかかりました。
そして、ラストの直前のシーンは、はっきり言ってよく分かりませんでした。本編もふたりの再会も、世界線や時間軸が違ったということでしょうか。そうだとしても、かなり難解なシーンになってしまっていたという印象です。
全体的には物語も綺麗に締めくくられていますし、画力も高く、とても良い作品だったと思います。読み切りとしても完結していますが、様々な世界での由人と沙羅について描くオムニバスでの連載などには期待出来そうですよね。是非また読んでみたいです。
大東京鬼嫁伝
愛火はもちろんですが、つむぎの可愛さが描かれた回でもありましたね。特撮ヒーローが好きなんですね。愛火に解説する際の「オタオタ」という表現に笑いましたw熱中しているものを語るとき早口になってしまうのはよく分かります。このブログも実際に読んだらそうなるかもしれませんw
その後、愛火が憧れのヒーローに会ってからの展開も面白かったです。怪人役の正体はほぼ予想出来ていたのですが、明かされた際にしょんぼりしている愛火が可愛かったですw
ラストシーンも良いですね。お好み焼きが美味しそうですし、一家団欒の温かさがよく伝わって来ます。
ただ、メインのはずの進太と愛火のもののけ退治が描かれず、少し話が進んで来たはずなのに新たな展開が見られなかったことは正直引っかかりました。先週が良かっただけに余計にそう感じます。序盤でのいわゆる日常回は読者が離れてしまうケースも多い気がするんですよね。今週もほのぼのした雰囲気は好きですが、正直退屈に感じる部分もありました。
ですが終盤で花札家の回想が少しだけ挟まれていましたし、次週以降の展開には期待が持てました。進太と愛火はもちろん、まつりやつむぎの更なる掘り下げにも見てみたいです。
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