2023年12月16日土曜日

週刊少年ジャンプ2024年2号感想 2/2



魔々勇々


ラルフレッドの世界でのルールが印象的でした。無銭飲食についてしっかりと償っていたのも良かったです。

稼ぐためにとった最終手段にも良い意味で驚きました。手慣れたミネルヴァはもちろん、戸惑った様子のエリシアも可愛いですね。観客達にも好評だったようで何よりでしたw

その後に描かれた世界と紋章の真実や、グリシャの本当の目的にはゾクッとしました。今後どうなって行くのか、エリシアは戦えるのかなど、とても興味深いラストでした。


ただ、黒幕であるはずのグリシャのデザインや口調に正直あまりカリスマ性がない気がするんですよね。頭部に軟体動物のようなものがくっついているという容姿もどちらかと言うコミカルに見えますし「死ね死ねー」という台詞も子どものようで、悪役ならではのかっこ良さが薄い気がします。敵の設定にも力を入れて欲しかったというのが本音です。

また、ラルフレッドが指を切り落として償おうとするシーンにも違和感がありました。死刑や指の切り落としが日常茶飯事だったとすると、国を治める立場のウルビダやその家族が無能だったということになってしまうんですよね。この辺りはシンプルに矛盾していると思います。

新たな真実も明かされましたし最後のシーンも印象的だったのですが、引っかかる部分が多いと感じたのも事実です。ラストに複数のキャラクターが現れたので、巻き返しに期待させていただきます。



アスミカケル


二兎と奈央のカラオケでの会話に惹き込まれました。あまり上手くない奈央の歌も気になりますw

そして、ずっと気になっていた奈央の大怪我の理由が判明したのも良かったです。必ずリベンジを遂げると誓う奈央の表情にグッと来ました。

彼女の過去を聞いたことで二兎の覚悟が決まる、という展開にも説得力がありました。二兎がフキダマリでの試合について素直に「気持ち良かったです」と答えているのも好印象でした。

終盤で他のキャラクター達が掘り下げられていたのも良かったです。意外と手段を選ばない祥太郎、負けず嫌いな亜弥子、結構スパルタな尊徳などそれぞれの個性が表れていますね。ラストの試合のポスターの描写も印象的でした。


ただ、正直奈央とオコメのやりとりには引っかかってしまいました。態度の悪いオコメも気になりましたが、格闘技について十分わかっているはずの奈央がタップもしないという展開も不自然では、と思ったんですよね。その後のオコメの対応もはっきり言って誠意が感じられず、正直どちらにも好感が持てないエピソードだったなと感じました。

そして、怪我についての描写も非常に多く、はっきり言って読者としては食傷気味なんですよね。タップしないことが原因の故障についてはつい最近描かれたばかりですし、正直新鮮味がないなと思ってしまいました。

試合に臨むキャラ達の心情などは良かったのですが、過去の描写に爽快感がなかったと感じたことも事実です。掲載順も回復していませんし、二兎と奈央のそれぞれの試合での巻き返しに期待させていただきます。



ツーオンアイス


ようやくペアを組めるようになったのに思わぬ壁にぶつかる、という展開に惹き込まれました。隼馬の反応もリアルで良いですね。「それも含めて~」という夏夜の台詞も印象的でした。

隼馬の目に映る今の綺更の姿も良いですね。特に「?」のときの表情にはドキッとしました。

終盤の展開には良い意味で驚きました。確かに夏夜の言う通り最高に気まずい状況ですねw


意外な描写や展開に惹き込まれて、一気に読めました。まずは哀れな男の詳細に期待させていただきますw



カグラバチ


神奈備と双城のバトルに惹き込まれました。コマ割りも分かりやすく、アクションシーンもかっこ良く印象的でした。

戦いのためにアドバイスを送るチヒロも良かったです。怪我で本格的には戦えない主人公をこういった部分で活かすというのは上手い使い方ですね。「喰らってください」という台詞が特に印象的でした。

チヒロの言葉を胸に双城の動きを抑える神奈備達の活躍にも惹き込まれました。それでも諦めていない双城が恐ろしいですね。

シャルを救うためチヒロがアジトに乗り込む終盤の展開も良かったです。チヒロも双城も妖刀のポテンシャルに思いを馳せている、というラストにも惹き込まれました。


少し気になったのは、チヒロの作戦が的確だった分神奈備達の有能さがいまいち分かりにくかったことです。全部チヒロの言った通りに動いているのは正直ちょっと拍子抜けでした。

チヒロからはあくまでも断片的な情報しか得ておらず、作戦は神奈備達が考える、などでも良かった気がします。神奈備のキャラ達については全容も判明していないので、ここで優秀な印象を強めておいたほうが作品も盛り上がった気がするんですよね。

全体的にはとにかくアクションシーンが印象的で、一気に読めました。神奈備達の戦い、チヒロの能力、この後の双城の動きなど続きが楽しみになる描写が多かったので、期待させていただきます。



つくも小町の年末(読み切り)


神社の新人宮司となった鈴子のキャラがとても可愛かったです。バタバタしながら一生懸命に仕事をこなす姿が何ともいじらしいですね。特に「皆の願いが~」というシーンの表情が良かったです。

つくも神達に協力して貰って年明けの祭りの準備を進めて行く、というストーリーもシンプルで分かりやすかったです。つくも神達のデザインもそれぞれ個性的で良いですね。

中でも扇のつくも神(おーちゃん)のキャラが好きです。鈴とは全く別の豪快な大人の女性で魅力的でした。


大きな山場のようなものはない作品でしたが、キャラクターがイキイキしており温かい気持ちになりました。本作は読み切りで完結しているかと思いますが、迫先生の作品を本誌でまた読んでみたいです。




りは「みんなが良い年を迎えられますように、という気持ちになる優しい読み切りでした。
人々の願いが星になるシーンも綺麗ですね」




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